土地収用法 第74条(残地補償)
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- 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用することに因つて、残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、その損失を補償しなければならない。
- 2.前項の規定による残地又は残地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額については、第七十一条及び第七十二条の例による。
この条文の基本情報
残地補償とは何ですか?
定義残地補償とは、土地収用法第74条に定められた規定で、「同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用することに因つて、残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、その損失を補償しなければなら…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第74条(残地補償)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第74条の条文原文は「同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用することに因つて、残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、その損失を補償しなければなら…」で始まります。
- 土地収用法第74条は第一節 収用又は使用に因る損失の補償に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第74条の前の条は土地収用法第73条です。
- 土地収用法第74条の次の条は土地収用法第75条です。
- 土地収用法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法74条は、一団の土地の一部を収用・使用したことで残地の価格が下がるなど損失が生じた場合、その損失を補償しなければならないと定める。
Q · 道路拡幅で土地の端だけ取られる場合、残った土地の値下がりも補償してもらえる?
もらえる。残地の値下がりは74条で補償対象
土地収用法74条1項により、同一の所有者に属する一団の土地の一部が収用・使用され、残地の価格が下がったり残地に関して損失が生じたりした場合、その損失は補償されます。補償額は71条・72条の例により、事業認定の告示時の価格を基準に物価変動を反映して算定します。道路ができて残地が便利になった分を差し引くことは90条で禁止されています。残地が従来の目的に使えないほどなら、76条の残地収用請求も検討できます。
解説
道路拡幅で削られるのは、あなたの土地の端の30平方メートルだけかもしれない。役所の用地担当者は、その30平方メートル分の単価を丁寧に説明してくれる。だが本当の損失は、削られずに残った側で起きている。間口が狭まって建て替えが難しくなる、形がいびつになって売りにくくなる、駐車場が2台から1台に減る。土地収用法74条は、残された土地(残地)の価値下落そのものも補償しなければならないと定めている。さらに90条は、道路ができて残地が便利になった分を損失から差し引くこと(相殺)を禁じている。補償額は71条の例により、事業認定の告示時の価格を基準に、物価変動を反映して算定する。提示書の内訳に「残地補償」の行がなければ、検討漏れか、あなたが言い出すのを待っているかのどちらかである。
法的な位置づけ
土地収用法74条は残地補償を定める規定であり、同一の土地所有者に属する一団の土地の一部が収用または使用されたことにより、残地の価格が減少し、その他残地に関して損失が生じる場合に、その損失を補償すべき旨を規定する。残地および残地に関する所有権以外の権利に対する補償額の算定は、同法71条および72条の例による。
手順
- 1.提示書の内訳で残地関連の行を確認 用地担当者から受け取った補償金提示書を開き、「土地代金」以外に「残地補償(74条)」「残地工事費(75条)」の項目があるかを確認する。面積×単価しか書かれていなければ、残地の検討が未了の可能性が高い
- 2.残地の支障を写真と図面で記録 間口・接道長さ、形状、高低差、駐車可能台数、日照、出入口の変化を現地で写真撮影し、収用前後の図面に書き込む。建築基準法上の接道要件を満たさなくなる場合は特に明記する
- 3.必要に応じて不動産鑑定士に残地減価を査定依頼 起業者の算定に疑問がある場合、不動産鑑定士に収用前の一団の土地と収用後の残地の価値差を独自に評価してもらい、対案の根拠とする
- 4.押印前に全補償項目を書面で確定 残地補償・工事費補償・残地収用請求(76条)の要否を含め、全項目の金額を書面で確定させてから売買契約に押印する。裁決手続に移った場合は、裁決書受領から6か月以内の出訴期限を管理する
よくある質問 AI による整理
Q1残地補償とは何ですか?
土地の一部が公共事業で収用・使用されたとき、残った土地(残地)の価格低下などの損失を補償する制度です。土地収用法74条が根拠です。
Q2残地補償はいくらもらえる?
収用前の一団の土地の価値と、収用後の残地の価値の差を基本に算定します。基準時は事業認定の告示時で、物価変動のみ反映されます(71条・74条2項)。
Q3用地買収の提示額に残地補償が入っていないのは違法?
任意買収の提示自体は直ちに違法ではありませんが、残地に損失があれば補償対象です。押印前に残地の支障を書面で示し、項目の追加を求めるべきです。
Q4残地補償 一団の土地 とは?
同一の所有者が一体として利用している土地のまとまりを指します。筆が分かれていても一体利用なら含まれうる一方、名義が異なると対象外とされるおそれがあります。
Q5道路ができて便利になったら残地補償は減額される?
減額されません。土地収用法90条は、事業の施行による利益と収用・使用による損失を相殺してはならないと明文で禁じています。
Q6残地補償と残地工事費補償は別にもらえる?
別項目です。価格低下等の損失は74条、残地に通路・塀・擁壁などを設ける工事費は75条で、それぞれ独立して補償されます。
Q7残地補償の額に不服がある場合はいつまでに訴える?
収用委員会の裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に、起業者を相手に損失補償の訴えを提起します(133条)。審査請求では補償額を争えません。
Q8残地補償金に税金はかかる?
残地補償金は一般に対価補償金として扱われ、要件を満たせば収用等の5,000万円特別控除(租税特別措置法33条の4)の対象になりえます。最新の取扱いは税務署等で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1削られるのは端っこだけなのに、残りの土地の値下がりまで払ってもらえるんですか?
払ってもらえる。74条1項は、同じ所有者の一団の土地の一部を収用したことで残地の価格が下がれば補償すると定めている。実務のポイント:「一団」かどうかは、登記の筆が分かれていても一体として使っていれば認められうる。逆に、親と子、個人と自分の会社のように名義が分かれていると対象外とされるおそれがある。交渉前に名義を必ず確認する
Q2残った土地が狭すぎて使えません。全部買い取ってもらえませんか?
残地を従来の目的に使うことが著しく困難になる場合、土地所有者は一団の土地全部の収用を請求できる(76条)。実務のポイント:任意買収の段階でも、起業者が残地の買取に応じることは珍しくない。「再建築できない」「車が入れない」といった客観的な証拠を揃えて示すと、話が一気に進みやすい
Q3裁決で決まった補償額に納得できません。どこに訴えればいいですか?
裁決書を受け取ってから6か月以内に、起業者を被告として損失補償の訴えを起こす(133条)。補償額への不服は審査請求の理由にできない(132条2項)。実務のポイント:額だけが不満なのに裁決の取消訴訟を選ぶと遠回りになる。行政事件訴訟法4条の当事者訴訟として、金額を直接争うのが本筋である
間違えやすい点 AI による整理
- 補償金は「取られた面積 × 単価」で決まると思われがちだが、それは計算の一部にすぎない。残地の減価(74条)、残地に塀や擁壁をつくり直す工事費(75条)、残地が使えなくなったときの全部買取請求(76条)が、それぞれ独立した項目として存在する。面積と単価しか書かれていない提示書は、まだ未完成である
- あなたから見れば、道路ができて家の前が便利になるのだから、残りの土地の値下がりまで言い出すのは欲張りに思える。だが法律は90条で、事業による利益と収用の損失を相殺することを明文で禁じている。遠慮して黙った人と主張した人とで、同じ土地なのに補償額が変わる。その差を生むのは法律ではなく、あなたの沈黙である
- 「収用されるまで粘れば値上がりするのでは」という問いの立て方そのものがずれている。補償額は事業認定の告示時の価格を基準に物価変動だけを反映して算定するので(71条、74条2項)、事業の評判で上がった地価は入らない。粘って争うべきなのは時期ではなく、漏れている補償項目である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 補償の対象 | 74条:残地の価格低下その他残地に関する損失 | 75条:残地に通路・溝・垣・擁壁等を設ける工事費 76条:使用困難な残地を含む一団の土地全部の収用請求 |
| 所有者の取得するもの | 残地を保有したまま減価分の金銭補償 | 残地を保有したまま工事費相当の金銭補償 残地も手放し、全部の収用補償を受ける |
| 主な要件 | 同一所有者の一団の土地の一部収用・使用+残地の損失 | 残地に通路・塀等の新築・改築等の工事が必要となること 残地を従来の目的に供することが著しく困難となること |
| 事業利益との関係 | 90条により事業利益との相殺は禁止 | 90条により事業利益との相殺は禁止 全部収用のため残地の便益は問題にならない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は接連土地の利用効能低下に対する相当補償と、残余地の一併徴収申請を別規定で用意しており、日本の74条・76条の組合せに近い構造
韓国は残地の価格減少と工事費を同一条文でまとめて補償する点で、日本の74条・75条を統合した形
ドイツは一部収用による残地の価値減少を「その他の財産上の不利益」として補償対象に含める
米国では部分収用における残地の減価を severance damages として扱い、事業利益との相殺可否は州ごとに異なる点で日本の90条と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県道拡幅で、店の前の駐車場が5台分から2台分に減ったらどうなる? 客足が落ちる分はどこに請求すればいいのか。残地の価値下落は74条、営業上の損失は通常受ける損失の補償(88条)。財布は別々なので、両方を並べて求められる
- 市役所の用地課に異動して2年目のあなた。地権者から「残った土地が三角形になって何も建たない」と詰め寄られた。残地補償で済ませるか、76条の残地収用請求を受けて全部買い取るか。判断を誤ると交渉がこじれ、事業全体のスケジュールが止まりかねない
- 田んぼの真ん中を、新しいバイパスが斜めに横切った。残った二つの田は、どちらも大型コンバインが回れない形になった。取られた面積よりも、この「回れない」が痛い
- 収用委員会の裁決書が届いてから5か月半が経った。残地補償の額に納得できないなら、残り半月のうちに起業者を相手に訴えを起こすしかない。審査請求(役所の上級機関に見直しを求める手続)では補償額を争えない(132条2項)。迷っている時間はもうない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提示書の内訳に「残地補償」「残地工事費(75条)」の行があるか確認する2. 残地の支障(間口、接道、形状、高低差、駐車台数、日照)を写真と図面で記録する3. 必要なら不動産鑑定士に残地の減価を独自に査定してもらい、対案として示す4. 使い物にならない土地なら76条の残地収用請求も検討する5. 押印前に全項目を確定させる。裁決になった場合、不服があれば133条の訴えを期限内に起こす
訴えられた側:起業者・用地担当の立場なら:1. 「一団の土地」の範囲を利用実態と名義から早めに確定する2. 減価の根拠を損失補償基準に沿って説明できる形で記録する3. 90条により事業利益との相殺は禁止なので、「残地が便利になる」を減額の理由にしない4. 残地収用請求の要件に当たるかを検討し、全部買い取るほうが総額や工期の面で合理的か比較する5. 裁決後の訴えに備え、算定資料を保存する
時効(請求できる期限):収用委員会の裁決のうち損失補償に関する訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内(土地収用法133条2項)。補償額への不服は審査請求の理由にできない(132条2項)。任意買収の場合は、売買契約の締結時が事実上の最終期限となる
学説
通説:74条の「その他残地に関して損失」は価格低下に限らず、利用効率の低下や営業上の支障など残地に生じる不利益を広く含むと解され、完全補償の観点から算定すべきとされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定により、残地補償の規定が置かれた
- 土地収用法 第71条事業認定告示時基準の価格算定方法
- 土地収用法 第75条残地の工事費用の補償
- 土地収用法 第76条残地が使えない場合の全部収用請求
- 土地収用法 第90条事業利益と損失の相殺禁止
- 土地収用法 第133条損失補償に関する訴えと出訴期間
- 行政事件訴訟法 第4条補償額を争う当事者訴訟の訴訟類型
- 租税特別措置法 第33条の4収用補償金の5000万円特別控除
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