土地収用法 第1条(この法律の目的)
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この法律は、公共の利益となる事業に必要な土地等の収用又は使用に関し、その要件、手続及び効果並びにこれに伴う損失の補償等について規定し、公共の利益の増進と私有財産との調整を図り、もつて国土の適正且つ合理的な利用に寄与することを目的とする。
この条文の基本情報
この法律の目的とは何ですか?
定義この法律の目的とは、土地収用法第1条に定められた規定で、「この法律は、公共の利益となる事業に必要な土地等の収用又は使用に関し、その要件、手続及び効果並びにこれに伴う損失の補償等について規定し、公共の利益の増進と私有財産…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第1条(この法律の目的)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第1条の条文原文は「この法律は、公共の利益となる事業に必要な土地等の収用又は使用に関し、その要件、手続及び効果並びにこれに伴う損失の補償等について規定し、公共の利益の増進と私有財産…」で始まります。
- 土地収用法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第1条の次の条は土地収用法第2条です。
- 土地収用法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法1条は、公共事業に必要な土地等の収用・使用について要件・手続・効果と損失補償を定め、公共の利益と私有財産との調整を図ることを目的とする規定である。
Q · 土地収用法って、国が土地を取り上げるための法律なんですか?
取り上げる法律ではなく、公益と財産を調整する法律
土地収用法1条は、この法律の目的を「公共の利益の増進と私有財産との調整」と定めています。収用は、事業認定(20条)で公益性を審査し、収用委員会が裁決し、損失補償(68条以下)で財産価値の差を埋めるという段階を踏んで進みます。所有者の同意がなくても権利は移りますが、事業認定の適法性と補償額は、それぞれの段階で争うことができます。
解説
国が「公共のため」と言えば土地を自由に取り上げられる。そう考えているなら、半分しか当たっていない。土地収用法1条は、この法律の役目を「公共の利益の増進と私有財産との調整」と自ら定めている。取り上げるための法律ではなく、両者を調整するための法律だということだ。だから収用は順番に進む。まず起業者(道路や鉄道を造る事業の主体)が事業認定を受ける。これは国土交通大臣または都道府県知事が「この事業には収用を認めるだけの公益性がある」と認める判断である。次に、都道府県の収用委員会が裁決(権利をいつ、いくらで移すかを決める正式な判断)を下す。もう一つ重いのは、1条が要件・手続・効果と並べて「損失の補償」を明記している点である。憲法29条3項の「正当な補償」を具体化しているのがこの法律だ。最高裁(最判昭和48.10.18)も、土地収用法上の補償は収用の前後で財産価値が等しくなる完全な補償でなければならないと判断した。立ち退きの話が来たとき、問うべきは「拒めるか」ではない。「どの段階で、何を主張できるか」である。
法的な位置づけ
土地収用法1条は同法の目的規定であり、公共の利益となる事業に必要な土地等の収用または使用について、要件・手続・効果および損失補償を定めることにより、公共の利益の増進と私有財産との調整を図り、国土の適正かつ合理的な利用に寄与することを目的とする旨を定める。憲法29条3項を具体化する法律の基本方針を示す。
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用法とは何ですか?
道路や河川などの公共事業に必要な土地を、所有者の同意がなくても取得できる手続と、その損失補償を定めた法律です。目的は公益と私有財産の調整です(1条)。
Q2土地収用 拒否できる?
事業認定と収用委員会の裁決が適法に行われれば、同意がなくても権利は移ります。拒否はできませんが、事業認定の適法性と補償額はそれぞれ争えます。
Q3土地収用の流れは?
任意買収の交渉、事業認定(20条)とその告示、収用委員会への裁決申請、権利取得裁決・明渡裁決、補償金の支払いという順で進みます。
Q4土地収用 補償金 いくら?
原則として事業認定の告示時点の価格に、物価変動の修正率を掛けて算定します(71条)。土地代のほか、建物の移転料や営業補償なども対象です。
Q5土地収用 補償額 不服 いつまで?
補償額だけを争う訴えは、裁決書の正本を受け取った日から6か月以内に、起業者を被告として起こす必要があります(133条)。
Q6土地収用法 目的 何条?
1条です。公共の利益となる事業に必要な土地等の収用・使用について定め、公共の利益の増進と私有財産との調整を図ることを目的としています。
Q7土地収用 憲法29条 関係は?
憲法29条3項は「正当な補償」のもとで私有財産を公共のために用いることを認めます。土地収用法は、その要件と手続、補償の内容を具体化した法律です。
Q8土地収用 できる事業は?
道路、河川、鉄道、学校、病院など、3条に列挙された公共事業に限られます。列挙されていない事業のために収用することはできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1道路拡幅で立ち退いてほしいと言われたんですが、絶対に応じなきゃいけないんですか?
任意交渉の段階なら、売るかどうかはあなたが決めてよい。ただし交渉がまとまらず、事業認定(土地収用法20条)と収用委員会の裁決を経れば、同意がなくても権利は移る。1条の「調整」とは、拒否権ではなく補償と手続で調整するという意味である。実務のポイント:収用委員会は、当事者が申し立てた範囲を超えて補償額を裁決できない(48条3項)。自分の主張額とその根拠を書面で出していなければ、上限を自分で低く設定したのと同じことになる
Q2目的条文なんて、実際の争いで何かの役に立つんですか?
1条そのものが請求の根拠になるわけではないが、解釈の物差しとしては効いてくる。事業認定の要件である20条3号は1条と同じ言葉を使っている。日光太郎杉事件(東京高判昭和48.7.13)では、失われる文化的・景観的な価値を十分に考慮していないとして、事業認定が違法とされた。実務のポイント:取消訴訟で攻めどころになるのは結論そのものより、代替案や考慮すべき価値をきちんと比較したかという判断過程である
間違えやすい点 AI による整理
- 「収用は拒否できるのか」と考える人が多いが、そもそも問いの立て方がずれている。事業認定と裁決が適法に積み重なれば、所有者が同意しなくても権利は移る。争える場面は、事業認定が適法か(公益性と利益衡量)と、補償額が妥当かの二つに分かれ、争い方も期限もそれぞれ違う。本当に問うべきは拒否できるかではなく、どの段階で何を争うかである
- 補償が出ることは知っていても、その金額が事業認定の告示時点でほぼ固定されることまで知っている人は少ない。71条は、告示時点の価格に物価変動の修正率を掛けて補償額を算定する仕組みである。周辺が再開発で値上がりしても、その上昇分は原則として反映されない。最高裁(最判平成14.6.11)は、この仕組みを憲法29条3項に反しないと判断している
- 住民の側から見れば「行政が一方的に土地を奪う手続」に見える。しかし法律の側から見ると、収用は任意買収が行き詰まったときの最後の手段であり、実際の公共用地取得の大半は任意の売買契約で終わっている。この見え方の違いを知らないと、最終的な補償の中身を大きく左右する任意交渉の段階を、ただ待つだけで過ごしてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 土地収用法1条:法律全体の目的(公益と私有財産の調整)を宣言 | 土地収用法20条:事業認定の4要件を定める 土地収用法71条:補償額の算定基準を定める |
| 直接の請求根拠になるか | ならない(解釈の物差しとして機能) | 事業認定取消訴訟で要件充足を争う根拠になる 補償額増額訴訟(133条)で算定を争う根拠になる |
| キーワードの連動 | 「国土の適正且つ合理的な利用」 | 3号「土地の適正且つ合理的な利用に寄与する」と同じ言葉を使う 事業認定告示時の価格に物価変動修正率を掛ける |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も立法目的に公益と私有財産の保障を併記する。補償は市価を基準とする点で、告示時固定の日本とは算定方式が異なる
韓国は任意取得(協議)と収用を一つの法律で統合して規律し、目的規定に公共の福祉と財産権の適正な保護を掲げる
ドイツ基本法は、補償の方法と程度を定める法律に基づかなければ収用できないと定める(Junktimklausel)
米国は「public use」と「just compensation」を憲法上の要件とする。公共用途の範囲は州法と判例により解釈が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家の前の県道が拡幅されることになり、県の用地担当者が「ご協力をお願いします」と言って提示額の書類を置いていった。この段階はまだ任意買収であり、収用ではない。提示額は起業者側が損失補償の基準に沿って査定した数字にすぎない。建物の移転料、営業補償、仮住まいの費用などの項目は、交渉で一つずつ確認していく余地がある。ただし話がまとまらなければ、事業認定、収用委員会の裁決へと手続が進む
- 収用委員会の裁決書が届いたが、補償額に納得できない。どうすればいい? 金額だけを争う訴えは、裁決書の正本を受け取った日から6か月以内に、起業者を被告として起こさなければならない(土地収用法133条)。国土交通大臣への審査請求では、補償額への不満を理由にできない(同132条2項)。期限は書類を受け取った日から進んでいる
学説
完全補償説:収用に伴う補償は、被収用者が収用前と同等の生活・財産状態を回復できる額であるべきとする立場。土地収用法上の補償について最判昭和48.10.18が採用した。
相当補償説:憲法29条3項の「正当な補償」は、その当時の経済状態で合理的に算出された相当な額で足り、市場価格と常に一致する必要はないとする立場。農地改革をめぐる最高裁大法廷判決(昭和28年)が採用した。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:日本国憲法の下で現行土地収用法を制定。明治期の旧法を全面的に改め、目的規定に公共の利益と私有財産との調整を掲げた
- 2.昭和42年(1967年) 改正:補償額を事業認定の告示時の価格に固定し、物価変動の修正率を掛ける算定方式(71条)を導入。開発利益の補償への混入を防ぐ趣旨
- 3.平成13年(2001年) 改正:事業認定手続に事前説明会、公聴会、第三者機関の意見聴取などを導入し、手続の透明性を強化
- 土地収用法 第3条収用できる公共事業の限定列挙
- 土地収用法 第20条事業認定の要件、目的規定の具体化
- 土地収用法 第68条起業者の損失補償義務
- 土地収用法 第71条事業認定告示時を基準とする補償算定
- 土地収用法 第133条裁決及び補償額を争う訴えと出訴期間
- 都市計画法 第69条都市計画事業を収用適格事業とみなす特則
- 公共用地の取得に関する特別措置法 第1条特定公共事業の収用手続を迅速化する特則
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