土地収用法 第31条(手続の保留)
クイックジャンプ
起業者は、起業地の全部又は一部について、事業の認定後の収用又は使用の手続を保留することができる。
この条文の基本情報
手続の保留とは何ですか?
定義手続の保留とは、土地収用法第31条に定められた規定で、「起業者は、起業地の全部又は一部について、事業の認定後の収用又は使用の手続を保留することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第31条(手続の保留)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第31条の条文原文は「起業者は、起業地の全部又は一部について、事業の認定後の収用又は使用の手続を保留することができる。」で始まります。
- 土地収用法第31条は第二節 収用又は使用の手続の保留に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第31条の前の条は土地収用法第30条の2です。
- 土地収用法第31条の次の条は土地収用法第32条です。
- 土地収用法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法31条は、起業者が事業認定後、起業地の全部又は一部について収用・使用の手続を保留できると定める。保留した場合、告示から3年以内に手続開始を申し立てないと事業認定は失効する。
Q · 事業認定の後、土地収用の手続を止めたままにしておくことはできるの?
計画中止とは限らず、手続が最長3年保留されている可能性があります
土地収用法31条により、起業者は事業の認定後、起業地の全部又は一部について収用・使用の手続を保留できます。保留するには事業認定の申請と同時に申し立てる必要があります(32条)。保留した区域については、事業認定の告示から3年以内に手続開始を申し立てなければ、事業認定は効力を失います(34条の6)。保留中も事業認定の効力は続くため、土地の形質変更の制限(28条の3)などは及びます。
解説
道路や鉄道の計画地に自宅が入っているのに、事業認定の告示が出てから何年たっても役所が来ない。そんなことは珍しくない。土地収用法31条は、起業者(道路・ダム・鉄道などの事業を行う国・自治体・鉄道会社など)が、事業の認定を受けた後も、起業地の全部または一部について収用・使用の手続を先送りできると定めている。用地交渉や工事の順番に合わせて、手続を進める時期を起業者が選べる仕組みである。ただし、先送りできる期間には限りがある。保留するには事業認定の申請と同時に申し立てる必要があり(32条)、事業認定の告示から3年以内に手続開始を申し立てなければ、事業認定そのものが効力を失う(34条の6)。つまり、宙ぶらりんの状態には法律上の締切がある。自分の土地がどの段階にあるかを官報や都道府県の告示で確認できる人と、役所からの連絡を待つだけの人では、交渉の準備にかけられる時間がまったく違う。
法的な位置づけ
手続の保留とは、土地収用法31条に基づき、起業者が事業の認定を受けた後、起業地の全部又は一部について、土地調書の作成や裁決申請などの収用・使用の手続を一時的に進めずにおく制度である。保留は事業認定の申請と同時に申し立てる必要があり(32条)、事業認定の告示から3年以内に手続開始を申し立てなければ事業認定は効力を失う(34条の6)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事業認定の告示日と保留の有無を確認 官報(国土交通大臣認定)または都道府県公報(知事認定)で、事業認定の告示日と、自分の土地が手続保留の対象区域に含まれるかを確認する。不明な点は起業者の用地担当窓口に文書で照会する
- 2.3年の期限をカレンダーに記録 告示日から3年後の日付を計算して記録し、手続開始の告示が出ていないか定期的に確認する。期限を過ぎて手続開始の申立てがなければ事業認定は失効する(34条の6)
- 3.補償項目の資料を先に整える 建物・工作物・設備・営業の実態を写真、図面、帳簿で記録しておく。手続開始後の起業者側調査で漏れがあった場合に指摘する根拠になる
- 4.工事・改築の前に許可の要否を確認 保留中でも事業認定の告示後は、起業地の形質変更や工作物の新築・改築に知事の許可が必要となる(28条の3)。着工前に役所へ文書で確認する
- 5.手続開始の告示後は専門家に相談 手続開始の告示が出たら、土地調書への署名、補償金の支払請求(46条の2)、裁決申請請求などの選択肢について、弁護士や不動産鑑定士に早めに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用法の「手続の保留」とは?
事業認定後も、起業者が起業地の全部又は一部について収用・使用の手続を一時的に進めずにおける制度です。土地収用法31条が根拠です。
Q2手続を保留した事業認定はいつ失効する?
事業認定の告示から3年以内に手続開始の申立てがなければ、期間満了日の翌日から将来に向かって効力を失います(34条の6)。
Q3事業認定の告示はどこで確認できる?
国土交通大臣が認定した事業は官報、都道府県知事が認定した事業は都道府県の公報で告示されます。告示日が期限計算の起点になります。
Q4手続開始の告示とは?
保留されていた区域について起業者が手続開始を申し立てた後に行われる告示です(34条の3・34条の4)。この告示以降、土地調書の作成などが進みます。
Q5保留中に補償金の支払請求はできる?
保留区域では、手続開始の告示があるまで補償金の支払請求(46条の2)はできないとされます。手続開始後に請求の可否と時期を確認しましょう。
Q6起業者の手続保留を地権者は拒否できる?
保留そのものを拒否する手続は条文上ありません。ただし事業認定の段階で意見書を提出でき(25条)、事業認定を取消訴訟で争う余地もあります。
Q7保留期間の3年を過ぎたらどうなる?
事業認定が効力を失い、その区域は収用できなくなります。失効で損失を受けた地権者は、起業者に損失補償を求める余地があります(92条)。
Q8保留区域の土地は売却できる?
売却自体は可能ですが、事業認定は有効なままなので買い手が付きにくくなります。起業者による任意買収の可能性も含めて検討するのが現実的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1事業認定の告示が出てから何年も音沙汰がないんですが、計画は中止になったんですか?
必ずしもそうではない。起業者が31条に基づいて手続を保留している可能性がある。その場合でも事業認定は有効で、告示から3年以内に手続開始が申し立てられれば手続は再び動く(34条の6)。実務のポイント:用地担当者が最初に接触してくるのは、手続開始の告示より前の任意交渉の段階であることが多い。告示の日付を自分で押さえておけば、最初の提示額をそのまま受け入れずに済む
Q2保留されている間に、家を建て替えたり増築したりしてもいいんですか?
事業認定の告示後は、起業地で土地の形質を変更したり、工作物を新築・改築・増築したりするには、原則として都道府県知事の許可が必要となる(28条の3)。許可なく行った工事について、損失の補償を請求できない場合がある。実務のポイント:老朽化への対応や安全確保に必要な修繕であれば許可されることもある。工事に着手する前に、許可の要否を役所に文書で確認しておくのが安全である
間違えやすい点 AI による整理
- 役所から何も言ってこないのは、計画が立ち消えになったからだと考える人は多い。しかし手続が保留されているだけなら、事業認定は生きている。手続開始の告示が出れば、土地調書の作成や裁決申請まで一気に進むことがある。沈黙は中止を意味せず、むしろ準備期間であることが多い
- 「保留中なら事業認定の影響は受けない」と考えるのは誤りである。事業認定の告示後は、土地の形質変更に知事の許可が必要となるなどの制約がかかる(28条の3)。補償金を算定する基準時が事業認定の告示時に固定される扱い(71条)も問題になる。保留されても、地権者の時計はすでに動いている(最新の改正状況と、実際の事案での運用をご確認ください)
- 起業者が手続を保留できるのは、事業認定の申請と同時に申し立てた場合に限られ、手続開始の申立ての期限は事業認定の告示から3年である。この期限を過ぎれば、事業認定は将来に向かって効力を失う(34条の6)。保留は起業者の都合で使える便利な制度に見えるが、実は起業者自身にも重い締切を課している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 31条:事業認定後の収用・使用手続を保留できる | 32条:保留の申立ては事業認定の申請と同時 34条の6:3年内に手続開始申立てなければ失効 |
| 失効までの期間 | 保留した区域:告示から3年(34条の6) | 保留しない区域:告示から1年以内に裁決申請(29条) — |
| 地権者への影響 | 手続は止まるが事業認定の効力は存続 | 28条の3:告示後の形質変更等に知事の許可が必要 34条の6:期限徒過で事業認定は将来に向かって失効 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徴収計画の核准後に徴収手続が進む構造で、日本の手続保留に直接対応する明文制度は確認できていない(要確認)
韓国も事業認定後一定期間内に裁決申請がなければ事業認定が失効する仕組みを持ち、日本の29条に近い構造とされる(要確認)
ドイツの公用収用は連邦建設法典と州収用法で規律され、日本の事業認定・手続保留とは手続構造が異なる
米国は正当な補償を条件に eminent domain を認め、具体的手続は州法ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 祖父から相続した畑が、バイパスの起業地に入っていると近所の人から聞いた。事業認定の告示は2年前に出ているのに、測量の連絡も補償の話もまったくない。手続が保留されている可能性があり、その場合は告示から3年の締切まで残り1年を切っている。今のうちに告示の内容と保留の範囲を確認しておかないと、手続開始の告示が出た瞬間から一気に話が進む
- 保留区域内の空き家を売ろうとしたら、不動産業者に「この土地は事業認定済みで、いずれ収用される可能性がある」と言われ、買い手が見つからない。保留されていても、事業認定の告示による制約が消えるわけではない。売るか、収用されるのを待って補償を受けるか、判断を迫られている
- もしあなたが自治体の用地担当者で、事業区間の東側だけを先に進めたいとしたら、どうするか。事業認定の申請と同時に西側の保留を申し立てておけば、西側は3年以内に手続開始を申し立てればよい。ただし、その期限を一日でも過ぎれば、事業認定全体の効力が問題になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 都道府県または国土交通省の告示で、事業認定の告示日と、自分の土地が手続保留の対象かどうかを確認する2. 告示日から3年の期限を計算し、手続開始の告示が出たかを定期的に確認する3. 保留期間中に建物・設備・営業実態を写真や帳簿で記録し、補償項目の資料をそろえる4. 手続開始後は補償金の支払請求(46条の2)などの手段を視野に入れ、早めに弁護士や不動産鑑定士へ相談する
訴えられた側:起業者側の立場でまず確認すべきは期限管理である。1. 保留の申立ては事業認定の申請と同時でなければならない(32条) 2. 告示から3年以内に手続開始を申し立てないと事業認定が失効する(34条の6)ため、区域ごとに期限を管理する3. 長期の保留は地権者の不信と反対運動を招きやすい。保留区域の地権者にも見通しを定期的に説明しておくと、後の任意買収が進めやすくなる
時効(請求できる期限):手続を保留した場合、事業認定の告示があった日から3年以内に手続開始の申立てをしなければ、期間満了日の翌日から事業認定は効力を失う(34条の6)。保留しない場合は、告示から1年以内に裁決申請をしなければ失効する(29条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
立法趣旨に関する一般的理解:長大な線的事業で全区間の収用手続を同時に進める負担を避け、事業の段階的施行を可能にする制度とされる。他方で、地権者を長期間不安定な地位に置かないよう、申立時期の限定(32条)と3年の失効期限(34条の6)で歯止めがかけられている
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める