土地収用法 第36条(土地調書及び物件調書の作成)
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- 第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者は、土地調書及び物件調書を作成しなければならない。
- 2.前項の規定により土地調書及び物件調書を作成する場合において、起業者は、自ら土地調書及び物件調書に署名押印し、土地所有者及び関係人(起業者が過失がなくて知ることができない者を除く。以下この節において同じ。)を立ち会わせた上、土地調書及び物件調書に署名押印させなければならない。
- 3.前項の場合において、土地所有者及び関係人のうち、土地調書及び物件調書の記載事項が真実でない旨の異議を有する者は、その内容を当該調書に附記して署名押印することができる。
- 4.第二項の場合において、土地所有者及び関係人のうちに、同項の規定による署名押印を拒んだ者、同項の規定による署名押印を求められたにもかかわらず相当の期間内にその責めに帰すべき事由によりこれをしない者又は同項の規定による署名押印をすることができない者があるときは、起業者は、市町村長の立会い及び署名押印を求めなければならない。この場合において、市町村長は、当該市町村の職員を立ち会わせ、署名押印させることができる。
- 5.前項の場合において、市町村長が署名押印を拒んだときは、都道府県知事は、起業者の申請により、当該都道府県の職員のうちから立会人を指名し、署名押印させなければならない。
- 6.前二項の規定による立会人は、起業者又は起業者に対し第六十一条第一項第二号又は第三号の規定に該当する関係にある者であつてはならない。
この条文の基本情報
土地調書及び物件調書の作成とは何ですか?
定義土地調書及び物件調書の作成とは、土地収用法第36条に定められた規定で、「第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者は、土地調書及び物件調書を作成しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第36条(土地調書及び物件調書の作成)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第36条の条文原文は「第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者は、土地調書及び物件調書を作成しなければならない。」で始まります。
- 土地収用法第36条は第一節 調書の作成に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第36条の前の条は土地収用法第35条です。
- 土地収用法第36条の次の条は土地収用法第36条の2です。
- 土地収用法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法36条は、事業認定の告示後に起業者が土地調書・物件調書を作成し、所有者と関係人を立ち会わせ署名押印させると定める。異議は調書に附記できる。
Q · 収用の立会いで調書にサインしたら、収用に同意したことになるの?
同意ではない。異議を書き添えてから署名できる
土地収用法36条の土地調書・物件調書は、土地や物件の現況と権利関係を記録する書類であり、収用への賛成や補償額への合意を意味しません。記載に誤りがあれば、その内容を調書に附記して署名押印できます(36条3項)。附記せずに署名すると、後から記載が真実でないことを自分で立証しない限り異議を述べられなくなります(38条)。署名を拒んでも、市町村長などの代替立会いで調書は完成します(同条4項・5項)。
解説
立会いの日に用地担当者が差し出す一枚の書類は、ただの確認票ではない。土地収用法36条は、事業認定の告示(26条1項)の後、起業者(道路や鉄道などの事業を行う国、自治体、会社)が土地調書と物件調書を作り、土地所有者と関係人を立ち会わせて署名押印させると定める。関係人には借地人や借家人、抵当権者も含まれる(8条3項)。問題はそのサインの重さだ。記載に納得できないなら、その場で異議の内容を調書に書き添えて署名できる(3項)。これをせずに署名すると、後から「面積が違う」「庭木が漏れている」と言っても、記載が真実でないことを自分で立証しない限り異議を述べられなくなる(38条)。署名を拒めば手続が止まるわけでもない。市町村長、さらに都道府県知事が指名する職員が代わりに立ち会い、調書は完成する(4項、5項)。拒むより、異議を書いてから署名する。この順番を知っているかどうかで、補償をめぐる争いの足場が変わる。
法的な位置づけ
土地収用法36条は、事業認定の告示後に起業者が作成する土地調書及び物件調書の作成手続を定める規定である。起業者自身の署名押印、土地所有者及び関係人の立会いと署名押印、記載事項に対する異議の附記、署名押印を拒む者等がある場合の市町村長又は都道府県知事が指名する職員による代替立会い、並びに立会人の欠格事由を定める。
手順・フロー
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手順
- 1.自分の立場と対象物件を確認する 事業認定の告示を確認し、自分が土地所有者か、借地人・借家人・抵当権者などの関係人(8条3項)かを整理する。対象となる土地と物件の範囲も把握する
- 2.照合用の手元資料をそろえる 測量図、建物図面、樹木や工作物・設備の写真、賃貸借契約書などを集め、調書の記載と一行ずつ照合できる状態にしておく
- 3.立会い当日に調書を一行ずつ照合する 地積、地目、物件の種類と数量、権利者の記載を手元資料と照らし合わせる。分からない箇所は起業者側に説明を求め、その場で判を押さない
- 4.異議を附記してから署名押印する 記載が真実でないと考える箇所は、異議の内容と根拠資料名を調書に書き添えてから署名押印する(36条3項)。附記がないと38条により後から自分で立証する負担を負う
- 5.裁決手続で意見書を提出する 裁決申請後の縦覧期間中に、収用委員会へ意見書を提出し、附記した異議の内容を補強する
よくある質問 AI による整理
Q1土地調書とは何ですか?
収用する土地の所在、地番、地目、面積や権利者などを記録する書類です。事業認定の告示後に起業者が作成し、土地所有者と関係人が立ち会って署名押印します(土地収用法36条・37条)。
Q2物件調書には何が書かれますか?
土地の上にある建物、工作物、立木などの物件の種類や数量、所有者などが記載されます(37条)。記載漏れがあれば立会いの場で異議を附記できます。
Q3収用の立会いに都合がつかず行けない場合はどうなりますか?
相当の期間内に署名押印しない者や、署名押印できない者がいる場合、起業者は市町村長の立会いと署名押印を求めます(36条4項)。本人不在のまま調書が完成しうるため、日程調整を申し出るのが得策です。
Q4借家人やテナントも収用の立会いの対象になりますか?
なります。借家人や借地人、抵当権者などは「関係人」(8条3項)にあたり、土地所有者と並んで立会いと署名押印を求められます。
Q5収用の調書への署名を拒否するとどうなりますか?
手続は止まりません。起業者は市町村長に立会いを求め、市町村長も拒めば都道府県知事が職員を立会人に指名します(36条4項・5項)。自分の異議が調書に残らない結果になりやすい点に注意が必要です。
Q6市町村長の代わりに立ち会う職員は誰でもいいのですか?
起業者本人や、起業者と一定の利害関係にある者(61条1項2号・3号に該当する関係)は立会人になれません(36条6項)。公正さを担保するための制限です。
Q7署名した後で調書の記載に異議を述べることはできますか?
できますが、異議を附記していなければ、記載が真実でないことを自分で立証しなければなりません(38条)。立証責任が自分に移るため、附記のほうが有利です。
Q8土地調書はいつ作成されますか?
事業認定の告示(26条1項)の後に作成されます。告示から1年以内に裁決申請をしないと事業認定は失効する(29条1項)ため、その期間内に作成が進みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調書にサインしたら、収用に同意したことになっちゃいますか?
ならない。調書は土地と物件の現況、権利関係を記録する書類であり、事業への賛否や補償額への合意とは別物である(36条、37条)。事業に反対したまま署名することもできる。実務のポイント:反対の意思表示として署名拒否を貫くと、市町村職員の立会いで調書が完成し、自分の異議が一行も残らない結果になりやすい。反対の立場は維持したまま、異議を書いて署名するという選択肢がある
Q2調書に書かれた面積が手元の測量図と違うんだけど、どうすればいい?
その場で異議の内容を調書に附記してから署名押印する(36条3項)。附記がなければ、後から記載が真実でないことを自分で立証しない限り異議を述べられない(38条)。実務のポイント:異議には「面積が違う」と書くだけでなく、根拠となる資料名(例:確定測量図の作成年月日)まで書き込む。そうすれば収用委員会の審理で、調書と並べて読まれる材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば署名は「立ち会った」という証明にすぎないが、法律から見れば記載内容を争う機会を一度使った記録になる。38条により、異議を附記せずに署名すると、記載が真実でないことを自分で立証しない限り異議を述べられない。この認識のずれが、そのまま補償額の差になって返ってくる
- 署名を拒否すれば収用を遅らせられると思われがちだが、4項と5項は拒否を最初から想定して代替ルートを用意している。拒否で稼げるのはせいぜい数週間から数か月であり、失うのは自分の言い分を調書に残す機会である
- 「売るか売らないか」をこの場で決めるのだと身構える人が多いが、その問いの立て方自体がずれている。調書は土地や物件の現況と権利関係を記録する書類であり、価格の合意書でも明渡しの承諾書でもない。問うべきは「署名するか」ではなく「何をどこまで正確に書かせるか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 36条:調書の作成、立会い、署名押印、異議附記、代替立会い | 37条:土地調書・物件調書に記載すべき事項 38条:異議を附記しない調書記載の効力 |
| 権利者にとっての意味 | 立会いの場で異議を調書に残す機会 | 何が記載されるべきかを照合する基準 附記がなければ立証負担が自分に移る |
| 起業者にとっての意味 | 署名拒否があっても代替立会いで手続を進められる | 記載事項の漏れは手続の瑕疵になりうる 附記のない記載は争われにくくなる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも徵收前に土地と土地改良物の調査を行い、所有権者等への通知と公聴会の手続が置かれる。調書への異議附記と立証負担の結びつきは日本ほど明確な条文構造をとらない
韓国も土地調書・物件調書を作成し所有者等の署名押印を求める構造で、日本の制度と類似性が高い
米国の連邦用地取得では、評価時に所有者が評価人に同行する機会を与えることが求められ、現況把握の場への参加という点で趣旨が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし用地担当者に「形式的なものなので、ここにサインだけお願いします」と言われたら、どうする? 物件調書に倉庫の機械や井戸が載っていないのに黙って署名すれば、「物件はこれだけ」と認めた記録になりうる。欄外に異議の内容を書き添えてから判を押すのが筋である
- あなたは道路拡幅事業で起業者側の用地担当をしている。所有者は反対運動の中心にいて署名を拒み続けている。事業認定の告示から1年以内に裁決申請をしなければ事業認定は効力を失う(29条1項)。相当の期間を置いて署名を求めた経緯を書面に残し、市町村長に立会いを求める4項の手続に移る。焦って手順を省けば、後の裁決の段階で手続の瑕疵(手続上の欠陥)を争われる余地を残す
- 祖父名義のまま相続登記をしていない土地が収用の対象になった。起業者が過失なく知りえない相続人と扱われれば、あなたの立会いがないまま調書は完成しうる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事業認定の告示を確認し、自分が土地所有者か関係人(借地人、借家人、抵当権者など)かを整理する2. 立会い前に登記簿、測量図、契約書、物件の写真を準備する3. 当日は地積、地目、物件の種類と数量を一行ずつ照合し、違っていれば異議の内容を附記してから署名押印する(36条3項) 4. 裁決申請後の縦覧期間中に、収用委員会へ意見書を出す(42条、63条)
訴えられた側:1. 立会い対象者を登記、戸籍、現地調査で洗い出し、「過失なく知りえない」と言えるだけの調査記録を残す2. 署名を拒まれたら、相当の期間を置いて再度求めた経緯を書面にしてから市町村長に立会いを求める(4項) 3. 市町村長も拒めば、都道府県知事に立会人の指名を申請する(5項) 4. 立会人が起業者側と利害関係のある者でないことを確認する(6項)。手続の穴は、後の裁決をめぐる争いで突かれる
時効(請求できる期限):本条自体に期限はないが、事業認定の告示から1年以内に裁決申請をしないと事業認定は失効する(29条1項)ため、調書の作成はその期間内に進む。異議の附記は署名押印の時点で行う。収用委員会の裁決に関する訴えは裁決書正本の送達を受けた日から3か月以内、損失補償に関する訴えは6か月以内に起こす必要がある(133条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:調書は収用委員会の審理の基礎資料であり、異議を附記しない記載には38条により事実上の推定に近い効力が生じる。そのため立会いと異議附記の機会の保障は、補償をめぐる争いにおける手続保障の中核と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:土地収用法の制定に伴い、事業認定後の土地調書・物件調書の作成と土地所有者・関係人の立会い手続を定める規定として設けられた
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