土地収用法 第37条(土地調書及び物件調書の記載事項)
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- 第三十六条第一項の土地調書には、収用し、又は使用しようとする土地について、次に掲げる事項を記載し、実測平面図を添付しなければならない。
- 一土地の所在、地番、地目及び地積並びに土地所有者の氏名及び住所
- 二収用し、又は使用しようとする土地の面積
- 三土地に関して権利を有する関係人の氏名及び住所並びにその権利の種類及び内容
- 四調書を作成した年月日
- 五その他必要な事項
- 2.第三十六条第一項の物件調書には、収用し、又は使用しようとする土地にある物件について、次に掲げる事項を記載しなければならない。
- 一物件がある土地の所在、地番及び地目
- 二物件の種類及び数量並びにその所有者の氏名及び住所
- 三物件に関して権利を有する関係人の氏名及び住所並びにその権利の種類及び内容
- 四調書を作成した年月日
- 五その他必要な事項
- 3.物件が建物であるときは、前項に掲げる事項の外、建物の種類、構造、床面積等を記載し、実測平面図を添附しなければならない。
- 4.土地調書及び物件調書の様式は、国土交通省令で定める。
この条文の基本情報
土地調書及び物件調書の記載事項とは何ですか?
定義土地調書及び物件調書の記載事項とは、土地収用法第37条に定められた規定で、「第三十六条第一項の土地調書には、収用し、又は使用しようとする土地について、次に掲げる事項を記載し、実測平面図を添付しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第37条(土地調書及び物件調書の記載事項)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第37条の条文原文は「第三十六条第一項の土地調書には、収用し、又は使用しようとする土地について、次に掲げる事項を記載し、実測平面図を添付しなければならない。」で始まります。
- 土地収用法第37条は第一節 調書の作成に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第37条の前の条は土地収用法第36条の2です。
- 土地収用法第37条の次の条は土地収用法第37条の2です。
- 土地収用法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法37条は、起業者が作る土地調書と物件調書の記載事項を定める。土地は所在・地番・地積・権利者等を記載して実測平面図を添付し、建物は構造・床面積も記載する。
Q · 収用のときに起業者が作る「土地調書」「物件調書」には何が書かれるの?
面積・権利者・物件の種類と数量を書き、実測図を付ける
土地収用法37条により、土地調書には土地の所在・地番・地目・地積、所有者の氏名と住所、収用または使用する面積、借地人や抵当権者など関係人の権利の種類と内容、作成年月日を記載し、実測平面図を添付します。物件調書には物件の種類・数量・所有者・関係人を記載し、建物であれば種類・構造・床面積まで記載して実測平面図を添付します。署名した調書の記載は真実と推定される(38条)ため、署名前の照合が重要です。
解説
道路拡幅や河川改修で「収用」の手続に入ると、補償額の話より先に、起業者(事業を行う国・自治体・鉄道会社など)が二通の書類を作る。土地調書と物件調書である。本条はその中身を決めている。土地調書には所在・地番・地目・地積、収用する面積、借地人や抵当権者など権利を持つ人とその権利の内容を書き、実測平面図を付ける。物件調書には、その土地にある物件の種類・数量・所有者と権利者を書く。建物であれば構造や床面積まで記載し、実測平面図を付けなければならない。見落とされやすいのは、調書が補償額の計算の出発点になる「事実の台帳」だという点である。あなたが署名した調書の記載は真実と推定される(38条)。調書に載らなかった物置や井戸、庭木、測り間違えた面積は、後から「本当はあった」と立証する負担があなたに回ってくる。署名の前に一行ずつ照合するかどうかで、補償の土台が変わる。
法的な位置づけ
土地調書・物件調書とは、土地収用法36条に基づき起業者が収用または使用しようとする土地とその土地にある物件について作成する事実記録であり、同法37条がその記載事項を定める。土地調書には所在・地番・地目・地積・収用面積・権利者等を記載して実測平面図を添付し、物件調書には物件の種類・数量・所有者・権利者を記載する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分で財産の一覧と写真を作る 起業者の現地調査より前に、土地の全景、建物の外観と内部、塀・井戸・浄化槽・物置・庭木・看板などを個別に撮影し、種類と数量の一覧表を作っておく
- 2.登記簿と測量図を準備する 登記事項証明書と公図、手元の測量図を取り寄せ、地番・地目・地積を確認する。相続登記が未了なら相続人の範囲も整理しておく
- 3.調書を一行ずつ照合する 調書を差し出されたら、所在・地番・地積・収用面積・権利者欄、物件の種類と数量、建物の構造・床面積、実測平面図を、準備した資料と突き合わせる。その場で終わらなければ時間をもらう
- 4.違う箇所に異議を附記して署名する 記載に誤りや漏れがあれば、異議の内容を具体的に書き添えて署名する(36条)。署名を拒んでも手続は止まらないため、異議附記で争う足場を残す
- 5.縦覧期間中に意見書を提出する 裁決申請書の縦覧期間(2週間)中に、調書の誤りや漏れを写真・図面・課税明細とともに意見書で指摘する(43条)。必要に応じて弁護士や土地家屋調査士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1土地調書とは何ですか?
収用・使用する土地の所在、地番、地目、地積、収用面積、所有者や関係人の権利を記録した文書です。起業者が作成し、実測平面図を添付します(土地収用法37条1項)。
Q2物件調書には何が書かれますか?
物件がある土地の所在・地番・地目、物件の種類と数量、所有者と関係人の氏名・住所、権利の種類と内容です。建物は構造や床面積も記載します(37条2項・3項)。
Q3土地調書の面積は登記簿と実測のどちらですか?
37条は実測平面図の添付を義務付けています。登記簿上の地積と実測面積が食い違うこともあるため、両方の数字と図面を突き合わせて確認することが大切です。
Q4借家人も物件調書に載りますか?
建物について賃借権などの権利を持つ人は関係人にあたりうるため、物件調書に氏名・住所と権利の内容が記載されえます。立会いや意見書提出の機会も確認しましょう。
Q5調書に署名した後で間違いを訂正できますか?
署名済み調書の記載は真実と推定されます(38条)。覆すには記載が真実でないことの立証が必要になるため、署名前に照合し、異議を附記しておくほうが有利です。
Q6土地調書の様式はどこで決まっていますか?
37条4項により、土地調書と物件調書の様式は国土交通省令で定めるとされています。具体的な様式は土地収用法施行規則で確認できます。
Q7所有者が亡くなっている土地の調書はどうなりますか?
調書には所有者の氏名・住所を記載する必要があるため、登記名義が故人のままなら相続人の調査が必要になります。相続登記を済ませておくと手続が円滑です。
Q8実測平面図はなぜ調書に必要なのですか?
収用する範囲や建物の位置・床面積を図面で特定し、補償の前提となる事実を明確にするためです。土地調書と建物の物件調書には添付が義務付けられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調書にサインしないと、収用って止められるんですか?
止められない。土地所有者や関係人が署名を拒んでも、市町村長またはその指名する職員が立ち会って署名する仕組みがある(36条)。むしろ立会いの場で自分の言い分を記録する機会を失う。実務のポイント:本当に効くのは拒否ではなく異議の附記である。38条の真実の推定を争う足場になるため、実務では「署名はするが、ここは違うと書いておく」が定石である
Q2庭の木とかブロック塀も補償の対象になるんですか?
収用する土地にある物件として、物件調書に種類・数量・所有者を記載する対象になる(本条2項)。建物であれば構造や床面積まで記載する(3項)。実務のポイント:漏れやすいのは、地中の浄化槽や井戸、物置、植木、看板などの付帯物である。担当者の現地調査より前に、自分で全景と個別の写真を撮って一覧表を作っておく。調書との照合が数分で終わり、漏れを指摘する力も段違いになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「調書に署名したら、収用や補償額に同意したことになる」と恐れて署名を拒む人がいる。そもそも問いの立て方がずれている。調書は事実を記録するだけで、補償額の合意書ではない。署名を拒んでも、市町村長またはその指名する職員が立ち会って署名する仕組みがあり(36条)、手続は止まらない。拒否は防御にならない。中身を照合し、違うところに異議を書き添えることが防御になる
- 記載内容に誤りがあっても、後で直せばいいと考えがちである。問題は、どれだけ重く響くかを知らないことだ。署名した調書の記載事項は真実に合致すると推定される(38条)。覆したければ、記載が真実でないことをあなたが立証しなければならない。立証責任が相手からあなたに移るため、後から写真や図面をそろえる手間とコストは、署名時に一行書き添える手間とは比べものにならない
- 住民の側から見れば「家と土地」というひとまとまりの財産だが、法律は土地調書と物件調書に分けて見る。建物、塀、井戸、立木、看板は、それぞれ物件として個別に記載される。物件調書に載らなかったものは、あなたにとっては家の一部でも、補償の議論の出発点から抜け落ちる。この落差に気付かないまま署名すると損をする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 37条:土地調書・物件調書の記載事項と実測平面図の添付 | 36条:調書の作成義務、立会い・署名、異議の附記 38条:署名済み調書の記載事項の真実推定 |
| 被収用者への意味 | 何が書かれるべきかの照合基準になる | 立会いの場で異議を記録できる機会 署名後は記載を覆す立証負担が生じる |
| 手続上の位置 | 調書の中身(作成段階) | 調書の作成手続(作成・署名段階) 調書の効力(審理段階) |
他国ではどう定めているか 4 か国
需用土地人が徵收計畫書に徵收土地圖冊や土地改良物清冊を添えて申請する。日本のように所有者の署名による推定力を正面から定める構造ではない
韓国も土地調書・物件調書の作成と所有者等の署名押印を定めており、日本法と構造が近い
房屋征收部門が権属・区位・用途・建築面積などを調査登記し、結果を公布する仕組み
取得前の鑑定評価と所有者の同行機会を定める。調書の推定力という概念はなく、最終的な補償額は裁判で争われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 起業者の担当者が自宅に来て「確認のため署名だけお願いします」と調書を差し出した。床面積が登記簿より8平方メートル少なく書かれ、裏庭の物置は載っていない。その場で署名すれば、その数字が真実と推定される出発点になる
- 実家の土地が収用対象になったが、登記名義は20年前に亡くなった祖父のままだった。土地調書の所有者欄に誰の名前を書くのか。相続人全員を探し出す作業から手続が始まり、親族のうち誰が関係人として扱われるのかで揉める
- あなたは収用区域内のアパートの借家人で、大家が交渉しているだけだと思っていた。だが物件調書には、建物に権利を持つ関係人としてあなたの氏名と賃借権の内容が記載されうる。自分にも立会い・異議の機会があると知らないまま、引越し期限が迫ってくる
- 裁決申請書が出され、市町村で縦覧が始まった。あと2週間で意見書の提出期間が終わる。調書に書かれた地積や物件の漏れを、今のうちに書面で指摘しなければならない。どうすればいいのか?
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調書の写しを求め、署名前に持ち帰るか、その場で時間をとって照合する2. 土地:所在、地番、地目、地積、収用面積、実測平面図を登記簿と自分の測量図で突き合わせる3. 物件:建物の構造・床面積のほか、塀、井戸、庭木、物置、看板が漏れていないかを写真付きで確認する4. 違う箇所には異議を書き添えて署名する(36条) 5. 縦覧期間中に意見書で指摘する(43条)。必要なら補償に詳しい弁護士や土地家屋調査士に相談する
訴えられた側:起業者側の実務担当者として:1. 本条各号の記載事項を漏れなく埋め、実測平面図を必ず添付する。建物は種類、構造、床面積まで記載する2. 登記と実態がずれている権利者(未登記の借地人、借家人、相続人)を現地で確認する3. 立会いの際に記載の根拠を丁寧に説明し、異議の附記を妨げない4. 調書の不備は裁決申請や審理の争点となり、事業スケジュールを遅らせる原因になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。ただし前後の手続に重要な期限がある。事業認定の告示から1年以内に裁決申請がなければ事業認定は失効する(29条)。裁決申請書の縦覧期間は2週間で、その間に意見書を提出できる(42条、43条)。裁決への審査請求は裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日以内(130条)。取消訴訟は3か月以内、損失補償に関する訴えは6か月以内(133条)である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:土地調書・物件調書は補償額を決める文書ではなく、収用委員会の審理の前提となる事実を記録する文書であり、署名により推定力が生じる点に意義があると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定により、土地調書・物件調書の記載事項と実測平面図の添付を定める規定として設けられる
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁等改革に伴い、調書の様式を定める省令が建設省令から国土交通省令に改められる(2001年施行)
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