土地収用法 第43条(土地所有者及び関係人等の意見書の提出)
クイックジャンプ
- 前条第二項の規定による公告があつたときは、土地所有者及び関係人は、同条の縦覧期間内に、収用委員会に意見書を提出することができる。但し、縦覧期間が経過した後において意見書が提出された場合においても、収用委員会は、相当の理由があると認めるときは、当該意見書を受理することができる。
- 2.前条第二項の規定による公告があつたときは、その公告があつた土地及びこれに関する権利について仮処分をした者その他損失の補償の決定によつて権利を害される虞のある者(以下「準関係人」と総称する。)は、収用委員会の審理が終るまでは、自己の権利が影響を受ける限度において、損失の補償に関して収用委員会に意見書を提出することができる。
- 3.土地所有者、関係人及び準関係人は、前二項の規定による意見書において、事業の認定に対する不服に関する事項その他の事項であつて、収用委員会の審理と関係がないものを記載することができない。
- 4.第一項又は第二項の規定による意見書に、前項に規定する収用委員会の審理と関係がない事項が記載されている場合における第六十三条第一項の規定の適用については、初めから当該事項の記載がなかつたものとみなす。
この条文の基本情報
土地所有者及び関係人等の意見書の提出とは何ですか?
定義土地所有者及び関係人等の意見書の提出とは、土地収用法第43条に定められた規定で、「前条第二項の規定による公告があつたときは、土地所有者及び関係人は、同条の縦覧期間内に、収用委員会に意見書を提出することができる。但し、縦覧期間が経過した後におい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第43条(土地所有者及び関係人等の意見書の提出)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第43条の条文原文は「前条第二項の規定による公告があつたときは、土地所有者及び関係人は、同条の縦覧期間内に、収用委員会に意見書を提出することができる。但し、縦覧期間が経過した後におい…」で始まります。
- 土地収用法第43条は第二節 裁決手続の開始に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第43条の前の条は土地収用法第42条です。
- 土地収用法第43条の次の条は土地収用法第44条です。
- 土地収用法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法43条は、裁決申請の公告後、土地所有者と関係人が2週間の縦覧期間内に収用委員会へ意見書を提出できると定める。事業認定への不服は記載できない。
Q · 収用の公告が出たら、意見書はいつまでに何を書けばいいの?
公告から2週間以内に補償の主張を書く。事業反対は不可
土地収用法43条1項により、土地所有者と関係人は、裁決申請の公告から2週間の縦覧期間内に収用委員会へ意見書を提出できます。期間後でも相当の理由があれば受理される余地があります。ただし3項により、事業認定への不服など審理と関係のない事項は書けず、書いても4項で記載がなかったものとみなされます。補償額は申立ての範囲内でしか裁決されないため(48条3項)、具体的な金額と根拠を示すことが重要です。
解説
役所の掲示板に一枚の公告が貼られた日から、二週間のカウントダウンが始まっている。起業者(道路・ダムなどの事業を進める側)が収用委員会に裁決を申請すると、市町村長がそれを公告し、申請書類は二週間、誰でも見られる状態に置かれる(42条2項)。その期間内に、土地所有者と関係人(借地人・借家人・抵当権者など、その土地に権利を持つ人)は意見書を出せる。ここで見落とされやすい事実がある。収用委員会は、損失補償の額について当事者が申し立てた範囲を超えて裁決できない(48条3項)。黙っていれば、起業者が出した見積額の近くで話がまとまりかねない。さらに、2001年の改正で「事業そのものへの反対」は意見書に書けなくなった(3項)。書いても、審理では最初から書かなかったものとみなされる(4項)。「この道路は不要だ」と怒りを紙にぶつけるより、「この土地の価値はいくらで、移転にいくらかかるか」を数字で書く人のほうが、手元に残る金額は大きくなる。
法的な位置づけ
土地収用法43条は、収用委員会への裁決申請が公告された後の意見書提出手続を定める規定である。土地所有者と関係人は縦覧期間内に、準関係人は審理終了まで損失補償に関して意見書を提出でき、事業認定に対する不服など収用委員会の審理と関係のない事項は記載できないとして、審理の争点を補償と権利取得に集中させている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公告日と縦覧期間の最終日を確定する 市町村の掲示板や窓口で裁決申請の公告日を確認し、公告日から2週間の縦覧期間の最終日を記録する。準関係人の場合は審理終了までが期限となる
- 2.裁決申請書の補償見積額を確認する 縦覧中の裁決申請書・添付書類を閲覧し、起業者が示した土地代・移転料・営業補償などの見積額と明細を書き写す
- 3.独自の評価を取得する 不動産鑑定士や補償コンサルタントに土地価格・移転費用・営業損失の評価を依頼し、起業者見積との差額を項目別に把握する
- 4.補償に絞った意見書を作成・提出する 補償項目ごとに金額と根拠を記載し、事業認定への不服は書かずに、縦覧期間内に収用委員会へ提出する。提出の控えを保管する
- 5.事業そのものを争う別ルートを確認する 事業に反対する場合は、意見書とは別に事業認定の取消訴訟・審査請求の期限を弁護士と確認し、期限内に手続をとる
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用の意見書とは何ですか?
収用委員会の裁決前に、土地所有者や関係人が補償額などについて自分の主張を書面で伝える手続です。土地収用法43条が根拠です。
Q2収用の縦覧期間はいつまでですか?
市町村長が裁決申請の公告をした日から2週間です(42条2項)。土地所有者と関係人の意見書は、原則としてこの期間内に提出します。
Q3借家人も収用の意見書を出せますか?
出せます。借家人は土地に関する権利を持つ関係人(8条)にあたり、営業補償や移転費用など自身の損失について意見書を提出できます。
Q4準関係人とは誰のことですか?
土地や権利に仮処分をした者など、補償の決定で権利を害されるおそれのある者です。審理終了まで補償に関する意見書を出せます。
Q5収用の意見書に事業反対を書くとどうなる?
事業認定への不服は記載できず(3項)、書いても審理上は初めから記載がなかったものとみなされます(4項)。別途、訴訟などで争います。
Q6収用委員会の意見書の提出先はどこ?
裁決申請を受けた都道府県の収用委員会です。縦覧場所の市町村窓口で裁決申請書を確認し、提出方法も事前に確かめると安心です。
Q7収用の補償額は意見書で増やせますか?
可能性はあります。補償は申立ての範囲内で裁決されるため(48条3項)、鑑定評価など根拠付きで金額を示すことが増額の前提になります。
Q8収用裁決に不服がある場合の期限は?
裁決書正本の送達から、補償額の訴えは6か月以内、その他の取消訴訟は3か月以内が目安です(133条)。最新の条文をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1意見書に「この道路はいらない」って書いたら、ダメなんですか?
書いても効果はありません。事業認定への不服は意見書に書けず(43条3項)、書いた場合も審理上は記載がなかったものとみなされます(同4項)。事業の必要性は、事業認定に対する審査請求や取消訴訟で争うことになります。実務のポイント:収用委員会の委員は、反対の熱量よりも、補償額の根拠に目を向ける。感情を書き連ねた何枚もの意見書より、鑑定評価書を付けた一枚のほうが、裁決額を確実に動かす
Q2縦覧期間に気付かず、もう過ぎてしまいました。手遅れですか?
手遅れとは限りません。期間後に出された意見書でも、収用委員会が相当の理由があると認めれば受理できます(43条1項但書)。審理の場でも、補償については意見を述べる機会があります(63条)。実務のポイント:「仕事が忙しかった」だけでは弱い。公告に気付けなかった具体的な事情(遠方に住む相続人だった、入院していたなど)を書面で添えると、受理されやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「意見書は反対の意思表示の場だ」と思われがちである。実際は逆で、事業認定への不服は書くことすら禁じられている(3項)。事業そのものを争うなら、事業認定に対する審査請求や取消訴訟という別ルートを、別の期限で走らせる必要がある
- 縦覧期間が二週間だということは知っていても、その二週間で何が決まるかの重さは知られていない。補償額は申立ての範囲内でしか裁決されない(48条3項)。意見書で具体的な金額と根拠を示さなかった人は、自分で上限に蓋をしたのと変わらない
- 「二週間を過ぎたらもう何も言えない」と諦める人がいるが、それは問いの立て方が違う。期間後でも、相当の理由があれば受理される(1項但書)。準関係人なら審理終了まで出せる(2項)。審理の場で補償について意見を述べる道もある(63条)。問うべきは「間に合ったか」ではなく、「どの経路なら今から届くか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 43条:縦覧期間中・審理終了までの意見書提出 | 42条:裁決申請書の送付・公告・2週間の縦覧 63条:審理の場での意見陳述と主張制限 |
| 主体 | 土地所有者・関係人(1項)、準関係人(2項) | 市町村長(公告・縦覧の実施者) 起業者・土地所有者・関係人など審理の当事者 |
| 期限 | 縦覧期間内(相当の理由で期間後も受理可)、準関係人は審理終了まで | 公告日から2週間 収用委員会の審理期日 |
| 書けない・言えない事項 | 事業認定への不服など審理と関係のない事項 | (手続規定であり制限なし) 事業認定への不服など審理と関係のない事項の主張は制限される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徴収公告の事項に異議がある所有権者等が、公告期間内に書面で主管機関へ異議を出せる。補償額をめぐる争いは地価評議委員会の復議を経る流れで、日本の収用委員会意見書と機能的に近い
韓国も裁決申請書の閲覧期間中に土地所有者・関係人が意見書を提出できる仕組みで、日本の制度設計と類似する
ドイツの建設法典上の収用手続では、収用官庁での口頭審理において関係人が意見を述べる構造をとる
米国の連邦収用は裁判所手続で行われ、被収用者は答弁で異議を提出し、補償額は陪審等で決定される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家の畑が県道拡幅の収用対象になった。市役所の掲示板に裁決申請の公告が出ていたのを、近所の人に言われて気付いた。公告日から二週間で縦覧期間は終わる。残りはあと五日。まず市役所で裁決申請書の補償見積額を書き写し、不動産鑑定士に電話をかけることになる
- 収用される土地の上の店舗を借りて十年、営業してきた。大家が補償の話を進めているが、テナントの自分には何も連絡がない。借家人も関係人として意見書を出せるのか? 出せる。営業補償や移転費用は、借家人自身が声を上げなければ大家の補償の陰に埋もれる
- 所有権の帰属を争って、土地に処分禁止の仮処分をかけていた。そこに収用の公告が出た。準関係人として、審理が終わるまでは補償について意見書を出せる(2項)
- 起業者側の担当者として、地権者から「事業認定は違法だ」という意見書が大量に届いた。審理と関係のない事項なので、審理上は記載がなかったものとして扱われる(4項)。ただ、補償に関する記載が混ざっていないかは一通ずつ確認する必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公告日を確かめ、縦覧期間(公告日から2週間)の最終日を手帳に書く2. 市町村の窓口で裁決申請書を閲覧し、起業者の補償見積額と明細を書き写す3. 不動産鑑定士などに独自の評価を頼み、土地代・移転費・営業補償を項目別に数字で意見書に書く4. 事業への反対は意見書に書かず、事業認定の審査請求・取消訴訟の期限を弁護士と確認する5. 期限を過ぎた場合は、遅れた理由を添えて受理を求める(1項但書)
訴えられた側:起業者側の場合:1. 届いた意見書を、補償に関する部分と審理と関係のない部分(事業認定への不服など)に仕分ける2. 関係のない部分は審理上記載がなかったものとみなされる(4項)が、補償の主張が混ざっていないか一通ずつ確認する3. 借家人・抵当権者など関係人の漏れがないか調べる4. 申し立てられた金額に対する反論資料(鑑定評価・取引事例)を審理に向けて準備する
時効(請求できる期限):土地所有者・関係人の意見書は、42条2項の公告日から2週間の縦覧期間内(期間後は相当の理由がある場合のみ受理)。準関係人は収用委員会の審理が終わるまで。裁決への不服は、裁決書の正本の送達日から、補償額の訴えは6か月以内、それ以外の取消しの訴えは3か月以内(133条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:事業認定の違法は事業認定の取消訴訟で争うべきものであり、収用委員会の審理は損失補償と権利取得の範囲に集中させるのが制度趣旨とされる。43条3項・4項はこの争点分離を意見書段階で具体化したものと理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正(要検証) 事業認定への不服など収用委員会の審理と関係のない事項を意見書に書けないとする3項と、記載があっても63条1項の適用上記載がなかったものとみなす4項が加えられたとみられる。審理の争点集中と迅速化が目的
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法(昭和26年法律第219号)の制定に伴い、裁決申請の公告後の意見書提出手続として規定
- 2.平成13年(2001年) 改正:審理と関係のない事項(事業認定への不服等)を意見書に記載できないとする規定と、記載があっても記載がなかったものとみなす規定が整備されたとされる(要検証)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める