土地収用法 第44条(裁決の申請の特例)
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- 第三十六条第一項の土地調書の作成前に第三十九条第二項の規定による請求があつたときは、第四十条第一項の規定にかかわらず、同項第二号の書類については、同号イ、ハ及びヘに掲げる事項並びに登記簿に現われた土地所有者及び関係人の氏名及び住所を記載すれば足りるものとし、同項第三号に掲げる書類は、添付することを要しない。
- 2.起業者は、前項の規定により添付書類の一部を省略して裁決を申請したときは、第三十六条第一項の土地調書の作成後、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、第四十条第一項の規定による添付書類中省略された部分を補充しなければならない。この場合においては、その補充があつたときに、同項の規定による裁決申請書及びその添付書類を収用委員会が受理したものとみなして、前二条の規定を適用する。
この条文の基本情報
裁決の申請の特例とは何ですか?
定義裁決の申請の特例とは、土地収用法第44条に定められた規定で、「第三十六条第一項の土地調書の作成前に第三十九条第二項の規定による請求があつたときは、第四十条第一項の規定にかかわらず、同項第二号の書類については、同号イ、ハ及び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第44条(裁決の申請の特例)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第44条の条文原文は「第三十六条第一項の土地調書の作成前に第三十九条第二項の規定による請求があつたときは、第四十条第一項の規定にかかわらず、同項第二号の書類については、同号イ、ハ及び…」で始まります。
- 土地収用法第44条は第二節 裁決手続の開始に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月30日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第44条の前の条は土地収用法第43条です。
- 土地収用法第44条の次の条は土地収用法第45条です。
- 土地収用法第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月30日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法44条は、土地調書の作成前に裁決申請の請求があった場合、起業者が添付書類の一部を省略して申請できる特例。受理は省略部分の補充時とみなされる。
Q · 起業者から「裁決申請しました」と言われたのに、収用委員会の手続が始まらないのはなぜ?
申請は出ていても、受理は書類の補充時とみなされるため
土地収用法44条は、土地調書の作成前に地権者から裁決申請の請求があった場合、起業者が添付書類の一部を省略して申請することを認めています。ただし起業者は調書作成後速やかに省略部分を補充しなければならず、収用委員会が申請を受理したとみなされるのは補充の時点です。申請書の縦覧(42条)や意見書の提出期間(43条)も補充後に始まるため、それまでは手続が進んでいないように見えます。
解説
土地収用には、地権者の側から「早く収用委員会にかけろ」と起業者に迫れる仕組みがある(土地収用法39条2項の裁決申請請求)。請求を受けた起業者は短い期限内に裁決を申請しなければならない。ところが、申請書に添付すべき土地調書(測量結果や権利関係を記した公式の記録で、地権者が立ち会って作る)がまだできていないことがある。44条は、その場合に限って書類の一部を省いた「仮の申請」を認める。土地の所在などの基本事項と、登記簿に載っている所有者や関係人の氏名・住所を書けば足り、40条1項3号の書類は付けなくてよい。ただし、仮の申請で手続が丸ごと進むわけではない。起業者は土地調書ができた後、速やかに省略した部分を補充しなければならず、収用委員会が申請を受理したとみなされるのは補充の時点である。申請書の縦覧(一定期間、誰でも閲覧できる状態に置くこと)や、あなたが意見書を出す期間(42条、43条)もそこから始まる。あなたの請求で手続を急がせることはできるが、本番の時計は補充のときに動き出す。
法的な位置づけ
土地収用法44条は裁決申請の添付書類に関する特例規定であり、土地調書の作成前に土地所有者等から裁決申請の請求があった場合、起業者は40条1項3号の書類を添付せず、2号の書類も一部事項と登記簿上の土地所有者・関係人の氏名住所の記載で足りるとする。省略部分は調書作成後に補充し、補充時に受理されたものとみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起業者に裁決申請を書面で請求する 事業認定の告示後、補償の話が進まない場合は、39条2項に基づき起業者に対して裁決申請を請求する。請求日を証明できるよう書面で行い、控えを保管する
- 2.簡略申請かどうかと補充時期を確認する 起業者から申請の連絡が来たら、収用委員会事務局に44条の簡略申請か、補充は済んでいるかを照会する。照会日と回答内容を記録しておく
- 3.土地調書の立会いで異議を付記する 簡略申請の後に行われる土地調書の立会いに出席し、面積・物件・権利関係に食い違いがあれば署名押印の際に異議を付記する。付記しないと記載事項は真実と推定される(38条)
- 4.縦覧の公告を確認し意見書を提出する 補充により受理とみなされると申請書が縦覧に付される。公告日から縦覧期間内に意見書を提出できるよう、補償額の根拠資料を事前に揃えておく(42条・43条)
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用法44条とは?
土地調書の作成前に地権者から裁決申請の請求があった場合、起業者が添付書類の一部を省略して裁決を申請できる特例です。省略部分は後で補充します。
Q2裁決申請の簡略申請はいつ受理される?
省略した添付書類を補充した時点で、収用委員会が受理したものとみなされます(44条2項)。申請書を出した日ではない点に注意が必要です。
Q3簡略申請で省略できる書類は?
40条1項3号の書類は添付不要、2号の書類は同号イ・ハ・ヘの事項と登記簿上の土地所有者・関係人の氏名住所を記載すれば足ります。
Q4省略書類の補充はいつまでにしなければならない?
土地調書の作成後「速やかに」とされ、具体的な日数は法律に定められていません。補充の方式は国土交通省令で定められています。
Q5簡略申請が出たら意見書はいつ出せる?
補充後に申請書が縦覧に付され、意見書はその縦覧期間内に提出します(42条・43条)。簡略申請の段階ではまだ期間は始まっていません。
Q6相続登記をしていないと収用の手続はどうなる?
簡略申請では登記簿上の所有者の氏名住所を記載すれば足りるため、登記が故人名義のままだと、相続人への連絡が遅れるおそれがあります。
Q7起業者が裁決申請を遅らせるとどうなる?
地権者の請求後、期限内に申請しないと補償金に加算金が付きます(90条の3)。44条の簡略申請は、調書未完成でも期限内申請を可能にする手段です。
Q8簡略申請は土地調書ができた後でも使える?
使えません。44条1項は「土地調書の作成前」に39条2項の請求があった場合に限って適用されます。調書がある場合は40条の書類を全部添付します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所が申請したって言うのに、収用委員会から何も来ないのはなぜですか?
44条の簡略申請である可能性が高い。省略された書類が補充されるまで受理はみなされず、縦覧や意見書の手続(42条、43条)も始まらない。実務のポイント:収用委員会の事務局に電話して「44条の簡略申請かどうか、補充は済んでいるか」と聞けば、多くの場合その場で答えてもらえる。その質問をしただけで、手続をわかっている地権者として扱われるようになる
Q2調書の立会いを拒否すれば、収用を引き延ばせますか?
引き延ばせない。立会いや署名を拒否しても、市町村長などが代わりに立ち会って調書は完成する(36条)。拒否した場合、記載内容に異議を付記する機会を自分から手放すことになり、38条の真実推定があなたに不利に働く。実務のポイント:立会いには出席し、納得できない項目すべてに異議を書き込む。補償の交渉は、この一行があるかないかで大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「申請された以上、もう審理が始まっている」と考えがちだが、簡略申請の段階では収用委員会が受理したものとはみなされない。受理とみなされるのは省略部分を補充した時点であり、縦覧も意見書の期間もそこから数える(44条2項)
- 土地調書は役所が作る形式的な書類だと思われがちだが、深刻さが違う。調書に書かれた事項は、立会い時に異議を付記しておかない限り真実と推定される(38条)。簡略申請の後に作られる調書でも、この推定は同じように働く。立会いの日に黙っていると、その記載内容が後の補償額の前提として固まっていく
- 「起業者が調書を作らないのだから、地権者は何もできない」という前提がそもそも誤っている。地権者には裁決申請を請求する権利がある(39条2項)。44条は、その請求に起業者が「調書がない」を理由に逃げられないようにした受け皿でもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 44条:調書作成前に地権者から裁決申請の請求があった場合のみ | 40条:起業者が裁決を申請するすべての場合(原則) 39条2項:地権者が起業者に裁決申請を請求する場面 |
| 添付書類 | 40条1項3号の書類は不要、2号は一部事項と登記簿上の氏名住所で足りる | 40条1項各号の書類を全部添付 請求自体に40条の添付書類は不要 |
| 受理の時点 | 省略部分を補充した時点で受理とみなす(44条2項) | 申請書と添付書類の提出による受理 受理の問題ではなく、起業者に申請義務を生じさせる |
| 地権者への影響 | 縦覧・意見書の期間は補充後に開始 | 受理後に縦覧・意見書の手続が進む 起業者を期限内の申請に追い込み、遅延には加算金(90条の3) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では需用土地人が徴収計画書等を添えて核准機関に申請する。日本の39条2項のような地権者による裁決申請請求と、それに対応する簡略申請の仕組みは見当たらない
韓国にも土地所有者等が事業施行者に裁決申請を請求する制度があり、日本の39条2項に近い。日本と同じ簡略申請の特例があるかは要確認
ドイツの建設法典上の収用は申請により開始する。地権者側から手続を急がせる仕組みや添付書類の扱いは日本と構造が異なる
米国の連邦収用は裁判所の訴訟手続として行われ、収用委員会による裁決という日本型の行政手続とは枠組みが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事業認定から半年たっても起業者は補償額を示さず、家を建て替える計画も宙に浮いたままだ。あなたが39条2項で裁決申請を請求すると、起業者は調書が未完成でも44条の簡略申請で期限に間に合わせてくる。「申請された」と聞いて安心してはいけない。補充がいつ済むのかを確認し続けることになる
- もし起業者が簡略申請を出したまま、何か月も補充をしなかったらどうなる? 法律上の受理とみなされる時点が来ないので、縦覧も意見書の受付も始まらない。審理は事実上止まる。そうなったら収用委員会に進み具合を問い合わせ、補充を促すよう求めるのが現実的な一手になる
- あなたは自治体の用地担当で、地権者から裁決申請の請求書が届いた。申請期限はすぐに来るが、土地調書の立会いはまだ一度も実現していない。その日のうちに44条を使う前提で、基本事項と登記簿上の氏名・住所を記した申請書を作り始めることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事業認定の告示から時間がたっても補償の話が進まない場合は、書面で裁決申請を請求する(39条2項)2. 簡略申請が出たら、収用委員会に補充の時期を確認し、記録を残す3. 土地調書の立会いでは、面積や物件に食い違いがあれば必ず異議を付記する(38条の推定を防ぐ)4. 縦覧の公告が出たらすぐに意見書の準備に入る(43条)。補償の算定については不動産鑑定士や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 起業者として請求を受けたら、その日のうちに申請期限を確定させる2. 調書が未完成であれば44条1項の簡略申請で期限を守り、加算金のリスク(90条の3)を避ける3. 申請後は立会いの日程を最優先で調整し、立会いを拒まれた場合は市町村長の立会いで調書を完成させる(36条)4. 国土交通省令の方式に沿って速やかに補充する。補充が遅れるほど審理の開始が遅れ、地権者との信頼関係も損なわれる
時効(請求できる期限):裁決申請請求を受けた起業者には、請求日から短期間(原則2週間)での申請義務がある(39条、最新の改正状況をご確認ください)。補充は調書作成後「速やかに」行うものとされ、具体的な日数の定めはない。補充の時点が受理日とみなされ、縦覧期間(42条、2週間)と意見書の提出期限(43条、縦覧期間内)はそこから進行する。起業者の裁決申請は、事業認定の告示から1年以内に行わなければ事業認定が失効する(29条、39条1項)
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