土地収用法 第39条(収用又は使用の裁決の申請)
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- 起業者は、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から一年以内に限り、収用し、又は使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に収用又は使用の裁決を申請することができる。
- 2.土地所有者又は土地に関して権利を有する関係人(先取特権を有する者、質権者、抵当権者、差押債権者又は仮差押債権者である関係人を除く。)は、自己の権利に係る土地について、起業者に対し、前項の規定による申請をすべきことを請求することができる。ただし、一団の土地については、当該収用又は使用に因つて残地となるべき部分を除き、分割して請求することができない。
- 3.前項の規定による請求の手続に関して必要な事項は、国土交通省令で定める。
この条文の基本情報
収用又は使用の裁決の申請とは何ですか?
定義収用又は使用の裁決の申請とは、土地収用法第39条に定められた規定で、「起業者は、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から一年以内に限り、収用し、又は使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に収用又は使用…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第39条(収用又は使用の裁決の申請)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第39条の条文原文は「起業者は、第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた日から一年以内に限り、収用し、又は使用しようとする土地が所在する都道府県の収用委員会に収用又は使用…」で始まります。
- 土地収用法第39条は第二節 裁決手続の開始に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月30日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第39条の前の条は土地収用法第38条です。
- 土地収用法第39条の次の条は土地収用法第40条です。
- 土地収用法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月30日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法39条は、起業者が事業認定の告示から一年以内に収用委員会へ裁決を申請できると定め、土地所有者等には起業者に申請を求める請求権を認めている。
Q · 事業認定されたあと、収用の手続はいつまでに始まるの?
告示から1年以内。地主から裁決申請を請求することもできる
土地収用法39条1項により、起業者は事業認定の告示日から一年以内に限り、都道府県の収用委員会へ裁決を申請できます。期間内に申請しなければ事業認定は失効します(29条)。また、同条2項により土地所有者や借地人などの関係人は、起業者に裁決申請をするよう請求できます。請求から二週間を過ぎて申請した場合、起業者は遅延期間に応じた加算金を負います(90条の3)。ただし、抵当権者などの担保権者や差押債権者には請求権がありません。
解説
期限が課されているのは、土地を取られる側ではなく、取る側である。道路やダムの事業認定(国土交通大臣や知事が「この事業のためなら土地を強制的に取得してよい」と認める決定)が告示されると、起業者(事業を行う国・自治体・鉄道会社など)は告示の日から一年以内に、都道府県の収用委員会へ裁決(収用の可否と補償額を決める準司法的な判断)を申請しなければならない。申請しないまま一年が過ぎれば、事業認定そのものが効力を失う(29条)。見落とされがちなのは2項である。土地所有者や借地人などは、自分の側から起業者に「早く裁決を申請せよ」と請求できる。告示後は、事業の支障になる土地の形質変更に知事の許可が必要になり(28条の3)、あなたの土地は事実上凍結される。しかも補償額は原則として事業認定告示時の価格を基準に、物価変動分だけ修正して算定される(71条)。待っていても、地価の値上がりは補償に反映されない。宙づりの時間を終わらせるスイッチは、あなたの手元にもある。
法的な位置づけ
土地収用法39条は、収用・使用の裁決申請の期限と申請請求権を定める規定である。起業者は事業認定の告示日から一年以内に限り、都道府県収用委員会へ裁決を申請できる。土地所有者および一定の関係人は、起業者に対して裁決申請を請求できるが、担保権者・差押債権者は除かれ、一団の土地の分割請求は許されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事業認定の告示日を確認する 官報(国土交通大臣の認定)または都道府県公報(知事の認定)で事業認定の告示日を確認し、一年後の申請期限日を記録する。
- 2.自分が請求権者に当たるか確認する 土地所有者または借地権者などの関係人であるかを登記簿で確認する。抵当権者・質権者・差押債権者などは請求権者に含まれない。一団の土地は分割して請求できない点も確認する。
- 3.起業者に裁決申請を請求する 土地収用法施行規則の定める手続に従い、起業者に対して裁決申請を請求する書面を提出する。提出日を証明できるよう、配達記録の残る方法で送付する。
- 4.補償金の支払請求をあわせて検討する 裁決前に補償金の見積額を受け取れる支払請求(46条の2)をあわせて検討し、必要な書面を準備する。
- 5.二週間の経過を確認し加算金を主張する 請求日から二週間以内に起業者が裁決を申請したかを確認する。遅れていれば、遅延期間に応じた加算金(90条の3)を裁決手続の中で主張する。
よくある質問 AI による整理
Q1収用裁決の申請とは何ですか?
起業者が都道府県の収用委員会に、土地を収用・使用することとその補償額の判断を求める手続です。事業認定の告示から一年以内に行う必要があります(土地収用法39条1項)。
Q2事業認定から一年過ぎたらどうなりますか?
期間内に裁決申請がなければ、事業認定は期間満了日の翌日に効力を失います(29条1項)。失効で地権者が受けた損失は起業者が補償します。
Q3裁決申請の請求は誰ができますか?
土地所有者と、借地権者など土地に権利を持つ関係人です。先取特権者・質権者・抵当権者・差押債権者・仮差押債権者は除かれます(39条2項)。
Q4裁決申請の請求の方法は?
国土交通省令(土地収用法施行規則)の定める手続に従い、起業者に書面で請求します。様式や記載事項は最新の施行規則で確認してください。
Q5裁決申請を請求したのに起業者が申請しない場合は?
請求を受けた日から二週間を過ぎて申請した場合、起業者は遅延期間に応じた加算金を支払う義務を負います(90条の3)。
Q6土地の一部だけ裁決申請を請求できますか?
一団の土地は分割して請求できません。ただし、収用・使用によって残地となる部分は除かれます(39条2項ただし書)。
Q7都市計画道路にも一年の期限はありますか?
都市計画事業の認可・承認を受けた事業は、一年の期限ではなく事業施行期間内に裁決を申請すればよいとされています(都市計画法71条)。
Q8裁決申請を請求すると地主が不利になりますか?
補償額は原則として告示時の価格で固定されるため(71条)、待っても地価上昇は反映されません。請求で手続を前に進めること自体は、地主側の不利益には通常なりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの土地が事業認定されたんですけど、結局いつまで待たされるんですか?
起業者が裁決を申請できるのは告示から一年以内で(39条1項)、過ぎれば事業認定は失効する(29条)。ただ、その一年を黙って待つ必要はない。2項に基づき、あなたから裁決申請を請求できる。実務のポイント:用地担当者は任意買収で終わらせたいので、この請求権を自分から説明することはまずない。請求書が届いた時点で起業者側に二週間の加算金リスクが生じ、交渉の空気が変わる
Q2住宅ローンが残ってる土地だと、銀行が勝手に裁決申請を請求したりしますか?
しない。2項のかっこ書きで、先取特権者、質権者、抵当権者、差押債権者、仮差押債権者は請求権者から外されている。これらの債権者は、補償金に物上代位し、払渡し前に差し押さえることで保護される(104条)。実務のポイント:ローン残債がある場合、補償金が金融機関に差し押さえられて手元に入らない事態がありうる。請求を出す前に金融機関と繰上返済の段取りを詰めておくと、その後の住み替え資金の計画が狂わない
間違えやすい点 AI による整理
- 「収用を拒み続ければ事業は止まる」という問いの立て方そのものがずれている。地権者が拒否しても、起業者が期限内に裁決を申請すれば、収用委員会が補償額を決めて手続は進む。裁決手続で実際に争えるのは、取られるかどうかより「いくらで、いつ」である。事業そのものを止めたいなら、事業認定の取消訴訟という別の土俵に立たなければならない
- 一年の期限があることは知っていても、その重さまでは知られていない。期限を過ぎれば事業認定は効力を失い、起業者は認定手続からやり直しになる(29条1項)。そのうえ、失効によって地権者が受けた損失は起業者が補償しなければならない。起業者にとって、期限切れは単なる遅延ではなく、事業計画全体が崩れかねない事態である
- 銀行の側から見れば、担保に取った土地の収用は重大な事件である。それでも法律は、抵当権者、質権者、差押債権者などに裁決申請の請求権を与えていない。彼らは補償金に物上代位(担保の対象が補償金に置き換わり、そこから回収できること、104条)して守られる仕組みだからである。請求のスイッチを押せるのは、土地そのものを使っている人に限られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 39条:裁決申請の一年期限と、地権者による申請請求権 | 29条:期限内に申請がない場合の事業認定の失効 46条の2:裁決前の補償金支払請求 |
| 行為の主体 | 申請は起業者、請求は土地所有者・関係人(担保権者等を除く) | 法律上当然に失効(申請の懈怠が要件) 土地所有者・関係人が起業者に請求 |
| 期限・効果 | 告示から一年以内。請求後二週間を過ぎた申請には加算金(90条の3) | 期間満了日の翌日に失効、地権者の損失は起業者が補償 裁決前に補償金の見積額を受け取れる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では需用土地人が徵收計画書を添えて内政部(核准機関)に徵收を申請する方式で、日本の収用委員会による裁決とは構造が異なる
韓国も事業認定後の裁決申請期限と、土地所有者による裁決申請の請求制度を置いており、日本の制度に近い構造をとる
米国では政府が正式な収用手続を取らずに土地利用を制限した場合、所有者側から inverse condemnation 訴訟で補償を求める道がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事業認定の告示から十か月。用地担当者からの連絡は途絶え、畑の造成も勝手にはできない。このまま待つしかないのか? 39条2項で裁決申請を請求すれば、起業者は請求から二週間以内に申請しない限り、遅延期間に応じた加算金を負う(90条の3)。待つかどうかを決めるのは、相手だけではない
- あなたは市の用地課の職員である。告示から十一か月、最後の一筆の地権者との交渉はまだまとまらない。残り一か月で裁決申請書と添付書類(40条)を揃えなければ、事業認定は失効し、認定申請からやり直しになる。上司への報告は今日中に必要だ
- 収用予定地の東半分だけ先に請求したい。だがそれは通らない。一団の土地は、残地になる部分を除き、まとめて請求するしかない(2項ただし書)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 官報または都道府県公報で事業認定の告示日を確認し、一年後の期限日を記録する2. 起業者の補償見積りを書面でもらい、算定根拠のどこに不満があるかを整理する3. 交渉が進まないなら、国土交通省令の定める手続に従い、起業者に裁決申請を請求する(39条2項) 4. あわせて補償金の支払請求(46条の2)を検討する5. 請求から二週間たっても申請がなければ、加算金(90条の3)を主張する
訴えられた側:1. 起業者側は告示日から逆算し、裁決申請書と添付書類(40条)を早めに準備する2. 地権者から請求が届いたら、二週間以内に申請する。遅れた分は加算金が発生する3. 抵当権者や差押債権者からの請求は2項の請求権者に当たらないので、法的な申請義務は生じない4. 期限ぎりぎりまで任意交渉を引き延ばすと失効リスクが高まるため、遅くとも告示から半年の時点で申請の判断をする
時効(請求できる期限):裁決の申請は事業認定の告示日から一年以内(39条1項)。期間内に申請しなければ、事業認定は期間満了日の翌日に効力を失う(29条1項)。地権者から請求を受けた起業者は、請求日から二週間以内に申請しないと遅延期間分の加算金を負う(90条の3)。都市計画事業は事業施行期間内に申請すればよい(都市計画法71条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:土地収用法の制定により、裁決申請の期限と土地所有者等による申請請求の制度が設けられた
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