土地収用法 第50条(和解)
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- 収用委員会は、審理の途中において、何時でも、起業者、土地所有者及び関係人に和解を勧めることができる。
- 2.収用し、又は使用しようとする土地の全部又は一部について起業者と土地所有者及び関係人の全員との間に第四十八条第一項各号又は前条第一項各号に掲げるすべての事項に関して和解がととのつた場合において、その和解の内容が第七章の規定に適合するときは、収用委員会は、起業者、土地所有者及び関係人の申請により、和解調書を作成することができる。
- 3.前項の和解調書には、第四十八条第一項各号又は前条第一項各号に掲げるすべての事項を記載し、収用委員会の会長及び和解調書の作成に加わつた委員並びに起業者、土地所有者及び関係人が、これに署名押印しなければならない。
- 4.和解調書の正本には、収用委員会の印章を押し、これを起業者、土地所有者及び関係人に送達しなければならない。
- 5.第三項の規定による和解調書が作成されたときは、この法律の適用については、権利取得裁決又は明渡裁決があつたものとみなす。この場合において、起業者、土地所有者及び関係人は、和解の成立及び内容を争うことができない。
この条文の基本情報
和解とは何ですか?
定義和解とは、土地収用法第50条に定められた規定で、「収用委員会は、審理の途中において、何時でも、起業者、土地所有者及び関係人に和解を勧めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第50条(和解)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第50条の条文原文は「収用委員会は、審理の途中において、何時でも、起業者、土地所有者及び関係人に和解を勧めることができる。」で始まります。
- 土地収用法第50条は第四節 裁決に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第50条の前の条は土地収用法第49条です。
- 土地収用法第50条の次の条は土地収用法第51条です。
- 土地収用法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第50条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法50条は、収用委員会の審理中の和解を定める。関係人全員が裁決事項すべてに合意し補償規定に適合すれば和解調書が作られ、裁決とみなされ争えなくなる。
Q · 収用委員会の審理中に和解したら、あとで補償額に不満が出ても裁判で争えますか?
争えない。和解調書は裁決とみなされ、成立も内容も確定する
土地収用法50条5項により、和解調書が作成されると権利取得裁決又は明渡裁決があったものとみなされ、起業者・土地所有者・関係人は和解の成立及び内容を争うことができません。裁決であれば同法133条に基づき補償額を争う訴えを起こせますが、和解ではその道がなくなります。和解調書を作るには関係人全員の合意と、内容が第7章の補償規定に適合していることが必要です。
解説
収用委員会の審理は、補償額をめぐって最後まで争う場だと思われがちだ。実は審理中ならいつでも、委員会が起業者(道路や鉄道などの事業を行う国・自治体・会社)、土地所有者、関係人に和解を勧めることができる。和解がまとまり、収用委員会が和解調書を作ると、その調書は「権利取得裁決」(土地の権利を起業者に移す決定)や「明渡裁決」(立ち退き期限などを決める決定)と同じ効力を持つ。ただし条件が二つある。一つは、抵当権者や借地人などの関係人も含めて全員が、裁決で決めるべき事項のすべてに合意していること。もう一つは、和解の内容が第7章の補償ルールに合っていることだ。つまり、当事者同士で自由に金額を決められる私的な示談とは違う。そして署名押印した瞬間、和解が成立したことも、その内容も争えなくなる。裁決であれば行政訴訟や補償額の増額訴訟という次の手があるが、和解調書に署名すると、その道を自分で閉じることになる。署名は条件交渉の最後に置くべき一手であり、交渉の途中で押すものではない
法的な位置づけ
和解調書とは、土地収用法第50条に基づき、収用委員会の審理中に起業者・土地所有者・関係人の全員が権利取得裁決又は明渡裁決の裁決事項のすべてについて合意し、その内容が同法第7章の損失補償規定に適合する場合に、当事者の申請により収用委員会が作成する文書であり、裁決があったものとみなされる効力を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.和解勧告を受けたらその場で即答しない 審理中に委員から和解を打診されても、その場では検討する旨だけ伝える。和解調書に署名すると成立も内容も争えなくなるため、持ち帰って条件を整理する時間を確保する
- 2.関係人全員と権利の範囲を一覧化する 土地所有者、共有者、相続人、抵当権者、借地人、借家人など関係人全員の氏名と意向、権利の範囲を一覧表にする。一人でも合意できない人がいれば和解調書は作れないため、早めに意向を確認する
- 3.裁決事項すべてについて条件を詰める 収用する土地の区域、損失補償、権利取得の時期、明渡しの期限など、48条・49条の裁決事項すべてについて合意内容を固める。金額以外にも、明渡し期限や移転方法を交渉材料にする
- 4.署名前に専門家の点検を受ける 合意内容が第7章の補償規定に適合しているか、補償項目に漏れがないかを、弁護士や不動産鑑定士に確認してもらう。署名後は取りこぼしに気づいても争えない
- 5.和解調書の作成を申請し署名押印する 起業者・土地所有者・関係人の申請により収用委員会が和解調書を作成し、会長、作成に加わった委員、当事者全員が署名押印する。その後、委員会の印章を押した正本が各当事者に送達される
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用の和解とは何ですか?
収用委員会の審理中に、起業者・土地所有者・関係人が裁決事項について合意し、和解調書を作る手続です。土地収用法50条が根拠です。
Q2和解調書の効力はどのくらい強いですか?
権利取得裁決又は明渡裁決があったものとみなされます。さらに当事者は和解の成立も内容も争えないため、裁決より後戻りしにくい効力です。
Q3和解調書を作るには誰の同意が必要ですか?
起業者、土地所有者、関係人の全員です。抵当権者や借地人、共有者などが一人でも欠ければ、和解調書は作成できません。
Q4収用委員会の和解勧告は断れますか?
断れます。50条1項は委員会が和解を「勧めることができる」と定めるだけで、応じる義務はありません。断れば裁決による決着に進みます。
Q5収用対象の土地の一部だけ和解できますか?
できます。50条2項は土地の「全部又は一部」について和解を認めています。争いのない区画だけ先に確定させることも可能です。
Q6和解調書には何を書かなければいけませんか?
48条1項各号又は49条1項各号の裁決事項すべてです。収用する土地の区域、損失補償、権利取得の時期、明渡しの期限などが含まれます。
Q7和解調書は誰に送られますか?
収用委員会の印章を押した正本が、起業者・土地所有者・関係人に送達されます(50条4項)。手元に届いた正本は大切に保管してください。
Q8収用で和解と裁決はどちらが得ですか?
一概には言えません。和解は早く決着し条件交渉の余地がある一方、後から争えません。裁決は時間がかかりますが補償額を訴訟で争う道が残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1和解にサインした後で、近所の人のほうが高い補償をもらってたって分かったら、やり直せますか?
原則としてやり直せない。土地収用法50条5項は、和解調書が作成されると和解の成立も内容も争えないと定めている。裁決であれば、133条によって補償額を争う訴えを起こせるが、和解ではこの道が閉じる。実務のポイント:同じ事業区域の補償水準は、近所との情報交換で分かることが多い。署名の前に近隣の補償内訳を可能な範囲で集めておくと、交渉材料になる
Q2収用委員会の審理が始まる前に話がまとまったら、どうなるんですか?
審理が始まる前、つまり収用裁決を申請する前に合意できた場合は、50条の和解ではなく、116条以下の「協議の確認」という別の制度を使う。収用委員会の確認を受ければ、こちらも裁決とみなされる(121条)。実務のポイント:普通の任意買収として売買契約を結ぶか、協議の確認や和解のルートを取るかで、登記手続や税務上の扱いに違いが出る場合がある。どの段階で合意するかも戦略の一部になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「和解なら当事者同士で好きな金額を決められる」と思われがちだが、和解調書を作るには内容が第7章の補償規定に合っている必要がある。収用委員会は合意内容を点検する立場にあり、補償基準から大きく外れた金額では調書が作られない可能性がある
- 和解の後でも、裁決と同じように不服申立てや訴訟ができると考える人は多い。5項は「和解の成立及び内容を争うことができない」と明記している。裁決なら補償額について一定期間内に訴えを起こす道があるが、和解調書に署名すればその道は自分で閉じることになる。錯誤などを理由に無効を主張する余地については議論があるものの、ハードルは極めて高いと考えるべきである
- 問題は「和解するか、裁決を待つか」の二択ではない。審理の途中で部分的に和解することもできる。土地の全部でなく一部についても和解調書を作れるので、争いのない区画は和解で確定させ、評価が割れている区画だけを裁決に回すという分割戦略が成り立つ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 決着の方法 | 50条:審理中の和解に基づく和解調書 | 116条:裁決申請前の協議の確認 48条・49条:収用委員会による権利取得裁決・明渡裁決 |
| 手続のタイミング | 収用委員会の審理の途中、いつでも | 収用裁決の申請前 審理を経た最終判断として |
| 必要な合意 | 起業者・土地所有者・関係人全員が裁決事項すべてに合意、かつ第7章適合 | 起業者・土地所有者・関係人全員の協議成立 合意不要(委員会が判断) |
| 後から争えるか | 和解の成立及び内容は争えない(50条5項) | 協議の成立及び内容は争えない(121条) 133条の期間内に取消訴訟・損失補償の訴えが可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徵收申請前に需用土地人が所有者と協議價購を行うことが求められる。日本の50条のように審理中の和解に裁決と同じ効力を与える仕組みとは構造が異なる
韓国でも土地収用委員会が裁決前に和解を勧告でき、和解調書が作成されると当事者間に和解内容の合意が成立したものとみなされる仕組みがあり、日本と類似する
ドイツでは収用庁が当事者間の合意(Einigung)に向けて働きかけ、成立した合意の記録は確定した収用決定と同等に扱われる。日本の50条と発想が近い
米国の連邦事業では、収用訴訟の前に正当な補償額を提示して誠実に交渉することが求められる。行政委員会内の和解調書という仕組みはない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 審理の三回目、委員から「双方、歩み寄りの余地はありませんか」と打診された。代替地の確保と移転時期の繰り下げを条件にすれば、金額以外のところで実を取れるかもしれない。和解には裁決で決めるべき事項がすべて入るので、明渡しの期限も交渉材料になる
- あなたが起業者側の用地担当者で、工期まで残り四か月とする。裁決が出ても、補償額をめぐる訴訟が何年も続けば事業全体のリスクは消えない。和解調書なら成立も内容も争えないので、多少上乗せしても和解でまとめた方が工程が読みやすくなる。ただし上乗せは第7章の補償基準の範囲に限られる
- 土地所有者のあなたと起業者は合意できたのに、土地に抵当権を持つ銀行が書類を出してこない。和解調書は関係人全員の合意が要るので、一人でも欠ければ作れない
- もし父の名義のまま相続登記をしていない土地が収用対象になり、相続人四人のうち一人だけが和解に反対したら、どうなるか。全員の合意という要件を満たせず、その土地は和解ではなく裁決で決着することになる。相続登記の放置は、ここで交渉の選択肢を一つ奪う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 和解を打診されたら即答しない。補償項目(土地、建物移転、営業補償、借家人補償など)を書き出し、漏れがないか確認する。2. 抵当権者、借地人、共有者、相続人など関係人全員の名前と意向を確認する。一人でも欠ければ和解調書は作れない。3. 金額以外の条件(明渡し期限、代替地、移転方法)を交渉材料にする。4. 署名すれば争えないので、署名前に弁護士や不動産鑑定士に条件の妥当性を確認してもらう
訴えられた側:起業者側の場合。1. 裁決後に補償額の増額訴訟が続くリスクと、和解に必要な上乗せ額を比べる。2. 上乗せ分が第7章の補償基準の範囲に収まっているかを先に点検し、調書作成の段階で否定されないようにする。3. 関係人を漏れなく洗い出し、全員の署名押印をそろえる段取りを組む。4. 和解の内容には、裁決で決めるべき事項(区域、補償、権利取得の時期、明渡し期限など)をすべて入れる
時効(請求できる期限):和解そのものに期限はなく、収用委員会の審理中であれば「何時でも」勧告できる。ただし和解調書が作成されると、権利取得裁決または明渡裁決があったものとみなされ、和解の成立も内容も争えない。一方、裁決で決着した場合の訴訟期間は、裁決書の正本の送達を受けた日から、裁決の取消しの訴えが3か月、損失補償に関する訴えが6か月である(土地収用法133条。最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:和解調書は、収用委員会による第7章適合性の点検を経て裁決と同一の効力を与えられる公法上の特則であり、民法695条の私法上の和解とは異なる。5項の不可争効により、裁決に対する訴訟の道は原則として閉じられる
無効主張の余地をめぐる議論:5項は和解の成立及び内容を争えないと定めるが、錯誤など意思表示の重大な瑕疵を理由に無効を主張できるかについては議論があり、認められるとしてもハードルは極めて高いとされる
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