土地収用法 第91条(測量、調査等に因る損失の補償)
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- 第十一条第三項、第十四条又は第三十五条第一項の規定により土地又は工作物に立ち入つて測量し、調査し、障害物を伐除し、又は土地に試掘等を行うことに因つて損失を生じたときは、起業者は、損失を受けた者に対して、これを補償しなければならない。
- 2.前項の規定による損失の補償は、損失があつたことを知つた日から一年を経過した後においては、請求することができない。
この条文の基本情報
測量、調査等に因る損失の補償とは何ですか?
定義測量、調査等に因る損失の補償とは、土地収用法第91条に定められた規定で、「第十一条第三項、第十四条又は第三十五条第一項の規定により土地又は工作物に立ち入つて測量し、調査し、障害物を伐除し、又は土地に試掘等を行うことに因つて損失を生じた…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第91条(測量、調査等に因る損失の補償)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第91条の条文原文は「第十一条第三項、第十四条又は第三十五条第一項の規定により土地又は工作物に立ち入つて測量し、調査し、障害物を伐除し、又は土地に試掘等を行うことに因つて損失を生じた…」で始まります。
- 土地収用法第91条は第二節 測量、事業の廃止等に因る損失の補償に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第91条の前の条は土地収用法第90条の4です。
- 土地収用法第91条の次の条は土地収用法第92条です。
- 土地収用法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法91条は、測量・調査・障害物の伐除・試掘等のための立入りで損失が生じた場合、起業者に補償義務を課す。請求は損失を知った日から1年以内に限られる。
Q · 公共事業の測量で庭木を伐られたら、補償してもらえるの?
請求できる。過失は不要だが、知った日から1年以内に限る
土地収用法91条により、11条3項・14条・35条1項に基づく立入測量、調査、障害物の伐除、試掘等で損失が生じた場合、起業者は損失を受けた者に補償しなければなりません。作業が適法でも補償の対象となり、作業員の過失を立証する必要はありません。ただし同条2項により、損失を知った日から1年を過ぎると請求できなくなります。協議が成立しなければ、94条に基づき収用委員会に裁決を申請できます。
解説
ある朝、境界杭の近くで見慣れない作業服の一団が測量機を据え、庭木を何本か切り、畑に試掘の穴を掘っていった。道路やダム、送電線の計画のためだと言う。土地収用法は、起業者(道路や鉄道などの公共事業を実施する国・自治体・電力会社などの事業者)に、他人の土地へ立ち入って測量や調査をする権限を与えている。正当な理由がなければ、あなたは立入りを拒めない。ただし、拒めないことと泣き寝入りすることは別の話である。91条は、11条・14条・35条にもとづく立入り、障害物の伐除、試掘で損失が出たとき、起業者に補償義務を負わせている。相手に過失があったかどうかは問われない。適法な作業でも、あなたの損失は補償の対象になる。見落とされやすいのは期限で、損失を知った日から1年を過ぎると請求できなくなる。そして収用そのものが実現しなかった場合でも、この補償請求権は消えない。
法的な位置づけ
土地収用法第91条は、起業者が同法11条3項、14条または35条1項に基づき土地や工作物に立ち入り、測量、調査、障害物の伐除、試掘等を行ったことにより損失が生じた場合に、損失を受けた者に対する起業者の補償義務を定める規定である。適法行為に伴う損失補償であり、請求期間は損失を知った日から1年に制限される。
手順
- 1.損失に気付いた日を記録し期限を設定 伐採や掘り返しなどの損失に気付いた日を記録し、その日から1年後を請求期限としてカレンダーに書き込む。91条2項の期間は損失を知った日から起算される
- 2.損失の証拠をそろえる 作業前後の写真、伐られた木の本数・太さ、損傷した作物や工作物の数量を記録し、修繕・植替えの見積書を取得する。作業員の証票の記載内容も控えておく
- 3.起業者に書面で補償協議を申し入れる 事業主体の用地担当部署に、損失の内容・金額・根拠条文(土地収用法91条)を記載した書面を送付する。期限が迫っている場合は配達記録の残る方法を使う
- 4.協議不成立なら収用委員会に裁決を申請 起業者との協議が成立しない場合、土地収用法94条に基づき都道府県の収用委員会に裁決を申請する。裁決に不服があれば、損失補償に関する訴えを提起できる(133条)
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用法91条とは?
公共事業の準備や調書作成のための立入測量・調査・伐除・試掘で生じた損失を、起業者が補償するよう定めた規定です。
Q2立入調査の損失補償 いつまで請求できる?
損失があったことを知った日から1年以内です(91条2項)。損失が発生した日ではなく、知った日が起算点となります。
Q3試掘で畑が荒らされた 補償される?
14条に基づく試掘等によって作物や土地に損失が生じれば、91条により起業者に補償を請求できる対象になります。
Q4事業が中止になっても立入りの補償は受けられる?
受けられます。91条の補償は立入りや作業で生じた損失そのものが対象で、収用の実現は要件とされていません。
Q5立入調査の補償請求先はどこ?
補償義務を負うのは起業者です。国・自治体・電力会社など事業主体の用地担当部署に書面で請求するのが一般的です。
Q6立入りで生じた損失補償に作業員の過失は必要?
不要です。91条は適法な立入りに伴う損失補償であり、損失の内容と額を示せば足ります。
Q7立入調査の補償協議がまとまらない場合は?
土地収用法94条に基づき、起業者または損失を受けた者が収用委員会に裁決を申請できます。
Q8測量の補償は収用の補償とまとめて交渉すべき?
別件として先に整理する方が安全です。一括交渉だと1年の請求期間を過ぎたり、小さな損失の算定が曖昧になったりするおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1測量の人が来たら、断って追い返してもいいんですか?
法定の手続(土地収用法11条の許可・通知など)を経た立入りは、正当な理由なく拒んだり妨げたりすると罰則の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。その代わり、損失が出れば91条で補償を受けられる。実務のポイント:追い返すより、作業員に証票の提示を求め、内容をメモしておく方がはるかに得である。誰が、どの許可で、いつ入ったかが記録に残れば、後の補償協議で起業者は言い逃れできない
Q2起業者に補償を求めたら、『予算がない』と言われました。どうしたらいいですか?
予算の有無は補償義務の存否と関係がない。協議が成立しなければ、土地収用法94条に基づき収用委員会に裁決を申請できる。実務のポイント:用地担当者にとって、収用委員会に案件を持ち込まれるのは手続負担が大きく、内部でも避けたい展開である。「協議不調なら裁決申請します」と書面で伝えるだけで、回答が出てくるまでの時間が大きく変わることがある
Q3庭の掘り返しから1年以上経ってしまいました。もう何もできませんか?
91条2項の起算点は、損失が生じた日ではなく「損失があったことを知った日」である。地盤沈下や排水不良のように後から表面化した損失なら、気付いた時点から1年と主張できる余地がある。実務のポイント:作業が許可の範囲を超えていた場合は、91条ではなく国家賠償法1条や民法709条の損害賠償として、不法行為の時効(知った時から3年)で争える可能性がある。まず、作業内容が許可の範囲内だったかを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「公共事業の調査だから、被害を受けても文句は言えない」と思われがちだが、法律の発想は逆である。立入りを拒めない代わりに、損失は起業者が補償する。受忍義務と補償義務は表裏一体で設計されている
- 1年の期限があることは知っていても、その重さまで分かっている人は少ない。民法の不法行為(3年)の感覚で構えていると、数年後に予定される本番の収用交渉の頃には、測量段階の損失を請求する道はとっくに閉じている
- 「誰のミスで壊れたのか」を突き止めようとするのは、問いの立て方がずれている。91条の補償は適法な行為に伴う損失補償であり、相手の過失を立証する必要はない。焦点は、どんな損失がどれだけ生じたかの証明である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 91条:立入り・伐除・試掘等で生じた損失の補償義務 | 11条:事業準備のための他人の土地への立入り権限 94条:補償の協議と収用委員会への裁決申請 |
| 土地所有者の立場 | 損失の補償を請求できる | 正当な理由なく立入りを拒めない(受忍義務) 協議不調時に裁決を申請できる |
| 期間制限 | 損失を知った日から1年 | 立入りは許可・通知等の手続に従う 裁決への不服は送達から6か月以内に訴え(133条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
都市計画のための勘查・測量で障害物を除去した場合、所有者等の損失に適当な補償を与えるとする。日本の都市計画法28条に近い構造
事業準備のための出入りとそれに伴う損失補償を定め、請求期間の制限も設ける。日本と類似の受忍・補償の組合せ
Vorarbeiten(測量・調査等の準備作業)を所有者に受忍させ、生じた直接の財産的不利益に Entschädigung を認める
収用予定者による事前の立入り・調査を認め、実損害の賠償を定める。州ごとに制度が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 道路拡幅の事前調査で、樹齢30年の柿の木を含む生垣が伐られた。作業員は「後で役所から連絡があります」と言ったきり、連絡は来ない。収穫できなくなった実の分も含めて、91条で補償を請求できる対象になる
- あなたは電力会社の用地担当者である。送電線ルートの調査で、試掘のために農家の畑を重機が横切り、作付けしたばかりの苗を踏み荒らした。事業がまだ認定前でも補償義務は発生する。「計画段階だから」と放置すると、地域全体の用地交渉が止まる
- もし調査のあと、事業計画そのものが白紙撤回されたら、壊された塀や伐られた木の補償はどうなる? 収用が実現しなくても、立入りで生じた損失の補償請求権は残る
- 庭の掘り返しに気付いたのは去年の秋。忙しさにかまけて放置し、気付けば11か月が経っていた。1年の期限まで残り1か月。今週中に損失の写真と見積書をそろえ、起業者に書面で請求しなければ権利が消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 損失に気付いた日を記録し、その日から1年を期限としてカレンダーに書き込む2. 損傷の写真、伐採された木や作物の数量、修繕見積書をそろえる3. 起業者(事業主体の用地担当課など)に、損失の内容と金額を書面で通知し補償協議を求める4. 協議が成立しなければ、収用委員会に裁決を申請する(土地収用法94条) 5. 作業が許可範囲を超えていた疑いがあれば、国家賠償法・民法709条による損害賠償請求も並行して検討する
訴えられた側:1. 立入り前に、法定の許可・通知・証票携帯(土地収用法11条以下)がそろっているか確認し、記録に残す2. 作業前後の現況写真を撮っておき、損失の範囲を客観的に確定できるようにする3. 損失が出たら起業者として自主的に補償協議を申し出る。放置すると地元全体の用地交渉が硬直化する4. 請求額が過大だと考える場合は、損失補償基準などに照らした算定根拠を示して協議し、決着しなければ収用委員会の裁決にゆだねる
時効(請求できる期限):損失があったことを知った日から1年を経過すると請求できない(土地収用法91条2項)。この期間の性質(消滅時効か除斥期間か)は解釈が分かれる余地があるため、早期に書面で請求しておくのが安全である。収用委員会の裁決に不服がある場合の損失補償に関する訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内(同法133条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:91条の補償は、適法な立入り・作業に伴う損失補償であり、起業者の故意・過失を要件としない。受忍義務を課す11条・14条・35条と表裏をなす規定と理解されている。
期間の性質をめぐる議論:91条2項の1年の期間が消滅時効か除斥期間かについては解釈の余地がある。実務上は中断・更新を前提にせず、期間内に書面で請求しておくことが推奨される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行の土地収用法(昭和26年法律第219号)の制定により、立入り・伐除・試掘等による損失の補償規定として設けられた。
- 土地収用法 第11条事業準備のための立入り権限
- 土地収用法 第14条障害物の伐除・試掘等の根拠
- 土地収用法 第35条事業認定後の調書作成のための立入り
- 土地収用法 第94条補償協議と収用委員会への裁決申請
- 土地収用法 第133条損失補償に関する訴えの出訴期間
- 都市計画法 第28条都市計画調査の立入りに伴う損失補償
- 国家賠償法 第1条違法な立入り・作業による損害の賠償
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