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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

出入国管理及び難民認定法 第17条(緊急上陸の許可)

クイックジャンプ
  1. 入国審査官は、船舶等に乗つている外国人が疾病その他の事故により治療等のため緊急に上陸する必要を生じたときは、当該外国人が乗つている船舶等の長又はその船舶等を運航する運送業者の申請に基づき、厚生労働大臣又は出入国在留管理庁長官の指定する医師の診断を経て、その事由がなくなるまでの間、当該外国人に対し緊急上陸を許可することができる。
  2. 2.入国審査官は、前項の許可に係る審査のために必要があると認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該外国人に対し、電磁的方式によつて個人識別情報を提供させることができる。
  3. 3.第一項の許可を与える場合には、入国審査官は、当該外国人に緊急上陸許可書を交付しなければならない。
  4. 4.第一項の許可があつたときは、同項の船舶等の長又は運送業者は、緊急上陸を許可された者の生活費、治療費、葬儀費その他緊急上陸中の一切の費用を支弁しなければならない。

この条文の基本情報

緊急上陸の許可とは何ですか?

定義緊急上陸の許可とは、出入国管理及び難民認定法第17条に定められた規定で、「入国審査官は、船舶等に乗つている外国人が疾病その他の事故により治療等のため緊急に上陸する必要を生じたときは、当該外国人が乗つている船舶等の長又はその船舶等を運航…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 出入国管理及び難民認定法第17条(緊急上陸の許可)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
  2. 出入国管理及び難民認定法第17条の条文原文は「入国審査官は、船舶等に乗つている外国人が疾病その他の事故により治療等のため緊急に上陸する必要を生じたときは、当該外国人が乗つている船舶等の長又はその船舶等を運航…」で始まります。
  3. 出入国管理及び難民認定法第17条は第四節 上陸の特例に置かれています。
  4. 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
  5. 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 出入国管理及び難民認定法第17条の前の条は出入国管理及び難民認定法第16条です。
  7. 出入国管理及び難民認定法第17条の次の条は出入国管理及び難民認定法第18条です。
  8. 出入国管理及び難民認定法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第17条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319
  • 本サイト収録出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/17

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点入管法17条は、船舶等に乗る外国人が疾病等で緊急に上陸する必要がある場合、船長等の申請と指定医師の診断を経て、入国審査官が緊急上陸を許可できると定める。費用は船長等が負担する。

Q · 緊急上陸の許可は、誰が申請して、誰が決めるの?

船長か運送業者が申請し、指定医師の診断を経て入国審査官が許可

入管法17条1項により、申請できるのは外国人が乗っている船舶等の長、またはその船舶等を運航する運送業者です。本人や家族は申請者になれません。厚生労働大臣または出入国在留管理庁長官が指定する医師の診断を経たうえで、入国審査官が「その事由がなくなるまでの間」に限って許可します。許可すれば緊急上陸許可書が交付され(3項)、緊急上陸中の一切の費用は船長または運送業者の負担となります(4項)。

解説

客船で急性虫垂炎、貨物船で船員が心筋梗塞、フェリーで乗客が転倒して頭部外傷。海の上で医療が必要になった外国人は、入国審査を受けていないから法的には「日本に入れない人」のままだ。出入国管理及び難民認定法17条は、その矛盾を解く弁である。船長または運送業者が申請し、厚生労働大臣または出入国在留管理庁長官が指定した医師が診断すれば、入国審査官は上陸を許可できる。ここであなたが見落としてはならないのは第4項だ。生活費、治療費、葬儀費、緊急上陸中の一切の費用を負担するのは、本人でも国でもなく、船舶等の長または運送業者である。つまり海運会社・クルーズ運航会社にとって、この条文は人道規定であると同時に、青天井の費用債務を発生させるスイッチでもある。しかも「葬儀費」と明記されている。立法者は、最悪の結末まで想定して費用負担者を先に決めておいた。

法的な位置づけ

緊急上陸許可とは、船舶または航空機に乗っている外国人が疾病その他の事故により治療等のため緊急に上陸する必要を生じた場合に、船舶等の長または運送業者の申請と指定医師の診断を経て、入国審査官がその事由の存続期間に限り上陸を認める特例上陸の一類型である。費用は船舶等の長または運送業者が支弁する。

手順

  1. 1.船上で所見を文書化する 船医または陸上の医療アドバイザーの所見、発症時刻、症状の経過を記録し、緊急上陸が必要な根拠として残す。後の指定医師の診断と費用精算の両方で使う
  2. 2.入港前に入管官署と検疫所へ事前連絡 入港予定港を管轄する地方出入国在留管理官署へ連絡し、指定医師の手配を依頼する。感染症の疑いがあれば検疫所にも同時に連絡する
  3. 3.船長または運送業者の名義で申請する 船舶等の長または運送業者の名義で緊急上陸の申請を行い、指定医師の診断を受ける。審査官の求めがあれば個人識別情報の提供に対応する
  4. 4.許可書受領後、費用と出口を同時に設計する 緊急上陸許可書の交付を受けたら、病院への支払窓口を一本化し、P&I保険・旅行保険・傭船契約で費用の最終負担を切り分ける。治療終了後の出国手続も入管へ早期に相談する

よくある質問 AI による整理

Q1緊急上陸許可書とは何ですか?

入国審査官が緊急上陸を許可したときに、その外国人に必ず交付する書面です(入管法17条3項)。上陸中の滞在が適法であることを示す根拠になります。

Q2緊急上陸の「指定医師」とは誰ですか?

厚生労働大臣または出入国在留管理庁長官が指定する医師です。船医や家族の主治医の判断だけでは足りず、指定医師の診断を経ることが許可の要件です。

Q3飛行機の乗客も緊急上陸の対象になりますか?

対象になります。入管法の「船舶等」は船舶と航空機を含むため、機内で急病になった外国人乗客も、機長または航空会社の申請で緊急上陸の対象となり得ます。

Q4緊急上陸は本人や家族が申請できますか?

できません。17条1項の申請者は、船舶等の長またはその船舶等を運航する運送業者に限られます。家族は船長や会社に申請を促す立場にとどまります。

Q5緊急上陸のとき指紋や顔写真は必ず取られますか?

必ずではありません。17条2項は、入国審査官が審査のため「必要があると認めるとき」に個人識別情報の提供を求められる裁量規定です。

Q6入国審査官は緊急上陸を拒否できますか?

条文は「許可することができる」と定めており、許可は入国審査官の判断に委ねられています。医師の診断で緊急性が裏付けられることが実務上の前提です。

Q7日本人の乗客が船内で急病になった場合も同じ手続ですか?

違います。17条の対象は外国人のみです。日本人は上陸許可ではなく帰国の確認の対象であり、緊急上陸許可の手続は不要です。

Q8感染症の疑いがある急病人の場合はどうなりますか?

入管法上の緊急上陸とは別に、検疫法に基づく検疫の手続が関わります。感染症の疑いがあれば検疫所の判断も必要となるため、入港前に両方へ連絡するのが安全です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1船の上で急病になった外国人は、ビザがなくても日本の病院に運べるんですか?

運べる。入管法17条1項が緊急上陸の許可を定めており、船舶等の長または運送業者の申請と、厚生労働大臣または出入国在留管理庁長官が指定する医師の診断を経て、入国審査官が許可する。通常の上陸審査とは別建ての手続である。実務のポイント:実務の律速段階は医師の診断ではなく、深夜・休日に指定医師と審査官へどう連絡を通すかである。主要港を使う海運会社は港ごとの連絡先一覧を平時に整備している。持っている会社と持っていない会社で、搬送開始までの時間が大きく変わる

Q2治療費って、結局だれが払うことになるんですか?

17条4項が明記しており、生活費、治療費、葬儀費その他緊急上陸中の一切の費用は、船舶等の長または運送業者が支弁する。本人が支払えない場合でも、国が肩代わりする規定にはなっていない。実務のポイント:法律上の対外的な支払義務者と、最終的に誰の懐が痛むかは別問題である。傭船契約の条項と P&I 保険の填補範囲で内部負担は動く。病院への支払窓口を運送業者が一本化し、後から保険と本人保険に振り分けるのが実務の定石

Q3緊急上陸を許可された人は、治ったあとそのまま日本にいられるんですか?

いられない。17条1項の許可は「その事由がなくなるまでの間」に限られるため、治療の必要が消えれば在留の法的根拠も消える。引き続き滞在するなら、別の在留資格や上陸許可の手続が必要になる。実務のポイント:長期入院やリハビリで事由の終期が曖昧になる事案では、出口の段取りを治療中から入管と相談しておくかどうかが分かれ目になる。治療終了後に慌てて相談すると、選択肢が退去のみに絞られやすい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「人命に関わるのだから、国がとりあえず受け入れて費用も公費で見てくれる」と考えられがちだが、17条4項は正反対を明記する。生活費も治療費も葬儀費も、負担者は船舶等の長または運送業者。人道と財政責任は、この条文ではきれいに分離されている
  • 緊急上陸許可は「一時的に入国できる制度」と理解されているが、問いの立て方がずれている。正確には、許可されるのは事由が存続する間だけであり、治療が終わった瞬間に滞在の法的根拠は失われる。出口の設計を考えずに入口だけ通すと、退去強制手続という別の問題が立ち上がる
  • 船長や現場担当者から見れば「急患を病院に運ぶ」という単純な医療判断だが、法律から見れば、指定医師の診断を経た行政上の許可処分であり、かつ費用債務の発生原因行為である。この落差を理解していない現場は、診断を経ない搬送を試みて手続で止まり、結果として救命時間を失う
  • 第2項の個人識別情報(指紋・顔写真等の電磁的方式による提供)は、危篤の急患にも一律に求められると思われがちだが、条文は「必要があると認めるとき」の裁量規定である。緊急性の高い事案で審査官がどう運用するかは、実務上、個別判断に委ねられている
比較の観点この条文ほかの条文
上陸の理由17条 緊急上陸:疾病その他の事故による治療等の緊急の必要16条 乗員上陸:乗員が寄港中に上陸する必要
18条 遭難による上陸:船舶等の遭難に伴う救護
対象者船舶等に乗っている外国人(乗客・乗員を問わない)外国人である乗員
遭難した船舶等に乗っていた外国人
特有の要件厚生労働大臣または出入国在留管理庁長官の指定する医師の診断乗員であることと上陸の必要性
遭難の事実と救護の必要
許可の期間と費用事由がなくなるまで/一切の費用を船長または運送業者が支弁(4項)法定の期間内に限られる(詳細は条文参照)
法定の期間内に限られる(詳細は条文参照)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
入出國及移民法

台湾も船舶・航空機の乗員乗客の臨時入国を入出國及移民法で規律する。運送業者の費用負担の範囲は日本の17条4項ほど明示的ではないため、個別に確認が必要

韓国
출입국관리법 제15조

韓国は日本とほぼ同じ構造の緊急上陸許可を置き、費用を船長または運送業者に負わせる。日本の出入国管理令を参照した立法の系譜がうかがえる

ドイツ
Verordnung (EU) 2016/399 Art. 6 Abs. 5 lit. c

シェンゲン圏では入国要件を満たさない者にも人道的理由で入国を認め得るが、船長・運送業者への費用負担を条文で一律に課す日本型の設計ではない

アメリカ
INA § 253(8 U.S.C. § 1283)

米国は一定の疾病にかかった外国人船員の病院治療を認め、その費用を船舶の所有者等に負担させる。費用を運送側に帰属させる発想は日本の17条4項と共通する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • クルーズ船の乗客が寄港前夜に脳梗塞で倒れた。船医は日本の病院搬送が必要と判断。入国審査官は船長の申請を受けて緊急上陸を許可するが、その瞬間から搬送費・入院費・付添費の一切は運航会社の債務になる(17条4項)。保険でカバーされるかは、その会社が P&I 保険で乗客医療費をどう設計していたか次第
  • 外国籍の船員が貨物船内で高所から転落、意識不明。船長は「上陸許可がないから降ろせない」と思い込んで到着を待つ。これが致命的な誤解だ。17条は寄港地で申請できる緊急措置であり、通常の上陸許可の順番を待つ必要はない。申請の遅れが数時間単位で予後を変える
  • もし、緊急上陸した外国人がそのまま日本国内で行方をくらましたら、どうなる? 費用負担者である運送業者の債務は消えない。さらに入管法上、上陸許可の事由(治療の必要)が消滅した時点で在留資格なき滞在となり、退去強制手続の対象になる。会社は費用も追跡責任も背負う
  • あなたが海運会社の運航管理者だとする。船長から深夜の衛星電話で「乗組員が危篤、次の寄港地は日本」と連絡が入った。あと数時間で接岸。指定医師の手配、入国審査官への申請、受入病院の確保、この三つを並行で動かさないと間に合わない。どの窓口に何を出すか、平時に手順書を作っていたかどうかで結果が分かれる

取るべき行動

被害を受けた側:船上で急病人が出た側(船長・運送業者・家族)の動き:1. 船医または陸上の医療アドバイザーの所見を文書化し、緊急性の根拠を残す2. 入港予定の港を管轄する地方出入国在留管理官署へ事前連絡、厚生労働大臣または出入国在留管理庁長官の指定する医師の手配を並行3. 船舶等の長または運送業者の名義で緊急上陸の申請を行う(17条1項) 4. 許可後は緊急上陸許可書の交付を受け、治療終了後の在留の扱い(出国または別の在留資格)を早期に入管へ相談

訴えられた側:費用を請求される立場(運送業者・傭船者・保険会社)の動き:1. 17条4項の負担者は船舶等の長または運送業者と法定されており、支払義務自体は争いにくい。争点は内部負担と保険填補に移る2. 定期傭船契約であれば、船主と傭船者のどちらが費用を最終負担するか契約条項を確認3. P&I 保険の乗組員疾病・乗客医療の填補範囲と免責額を即時照会4. 乗客本人の海外旅行保険・乗組員の労災補償から回収できる部分を切り分け、病院への支払窓口を一本化して二重請求を防ぐ

時効(請求できる期限):緊急上陸の許可期間は「その事由がなくなるまでの間」であり、日数で固定されていない。治療が終了すれば許可の基礎が消える。費用の求償や保険請求については特定の時効規定はないが、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される。保険約款上の請求期限は別途短く設定されていることが多いため、約款を要確認

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。ポツダム政令として公布され、以後法律と同一の効力を有するものとして運用される
  2. 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約等への加入に伴う改正により、題名が「出入国管理及び難民認定法」に改められ、1982年1月1日に施行
  3. 3.平成18年(2006年) 改正:上陸審査における個人識別情報の提供制度の導入に伴い、特例上陸の審査でも電磁的方式による個人識別情報の提供を求め得る規定が整備された
  4. 4.平成30年(2018年) 改正:出入国在留管理庁の設置(2019年4月1日施行)に伴い、医師を指定する主体に出入国在留管理庁長官が位置付けられた

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出入国管理及び難民認定法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節 上陸の特例

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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