出入国管理及び難民認定法 第14条(寄港地上陸の許可)
クイックジャンプ
- 入国審査官は、船舶等に乗つている外国人で、本邦を経由して本邦外の地域に赴こうとするもの(乗員を除く。)が、その船舶等の寄港した出入国港から出国するまでの間七十二時間の範囲内で当該出入国港の近傍に上陸することを希望する場合において、その者につき、その船舶等の長又はその船舶等を運航する運送業者の申請があつたときは、当該外国人に対し寄港地上陸を許可することができる。ただし、第五条第一項各号のいずれかに該当する者(第五条の二の規定の適用を受ける者にあつては、同条に規定する特定の事由のみによつて第五条第一項各号のいずれかに該当する場合を除く。以下同じ。)に対しては、この限りでない。
- 2.入国審査官は、前項の許可に係る審査のために必要があると認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該外国人に対し、電磁的方式によつて個人識別情報を提供させることができる。
- 3.第一項の許可を与える場合には、入国審査官は、当該外国人の所持する旅券に寄港地上陸の許可の証印をしなければならない。
- 4.第一項の許可を与える場合には、入国審査官は、法務省令で定めるところにより、当該外国人に対し、上陸時間、行動の範囲その他必要と認める制限を付することができる。
この条文の基本情報
寄港地上陸の許可とは何ですか?
定義寄港地上陸の許可とは、出入国管理及び難民認定法第14条に定められた規定で、「入国審査官は、船舶等に乗つている外国人で、本邦を経由して本邦外の地域に赴こうとするもの(乗員を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第14条(寄港地上陸の許可)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第14条の条文原文は「入国審査官は、船舶等に乗つている外国人で、本邦を経由して本邦外の地域に赴こうとするもの(乗員を除く。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第14条は第四節 上陸の特例に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第14条の前の条は出入国管理及び難民認定法第13条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第14条の次の条は出入国管理及び難民認定法第14条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法14条は、日本経由で第三国へ向かう外国人旅客が、72時間以内で出入国港の近傍に上陸できる寄港地上陸を定める。申請者は船舶等の長か運送業者に限られる。
Q · 日本で乗り継ぎ中の外国人は、空港の外に出られるの?
航空会社等の申請があれば、72時間以内で近傍に出られる
出入国管理及び難民認定法14条1項により、日本を経由して第三国へ向かう外国人旅客は、その船舶等の長または運送業者の申請があれば、出国までの72時間の範囲内で出入国港の近傍への寄港地上陸を許可されることがあります。申請主体は旅客本人ではありません。許可時には旅券に証印がされ(3項)、上陸時間や行動範囲の制限が付されることがあります(4項)。上陸拒否事由(5条1項)に該当する者は許可されません。
解説
成田で乗り継ぎ待ちの外国人客から「6時間あるから成田山に行きたい」と言われたとき、それを可能にするのが入管法14条である。通過旅客が上陸許可を得ずに一歩でも空港の外に出れば不法上陸だが、本条は72時間の範囲内で「寄港地上陸」という抜け道を用意した。ただし決定的な点がある。申請できるのは本人ではなく、船舶等の長または運送業者だ。あなたが外国人旅客本人でも、旅行会社の担当者でも、入国審査官のカウンターで「上陸させてください」と頼む法的地位はない。航空会社または船会社が申請主体になる。さらに4項により、上陸時間・行動範囲に制限を付けることができる。「近傍」を超えて東京まで出れば制限違反となり、退去強制の端緒になりうる。旅客を送り出す側の実務担当者にとって、この一条を知っているかどうかで、顧客のトラブル対応が根本的に変わる。
法的な位置づけ
寄港地上陸許可とは、出入国管理及び難民認定法14条に基づき、本邦を経由して本邦外の地域へ向かう外国人旅客(乗員を除く)に対し、船舶等の長または運送業者の申請により、入国審査官が出国までの72時間の範囲内で出入国港の近傍への上陸を認める特例上陸許可である。在留資格の付与ではない。
手順
- 1.乗り継ぎ時間と行き先を確認する 日本経由で第三国へ向かう旅程であること、出国便までの時間が72時間以内に収まることを確認する。乗員は本条の対象外である点にも注意する
- 2.運送業者に寄港地上陸の申請を依頼する 旅客本人は申請主体ではないため、乗ってきた航空会社・船会社の窓口に上陸を希望する旨を伝え、運送業者側から入国審査官への申請を依頼する
- 3.審査を受け、個人識別情報を提供する 入国審査官が審査に必要と認めた場合、指紋・顔写真などの個人識別情報を電磁的方式で提供する(14条2項)。上陸拒否事由に該当すれば許可されない
- 4.証印と制限条件を確認して上陸する 旅券に押された寄港地上陸許可の証印(14条3項)と、付された上陸時間・行動範囲の制限(14条4項)を自分で確認し、帰着時刻を逆算して行動する
よくある質問 AI による整理
Q1寄港地上陸許可とは何ですか?
日本を経由して第三国へ向かう外国人旅客が、出国までの72時間以内に空港・港の近傍へ上陸できる特例の許可です。入管法14条が根拠です。
Q2寄港地上陸は誰が申請するのですか?
旅客本人ではなく、乗ってきた船舶等の長またはその船舶等を運航する運送業者が申請します(入管法14条1項)。
Q3寄港地上陸 何時間まで?
寄港した出入国港から出国するまでの間、72時間の範囲内です。実際の上陸時間は入国審査官が許可の際に付す条件で決まります。
Q4寄港地上陸にビザは必要ですか?
寄港地上陸は査証(ビザ)を前提とした通常の上陸審査とは別の特例上陸許可です。ただし上陸拒否事由に該当する者は許可されません。
Q5寄港地上陸で東京観光はできる?
法文上は「出入国港の近傍」に限られ、入国審査官が行動範囲を制限できます(14条4項)。どこまで行けるかは証印に付された条件次第です。
Q6寄港地上陸が許可されないのはどんな場合?
上陸拒否事由(入管法5条1項各号)に該当する者は対象外です。また許可は「できる」規定で、入国審査官の裁量に委ねられています。
Q7寄港地上陸の制限に違反したらどうなる?
付された上陸時間や行動範囲の条件に違反すると、退去強制事由(入管法24条)の問題になり得ます。申請した運送業者側にも負担が生じ得ます。
Q8寄港地上陸で在留カードはもらえますか?
もらえません。寄港地上陸は上陸許可であって在留資格の付与ではないため、在留カードは交付されず、在留期間という概念も生じません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1乗り継ぎで10時間も待つんですが、勝手に空港の外に出たらどうなりますか?
許可なく出れば不法上陸の問題になる。入管法14条1項は寄港地上陸を「許可することができる」と定めるだけで、許可なしに出る自由を認めていない。実務のポイント:空港によって上陸許可の運用実績に差がある。乗り継ぎ時間が長い便を選ぶ前に、その空港で航空会社が寄港地上陸の申請を日常的に行っているかを確認すると、対応の速さがまるで違う
Q2許可をもらえば、どこまで行っていいんですか?
行き先は自由ではない。14条1項は「当該出入国港の近傍」と限定し、さらに4項で入国審査官が上陸時間や行動の範囲その他の制限を付けられる。実際の範囲は旅券の証印と付された条件で決まる。実務のポイント:条件は口頭説明だけで流れることがあるため、書面や証印の記載を自分で確認しておくこと。後で違反を問われたとき、聞いていないという主張はほぼ通らない
Q3指紋や顔写真を取られるんですか?
取られる場合がある。14条2項は、審査に必要と認めるときに法務省令の定めるところにより電磁的方式による個人識別情報の提供をさせることができると定める。提供を拒めば許可が出ない結果になりうる。実務のポイント:個人識別情報の提供義務には例外扱いの類型が別途規定されているため、外交・公用など特殊な立場の旅客を扱う実務者は、一般旅客と同じ手順で処理しないこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「上陸許可は本人が申請するもの」という前提そのものが本条では成り立たない。1項は「その船舶等の長又はその船舶等を運航する運送業者の申請があつたとき」と明記する。外国人旅客が自分で窓口に並んでも、申請として受理されない。問いの立て方が最初から間違っている
- 「上陸を許されたのだから日本に入国したことになる」と考えると足を取られる。寄港地上陸は上陸許可であって在留資格の付与ではない。在留カードも交付されず、在留期間という概念も生じない。あなたから見れば日本にいるが、入管法から見れば「入国した外国人」としての地位は与えられていない。この落差が、制限違反時の処理の厳しさを説明する
- 72時間という上限は知られていても、その深刻さは軽視されている。本条には延長手続がない。天候や機材繰りで乗り継ぎ便が飛ばなければ、法的には枠を超えた瞬間から不法残留のリスク領域に入る。運送業者は別の上陸許可(14条の2以下や緊急上陸等)への切り替えを迫られる
- 「近傍」は法文上、具体的な距離が書かれていない。4項に基づき入国審査官が個別に行動範囲を指定する。あなたが「常識的な範囲なら大丈夫だろう」と考えるとき、実際の基準は許可証印に付された条件であって、あなたの常識ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 入管法14条:本邦経由で第三国へ向かう外国人旅客(乗員除く) | 入管法15条(通過上陸):他の出入国港から出国するため本邦を通過する外国人旅客 入管法16条(乗員上陸):船舶・航空機の乗員 |
| 上陸できる期間 | 出国までの72時間の範囲内 | 条文所定の期間内(船舶・航空機の別で異なる) 条文所定の期間内(乗員の類型で異なる) |
| 場所の限定 | 寄港した出入国港の近傍 | 他の出入国港へ向かう経路上での通過 寄港地の近傍等、許可条件で指定 |
| 申請主体 | 船舶等の長または運送業者 | 船舶等の長または運送業者 乗員本人または船舶等の長・運送業者 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も外国人の入国・過境を移民署の許可制で管理する。条文単位の対応関係は個別確認が必要
一定の過境旅客の査証免除と、口岸を離れる場合の臨時入境手続を定める。出入境辺防検査機関が所管
米国は通過旅客にも原則として C 査証等を求め、日本の寄港地上陸のような査証なしの近傍上陸の仕組みとは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- クルーズ船が横浜に寄港し、外国人乗客が日本に「入国」せずに市内観光をして戻ってくる。これは本条の寄港地上陸ではなく、実務では14条の2(通過上陸)や観光上陸の許可が使われる場合もある。どの許可でどこまで動けるかを船会社の日本側代理店が判断している
- 航空会社の空港カウンター担当者であるあなたのもとに、乗り継ぎ20時間待ちの旅客が「ホテルで寝たい」と来る。制限区域内のトランジットホテルでは足りない。本条の申請主体はあなたの会社であり、旅客本人ではない。申請するかどうかの判断があなた側に委ねられている
- もし、寄港地上陸の許可を受けた外国人が指定された行動範囲を超え、新幹線で大阪まで行ってしまったら? 上陸許可の条件違反であり、退去強制事由(24条各号)に触れうる。申請した運送業者は送還費用の負担リスクを負う
- 残り時間は72時間。この枠を1分でも超えて滞在すれば、その外国人は不法残留状態に入る。延長の制度は本条にはない。航空機の遅延で乗り継ぎ便が飛ばなくなったとき、時計は止まってくれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 乗り継ぎで長時間待つ外国人旅客の立場なら、まず自分が乗ってきた航空会社・船会社の窓口に相談する。入管の窓口に直接並んでも申請主体ではない2. 許可が出たら旅券の証印と、付された上陸時間・行動範囲の制限を必ず確認する3. 制限時間から逆算して戻る時刻を決め、余裕を持って港・空港に帰る4. 便の遅延で72時間を超えそうなときは、放置せず運送業者に申し出て別の手続の要否を確認する
訴えられた側:1. 運送業者・船舶等の長の立場で制限違反が発覚した場合、まず事実関係(許可条件、実際の行動、時刻)を記録で固める2. 入国警備官の調査には資料に基づいて対応し、推測で答えない3. 送還費用の負担や再発防止策の報告を求められる可能性があるため、社内の申請手順と旅客への説明記録を整備しておく4. 個別案件は入管実務に精通した弁護士または行政書士(入管業務の取次資格を持つ者)に相談する
時効(請求できる期限):寄港地上陸の許可は72時間の範囲内。起算は出入国港からの出国までの間で、入国審査官が付した上陸時間による。本条に延長制度の定めはなく、枠を超えれば別途の上陸許可または退去強制手続の問題となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(ポツダム政令)として制定され、寄港地上陸を含む特例上陸の制度が設けられた
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約加入に伴い、題名が出入国管理及び難民認定法に改められた(1982年1月施行)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める