出入国管理及び難民認定法 第55条の36(死亡者の遺留物)
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- 死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。以下この章において同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。
- 2.死亡した被収容者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第五十五条の八十二の規定による通知をすることができないときは、入国者収容所長等は、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。
- 3.第一項の遺留物は、第五十五条の八十二の規定による通知をし、又は前項の規定による公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。
- 4.第五十五条の三十四第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。
この条文の基本情報
死亡者の遺留物とは何ですか?
定義死亡者の遺留物とは、出入国管理及び難民認定法第55条の36に定められた規定で、「死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の36(死亡者の遺留物)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の36の条文原文は「死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族その他の者をいう。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の36は第三節 金品の取扱い等に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の36の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の35です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の36の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の37です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の36には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の36 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の36(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の36は、収容中に死亡した被収容者の遺留物を遺族等の申請に基づき引き渡すと定める。通知または公告の日から六月以内に申請がなければ国庫に帰属する。
Q · 入管の収容中に亡くなった家族の遺品は、どうすれば返してもらえるの?
遺族等が申請すれば返るが、六月以内に申請しないと国庫に帰属する
入管法55条の36第1項により、死亡した被収容者の遺留物は、法務省令で定める遺族等の申請に基づいて引き渡されます。自動的に返されるわけではありません。遺族等の所在が分からない場合は公告が行われ、通知又は公告の日から起算して六月以内に申請がなければ、遺留物は国庫に帰属します(同条3項)。さらに保管が困難な物は、4項が準用する55条の34第2項により期限前に処分されることがあるため、早めの申請が重要です。
解説
入管の収容施設で人が亡くなったとき、その人のスマートフォン、財布、母国から持ってきた書類、家族の写真は、自動的に家族の手元へ戻るわけではない。本条が用意しているのは「申請に基づく引渡し」であって、自動返還ではない。遺族等の所在が分からなければ、入国者収容所長等は政令で定める方法で公告する。そして通知または公告の日から六月を経過した日に、誰も申請していなければ、遺留物は国庫に帰属する。被収容者の多くは外国籍で、家族は海外にいる。日本語の公告を海外の家族が目にすることは、現実にはほとんどない。所有権が相続で家族に移っていても、この六月の申請を落とせば、現物は国のものになる。時計を止められるのは、申請というたった一つの行為だけである。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第55条の36は、入管収容施設で死亡した被収容者の遺留物について、法務省令で定める遺族等への申請に基づく引渡し、遺族等の所在不明時における入国者収容所長等の公告義務、通知又は公告の日から六月以内に申請がない場合の国庫帰属、及び保管困難物に関する第55条の34第2項の準用を定める規定である。
手順
- 1.通知日または公告日を確定する 入管から届いた死亡の通知(55条の82)の日付、又は公告の日を確認し記録する。この日が六月の起算点であり、残り日数の計算はここから始まる。通知が届いていない場合は、公告がすでにされていないかを収容施設に問い合わせる
- 2.遺族等の所在を入管に書面で届け出る 遺族の住所・連絡先を書面で収容施設へ届け出て、公告ではなく通知のルートに乗せる。海外在住の場合は大使館・領事館、国内の支援団体を経由してもよい
- 3.引渡し申請を先に出す 法務省令で定める方式に従い、引渡しの申請をまず提出する。期限の進行は申請によって問題となるため、書類の完備を待たずに申請を先行させ、不足書類は後から補う
- 4.遺留物の目録を求め、保全を申し入れる 何が現物で保管されているかを特定するため目録の交付を求める。保管困難物は4項による処分対象になりうるため、特に携帯電話等の重要物については書面で保全を申し入れ、死亡の経緯に疑問があれば弁護士と証拠保全を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1入管で亡くなった人の遺品の引き取り方法は?
法務省令で定める遺族等が、入国者収容所長等に引渡しを申請します。申請がなければ引き渡されず、通知又は公告の日から六月で国庫に帰属します。
Q2入管 遺留物 国庫帰属とは?
遺族等からの引渡し申請が期限内になかった遺留物の所有権が国に移ることです。入管法55条の36第3項が定め、期限は通知又は公告の日から起算して六月です。
Q3入管の遺品引き取りは弁護士に代理してもらえる?
申請手続の具体的な方式は法務省令に委ねられています。遺族等から委任を受けた代理人による申請の可否や必要書類は、施行規則と所管の収容施設に事前に確認するのが確実です。
Q4入管の遺留物の公告はどこに出る?
本条2項は公告の方法を政令に委ねています。具体的な媒体や掲示場所は出入国管理及び難民認定法施行令で確認する必要があり、海外の遺族が自力で見つけるのは現実的に困難です。
Q5入管 遺品 六か月 過ぎたら取り戻せる?
申請のないまま六月を経過すると、遺留物は国庫に帰属します。本条にはその後の返還手続が定められていないため、期限経過後の取戻しは原則として困難と考えるべきです。
Q6海外に住む家族でも入管の遺品を申請できる?
条文上、遺族等の居住地による制限は置かれていません。ただし申請方式や書類は法務省令によるため、大使館・領事館や国内の支援者を通じて早期に入管へ連絡を取るのが現実的です。
Q7入管 遺品 引き渡し 必要書類は?
本条自体は書類を列挙せず、法務省令に委ねています。一般には申請者の身分証明と故人との関係を示す資料(戸籍・出生証明・婚姻証明等とその翻訳)の準備が想定されます。
Q8入管 遺留物 期限の数え方は?
55条の82の通知をした日、又は公告をした日から起算して六月を経過する日までが期限です。「その日から起算して」とあるため、通知日・公告日を初日に含めて数えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1遺品って相続財産ですよね? 放っておいても家族のものになるんじゃないですか?
所有権は相続で家族に移ります(民法八九六条)。しかし本条三項は、申請がないまま六月経過すれば国庫に帰属すると定めています。誰のものかという問題と、現物を取り戻せるかという問題は別です。実務のポイント:この種の相談で専門家が最初に確認するのは相続関係ではなく、通知日または公告日です。そこが決まらないと残り時間が計算できず、相続の話をしている間に期限が切れる
Q2海外にいる家族に、日本の公告なんて届くわけないですよね?
届くことは保障されていません。二項の公告は、所在が明らかでないため通知ができない場合の手続であり、到達を担保する仕組みではありません。それでも三項の起算点は公告日です。実務のポイント:だからこそ実務の勝負どころは、大使館・領事館や支援団体を通じて遺族の所在を早期に入管へ届け出て、公告ではなく通知のルートに乗せることにある。ここを外すと、家族が知らないまま六月が走り切る
Q3半年もあるなら、落ち着いて手続を進めればいいですよね?
その前提が危険です。四項が五十五条の三十四第二項を準用しており、保管に適さない物は六月の満了前に処分されることがあります。現物が代金に変わって残る場合もあります。実務のポイント:早い段階で遺留物の目録交付を求め、何が現物で残っているかを押さえておく。目録さえあれば、後に処分の当否を検証でき、何が失われたのかを具体的に主張できる
Q4同性パートナーや内縁の相手は「遺族等」に入りますか?
本条一項は「法務省令で定める遺族その他の者」としており、範囲は法務省令に委ねられています。法律上の親族以外がどこまで含まれるかは、実務上、解釈が分かれうる部分です(最新の省令の定めをご確認ください)。実務のポイント:範囲外と判断されるリスクがあるなら、争う前に範囲内の親族から委任状を取り、申請主体を親族にしておく。資格を争っている間に六月が経過するのが、最悪の負け方である
間違えやすい点 AI による整理
- 「遺品は相続財産なのだから、放っておいても家族のものだ」という問いの立て方自体が誤っている。民法八九六条により所有権は相続人に移るが、本条三項は申請がないまま六月経過すれば国庫に帰属させる。誰のものかという話と、現物を取り戻せるかという話は、別の線路を走っている
- 六月の期限があることを知っていても、その六月がすべての遺品に等しく流れるわけではない点は知られていない。四項が五十五条の三十四第二項を準用しており、保管が困難な物は六月を待たずに処分され、現物ではなく代金に姿を変えて残ることがある。実際の猶予は、条文の数字より短いと考えるべきである
- 「通知が来てから六か月数えればいい」と理解されがちだが、遺族等の所在が明らかでない場合の起算点は公告の日である。あなたの側から見れば何の連絡も来ていない状態でも、法律の側から見れば期限はすでに進行している。この落差が、海外にいる遺族を最も多く取り逃がす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 入管法55条の36:死亡した被収容者の遺留物の引渡し・公告・国庫帰属 | 入管法55条の34:釈放者の遺留物の取扱い(本条4項がその第2項を準用) 入管法55条の82:被収容者の死亡の通知 |
| 本条との関係 | 遺留物の帰属と引渡しの本体規定 | 保管困難物の処分に関するルールの供給源 六月の起算点となる「通知」の根拠 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も外国人収容は行政規則で管理規律を置く。死亡収容人の遺留物に関する期限・帰属の具体的定めは規則本文で要確認
韓国も外国人保護(収容)の処遇細目は法務部令レベルで規律される構造
米国は法律ではなく ICE の収容基準で所持品管理と死亡時の対応を定める運用型の規律
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、収容中に亡くなった兄の遺品について、母国の家族に何も届かないまま半年が過ぎたらどうなる? 三項により遺留物は国庫に帰属する。通知がされたのが三か月前なら、残りはあと三か月。パスポート、携帯電話、給与の入った封筒、そのすべてが対象になる
- 支援団体のスタッフとして、亡くなった相談者の携帯電話を家族に返したい。だがあなた自身は「遺族等」ではない。法務省令が定める範囲に入る人を探し出すところから始まる
- あなたは引渡しを求める側で、亡くなった相手と同性パートナーとして十年暮らしてきた。法律上の親族ではないあなたが一項の「遺族等」に含まれるかは、法務省令の定めで決まる。含まれないなら、母国の疎遠な親族を探し出して申請してもらうしかない
- 同じ居室にいた被収容者が亡くなり、その人の家族の電話番号を知っているのはあなただけだった。あなたが動くか動かないかで、二項の公告ルートに落ちるか、通知ルートで家族に届くかが分かれる
- 技能実習生として働いていた弟が収容中に死亡。ベトナムの両親は日本の公告など知る由もない。六月後、遺品は国庫に帰属し、死亡の経緯を知る手がかりだったはずの携帯電話も、家族の手には戻らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書を受け取ったら封筒と書面の日付を記録する。六月の起算点はそこにある2. 遺留物の目録交付を求め、何が現物で保管されているかを特定する3. 法務省令が定める「遺族等」に自分が入るかを確認し、入らない可能性があるなら、入る親族を並行して探す4. 死亡の経緯に疑問があるなら、引渡し申請と同時に、証拠保全(民事訴訟法二三四条)や国家賠償請求の準備を進め、携帯電話等の取扱いについて書面で申入れをしておく
訴えられた側:「遺族等」に当たるか疑われている立場なら、最初の申請の段階で関係を示す資料(婚姻証明、住民票、送金記録、通信履歴)を添える。範囲外と判断されても止まらず、範囲内の親族から委任を取り、申請主体を切り替えて六月内に再度出す。施設を運営する側の立場であれば、五十五条の八十二の通知の到達記録と公告日の管理が要であり、四項が準用する処分を行う際は、処分の理由と時期を必ず記録に残す
時効(請求できる期限):五十五条の八十二の通知をした日、または二項の公告をした日から起算して六月を経過する日まで(本条三項)。経過すれば遺留物は国庫に帰属する。さらに四項が準用する規定により、保管が困難な物は六月を待たずに処分されうるため、実際の猶予は六月より短いと考えて動くべきである
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正、令和6年(2024年)6月10日施行 被収容者の処遇に関する規定群の新設に伴い本条を新設。従来、遺留物の取扱いは法務省令である被収容者処遇規則のレベルで定められていたものを法律事項に引き上げ、引渡しの申請、所在不明時の公告、六月経過による国庫帰属という枠組みを明文化した
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:被収容者の処遇に関する規定群の整備に伴い新設(令和6年(2024年)6月10日施行)。遺留物の引渡し、所在不明時の公告、六月経過による国庫帰属を法律で明文化した
- 出入国管理及び難民認定法 第55条の34釈放者の遺留物、本条四項が準用
- 出入国管理及び難民認定法 第55条の35逃走者等の遺留物の取扱い(条番号の現行効力を要確認)
- 出入国管理及び難民認定法 第55条の82死亡の通知、六月の起算点
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 第55条刑事施設における同趣旨の先行規定
- 民法 第896条相続による遺留物所有権の承継
- 民法 第959条相続人不存在時の国庫帰属との対比
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