出入国管理及び難民認定法 第73条の3
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- 行使の目的で、在留カード又は在留カードとして表示されて行使されることとなる在留カード電磁的記録(次項及び第三項において「在留カード等」という。)を偽造し、又は変造した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
- 2.偽造され、又は変造された在留カード等を行使した者も、前項と同様とする。
- 3.行使の目的で、偽造され、又は変造された在留カード等を提供し、又は収受した者も、第一項と同様とする。
- 4.人の事務処理を誤らせる目的で、在留カード電磁的記録を不正に作つた者も、第一項と同様とする。
- 5.不正に作られた在留カード電磁的記録を、前項の目的で、人の事務処理の用に供した者も、第一項と同様とする。
- 6.不正に作られた在留カード電磁的記録が記録された在留カードを、第四項の目的で、提供し、又は収受した者も、第一項と同様とする。
- 7.前各項の罪の未遂は、罰する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第73条の3は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の3の条文原文は「行使の目的で、在留カード又は在留カードとして表示されて行使されることとなる在留カード電磁的記録(次項及び第三項において「在留カード等」という。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の3は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の3の前の条は出入国管理及び難民認定法第73条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の3の次の条は出入国管理及び難民認定法第73条の4です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/73_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法73条の3は、在留カードの偽造・変造、偽造カードの行使・提供・収受を1年以上10年以下の拘禁刑で処罰する。罰金刑はなく、未遂も罰せられる。
Q · 偽造の在留カードを受け取っただけでも犯罪になるの?
行使目的があれば偽造と同じ1年以上10年以下
入管法73条の3第3項は、行使の目的で偽造・変造された在留カード等を提供し、または収受した者を、偽造した者と同じ1年以上10年以下の拘禁刑で処罰します。罰金刑の定めはなく、未遂も処罰されます(同条7項)。成立には偽造であることの認識と行使の目的が必要で、本当に偽造と知らなかった場合は成立しませんが、怪しいと思いながら受け取った場合は未必の故意と評価される可能性があります。
解説
在留カードの偽造は「入管法のちょっとした違反」ではない。刑の下限が拘禁刑1年、上限が10年。これは強盗未遂や傷害致死と同じ階層の重罪帯であり、執行猶予が付く保証もない。しかも処罰されるのは偽造した本人だけではない。偽造カードを「使った」者、「渡した」者、「受け取った」者、すべてが同じ1年以上10年以下に並ぶ。第3項の「収受」を見てほしい。あなたが受け取っただけでも、行使の目的があれば偽造犯と同じ刑だ。さらに第7項で未遂まで処罰される。外国人本人だけの話でもない。日本人が知人のために偽造カードを手配して渡せば、その日本人が第3項の提供者として同じ法定刑を負う。雇用主が「本物かどうか怪しいが、まあいいか」と受け取った瞬間、その線はもう見えている。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第73条の3は、在留カード偽造罪を定める規定である。行使目的の偽造・変造、偽造カードの行使、行使目的の提供・収受、人の事務処理を誤らせる目的による在留カード電磁的記録の不正作出・供用・提供・収受を処罰対象とし、法定刑はいずれも1年以上10年以下の拘禁刑で、未遂も処罰される。
よくある質問 AI による整理
Q1在留カード偽造の刑罰はどのくらい?
入管法73条の3により1年以上10年以下の拘禁刑です。罰金刑の定めはないため、有罪になれば必ず拘禁刑(実刑または執行猶予付き)が言い渡されます。
Q2在留カード偽造で執行猶予はつく?
法定刑の下限が1年のため、3年以下の拘禁刑が言い渡されれば執行猶予を付けることは法律上可能です。ただし付くかどうかは事案の悪質性や関与の程度によります。
Q3偽造在留カードを持っているだけで罪になる?
本条の対象は偽造・行使・提供・収受です。行使の目的での所持は入管法73条の4で別途処罰されます。所持だけなら無関係、という理解は誤りです。
Q4在留カードのICチップを書き換えるのも犯罪?
犯罪です。本条4項から6項は、人の事務処理を誤らせる目的で在留カード電磁的記録を不正に作る行為、その供用、そのカードの提供・収受を券面の偽造とは独立に処罰します。
Q5在留カード偽造の未遂とは?
偽造作業に着手したが完成しなかった場合や、偽造カードを受け取ろうとして受け取れなかった場合などです。本条7項により未遂も処罰対象です。
Q6在留カード偽造の時効は何年?
法定刑の長期が10年のため、公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項)。偽造・行使・収受それぞれの行為が終わった時点から別々に進行します。
Q7偽造在留カードを業者に頼んだら何罪?
依頼した時点で偽造の教唆に問われうるほか、受け取れば本条3項の収受、使えば2項の行使が成立しえます。いずれも1年以上10年以下の拘禁刑です。
Q8在留カード偽造で強制送還される?
刑事罰とは別に、在留資格の取消しや退去強制手続(入管法24条)の対象となりえます。刑事手続と入管手続は並行して進むことが多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1在留カードを人に貸しただけでも捕まりますか?
本条が捉えるのは偽造・変造されたカードの提供です。真正な自分のカードを貸す行為は本条ではなく、入管法73条の6の在留カードの不正受交付や、借りた側の行使の問題として処理されます。実務のポイント:貸した側は刑事責任を免れても、在留状況の悪質性として在留資格更新の審査に直接響きます。更新不許可の理由書には書かれないが、審査官のメモには残る
Q2偽造カードだと知らずに受け取っていた場合は?
第3項の収受罪は故意犯で、偽造であることの認識と行使の目的の両方が必要です。本当に知らなければ成立しません。ただし「怪しいと思ったが確認しなかった」は未必の故意と評価されうる。実務のポイント:捜査機関は入手経路の不自然さ、支払った金額、仲介者とのやり取りの履歴で認識を立証します。LINEの「本物っぽいのある?」という一行が決定打になる
Q3雇う側は在留カードをどこまで確認する義務がありますか?
法令上「必ずこう確認せよ」という統一手順はありませんが、不法就労助長罪(入管法73条の2)は過失がないことを立証しない限り免責されない構造です。出入国在留管理庁の失効情報照会とICチップ読取アプリでの確認が事実上の標準になっています。実務のポイント:確認した日時のスクリーンショットを人事ファイルに残す会社と残さない会社で、摘発時の帰結が分かれる。記録がない側は「見ました」が通らない
間違えやすい点 AI による整理
- 「偽造したのは業者で、自分は買って持っていただけ」と思っている人が多いが、第3項は収受を偽造と同じ刑で処罰する。買い手が軽くなる構造が最初から存在しない。法律は「作る市場」ではなく「流通する市場」を断つ設計になっている
- 在留カード偽造は入管法違反だから、罰金か強制送還で終わると誤解されがちだ。だが問題の深刻度はそこではない。法定刑の下限が拘禁刑1年であるため、罰金刑という選択肢が条文上存在しない。有罪なら実刑か執行猶予付き拘禁刑の二択で、前科は確実に残り、退去強制事由(入管法24条)にも直結する
- 「偽造カードを使わなければセーフ」という問い自体が的を外している。第4項から第6項は、カードに埋め込まれたICチップの電磁的記録を不正に作る行為、それを事務処理に供する行為、そのカードを渡す行為を独立に処罰する。券面が真正でも、チップ側を書き換えた時点で成立する。あなたが見ている「カードの表面」は、法律が見ている対象の半分でしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 入管法73条の3:在留カード等の偽造・変造、行使、提供・収受、電磁的記録の不正作出・供用 | 入管法73条の2:不法就労をさせる・あっせんする行為(不法就労助長罪) 刑法155条:公務所の印章・署名を用いた公文書の偽造・変造 |
| 法定刑 | 1年以上10年以下の拘禁刑(罰金刑なし) | 拘禁刑もしくは罰金、またはその併科 有印公文書偽造は1年以上10年以下の拘禁刑 |
| 主な行為者 | 外国人本人、偽造業者、仲介者、偽造カードを手配した日本人 | 雇用主、ブローカー、あっせん業者 公文書を偽造したすべての者 |
| 主観的要件 | 故意犯。第1〜3項は行使の目的、第4〜6項は事務処理を誤らせる目的が必要 | 在留資格を知らなかったことだけでは免責されず、過失がなかった場合のみ免責(同条2項) 故意犯。行使の目的が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には在留カードに特化した偽造罪はなく、居留証を含む特種文書の偽造・行使として刑法で処理される。法定刑は日本より大幅に軽い
韓国の外国人登録証の偽造は公文書偽造罪・同行使罪として処理される
ドイツは滞在許可証など在留関係書類について偽造公的身分証明書の規定を準用する特則を置く
米国は連邦法でビザ・永住権カード等の偽造・使用・取得を独立の犯罪とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 留学生の友人から「就労制限を消したカードを作ってくれる業者がいる、一緒に頼まないか」と誘われた。頼んだ時点で偽造の教唆、受け取れば第3項の収受、面接で出せば第2項の行使。三段階すべてが1年以上10年以下の同じ刑だ
- あなたは居酒屋の店長。応募者の在留カードを見て「写真の質感がおかしい」と感じたが、人手不足で採用した。後日それが偽造と判明。あなた自身が第3項の収受で問われるかは「行使の目的」の有無で分かれるが、入管法73条の2(不法就労助長罪)は別軌道で襲ってくる。店長が起訴される事件は現実に起きている
- もし、ネットで「在留カード 番号 確認」と検索して出てくる出入国在留管理庁の失効情報照会に、あなたの手元のカードの番号を入れたら何が出るか。雇用主側は3秒でできる。偽造カードを渡した側は、その3秒を想定していないことが多い
- 摘発は行政手続ではなく刑事事件として始まる。警察の取調べで「知らなかった」と言えば済むと思っていても、逮捕から起訴判断まで最大23日、その間あなたは職場にも家族にも戻れない。在留資格そのものも並行して取消手続(入管法22条の4)に入る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の在留カードが盗難・紛失した場合、14日以内に地方出入国在留管理局へ再交付申請(入管法19条の12)、同時に警察へ遺失届を出して受理番号を保管する2. 自分名義のカードが偽造流通している疑いがあれば、入管庁の窓口と警察の双方に申告、被害者としての記録を先に作る3. 雇用主として偽造カードをつかまされた場合、判明時点で速やかに入管庁へ届け出て就労を停止、放置は不法就労助長罪のリスクへ転化する
訴えられた側:1. 逮捕・任意同行の段階で真っ先に弁護人を呼ぶ。当番弁護士は初回無料、外国人事件に慣れた弁護人を指名で探す2. 「行使の目的」の有無が第3項・第4項の成否を左右するため、取調べでは安易に目的を認めず黙秘権を行使する3. 通訳の質を確認、供述調書は読み上げ翻訳を求め、内容に納得できなければ署名しない4. 刑事手続と並行して在留資格の取消・退去強制手続が走るため、刑事弁護人と入管業務に強い弁護士・行政書士の両輪で動く
時効(請求できる期限):法定刑の長期が10年であるため、公訴時効は7年(刑事訴訟法250条2項3号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、偽造は作成完了時、行使は使用時、収受は受領時とそれぞれ別に進行する。逮捕後は最大23日で起訴・不起訴が決まる。在留カードの紛失・盗難による再交付申請は事実を知った日から14日以内(入管法19条の12)
学説
通説:本条は刑法の公文書偽造罪の特別類型であり、在留管理制度の信頼性を保護する。提供・収受を偽造と同じ法定刑に置いたのは、偽造カードの流通市場そのものを断つ趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:在留カード制度の導入に伴う入管法改正で、在留カードの偽造・変造、行使、提供・収受等を処罰する規定として新設(在留カード制度は2012年施行)
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月施行)
- 出入国管理及び難民認定法 第73条の2不法就労助長罪、雇用主側の責任
- 出入国管理及び難民認定法 第19条の3在留カードの交付、本条が守る対象の根拠
- 出入国管理及び難民認定法 第19条の12紛失時の再交付申請義務
- 出入国管理及び難民認定法 第24条退去強制事由、刑事責任と並行する行政効果
- 出入国管理及び難民認定法 第22条の4在留資格の取消手続との連動
- 刑法 第155条公文書偽造罪、本条の一般法的位置づけ
- 刑法 第161条の2電磁的記録不正作出罪、第4項以下の母法
- 刑事訴訟法 第250条公訴時効期間の算定根拠
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