出入国管理及び難民認定法 第74条の6
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営利の目的で第七十条第一項第一号若しくは第二号に規定する行為(以下「不法入国等」という。)又は同項第二号の二に規定する行為の実行を容易にした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第74条の6は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第74条の6の条文原文は「営利の目的で第七十条第一項第一号若しくは第二号に規定する行為(以下「不法入国等」という。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第74条の6は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第74条の6の前の条は出入国管理及び難民認定法第74条の5です。
- 出入国管理及び難民認定法第74条の6の次の条は出入国管理及び難民認定法第74条の6の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第74条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第74条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第74条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/74_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法74条の6は、営利目的で不法入国等の実行を容易にした者を、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科に処す。刑法の従犯減軽は及ばない。
Q · お金をもらって外国人の入国を手伝ったら、どれくらいの罪になるの?
対価を得た手助けは独立の犯罪となり、本人並みに処罰される
入管法74条の6により、営利の目的で不法入国・不法上陸等の実行を容易にした者は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科に処されます。通常の手助け(刑法62条の幇助)なら刑法63条で刑が減軽されますが、本条は援助行為そのものを独立の犯罪としているため減軽はありません。無償の手助けは本条の対象外ですが、刑法の幇助犯として立件される余地は残ります。
解説
「実行を容易にした者」。この短い一句が、刑法の基本原則を一つ押しのけている。刑法では手助けした側(従犯)の刑は正犯より減軽される(刑法63条)。ところが入管法74条の6は、営利の目的さえあれば、手助けした側を独立の犯罪として3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、しかも両方まとめて科せる。不法入国した本人に科される刑(70条)とほぼ同じ重さである。分水嶺は「営利の目的」の一点にある。友人だから無償で空港まで迎えに行ったのか、紹介料5万円を受け取ったのか。その5万円が、減軽される従犯と、減軽されない正犯とを分ける。しかも本罪の主体に国籍の限定はない。日本人であるあなたも、同じ条文の射程の中に立っている。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法74条の6は、営利目的の不法入国等援助罪を定める規定であり、営利の目的で同法70条1項1号・2号に規定する不法入国・不法上陸、又は同項2号の2に規定する行為の実行を容易にした者を、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。刑法62条の幇助犯に対する特則として、援助行為を独立の正犯として処罰する。
よくある質問 AI による整理
Q1入管法74条の6とは何ですか?
営利の目的で不法入国・不法上陸等を手助けした者を処罰する規定です。3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は両方が科されます。
Q2密入国の手助けをすると逮捕される?
営利目的があれば入管法74条の6、無償でも刑法62条の幇助犯として立件されえます。ブローカー役の日本人が摘発される例もあります。
Q3不法入国の手助けの罰金はいくら?
営利目的の場合、300万円以下の罰金です。3年以下の拘禁刑と併科されることもあり、罰金だけで済むとは限りません。
Q4紹介料を受け取ると営利目的になる?
なりえます。金額の大小を問わず、財産上の利益を得る目的があれば営利目的と評価されうるため、振込記録が有力な証拠になります。
Q5入管法74条の6の時効は何年?
法定刑の長期が3年のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。犯人が国外にいる間は時効の進行が停止します。
Q6不法入国を手伝った外国人は強制送還される?
本罪で有罪になると、刑事手続とは別に入管法24条の退去強制事由の該当性が審査されます。刑が軽くても在留を失う可能性があります。
Q7偽造パスポートの入手を手伝うのは違法?
対価を得て不法入国等を容易にしたなら本条の対象になりえます。旅券等の偽造・提供自体にも入管法や刑法の別の罰則があります。
Q8技能実習の送り出しの仲介は違法になる?
正規の手続による仲介自体は違法ではありません。ただし在留資格を偽った入国に対価を得て関与すれば、本条の援助にあたりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無償で手伝っただけなら、本当に罪にならないんですか?
本条の正犯にはなりません。営利の目的が構成要件だからです。ただし刑法62条の幇助犯として、70条の不法入国罪の従犯で立件される余地は残ります(その場合は刑法63条で刑が減軽されます)。実務のポイント:捜査機関が最初に押さえるのは動機ではなく通帳と決済アプリの履歴です。「お礼」として受け取った現金や商品券も財産上の利益と評価されうるので、無償を通すなら、その場で受け取りを断ったメッセージの記録を残しておくほうがはるかに強い
Q2知らなかった、で通りますか?
故意がなければ処罰されませんが、実務で争点になるのは「知らなかった」より「確認できたのに確認しなかった」です。在留カードの失効情報照会を行った記録があるかどうかで評価は変わります。実務のポイント:受入れ企業では、照会した日時の画面を保存する運用が定着しつつあります。これは73条の2の不法就労助長罪で過失がなかったと主張するための防御ラインと同じもので、同じ記録が本条の故意否認でもそのまま効いてきます
Q3外国人が捕まったら、そのまま強制送還されるんですか?
刑事処分と退去強制は別の手続です。本罪で有罪になれば入管法24条の退去強制事由の該当性が別途審査され、不起訴や罰金でも在留資格の更新審査で在留状況として見られることがあります。実務のポイント:刑事弁護人が量刑だけを見て早期の自白や示談を勧めることがありますが、在留への影響まで見るなら入管手続に詳しい弁護士や申請取次のできる行政書士を早い段階で並走させる。刑は軽くなったのに在留資格を失う、という結末は実際に起きています
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分は誰も入国させていないから関係ない」という問いの立て方そのものが誤っている。本条が罰するのは入国させる行為ではなく、実行を容易にした行為である。渡航ルートの助言、書類の準備、空港での出迎え、住まいの手配、そのどれか一つでも該当しうる。問うべきは「関与したか」ではなく「対価を受け取ったか」だ
- あなたから見れば正当なコンサルティング報酬でも、捜査機関から見れば営利目的の証拠になる。同じ振込記録が、立場によって真逆の意味を持つ。この落差を埋められるのは、業務内容を事前に特定した契約書と、実際に働いた記録だけである
- 「外国人がやる犯罪」と思われがちだが、本条の主体に国籍制限はなく、ブローカー役として摘発される日本人は珍しくない。さらに深刻なのは、外国人が本罪で有罪になった場合、刑事処分とは別軌道で退去強制事由の該当性(24条)が審査される点。刑が軽くなっても在留を失う、という二重構造を知らない人が多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 入管法74条の6:営利目的で不法入国等の実行を容易にした者(援助者) | 入管法70条:不法入国・不法上陸等をした本人 入管法74条の8:入国後の不法入国者等を蔵匿・隠避した者 |
| 法定刑 | 3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科 | 3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科 3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又は併科(営利目的は加重) |
| 営利目的の位置づけ | 構成要件そのもの(営利目的がなければ本条は不成立) | 要件ではない 加重要件(基本類型は営利目的不要) |
| 関与の時点 | 入国・上陸の前後を通じた実行の容易化 | 入国・上陸行為そのもの 入国後の匿い・逃走の手助け |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は未許可の入出国を入出國及移民法で処罰し、その手助けは原則として刑法の幫助犯で処理する。営利目的を独立の構成要件とする日本型の設計とは組み立てが異なる
韓国も不法入国の斡旋を独立に処罰し、営利目的の有無で扱いを分ける構造をもつ
ドイツは外国人の不法入国を手助けし対価を得る行為を「Einschleusen」として独立に処罰し、営業的・集団的な場合を加重する
米国は外国人の不法な入国・移送・隠匿を連邦犯罪とし、商業的利益や私的な金銭的利得を目的とする場合に刑を加重する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 技能実習の受入れに関わるあなたが、送り出し側から「一人あたり3万円」の紹介手数料を受け取っていた。その中に在留資格を偽って入国した人が混ざっていたと後から分かれば、その3万円の振込記録はそのまま「営利の目的」の物的証拠になる。あなたの認識がどうだったかより先に、通帳が語り始める
- SNS に「日本に行くルート、相談料一万円で教えます」と書き込んだだけなら、どこまでが罪になる? 相談者が実際に偽造旅券で入国すれば、その一文が実行を容易にした行為として立件されうる。投稿を消しても、スクリーンショットとサーバーログは残る
- 警察から「参考人として話を聞かせてほしい」と電話が来た。任意の事情聴取は、逮捕や在宅起訴が決まる前に、あなたが唯一説明を設計できる時間である。あと数日で供述調書の文言が固まり、それが一年後の法廷であなた自身の言葉として読み上げられる。報酬か実費の立替か、その一行が入るかどうかがそこで決まる
- 留学生の友人から「妹を日本に呼びたいので書類を手伝ってほしい」と頼まれ、無償で翻訳しただけだったあなた。営利目的がない以上、本条の正犯にはならない。ただし刑法62条の幇助として立件される可能性は残る。「タダだから安全」ではなく「タダなら刑が減軽されうる」が、正しい理解である
取るべき行動
被害を受けた側:高額な手数料を取られて渡航させられ、結果として自分が不法入国・不法残留の状態に置かれた側なら、送金記録、やり取りのメッセージ、仲介者の氏名と口座情報を真っ先に保全する。本条は仲介者を処罰する条文であり、あなたは立証の中心証人になりうる立場である。人身取引の被害という側面があれば保護の枠組みも別途動く。入管に単独で出頭する前に、入管事件に慣れた弁護士か支援団体に必ず一度つなぐこと(在留特別許可や出国命令の要件は最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:最初に整理すべきは、金を受け取ったかではなく、受け取った金の性質である。実費の立替、通訳料、正規の申請取次報酬であれば営利目的の評価は変わりうる。振込記録、契約書、業務日報を時系列で揃え、任意聴取の早い段階で提示する。次に、相手が不法入国をしようとしていると認識していたか(故意)を丁寧に切り分ける。供述調書は署名前に一行ずつ読み、記憶と違う部分は訂正を求める権利がある。3年以下の罪は在宅捜査も多く、初動の説明設計が処分を左右する
時効(請求できる期限):法定刑が3年以下の拘禁刑であるため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時であり、援助行為が継続していた場合は最後の行為時から進行する。犯人が国外にいる間は時効の進行が停止する(刑事訴訟法255条)。なお退去強制手続は刑事手続と別個に進むため、不起訴になっても入管側の判断は独立して行われる
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法の懲役・禁錮統合に伴う整備により、法定刑の表記が「懲役」から「拘禁刑」へ変更された。刑の重さ自体は変わらないが、旧版の解説書や判例集の表記とずれが生じている
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 改正:刑法の懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴う整備により、本条の法定刑の表記が「懲役」から「拘禁刑」に改められた。刑の上限自体は変わらない
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