関税法 第116条
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重大な過失により第百十一条第一項第二号(許可を受けないで輸出入する等の罪)、第百十三条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、第百十四条、第百十四条の二(第十六号及び第十七号を除く。)、第百十五条(報告を怠つた等の罪)又は第百十五条の二(第一号、第七号、第十一号及び第十八号を除く。)(帳簿の記載を怠つた等の罪)の罪を犯した場合には、当該違反行為をした者は、当該各条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 関税法第116条は、日本の関税法に含まれる条文です。
- 関税法第116条の条文原文は「重大な過失により第百十一条第一項第二号(許可を受けないで輸出入する等の罪)、第百十三条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、第百十四条、第百十四条の二(第十六…」で始まります。
- 関税法第116条は第十章 罰則に置かれています。
- 関税法の公布日は昭和29年4月2日です。
- 関税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 関税法第116条の前の条は関税法第115条の3です。
- 関税法第116条の次の条は関税法第117条です。
- 関税法第116条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第116条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000061 - 本サイト収録
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第116条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000061/116
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点関税法116条は、偽った輸出入申告や不開港出入、帳簿記載義務違反などを重大な過失で犯した場合も、各条の罰金刑で処罰すると定める。拘禁刑は科されない。
Q · 輸入申告をうっかり間違えただけでも、刑事罰になるの?
重大な過失なら罰金刑の対象、軽過失は行政処理が基本
関税法116条により、偽った申告等(111条1項2号)や報告・帳簿記載義務違反などを「重大な過失」で犯した場合、当該各条の罰金刑が科されます。拘禁刑はありません。一方、通常の不注意(軽過失)による誤りは刑事罰の対象外で、修正申告・更正と過少申告加算税(12条の2)で処理されるのが基本です。両罰規定(117条)により会社にも罰金が科されうる点に注意が必要です。
解説
税関で「うっかり」と言えば済む、と多くの輸入者は考えている。関税法116条はその考えに線を引く。刑法は原則として故意の犯罪だけを罰し、過失犯を罰するには特別の規定がいる(刑法38条1項ただし書)。本条はその特別の規定で、輸出入申告で偽った申告をする罪(111条1項2号)、不開港への出入り(113条)、報告や帳簿記載の義務違反(114条、114条の2、115条、115条の2の大半)について、「重大な過失」があれば罰すると定めている。ただし科されるのは罰金刑だけで、拘禁刑はない。注意すべきは「重大な過失」の水準である。単なる不注意(軽過失)なら刑事罰の対象ではなく、修正申告と加算税で終わる。しかし、少し注意すれば簡単に避けられたのに、それすら怠った場合(インボイスを一度も確認しない、仕入先から届いた数字をそのまま転記する、など)は刑事罰の土俵に乗る。さらに両罰規定(117条)により、会社そのものにも罰金が科されうる。あなたの会社の通関担当者が「確認しないのがいつものやり方」になっていたら、その習慣自体が危ない。
法的な位置づけ
関税法116条は、関税法上の特定の罪について重大な過失による違反を処罰する過失犯処罰規定である。対象は111条1項2号、113条、114条、114条の2(16号・17号を除く)、115条、115条の2(1号・7号・11号・18号を除く)の罪に限られ、科される刑は当該各条の罰金刑のみである。
よくある質問 AI による整理
Q1関税法116条とは?
関税法の一部の罪について、故意がなくても重大な過失があれば罰金刑で処罰すると定めた過失犯処罰規定です。拘禁刑は科されません。
Q2関税法の重大な過失とはどの程度?
わずかな注意で容易に誤りを避けられたのに、それすら怠った著しい注意欠如を指すと解されます。インボイスを一度も照合しない等が典型例です。
Q3関税法116条の罰金はいくら?
本条独自の金額はなく、違反した各条(111条、113条、114条など)に定められた罰金刑がそのまま科されます。金額は各条を確認してください。
Q4輸入申告の過失で前科はつく?
罰金刑でも有罪判決が確定すれば前科になります。ただし実務上は通告処分(138条)を履行して刑事訴追に進まず終わるケースが多いです。
Q5通関士も関税法116条で罰せられる?
本条は「当該違反行為をした者」を罰するため、申告書を作成・提出した通関士や担当者自身も対象に含まれうる点に注意が必要です。
Q6関税法116条の時効は何年?
罰金刑のみの罪のため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。関税の更正期間とは別に数えます。
Q7関税法 過失 会社も罰金?
両罰規定(関税法117条)により、従業員が業務に関して本条の罪を犯した場合、法人や事業主にも罰金刑が科されうる仕組みです。
Q8関税の申告ミスは修正申告で済む?
軽過失による誤りなら、修正申告・更正と過少申告加算税による行政上の処理で終わるのが基本です。重大な過失と評価されると刑事罰の対象になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1HS コードの分類を間違えただけでも、刑事罰になるんですか?
分類の誤りそのものが直ちに犯罪になるわけではありません。関税法116条が罰するのは「重大な過失」による偽った申告で、専門家でも判断が割れる分類の誤りは通常、修正申告や更正で処理されます。実務のポイント:迷う品目は税関の事前教示制度を使い、回答を文書で受け取っておく。その記録があれば、後で分類が争われても「確認を怠った」とは言われにくい
Q2罰金だけなら、払えば終わりですよね?
罰金刑は刑事罰なので、有罪判決が確定すれば前科になります。会社には両罰規定(関税法117条)で罰金が科されうるうえ、通関業者の許可や AEO 認定、各種許認可の審査にも影響しえます。実務のポイント:実務では、刑事手続の前に通告処分(関税法138条)で決着することが多く、通告を履行すれば刑事訴追には進みません。通告を受けた段階の対応が最大の分岐点です
Q3通関業者に全部任せていたので、うちは関係ないですよね?
そうとは限りません。申告の名義人は輸入者で、仕入価格や数量などの基礎情報を提供するのも輸入者です。情報提供の段階で確認を怠っていれば、輸入者側の過失が問われます。関税の追徴と加算税は輸入者に課されます。実務のポイント:通関業者との委託契約に、情報の確認責任と誤りがあったときの費用負担を明記している会社は意外と少ない。事故が起きてから揉める典型です
間違えやすい点 AI による整理
- 「故意でなければ刑事罰はない」と思われがちだが、関税法は本条で重大な過失も罰している。ただし罰金刑だけで、拘禁刑は科されない。確認を怠ったこと自体が、罰金刑と前科の入口になる
- 過失の申告漏れはすべて刑事事件になる、と怯える人もいるが、これも正確ではない。本条が罰するのは「重大な」過失だけで、通常の不注意による誤りは修正申告、更正、過少申告加算税(関税法12条の2)という行政上の処理で終わるのが基本である。怯えて過去の誤りを隠すほうが、故意を疑われる材料を自分で作ることになる
- 条文が拾っている罪は限られている。111条1項のうち明記されているのは2号(偽った申告等)だけで、114条の2と115条の2にも除外号がある。「税関関係の違反なら何でも過失で罰される」という前提でものを考えると、自社のリスクがどこにあるのかを見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主観的要件 | 関税法116条:重大な過失(軽過失は対象外) | 関税法111条:故意(偽った申告等の本体規定) 関税法117条:従業者の違反行為を前提とする法人・事業主の責任 |
| 科される刑 | 当該各条の罰金刑のみ(拘禁刑なし) | 拘禁刑もしくは罰金、またはその併科 法人・事業主に各条の罰金刑 |
| 処罰対象者 | 当該違反行為をした者(担当者・通関士を含みうる) | 故意に違反行為をした者 法人・事業主(行為者と並んで処罰) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では虚報は主に行政罰(罰鍰)で処理され、行政罰法により故意または過失が要件となる。日本のように過失を刑事罰で扱う構造とは異なる
ドイツは軽率(leichtfertig)による税の過少申告を秩序違反として過料で扱い、刑事罰ではない点で日本と異なる
米国は輸入申告の虚偽について、詐欺・重過失・過失の三段階で民事制裁金を区別しており、過失の程度で制裁を変える発想は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の仕入先がインボイスの価格を実際の取引額より低く書いてきた。あなたは契約書と照合せず、その数字で輸入申告した。事後調査で差額が見つかったとき、「知らなかった」は故意の否定にはなる。だが、照合すれば一目で分かった差額なら、重大な過失を問われる余地が残る
- もし、社内で三年間同じ HS コード(関税の品目分類番号)で申告してきた商品が、実は税率の高い別の分類だったとしたら、どうなる? 税関の事前教示を一度も取っていない、商品の仕様が途中で変わったのに見直していない。そうした事情が重なるほど、「単なる誤り」から「重大な過失」へ評価が傾く
- あなたは通関業者の通関士として、顧客から届いた書類をそのまま申告に使った。数量欄の桁が一つ違っていた。条文が罰するのは「当該違反行為をした者」であり、申告書を作成・提出したあなた自身が対象に含まれうる
- 税関から事後調査の通知が届いた。調査日まであと10日。その前に修正申告を出すかどうか、社内で過去の申告を洗い直せるかどうかで、加算税の額も、犯則事件に進むかどうかの印象も変わってくる
- 保税地域の帳簿をアルバイトに任せきりにしていた倉庫会社。記載漏れが数か月続いた。「担当者のミス」で片付けたつもりでも、両罰規定で会社も罰金を問われうる
取るべき行動
被害を受けた側:委託した通関業者や仕入先のミスで自社の申告が誤っていた場合:1. 誤りが判明した時点で、社内の申告データ・インボイス・契約書・通関業者とのやり取りを保全する2. 事後調査の通知前であれば、速やかに修正申告を検討する3. 通関業者の過失なら、委託契約に基づく損害(加算税相当額など)の求償を検討する4. 仕入先の書類改ざんが疑われる場合は、自社の認識状況を時系列で記録し、故意がなかったことの証拠を固める
訴えられた側:1. 税関の質問調査や犯則調査には、関税や通関に詳しい弁護士または税理士を早い段階で関与させる2. 当時の確認手順、マニュアル、担当者の作業記録を集め、「重大な過失」ではなく軽過失にとどまることを具体的に説明できるようにする3. 犯則事件として扱われ通告処分(関税法138条)を受けた場合、所定の期間内に通告の内容を履行すれば告発されずに終わる。履行しなければ告発・刑事手続へ進む。期限を意識する4. 再発防止策(ダブルチェック、事前教示の取得)を文書化して示す
時効(請求できる期限):本条の罪は罰金刑のみのため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、犯罪行為が終わった時から起算)。関税の更正・修正の期間は原則として法定納期限等から5年(関税法14条、偽りその他不正の行為がある場合は7年)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:重大な過失とは、通常人に要求される程度の注意すら著しく欠き、わずかな注意で容易に違法な結果を予見・回避できたのにこれを怠った場合をいう。単なる判断の誤りや専門的に見解の分かれる品目分類の誤りは、原則としてこれに当たらないと解される
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