関税法 第136条(鑑定等の嘱託)
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- 税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件若しくは記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。
- 2.前項の規定による鑑定の嘱託を受けた者(第四項及び第五項において「鑑定人」という。)は、前項の税関職員の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けて、当該鑑定に係る物件を破壊することができる。
- 3.前項の許可の請求は、税関職員からこれをしなければならない。
- 4.前項の請求があつた場合において、裁判官は、当該請求を相当と認めるときは、犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)、罪名、破壊すべき物件及び鑑定人の氏名並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を税関職員に交付しなければならない。
- 5.鑑定人は、第二項の処分を受ける者に前項の許可状を示さなければならない。
この条文の基本情報
鑑定等の嘱託とは何ですか?
定義鑑定等の嘱託とは、関税法第136条に定められた規定で、「税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件若しくは記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳若しくは翻訳…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 関税法第136条(鑑定等の嘱託)は、日本の関税法に含まれる条文です。
- 関税法第136条の条文原文は「税関職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件若しくは記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳若しくは翻訳…」で始まります。
- 関税法第136条は第一節 犯則事件の調査に置かれています。
- 関税法の公布日は昭和29年4月2日です。
- 関税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 関税法第136条の前の条は関税法第135条です。
- 関税法第136条の次の条は関税法第137条です。
- 関税法第136条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第136条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000061 - 本サイト収録
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第136条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000061/136
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点関税法136条は、税関職員が犯則調査のため学識経験者に鑑定・通訳・翻訳を嘱託できると定める。鑑定のための物件破壊には裁判官の許可状が必要となる。
Q · 税関に押収された物は、鑑定のために勝手に壊されてしまうの?
壊すには裁判官の許可状が必要で、提示を受けられる
関税法136条により、税関職員は犯則調査のため学識経験者に押収物件の鑑定を嘱託できます。ただし鑑定人が物件を破壊するには、税関職員が地方裁判所または簡易裁判所の裁判官に請求し、許可状の交付を受けなければなりません(同条2項・3項)。許可状には破壊すべき物件、鑑定人の氏名、有効期間などが記載され、期間経過後は執行に着手できません(同条4項)。鑑定人は処分を受ける者に許可状を示す義務を負います(同条5項)。
解説
税関の犯則調査で押さえられた物件を分析するのは、税関職員本人とは限らない。関税法136条により、税関職員は大学の研究者や民間の分析機関など「学識経験を有する者」に鑑定を頼める。外国人の嫌疑者から話を聞くときの通訳や、外国語書類の翻訳も同じように外部へ頼める。一方で、あなたが押さえておくべき一線がある。分析のために物件を「破壊」する場合だけは、税関の判断では足りない。税関職員が地方裁判所か簡易裁判所の裁判官に請求し、許可状の交付を受けなければならない。許可状には、壊してよい物件、鑑定人の氏名、有効期間が書かれ、期間を過ぎれば執行に着手できない。さらに鑑定人は、処分を受ける者にその許可状を示す義務を負う。金の延べ棒を切断して純度を測る、錠剤を溶かして成分を調べる。そうした取り返しのつかない分析の前には、必ず一枚の紙が存在するはずであり、その記載と実際の作業が合っているかを確かめる権利があなたにはある。
法的な位置づけ
関税法第136条は、税関の犯則調査における鑑定・通訳・翻訳の嘱託を定める規定である。税関職員は学識経験者に領置物件等の鑑定を嘱託でき、鑑定人による物件の破壊は、税関職員の請求により裁判官が交付する許可状に基づく場合に限り認められる。許可状には物件、鑑定人、有効期間等が記載され、処分を受ける者への提示が義務付けられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.許可状の提示を求める 鑑定のための物件破壊を告げられたら、鑑定人に許可状の提示を求める(関税法136条5項)。提示前に作業が始まりそうな場合はその旨を記録する
- 2.許可状の記載事項を控える 破壊すべき物件、鑑定人の氏名、請求者の官職氏名、有効期間、交付年月日、裁判所名を控え、実際の作業対象・作業者と一致しているか確認する
- 3.破壊前の状態を記録する 物件の数量、重量、外観、ロット番号を写真と書面で残し、税関側にも記録の作成を求める。破壊後は元の状態を示す証拠が残らない
- 4.弁護士に相談する 犯則嫌疑者であれば刑事事件に詳しい弁護士に、第三者の財産であれば還付・損害の扱いについて弁護士に早期相談し、税関とのやり取りを書面で残す
よくある質問 AI による整理
Q1関税法の鑑定嘱託とは?
税関職員が犯則事件の調査のため、大学や分析機関などの学識経験者に押収物件の鑑定を依頼する制度です。関税法136条1項が根拠です。
Q2鑑定処分許可状とは何ですか?
鑑定人が押収物件を破壊するために必要な裁判官の許可状です。破壊すべき物件、鑑定人の氏名、有効期間などが記載されます(関税法136条4項)。
Q3税関の許可状は誰が請求する?
税関職員が請求します(関税法136条3項)。鑑定人自身は請求できず、所属官署の所在地を管轄する地裁または簡裁の裁判官に対して行います。
Q4許可状の有効期間が切れたらどうなる?
期間経過後は執行に着手できず、許可状を返還しなければなりません(関税法136条4項)。改めて破壊するには新たな許可状が必要です。
Q5税関の鑑定で壊された物は返ってくる?
破壊された部分は元に戻りません。そのため破壊前に数量・重量・外観を写真や書面で記録しておくことが、後の還付や損害の協議で重要になります。
Q6税関の犯則調査で通訳は誰が担当する?
税関職員が関税法136条1項に基づき外部の通訳人に嘱託できます。調書は通訳を介した内容で作成されるため、署名前の確認が重要です。
Q7鑑定人に許可状を見せてもらえる?
見せてもらえます。関税法136条5項は、鑑定人に対し、破壊の処分を受ける者へ許可状を示す義務を課しています。
Q8税関の鑑定結果に異議を出せる?
告発後の刑事手続で、鑑定の方法、試料の同一性、鑑定人の選定などを弁護人とともに争うことが考えられます。別の専門家の意見を求める方法もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税関に押さえられた荷物って、勝手に壊されたりするんですか?
鑑定を目的とした破壊には、裁判官の許可状が必要である(関税法136条2項)。税関職員が請求し、裁判官が相当と認めた場合に交付され、鑑定人はそれを処分を受ける者に示さなければならない(同条5項)。実務のポイント:許可状は物件と有効期間を特定している。記載された内容をその場で控えておくかどうかで、後から弁護人が手続を検討できる範囲が大きく変わる
Q2外国人スタッフが税関で事情を聞かれるんですが、通訳は誰がやるんですか?
税関職員が本条1項に基づき、外部の通訳人に嘱託することができる。調書は通訳を介した内容をもとに作られる。実務のポイント:いったん署名した調書の内容を後から覆すのは容易ではない。読み聞かせの段階で意味が違うと感じた箇所は、遠慮せずその場で訂正を求める。そこが一番安く済む修正のタイミングである
間違えやすい点 AI による整理
- 「税関に押さえられたら、中身は好きに壊されても文句は言えない」と思われがちだが、鑑定のための破壊には裁判官の許可状が必要で、鑑定人はそれを処分を受ける者に示さなければならない(本条2項・5項)
- 許可状があることまでは知っていても、その中身の拘束力を知らない人が多い。許可状は、壊してよい物件と鑑定人の氏名を特定し、有効期間を区切っている。記載にない物件や別人の作業、期間経過後の着手は、許可状の範囲を外れる
- 「鑑定結果は専門家が出すのだから中立で覆せない」という前提自体を疑うべきである。鑑定を嘱託するのは調査を進める税関の側であり、その選定、試料の採り方、分析方法は、後の刑事手続で争点になりうる。結果ではなく過程を問う視点が必要だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる処分 | 関税法136条:鑑定・通訳・翻訳の嘱託と、鑑定のための物件破壊 | 関税法121条:許可状による臨検・捜索・差押え(現行条番号要確認) 刑事訴訟法225条:捜査機関の嘱託を受けた鑑定人の鑑定処分 |
| 裁判官の関与 | 破壊の場合のみ許可状が必要、嘱託自体は税関職員の判断 | 強制処分全般に裁判官の許可状が必要 鑑定処分に裁判官の許可状が必要 |
| 請求者 | 税関職員(鑑定人は請求不可) | 税関職員 検察官・検察事務官・司法警察員 |
| 提示義務 | 鑑定人が処分を受ける者に許可状を示す | 処分を受ける者に許可状を示す 鑑定人が処分を受ける者に許可状を示す(刑訴168条準用) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では鑑定人が物件を毀壊するには裁判官または検察官の許可が必要とされ、許可書制度で統制する点で日本と共通する
韓国も捜査段階の鑑定処分に判事の許可状を要求する構造で、日本の刑訴225条と類似する
ドイツでは鑑定人(Sachverständige)の選任と鑑定を刑事訴訟法で規律し、税関犯則は租税通則法(AO)の枠組みで捜査される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- インゴットを持ち込んだ知人が金密輸の疑いで調査を受け、押さえられた地金の純度を調べるため切断すると告げられた。その場で「許可状を見せてください」と言えるかどうかで、後から手続を争える材料が残るかが変わる
- あなたの会社が輸入した健康食品が犯則事件の対象になり、第三者機関で成分を鑑定することになった。サンプルは溶かされて戻ってこない。破壊前の数量、ロット番号、外装の写真を自社で残していなかったら、後日の還付や損害の話し合いで何を根拠に主張するのか?
- 外国籍の従業員が税関の質問調査を受ける。通訳は税関が嘱託した人物だ。調書への署名はあと数十分後。訳の食い違いに気づくなら今しかない
- 取引先から預かった精密機器が差し押さえられ、内部構造の鑑定のため分解すると通知された。許可状の有効期間を見ると明日で切れる。期間内に着手されなければ、同じ許可状では壊せない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 物件の所有者や荷主として破壊を告げられたら、鑑定人に許可状の提示を求める(本条5項) 2. 破壊すべき物件、鑑定人の氏名、有効期間、交付した裁判所名を控える3. 破壊前の数量・重量・外観を写真と書面で残す4. 犯則嫌疑者ではない第三者の財産であれば、早い段階で弁護士に相談し、還付や損害の扱いについて税関とのやり取りを記録で残す
訴えられた側:1. 犯則嫌疑者として調査を受けたら、早い段階で刑事事件に詳しい弁護士に連絡する2. 鑑定の対象、方法、鑑定人を確認し、許可状の記載と実際の作業が一致しているかを記録する3. 通訳を介した質問では、訳が不明確な箇所を署名前に指摘し訂正を求める4. 告発後の刑事手続では、鑑定の過程や試料の同一性を弁護人とともに検討し、必要なら別の専門家の意見を求める
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし破壊の許可状には有効期間が記載され、期間経過後は執行に着手できない(本条4項)。基礎となる関税法違反の公訴時効は、各罰則の法定刑に応じて刑事訴訟法250条で決まる。違法な破壊について国家賠償を求める場合は国家賠償法4条により民法724条が適用され、損害及び加害者を知った時から3年(最新の改正状況をご確認ください)
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