関税法 第32条(見本の一時持出)
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保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする者は、税関長の許可を受けなければならない。
この条文の基本情報
見本の一時持出とは何ですか?
定義見本の一時持出とは、関税法第32条に定められた規定で、「保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする者は、税関長の許可を受けなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 関税法第32条(見本の一時持出)は、日本の関税法に含まれる条文です。
- 関税法第32条の条文原文は「保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする者は、税関長の許可を受けなければならない。」で始まります。
- 関税法第32条は第一節 総則に置かれています。
- 関税法の公布日は昭和29年4月2日です。
- 関税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 関税法第32条の前の条は関税法第31条です。
- 関税法第32条の次の条は関税法第33条です。
- 関税法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000061 - 本サイト収録
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000061/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点関税法32条は、保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出す場合に、税関長の許可を受けることを義務づける。許可のない持出しは少量でも認められない。
Q · 輸入許可が出る前の貨物から、サンプルだけ先に倉庫の外へ出してもいいの?
税関長の許可を受ければ、見本だけ一時的に持ち出せる
関税法32条により、保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出す場合は、税関長の許可が必要です。許可を得れば、輸入申告や関税の納付前でも、取引先への提示や品質確認のために見本を外へ出せます。一方、許可なく持ち出すと、たとえ1個でも無許可の引取りとして問題になりえます。持ち出した見本を返送せず消費した場合は、輸入の手続(同法67条)が必要になる点にも注意が必要です。
解説
港の倉庫に届いた外国製品は、まだ法律上「日本に入っていない」。輸入の許可が出る前の貨物は外国貨物であり、保税地域(関税を納める前の外国貨物を置いておける、税関の監督下にある場所)の外へ出すことは原則としてできない。これは、輸入担当者やバイヤーが意外と知らない壁である。ただし例外の扉が一枚ある。関税法32条は、見本として一時的に持ち出すことを、税関長の許可を条件に認めている。つまり、輸入申告の前でも、取引先に現物を見せたり、成分や品質を確かめたりするために、数点だけ外へ出す道があるということだ。逆に言えば、「一個くらいなら」と倉庫から黙って持ち出した瞬間に、許可のない引取り、すなわち無許可輸入の疑いが生じる。大量発注の前に現物を確かめる権利と、線を越えれば密輸と同じ土俵に立たされる危険。その両方が、この一文に同居している
法的な位置づけ
関税法32条は見本の一時持出を定める規定であり、保税地域にある外国貨物を見本として一時的に保税地域外へ持ち出す場合に、税関長の許可を要する旨を規定する。外国貨物を保税地域以外に置くことを原則として認めない同法30条の枠組みの中で、輸入許可前の商談・展示・品質確認を可能にする例外的な通路として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.見本の用途と数量を社内で確定する 商談用・展示用・成分分析用など、見本の用途を明確にし、必要最小限の数量を決める。分析で消費するか、使用後に保税地域へ戻すかもこの段階で決めておく
- 2.通関業者に見本持出の予定を連絡する 船や航空機の到着前に、通関業者へ見本一時持出の予定、品目、数量、用途を伝える。申請書類の準備を前倒しすることで、到着から商談までの時間を短縮できる
- 3.税関長に見本一時持出許可を申請する 貨物を置く保税地域を所轄する税関に、見本一時持出許可申請書を提出する。持出期間や返送方法について税関から条件が付されることがあるため、内容を確認して受け入れ可能か判断する
- 4.許可後に持ち出し、所在と返送を記録する 許可の範囲内で見本を持ち出し、持出日、渡した相手、現在の所在、返送日を記録する。消費や引渡しで返送できなくなった場合は、輸入手続への切替えを税関と協議する
よくある質問 AI による整理
Q1見本一時持出とは何ですか?
保税地域にある輸入許可前の外国貨物を、見本として一時的に外へ持ち出す手続です。関税法32条に基づき、税関長の許可が必要です。
Q2見本一時持出の許可はどこに申請しますか?
貨物が置かれている保税地域を所轄する税関(税関長)に申請します。実務では通関業者が代理で申請書を提出することが一般的です。
Q3見本一時持出の許可に手数料はかかりますか?
関税法32条自体は手数料を定めていません。ただし通関業者に代行を依頼する場合は、業者所定の手数料が発生するのが通常です。
Q4見本はいつまでに保税地域へ戻す必要がありますか?
法律に一律の期間はなく、許可の際に税関長が付す条件に従います。期限内に戻せない見込みなら、早めに税関へ相談することが重要です。
Q5持ち出した見本を取引先に渡したままにできますか?
一時持出の許可は返送を前提としています。取引先に渡したまま日本で使う場合は、輸入の手続(関税法67条)を取る必要があります。
Q6保税倉庫からサンプルを勝手に持ち出すと違法ですか?
違法となりえます。32条の許可も輸入許可もなく外国貨物を引き取れば、無許可輸入(関税法111条)の問題が生じる可能性があります。
Q7見本持出の許可は何個まで認められますか?
法律上の上限個数はありません。見本としての用途に照らして相当な数量かどうかを、税関長が個別に判断します。
Q8個人輸入の商品でも見本一時持出は使えますか?
保税地域に置かれた外国貨物であれば、個人事業者でも申請の対象になります。郵便や宅配で直接届く小口貨物とは手続の流れが異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1輸入許可が出る前に、取引先へサンプルだけ先に渡すことってできるんですか?
できる。関税法32条に基づき、税関長の許可を受ければ保税地域の外国貨物を見本として一時持ち出せる。ただし「一時」であり、用途と数量は見本の範囲に限られる。実務のポイント:注文の取集め専用の見本で価格の低いものは、関税定率法14条の無条件免税の対象になる場合がある。一時持出にするか、免税での輸入にするか。どちらが得かは貨物の性質で変わるので、通関業者に両方を比べてもらうとよい
Q2持ち出したサンプルを分析で使い切っちゃったら、どうなるんですか?
返送できない以上、その見本は日本に引き取られたものとして扱われ、輸入の手続と関税などの納付が問題になる(関税法67条)。実務のポイント:分析で消費することが最初から分かっているなら、持出許可の申請段階で税関にそう伝え、処理方法を相談しておく。後から「なくなりました」と報告するのと、事前に計画を示すのとでは、税関の受け止め方がまったく違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「サンプル数個なら税関は気にしない」と考える人は多いが、法律は数量で線を引いていない。保税地域から外国貨物を出すには、輸入許可か32条の許可など、法律上の根拠が必要になる。少量かどうかではなく、許可の有無が問われる
- 見本の一時持出は知っていても、持ち出した見本の「その後」まで考えている人は少ない。許可は一時持ち出すためのものであり、返送しない場合や分析で消費した場合は、輸入の手続が必要になる。見本をどう処理するかまで計画しておかないと、持ち出した時点では適法だった行為が、後から帳尻の合わない貨物に変わる
- 営業部門から見れば「取引先に現物を見せただけ」だが、税関から見れば「外国貨物が保税地域の外に出た」出来事になる。社内で当たり前の行為が、通関の世界ではまったく違う意味を持つ。この認識のずれを埋めるのが、通関担当と営業担当の事前の打ち合わせである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 関税法32条:保税地域外への見本の一時持出 | 関税法30条:外国貨物を置く場所の原則的制限 関税法67条:輸入申告と輸入の許可 |
| 貨物の場所 | 一時的に保税地域の外へ出る | 原則として保税地域内に留まる 許可後は国内に引き取られる |
| 関税の扱い | 返送前提のため、持出時点では関税を納めない | 外国貨物のまま、関税は未確定 原則として関税等を納付したうえで許可される |
| 違反時のリスク | 許可なく持ち出せば無許可の引取りとなりうる | 保税地域外への搬出は原則として認められない 許可なく引き取れば無許可輸入(同法111条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保税倉庫に蔵置された貨物について税関の監督下での取扱いを定め、見本の抽出等は税関の手続を経ることを前提とする
韓国は見本品の反出を独立した条文で定め、税関長の許可を要件とする点で日本の32条と構造が近い
EU 関税法典の税関倉庫手続の下で運用され、ドイツ固有法ではなく EU 共通ルールが基礎となる
米国は保税倉庫制度を連邦法で定め、倉庫からの引取りには税関手続を要する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外メーカーから化粧品のコンテナが届いた。国内の卸先が「本発注の前に実物を一つ確認したい」と言っている。輸入申告を済ませる前でも、見本一時持出の許可を取れば数点だけ先に届けられる。全量の関税を先に払ってから商談が流れる、という最悪の順番を避けられる
- 倉庫の担当者が気を利かせ、許可を取らずにサンプルを一箱、営業担当に手渡してしまった。後日の税関検査で数量が合わない。善意の持ち出しでも、税関から見れば許可のない引取りである。説明責任はあなたの会社に返ってくる
- 展示会の開幕まであと3日、まだ輸入許可の出ていない新製品を会場に並べたい。間に合わせる手段はあるのか? 見本の一時持出の許可が選択肢になりうるが、持出期間と返送の段取りまで事前に税関と詰めておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先から現物確認を求められたら、輸入申告の前に見本持出の許可を申請できるか通関業者に確認する2. 持ち出す数量、用途(商談・展示・分析)、返送するか消費するかを事前に書面で整理する3. 分析などで消費する見本は、輸入の手続が必要になりうるため、税関に処理方法を相談する4. 持ち出した見本の所在と返送の記録を残し、倉庫の在庫記録と突き合わせられる状態にしておく
訴えられた側:1. 許可なく持ち出したことが分かったら、まず持ち出した数量と現在の所在を正確に把握し、社内での隠蔽は絶対にしない2. 通関業者または関税に詳しい弁護士を通じて、速やかに税関へ事情を説明する3. 見本を保税地域に戻すか、正規の輸入手続を取るかを税関と協議する4. 再発防止のため、倉庫からの出庫は通関担当の承認制にする社内ルールを作る
時効(請求できる期限):32条自体に特定の時効はない。持出期間は許可の際に税関長が定める条件に従う。見本を返送せず輸入手続に移る場合は、関税の納付義務が発生し、関税の徴収権や更正の期間は原則として法定納期限等から5年とされる(関税法14条、14条の4。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:関税法(昭和29年法律第61号)の制定。保税地域制度の一環として外国貨物の管理に関する規定が整備された
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