関税法 第71条(原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入)
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- 原産地について直接若しくは間接に偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入を許可しない。
- 2.税関長は、前項の外国貨物については、その原産地について偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がある旨を輸入申告をした者に、直ちに通知し、期間を指定して、その者の選択により、その表示を消させ、若しくは訂正させ、又は当該貨物を積みもどさせなければならない。
この条文の基本情報
原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入とは何ですか?
定義原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入とは、関税法第71条に定められた規定で、「原産地について直接若しくは間接に偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入を許可しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 関税法第71条(原産地を偽つた表示等がされている貨物の輸入)は、日本の関税法に含まれる条文です。
- 関税法第71条の条文原文は「原産地について直接若しくは間接に偽つた表示又は誤認を生じさせる表示がされている外国貨物については、輸入を許可しない。」で始まります。
- 関税法第71条は第五節 輸出又は輸入に関する証明等に置かれています。
- 関税法の公布日は昭和29年4月2日です。
- 関税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 関税法第71条の前の条は関税法第70条です。
- 関税法第71条の次の条は関税法第72条です。
- 関税法第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000061 - 本サイト収録
関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000061/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点関税法71条は、原産地を偽る表示や誤認させる表示がある外国貨物の輸入を許可しないと定める。税関長は申告者に通知し、表示の抹消・訂正か積戻しを選ばせる。
Q · 輸入した商品に「日本製」と誤解される表示があったら、税関でどうなるの?
輸入は許可されないが、表示の抹消・訂正か積戻しを選べる
関税法71条1項により、原産地を偽る表示や誤認を生じさせる表示がある外国貨物は輸入が許可されません。ただし同条2項により、税関長は輸入申告者に直ちに通知し、期間を指定したうえで、表示を消す、訂正する、または貨物を積みもどすのいずれかを申告者に選ばせます。本条自体は没収を定めておらず、表示を正せば輸入できる道が残ります。
解説
税関がチェックするのは税額と禁制品だけではない。箱の隅に印刷された小さな「Made in Japan」、日本の地名を大きく打ち出したロゴ、実際の生産国が書かれていないパッケージ。どれか一つがあるだけで、貨物全体が港で止まることがある。本条が輸入を許可しないとしているのは、原産地を偽った表示だけではない。「誤認を生じさせる表示」も対象になる。騙すつもりがなくても、見た人が日本製だと思い込むデザインなら引っかかりうる。ただし、止まった後にも手はある。税関長は申告者(税関に輸入を申し出た者)にすぐ通知し、期間を指定したうえで、三つの対応から一つを選ばせなければならない。表示を消すか、正しく直すか、積みもどす(送り返す)かである。本条自体は没収を定めていない。通知を受けた時点で三つの費用を並べて比べられる人ほど、損失は小さく済む。
法的な位置づけ
関税法71条は原産地虚偽表示等のある外国貨物の輸入規制を定める規定であり、原産地について直接もしくは間接に偽った表示または誤認を生じさせる表示がある外国貨物の輸入を許可しない旨を規定する。あわせて税関長に対し、輸入申告者への通知と、期間を指定した表示の抹消・訂正または積戻しの選択的措置を義務付ける。
手順
- 1.通知書で問題箇所と指定期間を確認する 税関から届いた通知書で、原産地虚偽または誤認とされた表示の場所(本体、下げ札、パッケージ、取扱説明書など)と、税関長が指定した対応期間を最初に確認する。期間の残り日数が以降の判断すべてを左右する
- 2.抹消・訂正・積戻しの三案の費用を並べる 表示を消す作業費、正しい原産国表示へ訂正する作業費、送り返す場合の往復運賃を見積もり、保管料の日額と取引先への納期遅延の影響も加えて比較する。見積もりは通知当日に依頼する
- 3.選んだ対応を税関と調整して実行する 抹消・訂正を選ぶ場合は、保税地域での作業方法と確認手順を事前に税関へ相談してから作業する。積戻しを選ぶ場合は関税法75条の積戻し手続を進める。いずれも指定期間内に完了させる
- 4.不服があれば3か月以内に申し立て、再発防止策を講じる 表示が誤認に当たらないと考える場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を検討する。並行して発注仕様書に原産国表示の文言を明記し、新商品は事前教示で原産地を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1原産地虚偽表示とは何ですか?
貨物の本当の生産国と異なる国名を表示すること、または生産国を誤解させる表示のことです。関税法71条は、これらがある外国貨物の輸入を許可しません。
Q2原産地表示がないと輸入できない?
表示がないこと自体で直ちに不許可になるわけではありません。ただし日本語の宣伝文や日本の地名だけが目立つ場合、日本製と誤認させる表示と判断される余地があります。
Q3税関からの原産地の通知 期限はいつまで?
期限は法律で一律に決まっておらず、税関長が通知の中で個別に期間を指定します。通知書に書かれた日付を必ず確認し、期間内に対応策を選ぶ必要があります。
Q4積戻しとはどういう意味?
輸入が許可されない外国貨物を、日本に輸入せずに外国へ送り返すことです。関税法75条の手続によって行い、往復の運賃は申告者の負担になります。
Q5原産地表示の訂正は保税地域でできる?
表示の抹消や訂正は、輸入許可前の貨物を保税地域に置いたまま行うのが一般的です。作業方法や場所は事前に税関へ相談しておくと手戻りを防げます。
Q6原産地を偽った輸入は違法?罰則は?
本条自体は罰則を定めていません。ただし許可を受けずに輸入を強行すれば、関税法111条の無許可輸入罪として刑事罰の対象になりえます。
Q7原産地の輸入不許可に不服を申し立てられる?
できます。処分を知った日の翌日から3か月以内に、再調査の請求または審査請求を行えます(関税法89条、行政不服審査法18条)。
Q8個人輸入でも原産地表示は審査される?
対象になりえます。本条は外国貨物一般に適用され、事業か個人かで区別していません。少量だからといって審査が免除されるとは限りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「Designed in Japan」って書いておけば大丈夫ですか?
安全とは言い切れない。本条は偽りの表示だけでなく「誤認を生じさせる表示」も対象にしている(関税法71条1項)。日本の社名や地名が目立ち、本当の原産国が書かれていなければ、日本製と誤解させる表示と判断される余地がある。実務のポイント:日本を連想させる表示を入れるなら、「Made in China」など本当の原産国を同じくらい目立つ形で併記しておくのが、通関トラブルを避ける定石である
Q2止められた荷物って、没収されちゃうんですか?
本条自体は没収を定めていない。税関長は申告者に通知し、期間を指定したうえで、表示を消すか、直すか、送り返すかを申告者に選ばせる(同条2項)。表示を直せば、輸入できる道は残る。実務のポイント:本当に痛いのは没収ではなく時間である。保税地域の保管料と作業費は日ごとに膨らむので、通知を受けたその日に三つの見積もりを揃えた輸入者ほど損失が小さい
Q3最後の組立てを日本でやるなら、日本製って名乗っていいですよね?
輸入の時点ではまだ日本で加工していないので、その段階で「日本製」表示が付いていれば本条の対象になる。国内で加工した後の販売表示は、景品表示法の原産国告示が別に規律している。原産国は一般に、製品の性質を実質的に変える加工が最後に行われた国とされ、単純な組立てやラベル貼りだけでは足りないとされることが多い。実務のポイント:判断に迷ったら、輸入前に税関の事前教示で原産地を文書で照会する。回答は通関でも社内説明でも強い根拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「嘘の表示さえしなければ問題ない」と考えがちだが、条文は「誤認を生じさせる表示」も対象にしている。日本の地名や日本語表記を強く打ち出し、本当の原産国を書いていないだけで止まる可能性がある。問われるのは書いた人の意図ではなく、見た人がどう受け取るかである
- 輸入が許可されないことは知っていても、それがどれほど費用のかかる事態かを知らない人は多い。保税地域の保管料、表示を消す作業の人件費、送り返す場合の往復運賃、さらに取引先への違約金。没収されないから大したことはない、と考えると判断を誤る
- 「何割を日本で作れば日本製と名乗れるのか」という問いの立て方そのものがずれている。原産地は一般に、製品の性質を実質的に変えるような加工が最後に行われた国で判断されるとされ、単純な割合では決まらない。しかも輸入の時点ではまだ日本で加工していないのだから、その段階で付いている「日本製」表示は、それだけで本条の対象になる
- 輸入者から見れば「表示を付けたのは工場で、自分は被害者」である。しかし法律上、通知を受けて抹消・訂正・積みもどしのどれかを選び、その費用を負担するのは輸入を申告した者である。工場への責任追及は、あくまで契約上の別の話になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 関税法71条:原産地を偽る表示・誤認させる表示がある外国貨物 | 関税法69条の11:麻薬、偽造通貨、知的財産侵害物品などの輸入禁制品 関税法111条:許可を受けずに貨物を輸入する行為 |
| 貨物の扱い | 没収せず、抹消・訂正・積戻しを申告者が選択 | 税関長が没収して廃棄し、または積戻しを命ずることができる 刑事手続の対象となり、貨物は没収の対象になりうる |
| 問題解消後の輸入 | 表示を正せば輸入できる余地が残る | 貨物自体が禁制品のため原則として輸入できない 刑事責任は事後の手続で消えない |
| 制度の性質 | 行政上の通関規制(是正型) | 行政上の通関規制(排除型) 刑事罰則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も輸入貨物の産地表示を貿易管理法令で規律しており、産地を不実に表示した貨物は通関で問題となる。日本と異なり、関税法本体ではなく貿易管理法令側で規律する構造
韓国は関税法で自国産と偽る表示の貨物の通関を制限し、対外貿易法で原産地表示義務を定める。日本より表示義務が明文化されている点が特徴
ドイツは商標法の地理的表示保護の一環として、不正な原産地表示のある貨物を税関が差押えできる。EU 税関規則とも連動する
米国は輸入品に原産国表示を原則として義務付け、表示を欠く貨物には追加関税や表示の是正を求める。表示義務型である点が日本の禁止型と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 期限までに表示を消すことも直すことも送り返すこともせず、貨物を放っておいたらどうなるのか。輸入は許可されないまま貨物は保税地域(輸入手続が終わるまで外国貨物を置いておく場所)にとどまり、保管料が毎日かかる。長く放置すると、税関による収容(関税法80条)や公売の対象になりうる(最新の運用をご確認ください)
- 中国の工場に OEM 発注した雑貨3,000個。サンプルの段階で、工場が良かれと思って「Made in Japan」の下げ札を付けていた。港に着いた貨物には輸入許可が下りず、あなた宛てに税関から通知が届く。工場が勝手にやったことでも、通知を受けて対応するのは申告したあなたで、費用もあなたが負担する
- フリマアプリで転売するために、海外サイトで雑貨をまとめ買いした。パッケージには日本語の宣伝文と日の丸のイラストが並び、生産国はどこにも書かれていない。偽るつもりはなかったのに、税関からは誤認表示と指摘された
- 通知書に書かれた指定期間は残り5日。表示を消す作業の見積もりはまだ届かず、送り返す運賃は想定の倍。判断が1日遅れるごとに、保管料と取引先への納期遅延が同時に積み上がる
- あなたは岐阜の刃物メーカーの社員である。海外で作られた包丁に「関」を思わせる漢字のロゴを入れ、生産国を書かずに持ち込もうとする業者がいると耳にした。原産地の問題は商標権侵害とは別の仕組みで動く。税関への情報提供と、国内で販売される段階での不正競争防止法(誤認惹起行為)の両方から考えることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 「日本製」だと信じて買った商品が海外製だったら、購入画面・広告・パッケージのスクショを保存する2. 販売業者に返品・返金を求める際は、景品表示法の原産国告示に触れて交渉する3. 同業者として売上に影響が出ているなら、税関への情報提供と消費者庁への申出を並行して行う4. 損害を数字で示せるなら、不正競争防止法に基づく差止めと損害賠償を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 通知書で、問題とされた表示の箇所と指定期間をまず確認する2. 表示を消す・直す場合の作業費と、送り返す場合の往復運賃をその日のうちに比べる3. 保税地域で作業する手順は、事前に税関へ相談する4. 判断に納得できなければ、再調査の請求または審査請求を検討する5. 再発を防ぐため、発注仕様書を見直し、事前教示を活用する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。期限は税関長が通知で指定する期間で、これを過ぎると貨物は輸入できないまま保税地域にとどまる。輸入不許可に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行う(関税法89条、行政不服審査法18条)。取消訴訟は原則として審査請求の裁決を経てから(関税法93条)、裁決を知った日から6か月以内に提起する(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
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