警察法 第56条の2(地方警務官等に係る国家公務員法の特例)
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- 前条第一項の規定にかかわらず、退職時に特定地方警務官(地方警務官のうち、その属する都道府県警察において巡査の階級から順次警視の階級まで昇任し、引き続き地方警務官となつた者及びこれに準ずるものとして国家公安委員会規則で定める者をいう。以下同じ。)であつた者については、国家公務員法第六十条の二の規定は、適用しない。
- 2.特定地方警務官は、第五十六条の四第一項の規定により任命されたときは、当該任命の時に一般職の国家公務員を退職する。
- 3.特定地方警務官に対する国家公務員法第八十一条の二及び第八十一条の七の規定の適用については、同法第八十一条の二第一項ただし書中「異動期間」とあるのは「当該職員が警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の二第一項に規定する特定地方警務官である場合又は異動期間」と、「又は」とあるのは「若しくは」と、同法第八十一条の七第一項ただし書中「ただし、」とあるのは「ただし、警察法第五十六条の二第五項において読み替えて準用する」とする。
- 4.第五十六条の四第一項の規定により任命された者に対する国家公務員法第八十一条の三の規定の適用については、同条中「(他の官職への降任等」とあるのは「(警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第五十六条の四第一項の規定による任命」と、「職員」とあるのは「者」と、「当該他の官職への降任等」とあるのは「当該任命」とする。
- 5.国家公務員法第八十一条の五の規定は、特定地方警務官について準用する。この場合において、同条第一項中「他の官職への降任等を」とあるのは「警視総監又は道府県警察本部長が警察法第五十六条の四第一項の規定による任命(以下この項及び第三項において「特定任命」という。)を」と、同項各号中「他の官職への降任等」とあるのは「特定任命に伴う退職」と、同条第三項中「他の官職への降任等を」とあるのは「警視総監又は道府県警察本部長が特定任命を」と、「他の官職への降任等に」とあるのは「特定任命に伴う退職に」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
地方警務官等に係る国家公務員法の特例とは何ですか?
定義地方警務官等に係る国家公務員法の特例とは、警察法第56条の2に定められた規定で、「前条第一項の規定にかかわらず、退職時に特定地方警務官(地方警務官のうち、その属する都道府県警察において巡査の階級から順次警視の階級まで昇任し、引き続き地方警務官…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第56条の2(地方警務官等に係る国家公務員法の特例)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第56条の2の条文原文は「前条第一項の規定にかかわらず、退職時に特定地方警務官(地方警務官のうち、その属する都道府県警察において巡査の階級から順次警視の階級まで昇任し、引き続き地方警務官…」で始まります。
- 警察法第56条の2は第三節 都道府県警察の組織に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第56条の2の前の条は警察法第56条です。
- 警察法第56条の2の次の条は警察法第56条の3です。
- 警察法第56条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第56条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第56条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/56_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法56条の2は、巡査から警視正に昇任した特定地方警務官が地方警察職員に任命された時点で国家公務員を退職すると定め、国の定年前再任用短時間勤務の適用を除外する。
Q · 叩き上げの警視正が60歳前後で県の警察職員に戻るのは、降格なの?
降任ではなく、国家公務員を退職し県の職員として任命される形です
警察法56条の2第2項により、特定地方警務官は56条の4第1項に基づき地方警察職員に任命された時点で一般職の国家公務員を退職します。国家公務員法81条の2による同一組織内の降任とは異なり、手続上は「退職と新たな任命」です。国の組織に警視以下のポストがないための仕組みで、退職手当や共済の扱いは別途確認が必要です。また国の定年前再任用短時間勤務(国家公務員法60条の2)は使えません(本条1項)。
解説
同じ警視正の階級章でも、制度上は二種類の人がいる。警察庁に採用されたキャリアと、都道府県警察で巡査から叩き上げて警視正(地方警務官)に上がった人である。後者は昇任した瞬間に地方公務員から国家公務員に身分が変わる。本条はこの叩き上げ組を「特定地方警務官」と名付け、60歳前後の出口のルールを国家公務員法の原則とは別に定めている。原則では、管理職は役職定年の年齢に達すると同じ組織の中で下の官職へ降任される(国家公務員法81条の2)。ところが警視以下の階級は地方公務員のポストなので、国の組織の中には降任先がない。そこで本条は、警視総監または道府県警察本部長が本人を地方警察職員に任命した時点で国家公務員を退職したことにする(2項)。国の定年前再任用短時間勤務は使えず(1項)、役職定年の延長特例は読み替えたうえで準用する(5項)。自分や家族が警視正に昇任したら、60歳の時点で身分と給与の支払元がもう一度切り替わる前提で、年金・退職手当・再任用の段取りを組んでおく必要がある。
法的な位置づけ
特定地方警務官とは、地方警務官のうち、所属する都道府県警察で巡査の階級から順次警視の階級まで昇任し、引き続き地方警務官となった者およびこれに準ずる者として国家公安委員会規則で定める者をいう。警察法56条の2は、これらの者について国家公務員法の役職定年・再任用・延長特例の適用を読み替える特例規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1特定地方警務官とは何ですか?
都道府県警察で巡査から順次警視まで昇任し、引き続き地方警務官(警視正以上)となった警察官などを指します。警察法56条の2第1項のかっこ書が定義しています。
Q2地方警務官とは?
都道府県警察に所属する警視正以上の階級の警察官で、一般職の国家公務員として扱われる者をいいます。警視以下の警察官は地方公務員です。
Q3警視正は国家公務員ですか?
都道府県警察の警視正は地方警務官として一般職の国家公務員です。叩き上げの場合、警視正への昇任で地方公務員から国家公務員に身分が変わります。
Q4警視正の定年は何歳?
国家公務員の定年が適用され、令和5年度から段階的に65歳へ引き上げ中です。ただし役職定年で県職員へ任命される時期が先に来るのが通常です。
Q5警察官の役職定年は何歳?
国家公務員の管理監督職勤務上限年齢は原則60歳です。特定地方警務官はこの年齢到達を契機に地方警察職員へ任命されるのが原則です(本条・56条の4)。
Q6特定任命とは何ですか?
警察法56条の4第1項による、特定地方警務官を地方警察職員に任命することをいいます。本条5項が「特定任命」と略称を定めています。
Q7特定地方警務官に「準ずる者」とは?
本条1項かっこ書により国家公安委員会規則で定める者です。具体的な範囲は同規則で確認する必要があり、所属本部の人事担当への照会が確実です。
Q8警察法56条の2はいつから適用されている?
現行の文言は、国家公務員の定年引上げ・役職定年制を導入した改正(令和5年4月1日施行)に対応したものと考えられます。施行日の詳細は e-Gov で要確認です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1叩き上げで警視正になった父が60歳で県の職員に戻るって聞いたんですが、それって降格なんですか?
国家公務員法上の「降任」とは扱いが違います。本条2項によって、56条の4第1項の任命を受けた時点で国家公務員を退職し、地方警察職員として新たに任命される仕組みです。実務のポイント:国の組織には警視以下のポストがないため、この形にするしかなかったのが実情です。本人の感覚では降格に近くても、手続上は「退職と任命」なので、退職手当や共済の扱いを別に確認する必要があります
Q2後任がいないから警視正のまま残ってくれと言われました。いつまで残れるんですか?
本条5項が国家公務員法81条の5を読み替えて準用しており、警視総監または道府県警察本部長は、要件を満たせば県職員への任命(特定任命)を延ばせます。延長は原則1年以内ずつで、通算の上限もあります(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:延長は本人の権利ではなく任命権者の判断です。延長された場合の給与や、その後の県職員への任命時期は、口頭の打診で済ませず書面で確認しておくのが安全です
Q3国家公務員を早めに辞めて、国の短時間勤務で再任用してもらうことはできますか?
退職時に特定地方警務官だった人には、国家公務員法60条の2(定年前再任用短時間勤務)が適用されません(本条1項)。国の制度を使う道は閉じられています。実務のポイント:再任用を考えるなら、地方公務員側の制度で県警に再任用されるルートが現実的です。退職届を出す前に、県の制度で受け入れ枠があるかを確認しておかないと、どちらの制度にも乗れない空白期間が生じるおそれがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「警視正になれば定年まで国家公務員のまま」と思われがちだが、叩き上げの特定地方警務官は、原則として役職定年の年齢に達した時点で地方警察職員に任命され、その時点で国家公務員を退職する(本条2項、56条の4第1項)。定年まで国家公務員でいられるのは、延長の特例が使われた場合などに限られる
- 役職定年は「給料が下がる制度」とだけ理解されていることが多いが、特定地方警務官の場合は深刻度が違う。同じ組織の中で降任されるのではなく、国家公務員から地方公務員へ身分そのものが移る。任命権者、給与の支払元、適用される再任用制度まで変わる
- 「キャリアもノンキャリアも警視正なら同じルール」という問いの立て方自体が誤っている。本条は巡査から順に警視まで昇任して地方警務官になった者(と国家公安委員会規則で定める準ずる者)だけを対象にしている。警察庁採用の警察官には、国家公務員法の原則がそのまま適用される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 警察法56条の2:特定地方警務官に対する国家公務員法の適用除外・読替え | 警察法56条:地方警務官の身分取扱いの原則 警察法56条の4:特定地方警務官を地方警察職員に任命する根拠 |
| 主な法的効果 | 任命時の国家公務員退職(2項)、国の短時間再任用の不適用(1項)、延長特例の準用(5項) | 警視正以上の警察官を一般職の国家公務員として扱う 警視総監・道府県警察本部長による地方警察職員への任命 |
| 対象者 | 巡査から警視まで昇任した叩き上げの地方警務官と国家公安委員会規則で定める者 | 地方警務官全般(警察庁採用者を含む) 役職定年等に達した特定地方警務官 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の警察官は国と地方で身分が二層化しておらず、任用・退休は警察人員人事條例で統一的に規律される。昇任による身分の往復という問題自体が生じにくい
韓国の警察官は国家公務員として一元的に扱われ、階級ごとの계급정년制度がある。日本のような国・地方間の身分移動の特例は必要とされない
ドイツの警察は原則として州の所管で、警察官は州公務員。執行警察官には一般より早い特別定年が置かれる例が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県警で35年勤めた父親が警視正に昇任した。家族は祝ったが、昇任によって父は国家公務員になっており、役職定年の年齢に達すると本部長の任命で県の職員に戻る。そのとき国家公務員を退職した扱いになるため、退職手当や共済の手続がどうなるかを、祝いの席では誰も確認していなかった
- 役職定年まであと半年。署長を務める特定地方警務官のあなたに、本部から「後任が決まらないので任命を延ばしたい」と打診があった。本条5項が準用する国家公務員法81条の5の特例で、警視正のまま勤務を続けることは可能である。ただし延長には要件と期間の上限がある。返事をする前に、延長した場合と県職員に移った場合で、給与と勤務場所がどう変わるかを比べておくべきだ
- もし58歳で早期退職した元警視正が、国の短時間再任用を希望したらどうなる? 退職時に特定地方警務官だった者には国家公務員法60条の2が適用されないので、国の制度を使う道はふさがれている
取るべき行動
被害を受けた側:(特定地方警務官本人・家族として不利益を受けそうな場合)1. 辞令と人事記録で、自分が「巡査から順次警視まで昇任した地方警務官」に該当するかを確認する2. 役職定年の年齢と、56条の4による県職員への任命予定時期を人事担当に書面で照会する3. 国家公務員を退職した扱いになったときの退職手当・共済の手続を確認する4. 処遇に納得できない場合、国家公務員としての不利益処分であれば人事院への審査請求(国家公務員法90条)を検討する
訴えられた側:(任命権者・人事担当として運用する側の場合)1. 対象者が特定地方警務官に当たるか、国家公安委員会規則の「準ずる者」も含めて確認する2. 役職定年の到来前に、56条の4による任命か、本条5項が準用する延長特例かを判断する3. 延長する場合は、公務に著しい支障が生じるといった準用条文の要件を満たすことを記録に残す4. 国の短時間再任用が使えないことを本人に事前に説明し、県側の制度を案内する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。実務上の期限は管理監督職勤務上限年齢(役職定年、原則60歳)と定年(令和5年度から段階的に65歳へ引上げ中)で決まる。延長特例は原則として1年以内ずつ、通算の上限あり(最新の改正状況をご確認ください)。不利益処分に対する人事院への審査請求は、処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内(国家公務員法90条の2)
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)国家公務員法等の一部を改正する法律(令和5年(2023年)4月1日施行)と推定 国家公務員の定年の段階的引上げと役職定年制の導入に合わせて、特定地方警務官に関する国家公務員法の特例を整備したものと考えられる。新設か既存条文の改正か、施行日を含めて人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 改正:国家公務員の定年引上げと管理監督職勤務上限年齢制の導入(令和5年4月1日施行)に合わせ、特定地方警務官に関する適用除外・読替え規定が整備されたものと考えられる。新設か改正かを含め e-Gov の改正履歴で要確認
- 警察法 第56条地方警務官の身分取扱いの原則規定
- 警察法 第56条の4特定地方警務官の地方警察職員への任命(現行効力を要確認)
- 警察法 第56条の3地方警務官等に係る関連特例(現行効力を要確認)
- 国家公務員法 第81条の2管理監督職勤務上限年齢による降任等の原則
- 国家公務員法 第81条の5役職定年の延長特例、本条5項で準用
- 国家公務員法 第60条の2定年前再任用短時間勤務、本条1項で適用除外
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