自衛隊法 第116条の3(開発途上地域の政府に対する不用装備品等の譲渡に係る財政法の特例)
クイックジャンプ
防衛大臣は、開発途上にある海外の地域の政府から当該地域の軍隊が行う災害応急対策のための活動、情報の収集のための活動、教育訓練その他の活動(国際連合憲章の目的と両立しないものを除く。)の用に供するために装備品等(装備品、船舶、航空機又は需品をいい、武器(弾薬を含む。)を除く。以下この条において同じ。)の譲渡を求める旨の申出があつた場合において、当該軍隊の当該活動に係る能力の向上を支援するため必要と認めるときは、当該政府との間の装備品等の譲渡に関する国際約束(我が国から譲渡された装備品等が、我が国の同意を得ないで、我が国との間で合意をした用途以外の用途に使用され、又は第三者に移転されることがないようにするための規定を有するものに限る。)に基づいて、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、自衛隊の用に供されていた装備品等であつて行政財産の用途を廃止したもの又は物品の不用の決定をしたものを、当該政府に対して譲与し、又は時価よりも低い対価で譲渡することができる。
この条文の基本情報
開発途上地域の政府に対する不用装備品等の譲渡に係る財政法の特例とは何ですか?
定義開発途上地域の政府に対する不用装備品等の譲渡に係る財政法の特例とは、自衛隊法第116条の3に定められた規定で、「防衛大臣は、開発途上にある海外の地域の政府から当該地域の軍隊が行う災害応急対策のための活動、情報の収集のための活動、教育訓練その他の活動(国際連合憲章の目的と両…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第116条の3(開発途上地域の政府に対する不用装備品等の譲渡に係る財政法の特例)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第116条の3の条文原文は「防衛大臣は、開発途上にある海外の地域の政府から当該地域の軍隊が行う災害応急対策のための活動、情報の収集のための活動、教育訓練その他の活動(国際連合憲章の目的と両…」で始まります。
- 自衛隊法第116条の3は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第116条の3の前の条は自衛隊法第116条の2です。
- 自衛隊法第116条の3の次の条は自衛隊法第116条の4です。
- 自衛隊法第116条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第116条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第116条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/116_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法116条の3は、用途廃止・不用決定済みの自衛隊の装備品等を、開発途上地域の政府に無償または時価より低い対価で譲渡できると定める。武器・弾薬は対象外。
Q · 使わなくなった自衛隊の装備は、外国にタダであげられるの?
途上国政府に限り可能。ただし武器・弾薬は対象外
自衛隊法116条の3により、防衛大臣は開発途上地域の政府から申出があり、その軍隊の災害応急対策・情報収集・教育訓練などの能力向上の支援に必要と認めるときは、用途廃止または不用決定を済ませた装備品・船舶・航空機・需品を無償または低価で譲渡できます。武器(弾薬を含む)は除外され、日本の同意なく目的外使用や第三者移転をさせない規定を持つ国際約束の締結が前提です。自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度という制約もあります。
解説
国の財産はタダで配れない。財政法9条は、法律に基づく場合を除き、適正な対価なしに国の財産を譲り渡すことを禁じている。退役した自衛隊機を外国に贈ろうとしても、本来はこの壁に止められる。本条は、その壁に国会が開けたごく狭い通用口である。通るための条件は四つある。相手は開発途上にある地域の政府であること。使い道は災害応急対策、情報収集、教育訓練など、国際連合憲章の目的と両立する活動に限られること。渡せるのは行政財産の用途廃止(役所が「もう公の用途には使わない」と正式に決めること)または物品の不用決定を済ませた中古の装備品、船舶、航空機、需品だけで、武器と弾薬ははじめから対象外であること。さらに、日本の同意なしに合意外の用途へ使ったり第三国へ移したりしないという規定を持つ国際約束を結ぶこと。「自衛隊機を無償譲渡」という見出しを見たときに確かめるべきは、機体の性能ではない。この四つの条件がどう満たされたかである。
法的な位置づけ
自衛隊法116条の3は、財政法9条1項の特例として、防衛大臣が開発途上地域の政府の申出に基づき、その軍隊の災害応急対策・情報収集・教育訓練等の活動の用に供するため、用途廃止または不用決定を経た装備品等(武器・弾薬を除く)を、目的外使用・第三者移転を制限する国際約束に基づいて譲与または低価譲渡できることを定める規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法116条の3とは何ですか?
不用となった自衛隊の装備品等を、開発途上地域の政府に無償または低価で譲渡できるとする規定です。財政法9条1項の対価原則の特例にあたります。
Q2自衛隊の装備品 無償譲渡の条件は?
相手が開発途上地域の政府であること、用途が国連憲章の目的と両立する活動であること、不用品であること、転用防止規定のある国際約束を結ぶことが必要です。
Q3自衛隊の装備を譲渡できる相手国はどこでも良い?
いいえ。条文は「開発途上にある海外の地域の政府」に限定しています。先進国の政府や民間団体、個人は本条による譲渡の相手になりません。
Q4装備品等には何が含まれる?
条文上、装備品・船舶・航空機・需品を指します。武器(弾薬を含む)は定義から明文で除外されているため、本条では譲渡できません。
Q5譲渡した装備を相手国が転売したら違法?
本条は、日本の同意なく第三者に移転させない規定を持つ国際約束を要件としています。転売は国際約束違反となり、外交上の協議・是正の対象になります。
Q6自衛隊の中古装備はなぜ売らずに譲渡するの?
中古の軍用装備は国内に売却先がほとんどなく、廃棄にもコストがかかるためです。本条は無償だけでなく時価より低い対価での譲渡も認めています。
Q7自衛隊の装備品譲渡に国会の承認は必要?
条文上、個別の譲渡ごとの国会承認は求められていません。防衛大臣が要件を判断し、国際約束に基づいて実施します。国会は質疑等を通じて監視します。
Q8自衛隊の装備品譲渡はいつから可能になった?
本条は平成29年(2017年)の法改正で新設されたとされます。施行日やその後の改正の有無は e-Gov 法令検索で最新版を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛隊の中古の戦車とか戦闘機も、途上国にあげられるんですか?
本条で渡せるのは装備品・船舶・航空機・需品で、武器(弾薬を含む)は除外されている。武器に当たるものは本条では渡せず、航空機でも武装のない練習機や輸送機なら対象になりうる。実務のポイント:本条の要件を満たしても、それだけで移転が決まるわけではない。海外への防衛装備の移転は、閣議決定である防衛装備移転三原則と運用指針による審査も通る必要があり、条文だけでは可否が判断できない
Q2タダであげるって、税金の無駄遣いじゃないの?
財政法9条1項は、法律に基づく場合を除いて適正な対価のない譲渡を禁じている。本条はその「法律に基づく場合」をつくる特例で、対象は用途廃止または不用決定を済ませた物に限られる。国会が法律で例外を定めたこと自体が、財政民主主義(憲法83条)の手続である。実務のポイント:中古の軍用装備は国内に売却先がほとんどない。無償か低価格かを比べる相手は新品の価格ではなく、廃棄・処分のコストである
間違えやすい点 AI による整理
- 「中古とはいえ軍の装備を渡すのだから、事実上の武器輸出だ」と受け止められがちだが、本条は武器(弾薬を含む)を明文で除外している。武装のない練習機や需品は対象になりうる一方、武器そのものを本条で渡すことはできない。ただし、何が武器に当たるかは個別に判断される
- 「無償譲渡は国民の財産の浪費か」という問いの立て方がずれている。対象は用途廃止または不用決定を経た物、つまり国内では使い道がなくなった物に限られる。本当の論点は、廃棄や売却と比べてどの処分が国益にかなうか、そして譲渡後の用途をどう監視するかにある
- 転売禁止の規定が要件であることは知られていても、その実効性の弱さは見落とされがちだ。条文が求めているのは、そうした「規定を有する国際約束」を結ぶことまでで、違反したときの制裁手段は定めていない。監視がどこまで機能するかは国際約束の中身と運用しだいで、外からは検証しにくい
他国ではどう定めているか 2 か国
ドイツも連邦財産の処分は完全価額が原則で、例外は予算上の根拠を要する。対価原則と例外の構造は日本の財政法9条・本条に近い
米国は余剰防衛装備を友好国に無償または低価で移転する制度を法律で設けている。武器を含みうる点で、武器・弾薬を明文で除外する日本の本条より対象が広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、洋上監視と災害対応に使うと合意して譲り渡した中古機が、数年後に国内の武装勢力を掃討する作戦の輸送に使われていると報じられたら、どうなる? 本条は、合意外の用途への使用を日本の同意なしに禁じる規定を国際約束に入れることを譲渡の要件にしている。争いの舞台は国際約束に基づく協議と是正の要求に移り、日本側がどこまで確認していたかが国会で問われる
- あなたは防衛省の担当者で、退役予定機を友好国へ譲渡する案の検討を指示された。最初に確認するのは、用途廃止または不用決定の手続が済んでいるか、搭載品や付属品に武器・弾薬に当たるものが残っていないか、の二点。一つでも見落とせば、その譲渡は本条の枠から外れる
- 装備品の無償譲渡が来週の委員会で取り上げられる。質問準備の締切は明日の昼。論点は一つ、財政法の特例としての要件を満たしているかどうかである
取るべき行動
被害を受けた側:譲渡の是非を問いたい市民・記者・議員スタッフの立場なら:1. 防衛省・外務省の発表で相手国、品目、国際約束の締結日を確認する2. 国際約束の本文が公表されているか、目的外使用と第三者移転を禁じる規定があるかを確認する3. 公表されていなければ、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいて開示を請求する4. 用途の逸脱が報じられたら、質問主意書で政府見解を文書で引き出す
訴えられた側:譲渡を実施・支援する担当者や事業者の立場なら:1. 用途廃止または不用決定の記録を先にそろえる2. 搭載品・付属品に武器や弾薬が紛れ込んでいないか、品目単位で点検する3. 国際約束に目的外使用・第三者移転を禁じる規定があるか法務審査を受ける4. 防衛装備移転三原則とその運用指針との整合を確認し、譲渡後の確認方法を記録に残す。これが後日の説明責任を果たす資料になる
時効(請求できる期限):本条には特定の時効や期限はない。関連する手続では、情報公開請求に対する開示決定が原則として請求から30日以内(行政機関の保有する情報の公開に関する法律10条、延長あり)、質問主意書への答弁は内閣が受け取った日から原則7日以内(国会法75条)とされる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)(要検証) 防衛省設置法等の一部を改正する法律により新設されたとされる。施行日と、その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:防衛省設置法等の一部を改正する法律により新設されたとされる。開発途上地域の政府に対する不用装備品等の無償・低価譲渡を可能とする財政法9条1項の特例。施行日の詳細は e-Gov 法令検索で要確認
- 自衛隊法 第3条自衛隊の任務、支障限度の判断基準
- 自衛隊法 第2条自衛隊の定義、装備品の帰属範囲
- 財政法 第9条無償・低価譲渡禁止の原則、本条はその特例
- 物品管理法 第16条物品の不用決定の手続(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める