自衛隊法 第118条の3
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑に処する。ただし、刑法に正条があるときは、同法による。
- 一職務上不正な行為(第六十五条の二第一項又は第六十五条の三第一項の規定に違反する行為を除く。次号において同じ。)をすること若しくはしたこと、又は相当の行為をしないこと若しくはしなかつたことに関し、営利企業等に対し、離職後に当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就くこと、又は他の隊員をその離職後に、若しくは隊員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、又は約束した隊員
- 二職務に関し、他の隊員に職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、依頼し、若しくは唆すこと、又は要求し、依頼し、若しくは唆したことに関し、営利企業等に対し、離職後に当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就くこと、又は他の隊員をその離職後に、若しくは隊員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、又は約束した隊員
- 三前号の職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、依頼し、又は唆した行為の相手方であつて、同号の要求又は約束があつたことの情を知つて職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかつた隊員
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第118条の3は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第118条の3の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑に処する。ただし、刑法に正条があるときは、同法による。」で始まります。
- 自衛隊法第118条の3は第九章 罰則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第118条の3の前の条は自衛隊法第118条の2です。
- 自衛隊法第118条の3の次の条は自衛隊法第119条です。
- 自衛隊法第118条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第118条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第118条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/118_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法118条の3は、隊員が職務上の不正行為に関し、営利企業等へ離職後の地位を要求・約束すると3年以下の拘禁刑とする規定。再就職の実現は要件でない。
Q · 天下り先を頼んだだけで、実際に再就職していなくても罪になるの?
なる。要求や約束の時点で成立し、就職の有無は問わない
自衛隊法118条の3第1号・第2号は、職務上の不正な行為や相当の行為をしないことに関して、営利企業等に離職後の地位を「要求し、又は約束した」隊員を処罰します。再就職が実現したかどうかは要件ではありません。自分のポストだけでなく、他の隊員や元隊員のポスト、子法人のポストも対象です。法定刑は3年以下の拘禁刑で、刑法の収賄罪に当たる場合は刑法が優先して適用されます。
解説
天下り先の椅子を「求める」か「約束する」だけで、この罪は成立する。実際に再就職できたかどうかは問われない。自衛隊法118条の3は、隊員(自衛官に限らず、防衛省の事務官・技官なども含む。定義は2条5項)が、職務上の不正な行為またはやるべきことをしなかったことと引き換えに、営利企業等に対して退職後のポストを要求または約束したとき、3年以下の拘禁刑を科す。見落としやすい点は三つある。第一に、自分のポストだけでなく、後輩や元同僚のポストを求めても対象になる。第二に、子会社(子法人)のポストを求めても同じである。本社ではないから大丈夫、という言い訳は通らない。第三に、上司から「頼まれて」不正をした部下も、見返りの話を知っていれば3号で処罰される。自分は何も受け取っていなくても関係ない。さらに、ポストの提供が賄賂と評価されれば、ただし書きにより刑法の収賄罪が優先して適用され、刑はもっと重くなる。防衛調達の現場で「あの件のお礼は退職後に」という会話が交わされたら、その場で線を越えている
法的な位置づけ
自衛隊法第118条の3は、隊員による不正な再就職の要求・約束を処罰する罰則規定である。職務上の不正行為又は不作為に関し営利企業等へ離職後の地位を要求・約束した隊員(1号)、他の隊員に不正を求めたことに関し同様の要求・約束をした隊員(2号)、その事情を知って不正を行った隊員(3号)を、3年以下の拘禁刑に処する。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法118条の3とは?
職務上の不正行為の見返りに、営利企業等へ退職後のポストを要求・約束した隊員などを、3年以下の拘禁刑に処す罰則規定です。
Q2自衛隊 天下り 違法?
再就職そのものは違法ではありません。職務上の不正と結びつけて地位を要求・約束した場合に、本条の処罰対象となります。
Q3自衛隊法の「隊員」とは誰のこと?
自衛官に限りません。防衛省の事務官・技官なども含まれます。定義は自衛隊法2条5項に置かれています。
Q4天下り 要求 罪 いつまで起訴される?
本条の公訴時効は3年です(刑訴法250条2項6号)。要求・約束の時点から数えます。収賄罪が適用される場合は期間が異なります。
Q5子会社への再就職の要求も対象?
対象です。条文は営利企業等「若しくはその子法人」の地位と明記しており、子会社だから問題ないという言い訳は通りません。
Q6自衛官 再就職 規制 何条?
行政上の規制は65条の2(他の隊員等の再就職依頼)や65条の3(在職中の求職)などにあり、刑事罰の中核が118条の3です。
Q7不正な再就職要求 企業側も処罰される?
本条で処罰されるのは隊員側です。ただしポストの提供が賄賂と評価されれば、企業側に刑法198条の贈賄罪が成立する可能性があります。
Q8自衛隊法118条の3の刑罰は?
3年以下の拘禁刑です。2025年6月1日施行の刑法等改正で、「懲役」から「拘禁刑」に改められました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1退官後に取引先へ再就職すること自体、もうアウトなんですか?
再就職そのものは違法ではない。118条の3が処罰するのは、職務上の不正な行為と結びつけて地位を要求または約束する行為である。ただし在職中の求職は別途65条の3で規制されている。実務のポイント:監察が真っ先に見るのは、在職中最後の数年に担当した契約相手と再就職先が重なっているかどうかだ。重なるなら、求職の経緯を自分で説明できる記録を残しておく
Q2上司に頼まれて評価を甘くしただけで、自分は何ももらってません。それでも罪になりますか?
なりうる。118条の3第3号は、上司から不正を求められ、その見返りとしての再就職の要求や約束があったことを知りながら不正をした隊員を処罰する。自分の利益は要件ではない。実務のポイント:争点は「情を知って」いたかどうかに集中する。上司から見返りの話を聞いた記録やメッセージが残っていると、知っていたと認定される方向に強く働く
Q3刑法の収賄罪とはどう違うんですか?
本条のただし書きにより、刑法に該当する条文があれば刑法が優先する。退職後のポストの提供が賄賂と評価され、受託収賄や加重収賄(刑法197条、197条の3)の要件を満たせば、より重い刑法の罪になる。実務のポイント:本条は、賄賂性の立証が難しいときの受け皿として機能する。捜査側は、収賄罪で立件できなくても本条での立件を視野に入れて証拠を集める
間違えやすい点 AI による整理
- 「実際に再就職していないから問題ない」と考えるのは誤りである。1号・2号は再就職先の地位を「要求し、又は約束した」時点で既遂になる。話が立ち消えになっても、要求した事実は消えない
- 問題の立て方そのものがずれていることが多い。「自分のために天下り先を求めたか」ばかりを気にするが、条文は他の隊員や元隊員を就かせることの要求・約束も同列に処罰している。後輩思いの先輩が一番危ない位置に立っている
- 現場の感覚では、上官の指示に従っただけの部下は被害者に近い。だが法律から見れば、3号の「情を知って」不正をした隊員は正犯として処罰される。組織の上下関係と刑事責任の所在の落差が、真面目な部下を潰す
- 処罰の上限は3年と軽く見られがちだが、ただし書きに注意が必要である。ポストの提供が賄賂と評価されれば刑法の加重収賄罪(197条の3)などが優先して適用され、法定刑は大幅に重くなる。本条はむしろ、収賄罪で捕まえきれない隙間を埋める最低ラインである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する行為 | 118条の3:職務上の不正と結びついた再就職の要求・約束(刑事罰) | 65条の2:他の隊員・元隊員の再就職の依頼や情報提供 65条の3:在職中の利害関係企業等への求職 |
| 職務上の不正との結びつき | 必要(不正行為・不作為との関連が要件) | 不要(依頼行為自体を規制) 不要(求職行為自体を規制) |
| 相互関係 | 65条の2・65条の3違反行為は本条の「不正な行為」から除外(二重評価の回避) | 違反は本条の不正行為としては数えない 違反は本条の不正行為としては数えない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では違背職務の収賄を貪污治罪條例で重く処罰し、退職後の就職制限は公務員服務法のいわゆる旋轉門條款が担う。日本の本条のような「再就職の要求・約束」そのものを捉える独立罰則とは構造が異なる
韓国は退職公職者の就職制限を공직자윤리법で審査制とし、不正と結びつく利益収受は刑法の収賄罪系で処罰する
ドイツは不正な職務行為に対する利益収受を Bestechlichkeit で処罰し、退職後の活動は連邦公務員法上の届出・禁止制度で規律する
フランスは監督・契約に関与した企業への退職後の就職自体を刑事罰の対象とする pantouflage 規制を持ち、日本の本条より射程が広い
米国は雇用交渉中の職務関与を §208で禁止し、退職後の働きかけを §207で制限する。調達分野では別途の規制もある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 装備品の仕様書を特定メーカーに有利な形に書き換えた、その数か月後。定年を控えた二佐が、そのメーカーの営業部長と会食し「退職後、子会社の顧問の席は空いているか」と切り出した。まだ何も決まっていない。だが要求はもう口から出ている
- もし上官に「この入札の評価点、少し調整してくれ。お前の退官後の面倒はあの会社が見てくれる話になっている」と言われ、断れずに従ったら、どうなる? 見返りの約束を知ったうえで不正をした以上、あなた自身が3号の処罰対象になる。上官の命令だったことは、責任を消さない
- 防衛関連企業の総務担当として、あなたは隊員 OB の受け入れ窓口を任されている。調達担当の現役幹部から「うちの後輩を来年採ってほしい。例の検査の件は通しておいた」と電話が入った。条文上処罰されるのは隊員側だが、ポストの提供が賄賂と評価されれば、あなたの会社は贈賄(刑法198条)の側に立つことになる
- 公示から開札まであと10日。入札に参加した中小メーカーの担当者であるあなたは、競合他社だけが事前に予定価格の近い数字を知っていたらしいと気付いた。担当官が数年後にその会社へ再就職する話まで業界で噂になっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不当に入札で負けた、または不自然な仕様変更を目撃した場合、日時・文書・発言内容を時系列で記録する2. 防衛省の再就職等監察官や内部通報窓口、あるいは捜査機関への通報を検討する。通報者は公益通報者保護法の保護を受けうる3. 入札の公正が害されている疑いがあれば、官製談合防止法や独占禁止法の観点からも弁護士に相談する4. 噂だけで動かず、客観資料を確保してから動く
訴えられた側:1. 捜査機関や監察から接触があったら、供述前に刑事弁護に通じた弁護士を選任する2. 問題の職務行為が本当に「不正」だったか、正規の決裁手続を経ていたかを文書で検証する3. 再就職の話と職務行為との間に対価関係がないことを示す時系列を整理する4. 3号の場合、見返りの約束を知らなかったこと(情を知らなかったこと)が核心的な争点になる。上官とのやり取りの記録を保全する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑)。起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条)で、1号・2号は要求または約束をした時点が基準となる。刑法の収賄罪が適用される場合は時効期間が異なる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)前後の公務員再就職規制改革 国家公務員法の再就職規制見直しと歩調を合わせ、隊員の再就職に関する規制と罰則が整備されたとみられる。新設か改正か、正確な時期は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)刑法等改正に伴う整理、令和7年(2025年6月1日)施行 法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。令和7年(2025年)6月1日施行
- 自衛隊法 第65条の2他の隊員等の再就職依頼の規制
- 自衛隊法 第65条の3在職中の求職の規制
- 自衛隊法 第2条「隊員」の定義(5項)
- 刑法 第197条の3加重収賄・事後収賄、ただし書で優先適用
- 国家公務員法 第113条一般職公務員の同種罰則(現行効力を要確認)
- 入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律 第8条入札の公正を害する職員の処罰(通称 官製談合防止法)
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