受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 9 分9 分9 分

自衛隊法 第119条

クイックジャンプ
  1. 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑に処する。
  2. 一第六十一条第一項の規定に違反した者
  3. 二第六十四条第一項の規定に違反して組合その他の団体を結成した者
  4. 三第六十四条第二項の規定に違反した者
  5. 四第七十条第一項第一号の規定による防衛招集命令を受けた予備自衛官又は第七十五条の四第一項第一号若しくは第三号の規定による防衛招集命令若しくは治安招集命令を受けた即応予備自衛官で、正当な理由がなくて指定された日から三日を過ぎてなお指定された場所に出頭しないもの
  6. 五第七十七条又は第七十九条第一項の規定による出動待機命令を受けた者で、正当な理由がなくて職務の場所を離れ七日を過ぎたもの又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて七日を過ぎてなお職務の場所につかないもの
  7. 六第七十八条第一項又は第八十一条第二項に規定する治安出動命令を受けた者で、上官の職務上の命令に反抗し、又はこれに服従しないもの
  8. 七上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者
  9. 八正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者
  10. 2.前項第二号若しくは第四号から第六号までに規定する行為の遂行を教唆し、若しくはその幇助をした者又は同項第三号、第七号若しくは第八号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、若しくは煽動した者は、それぞれ同項の刑に処する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 自衛隊法第119条は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
  2. 自衛隊法第119条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
  3. 自衛隊法第119条は第九章 罰則に置かれています。
  4. 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
  5. 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 自衛隊法第119条の前の条は自衛隊法第118条の3です。
  7. 自衛隊法第119条の次の条は自衛隊法第120条です。
  8. 自衛隊法第119条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第119条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165
  • 本サイト収録自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第119条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/119

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点自衛隊法119条は、防衛招集への三日超の不出頭や争議行為、政治的行為の制限違反などを三年以下の拘禁刑で処罰し、教唆・煽動した者も同じ刑に処すると定める。

Q · 予備自衛官が防衛招集を断ったら、本当に処罰されるの?

正当な理由なく指定日から三日を過ぎれば三年以下の拘禁刑

自衛隊法119条1項4号は、防衛招集命令を受けた予備自衛官、または防衛招集命令・治安招集命令を受けた即応予備自衛官が、正当な理由なく指定日から三日を過ぎても指定場所に出頭しない場合、三年以下の拘禁刑に処すると定めています。処罰の対象は防衛招集と治安招集に限られ、訓練招集はこの号に含まれません。また2項により、出頭しないよう教唆・幇助した者も同じ刑の対象になります。

解説

三日と七日。自衛隊法119条には、この二つの数字が刻まれている。防衛招集を受けた予備自衛官が正当な理由なく指定日から三日を過ぎても出頭しなければ処罰される。出動待機命令を受けた隊員が職場を離れて七日を過ぎた場合も同じである。どちらも法定刑は三年以下の拘禁刑(懲役と禁錮を一本化した刑。2025年6月1日から)だ。ただし本条が罰するのは戦場での逃亡だけではない。政治的行為の禁止(61条1項)への違反、労働組合の結成(64条1項)、ストライキなどの争議行為(64条2項)も同じ三年の枠に入る。一般企業なら憲法28条で守られる行為が、隊員には刑事罰の対象になる。さらに見落とされがちなのが2項である。争議行為や集団での反抗を「共謀し、教唆し、若しくは煽動した者」も同じ刑で処罰される。条文は処罰対象を隊員に限っていない。家族、支援者、外部の活動家でも、一線を越えれば当事者になる

法的な位置づけ

自衛隊法第119条は、自衛隊員等の服務義務違反のうち、実力組織の即応性と統制を損なう八類型の行為を三年以下の拘禁刑で処罰する罰則規定である。政治的行為の制限違反、団体結成・争議行為、招集不応、出動待機中の離脱、治安出動時の命令不服従、多数共同反抗、無権限指揮を対象とする。2項はその一部の行為について、教唆・幇助・共謀・煽動を独立して処罰する。

よくある質問 AI による整理

Q1自衛隊法119条とは何ですか?

隊員の服務違反のうち、招集不応、待機中の離脱、争議行為、政治的行為の制限違反、命令不服従などを三年以下の拘禁刑で処罰する罰則規定です。

Q2自衛隊法119条の公訴時効はいつまで?

法定刑の上限が拘禁刑3年のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時です。

Q3防衛省の事務官も政治活動を禁止されますか?

禁止されます。61条1項の「隊員」には制服組だけでなく事務官・技官も含まれます。政令で定める政治的行為をすれば119条1項1号の対象になりえます。

Q4自衛官は労働組合を作れますか?

作れません。64条1項は隊員による組合その他の団体の結成を禁じており、違反して結成すると119条1項2号により三年以下の拘禁刑の対象になります。

Q5違法な命令に従わないと処罰されますか?

119条が罰するのは「上官の職務上の命令」への反抗・不服従です。命令が明らかに違法なら、そもそも職務上の命令に当たるかが争点になります。

Q6出動待機命令中に無断で帰省したら違法?

正当な理由なく職務の場所を離れて七日を過ぎれば、1項5号の対象になります。事前に申告して許可を得たかどうかが、正当な理由を立証するうえで重要です。

Q7自衛隊員に争議行為をあおったら一般人も処罰される?

処罰されえます。2項は争議行為(64条2項違反)の共謀・教唆・煽動を処罰しており、行為者を隊員に限定していません。

Q8自衛隊法の懲役はいつ拘禁刑に変わった?

刑法改正に伴う関係法律の整理により、2025年6月1日から懲役・禁錮が「拘禁刑」に一本化されました。本条の法定刑も三年以下の拘禁刑です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1予備自衛官って、本当に招集を断ったら刑務所行きなんですか?

防衛招集命令を受けて、正当な理由なく指定日から三日を過ぎても出頭しなければ、119条1項4号により三年以下の拘禁刑の対象になります。訓練招集への不応はこの号に含まれません。実務のポイント:処罰の根拠になるのは防衛招集と、即応予備自衛官の治安招集だけです。普段の訓練を欠席しても本条の犯罪にはならず、問題は身分の扱いにとどまります。この区別を知らずに登録を怖がる人が多い

Q2家族として「行かないで」と言ったら、私も罪になるんですか?

2項は、4号(招集不応)の行為を教唆または幇助した者を同じ刑で処罰すると定めています。気持ちを口にしただけで教唆が成立するわけではありません。ただ、出頭しないよう強く働きかけて実際に不応につながった場合は、法的評価の対象になりえます。実務のポイント:教唆が成立するかは、相手が実行を決意したことに対して、あなたの言動がどれだけ働いたかで判断されます。不安を話し合うことと、出頭をやめさせる工作は法的にまったく別物です

Q3自衛官がデモに参加したり SNS で政治的な発言をしたりするのは、全部アウトですか?

61条1項は、政令で定める政治的行為を禁じています。何が禁止されるかは自衛隊法施行令が類型ごとに定めています。個人的な意見を言うことや投票することは禁止されていません。実務のポイント:一般職の国家公務員については、堀越事件(最判平成24.12.7)が、政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為に処罰を限定する解釈を示しました。この解釈が自衛隊員にどこまで及ぶかは、実務上、解釈が分かれています

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自衛隊の罰則は制服組だけの話」と思われがちだが、61条と64条の「隊員」には防衛省の事務官や技官も含まれる。さらに2項の共謀・教唆・煽動は、隊員でない一般人も処罰されうる。家族や支援団体が「行かなくていい」と背中を押すことにも法的リスクがある
  • 招集に応じなかったら即逮捕、と身構える人は多い。一方で、三日という猶予や「正当な理由」という抜け道の中身は知られていない。実務上、本人の重病や家族の急病などが正当な理由の候補になるが、どこまで認められるかを判断した裁判例はほとんどない。防衛招集はこれまで発令例がなく、解釈は実務上固まっていない
  • 「憲法28条があるのだから、自衛官にも団結権くらいある」という問いの立て方自体がずれている。本条が問題にしているのは権利の有無ではない。団結や争議を刑罰で抑える制度が憲法上許されるかである。国家公務員の争議行為の禁止を合憲とした最高裁判例(全農林警職法事件、最大判昭和48.4.25)の論理が、自衛隊ではさらに強く働くと一般に解されている
比較の観点この条文ほかの条文
適用される場面自衛隊法119条:平時の服務、防衛招集・治安招集、出動待機、治安出動自衛隊法122条:防衛出動時の反抗・離脱など
国家公務員法102条:一般職国家公務員の政治的行為制限
法定刑の重さ三年以下の拘禁刑本条より重い法定刑(有事の重罰規定)
違反は同法の罰則規定で処罰(自衛隊法とは別体系)
処罰範囲の広がり2項で教唆・幇助・共謀・煽動を独立処罰。隊員以外の者も対象になりうる防衛出動命令を受けた者の行為が中心
一般職国家公務員が対象。堀越事件で処罰範囲を限定する解釈が示された

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
陸海空軍刑法・妨害兵役治罪條例

台湾は軍人の抗命・離脱を軍刑法で、召集への不応を兵役関係の特別刑法で処罰する。日本は独立した軍刑法を持たず、自衛隊法の罰則で対応している点が大きく異なる。

韓国
군형법・예비군법

韓国は徴兵制のもとで軍刑法が抗命・軍務離脱を重く処罰し、予備軍法が動員不応を処罰する。日本の本条より刑の上限が重い類型が多い。

ドイツ
Wehrstrafgesetz(WStG)・Soldatengesetz

ドイツは軍刑法(WStG)で服従拒否や逃亡を処罰する。一方で兵士の団結権は認められ、連邦軍協会が利益代表として機能しており、日本の団結禁止とは対照的である。

アメリカ
Uniform Code of Military Justice(UCMJ)

米国は軍事司法統一法典で脱走・命令違反・反乱を軍法会議で処罰する。刑は死刑を含みうるほど重く、日本の三年以下の拘禁刑とは制度の前提が大きく異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 会社員として働きながら予備自衛官を続けている人が、仮に防衛招集命令を受けたとする。上司に「繁忙期だから今は行くな」と言われたら、どうなるか。指定日から三日を過ぎた時点で119条1項4号の射程に入る。「会社に止められた」がそのまま「正当な理由」と認められる保証はない。止めた側の行為も、2項の教唆にあたるかが問題になりうる
  • 防衛省の事務官が、休日に個人の SNS で特定候補への投票を呼びかけた。制服を着ていない事務官も自衛隊法上の「隊員」に含まれ、61条1項の政治的行為の制限を受ける。政令が定める類型に当てはまれば、刑事罰の議論に進みうる
  • 待遇への不満がたまった部隊の若手が、LINE グループで「全員で一斉に有給を取って抗議しよう」と盛り上がった。言い出したあなたは、行為そのものより先に、争議行為を共謀・煽動した者として2項の対象になりうる
  • 治安出動の現場で、上官の命令が明らかに違法だと感じた。服従しなければ1項6号の問題になる。ただし処罰されるのは「職務上の命令」への反抗に限られる。命令が違法なら職務上の命令に当たるか自体が争点になる。その記録を残せるかどうかで、後の結論が変わる
  • 出動待機命令の発令中に、実家の親が倒れたという連絡が入った。上官に届け出ないまま帰省すると、七日の時間制限が始まる。まず申告して許可を得る、その手順を踏んだかどうかで「正当な理由」の立証の重さがまったく違ってくる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 上官や同僚から集団での抗議や争議行為への参加を迫られたら、その場で同意せず、やり取りを日時付きで記録する2. 参加を断ったことで不利益な扱いを受けたら、部隊の苦情処理制度や防衛省の相談窓口へ個人として申告する3. 違法と思われる命令を受けたら、内容・日時・命令者を記録し、可能なら書面での命令を求める4. 刑事手続に巻き込まれそうなら、早い段階で刑事弁護の経験がある弁護士に相談する

訴えられた側:1. 取調べでは黙秘権がある。弁護人がつく前に、動機や経緯を詳しく話さない2. 招集不応や離脱の事案では、「正当な理由」を裏付ける資料(診断書、家族の入院記録、申告メールなど)をすぐ確保する3. 6号・7号の事案では、命令が「職務上の命令」として適法だったか自体を争点にできないか検討する4. 懲戒処分(46条)は刑事手続とは別に進むため、並行して対応方針を立てる

時効(請求できる期限):法定刑の上限が拘禁刑3年のため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、招集不応では指定日から三日を過ぎた時点、離脱では七日を過ぎた時点が目安になる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:実力組織としての自衛隊の特殊性から、隊員の団結権・争議権の全面的な否定と刑罰による担保は、一般の国家公務員以上に強い合理性があるとして合憲と解する。

限定解釈論:2項の煽動処罰は表現の自由(憲法21条)と緊張関係にある。処罰対象を、違法行為を実行させる現実的な危険性をもつ働きかけに限定すべきだとする見解がある。

改正沿革 AI による整理

  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴う関係法律の整理で、法定刑の「懲役」「禁錮」が「拘禁刑」に改められたとみられる。各号の追加・改正の経緯は人による確認が必要

改正の年表

  1. 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法の制定に伴い、隊員の服務違反に対する罰則体系の一部として設けられた。
  2. 2.令和4年(2022年)公布/令和7年(2025年)施行 改正:刑法改正に伴う関係法律の整理により、法定刑が「懲役」から「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

自衛隊法の全文を見る所属する編章節を開く:第九章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›