自衛隊法 第122条
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- 第七十六条第一項の規定による防衛出動命令を受けた者で、次の各号のいずれかに該当するものは、七年以下の拘禁刑に処する。
- 一第六十四条第二項の規定に違反した者
- 二正当な理由がなくて職務の場所を離れ三日を過ぎた者又は職務の場所につくように命ぜられた日から正当な理由がなくて三日を過ぎてなお職務の場所につかない者
- 三上官の職務上の命令に反抗し、又はこれに服従しない者
- 四正当な権限がなくて又は上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊を指揮した者
- 五警戒勤務中、正当な理由がなくて勤務の場所を離れ、又は睡眠し、若しくは酩酊して職務を怠つた者
- 2.前項第二号若しくは第三号に規定する行為の遂行を教唆し、若しくはその幇助をした者又は同項第一号若しくは第四号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、若しくは煽動した者は、それぞれ同項の刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第122条は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第122条の条文原文は「第七十六条第一項の規定による防衛出動命令を受けた者で、次の各号のいずれかに該当するものは、七年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 自衛隊法第122条は第九章 罰則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第122条の前の条は自衛隊法第121条です。
- 自衛隊法第122条の次の条は自衛隊法第122条の2です。
- 自衛隊法第122条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第122条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第122条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/122
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法122条は、防衛出動命令を受けた自衛官の職場離脱や上官命令への反抗などを7年以下の拘禁刑で罰する。教唆や煽動をした者も同じ刑となる。
Q · 防衛出動中に自衛官が持ち場から逃げたら、どんな罪になるの?
自衛隊法122条で7年以下の拘禁刑、死刑はない
自衛隊法122条1項2号により、防衛出動命令を受けた者が正当な理由なく職務の場所を離れて3日を過ぎると、7年以下の拘禁刑に処されます。平時の同種行為は第119条で上限3年とされ、防衛出動下では上限が引き上げられています。日本には軍法会議がないため(憲法76条2項)、通常の刑事手続で地方裁判所が審理します。離脱をそそのかしたり手助けしたりした者も、第2項により同じ刑の対象です。
解説
日本には軍法会議がない。敵前逃亡を死刑で裁く特別な法廷もない。それでも、有事に自衛官が持ち場を捨てた場合の刑罰は法律に書かれている。それが本条である。条件は、首相が第76条で出す「防衛出動命令」(武力攻撃などに対処するため自衛隊を出動させる命令で、原則として国会の承認が必要)を受けていること。この状況で、①争議行為やサボタージュ、②正当な理由なく持ち場を3日を超えて離れる、または戻らない、③上官の職務上の命令に逆らう、④権限なく部隊を指揮する、⑤警戒勤務中に持ち場を離れる、眠る、酔って職務を怠る、のいずれかをすれば、7年以下の拘禁刑になる。平時なら第119条で上限3年、治安出動などの場面なら第120条で上限5年である。同じ行為でも、状況が重くなるほど法定刑の上限が上がる三段階の構造になっている。あなたが自衛官でなくても無関係ではない。第2項が罰する教唆・幇助・煽動の主語は「者」であり、家族や外部の活動家も含まれる。そして裁くのは普通の地方裁判所である
法的な位置づけ
自衛隊法122条は、防衛出動命令(同法76条1項)を受けた者による争議行為、職場離脱、上官の職務上の命令への反抗、無権限の部隊指揮、警戒勤務中の職務懈怠を7年以下の拘禁刑で処罰する規定である。第2項は一定の号の行為について教唆・幇助・共謀・煽動を独立に処罰し、実行者と同一の法定刑を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法122条とは?
防衛出動命令を受けた者の争議行為、職場離脱、命令反抗、無権限指揮、警戒勤務中の懈怠を7年以下の拘禁刑で罰する規定です。
Q2自衛官の脱走 罪 何年?
平時は第119条で上限3年、防衛出動下は本条で上限7年の拘禁刑です。状況により法定刑の上限が段階的に変わります。
Q3防衛出動とはいつ出される?
武力攻撃などに対処するため首相が自衛隊法76条に基づき命じるもので、原則として国会の承認が必要です。
Q4自衛官の職場離脱は何日で犯罪になる?
防衛出動下では、正当な理由なく職務の場所を離れて3日を過ぎた時点で第1項2号の罪が成立します。
Q5警戒勤務中の居眠り 罰則は?
防衛出動下で正当な理由なく警戒勤務中に睡眠して職務を怠れば、第1項5号により7年以下の拘禁刑の対象です。
Q6自衛隊法122条の煽動罪は相手が動かなくても成立する?
第2項の煽動は独立の処罰類型と解され、相手が実際に争議行為や無権限指揮をしなくても成立しうるとされています。
Q7自衛隊法違反は誰が裁く?
日本には軍法会議がなく、憲法76条2項が特別裁判所を禁じるため、通常の刑事手続で地方裁判所が審理します。
Q8自衛隊法122条 公訴時効は?
法定刑の長期が10年未満の拘禁刑にあたるため、刑事訴訟法250条2項5号により公訴時効は5年です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1有事に怖くなって逃げたら、自衛官って死刑になるんですか?
なりません。本条の法定刑は7年以下の拘禁刑で、死刑も無期刑もありません。日本には軍法会議がなく(憲法76条2項)、通常の地方裁判所で裁かれます。実務のポイント:本条が問題になるのは「防衛出動命令」が出ているときだけで、自衛隊の発足以来、防衛出動が下令されたことは一度もありません。そのため本条には適用例がなく、「正当な理由」の範囲も判例による基準が存在しない未踏の領域です
Q2自衛官の彼氏に『辞めて逃げちゃえば』ってメッセージしたら、私も罪になる?
防衛出動命令が出ている状況で、職場離脱(第1項2号)を実際にそそのかしたと評価されれば、第2項の教唆として本人と同じ刑の対象になりえます。平時であれば、本条ではなく第119条の枠組みの問題になります。実務のポイント:教唆が成立するには、相手に犯罪を実行する決意を生じさせることが必要とされます。愚痴への相づち程度で直ちに成立するわけではありませんが、逃走手段や潜伏先まで用意すれば幇助として一気に危険になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事に逃げた自衛官は軍法会議で銃殺される」という想像は、日本では成り立たない。憲法76条2項が特別裁判所の設置を禁じているため、本条違反も通常の刑事手続で起訴され、地方裁判所で裁かれる。法定刑の上限は拘禁刑7年であり、死刑はない。量刑が3年以下なら執行猶予も制度上ありうる
- 「本条は自衛官だけの問題」と思っている人は、第2項の重さを分かっていない。教唆・幇助・共謀・煽動の主語は「者」であり、隊員の家族、友人、外部の団体も対象になる。特に煽動は、相手が実際に行動しなくても成立しうる独立の犯罪類型と解されている。善意の一言が本人と同じ法定刑に並ぶことがある
- 「命令に従わない=即犯罪」と考えるのは視点がずれている。第3号が対象とするのは「上官の職務上の命令」に限られる。明白に違法な命令や職務と無関係な私的命令まで服従義務が及ぶかについては、学説上、否定的に解する見解が有力である。ただし現場で「違法だ」と判断した責任は自分が負うことになり、この判断リスクこそが本当の重圧である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される状況 | 122条:防衛出動命令(76条1項)を受けた者 | 119条:平時(出動命令のない通常時) 120条:治安出動等の命令下(現行規定を要確認) |
| 法定刑の上限 | 7年以下の拘禁刑 | 3年以下の拘禁刑(罰金の有無は条文を要確認) 5年以下の拘禁刑(現行規定を要確認) |
| 状況を決める主体 | 首相の防衛出動命令と原則国会承認 | 特段の命令なし 治安出動等の命令 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は独立の軍刑法典を持ち、逃亡や命令違反を類型化して処罰する。平時の軍人犯罪は通常裁判所が扱う点で日本と近い
韓国は軍刑法典と軍事法院を持ち、軍務離脱や抗命を独立の罪として処罰する
ドイツも常設の軍事裁判所を持たず、軍人犯罪は一般裁判所が裁く点で日本と共通する
米国は軍法会議(court-martial)制度を持ち、戦時の脱走には重い刑を科しうる点で日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 防衛出動が下令された夜、自衛官である息子から「怖い、帰りたい」と電話があった。「今すぐ帰ってきなさい、かくまうから」と答えた親はどうなるのか? 第2項は、第2号(職場離脱)の教唆と幇助を本人と同じ刑で罰する。愛情から出た一言でも、条文上は教唆にあたりうる
- あなたは即応予備自衛官で、防衛招集に応じて出頭を命じられた。指定日から3日が過ぎると第2号の線を越える。家業や家族の事情を「正当な理由」として主張できるかは個別判断で、事前に連絡・申告した記録の有無が分かれ目になる。残り72時間のうちに、欠勤理由を書面で部隊に届けたかどうかで立場が変わる
- 警戒勤務中に疲れ切って、30分眠ってしまった。防衛出動下なら第5号の「睡眠」に直結する
- 部隊の通信が途絶え、指揮官との連絡がつかない。見かねた曹長が独断で小隊を動かした。第4号の「正当な権限がなくて」部隊を指揮した行為にあたるのか。緊急避難(刑法37条)や推定的な承認を主張できるかが争点になり、実務上、解釈が分かれうる場面である
取るべき行動
被害を受けた側:ここでは、部隊の指揮や安全が損なわれた側、または家族として巻き込まれそうな側を想定する。1. 家族から離脱の相談を受けたら、かくまう、移動手段を用意するといった具体的な支援は避ける。第2項の幇助にあたりうる2. 代わりに、部隊への事情申告、医官による診察、カウンセリング窓口の利用を勧める3. 部隊内で違法な命令を受けた場合は、日時と内容を記録し、上級の指揮系統や防衛省の相談窓口に報告する
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護人を依頼する。通常の刑事手続なので、黙秘権と当番弁護士制度がそのまま使える2. 「正当な理由」を裏づける資料(診断書、家族の緊急事情、通信途絶の記録)を早い段階で確保する3. 第3号が問題になっている場合は、その命令が「職務上」のものであり適法だったかを争点として検討する4. 部隊内の懲戒処分(自衛隊法46条)は刑事手続とは別に進むため、両方への対応を並行して準備する
時効(請求できる期限):公訴時効は5年(刑事訴訟法250条2項5号。長期10年未満の拘禁刑にあたる罪)で、犯罪行為が終わった時から起算する。第2号の職場離脱は、3日を経過した時点で既遂になる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律に伴い、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。それ以前の改正履歴(号の追加、第2項の文言変更など)は人による確認が必要である
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法制定(昭和29年法律第165号)に伴い、防衛出動下の罰則として設けられた。制定当初の文言は要確認
- 2.令和7年(2025年) 改正:刑法等の一部を改正する法律(令和4年公布)の施行により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 自衛隊法 第76条防衛出動命令、本条適用の前提要件
- 自衛隊法 第64条争議行為・怠業的行為の禁止(第1号の基礎)
- 自衛隊法 第57条上官の職務上の命令への服従義務
- 自衛隊法 第119条平時の同種行為の罰則、上限3年
- 自衛隊法 第120条治安出動等下の罰則、上限5年(現行効力を要確認)
- 刑法 第61条教唆の一般原則を第2項が独立処罰で修正
- 刑法 第62条幇助犯の必要的減軽を排し正犯と同じ刑
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