自衛隊法 第122条の2
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- 第百十九条第一項第七号及び第八号並びに前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。
- 2.第百十九条第二項の罪(同条第一項第七号又は第八号に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者に係るものに限る。)及び前条第二項の罪は、刑法第二条の例に従う。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第122条の2は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第122条の2の条文原文は「第百十九条第一項第七号及び第八号並びに前条第一項の罪は、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。」で始まります。
- 自衛隊法第122条の2は第九章 罰則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第122条の2の前の条は自衛隊法第122条です。
- 自衛隊法第122条の2の次の条は自衛隊法第123条です。
- 自衛隊法第122条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第122条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第122条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/122_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法第122条の2は、上官命令への多数共同反抗、無権限の部隊指揮、防衛出動時の罪を国外犯として処罰し、その共謀・教唆・煽動には刑法第2条の例を適用する。
Q · 自衛官が海外の派遣先で上官の命令に集団で逆らったら、日本の法律で罰せられるの?
はい。集団反抗や無権限指揮など一部の罪は国外でも処罰されます
自衛隊法第122条の2第1項により、第119条第1項第7号(上官の職務上の命令への多数共同反抗)・第8号(無権限または命令違反の部隊指揮)と第122条第1項の罪は、日本国外で犯しても処罰されます。第2項により、これらの行為の共謀・教唆・煽動には刑法第2条の例が適用され、自衛官でない者や外国人も対象になりえます。一方、本条に列挙されていない自衛隊法上の罰則は、刑法第8条・第1条により原則として国外では処罰されません。
解説
国境を越えた瞬間、日本の刑法は原則として手を放す。刑法第1条は国内犯が原則で、国外での行為を罰するには、その罪を国外犯として明示した規定が要る。自衛隊法第122条の2は、自衛隊の規律違反の中でも最も重いものについて、この空白を埋める規定である。第119条第1項第7号と第8号(上官の職務上の命令に多数で共同して反抗すること、正当な権限なく、または上官の命令に反して部隊を指揮すること)、そして第122条第1項の罪(防衛出動命令を受けた者の職務離脱や命令への反抗など)は、ジブチの拠点でも、PKO の派遣先でも、在外邦人の輸送任務中の空港でも、国内と同じように処罰される。第2項はさらに範囲が広い。こうした行為を共謀し、教唆し、または煽動した者(そそのかしたり、あおったりした者)には刑法第2条の例が適用される。つまり自衛官でなくても、日本人でなくても対象になりうる。海外にいる部隊の指揮系統を乱す行為は、どこで誰がやっても日本の刑罰が追いかけてくる。そういう設計である
法的な位置づけ
自衛隊法第122条の2は、自衛隊法上の罰則のうち、上官の職務上の命令に対する多数共同反抗、正当な権限のない部隊指揮、防衛出動命令を受けた者の職務離脱等の罪について国外犯処罰を定める規定である。あわせて、これらの行為の共謀・教唆・煽動に係る罪を刑法第2条の例に従わせ、行為者の国籍・身分を問わず国外での行為を処罰対象とする。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法 国外犯とは?
日本国外で犯した行為にも自衛隊法の罰則を適用する仕組みです。第122条の2が対象の罪を限定列挙しており、すべての罰則が国外に及ぶわけではありません。
Q2自衛隊法122条の2の対象になる罪は?
第119条第1項第7号(多数共同反抗)、第8号(無権限の部隊指揮)、第122条第1項の罪、それらの共謀・教唆・煽動に係る第119条第2項・第122条第2項の罪です。
Q3刑法2条の例に従うとはどういう意味?
刑法第2条と同じく、日本国外で罪を犯したすべての者に適用するという意味です。行為者の国籍や自衛官かどうかを問いません。
Q4PKO 派遣中の規律違反は日本で裁かれる?
本条に列挙された罪であれば、派遣先での行為でも日本の刑罰法規が適用されます。列挙外の罰則は原則として国外では適用されません。
Q5外国人でも自衛隊法で処罰される?
第2項の共謀・教唆・煽動に係る罪は刑法第2条の例に従うため、外国人が国外で行った場合でも処罰対象となりえます。
Q6自衛隊法の罰則は海外で全部適用される?
されません。国外犯となるのは本条が列挙する罪だけです。それ以外は刑法第8条を通じて国内犯原則(刑法第1条)に従います。
Q7自衛隊法 上官命令 反抗罪 国外でも成立する?
多数で共同して上官の職務上の命令に反抗した場合(第119条第1項第7号)は、国外での行為にも本条により適用されます。
Q8海外にいる間は時効が止まる?
止まります。刑事訴訟法第255条により、犯人が国外にいる期間は公訴時効の進行が停止します。帰国後に時効が再び進行します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛官じゃない一般人でも、この条文で捕まることってあるんですか?
あります。第122条の2第2項は、第119条第1項第7号・第8号の行為や第122条第1項の行為を共謀し、教唆し、または煽動した者について、刑法第2条の例に従うと定めています。したがって身分も国籍も問わず、国外での行為も処罰対象になります。実務のポイント:実務で問題になるのは、一般的な批判と具体的な働きかけの境目です。特定の部隊や隊員に向けて行為の実行をあおったかどうかが鍵になるため、言葉の宛先と具体性が問われます
Q2海外にいる間に時効が過ぎたら、帰ってきても大丈夫ですよね?
大丈夫ではありません。刑事訴訟法第255条により、犯人が国外にいる期間は公訴時効の進行が停止します。海外派遣が長引いても、その期間は時効のカウントに入りません。実務のポイント:この停止は、国外にいた目的を問わず適用されるのが原則です。国外滞在の記録(出入国の記録や派遣命令の期間)が、時効計算の決定的な証拠になります
Q3海外で自衛官が普通の窃盗をしたら、この条文で罰せられますか?
本条の対象は第119条第1項第7号・第8号と第122条などに限られるため、窃盗は含まれません。ただし刑法第3条が日本国民の国外犯を定めており、窃盗罪はその対象に含まれます。そのため刑法を根拠に処罰されえます。実務のポイント:国外犯の根拠が刑法か自衛隊法かで、捜査を担う組織や手続の流れが変わりえます。弁護の初動では、どの根拠条文で立件されているかを必ず確認します
間違えやすい点 AI による整理
- 「自衛隊法の罰則は海外でも全部適用される」と思われがちだが、実際は逆である。本条が国外犯として挙げるのは第119条第1項第7号・第8号、第122条の罪、それに関連する共謀・教唆・煽動だけである。それ以外の罰則は、刑法第8条により刑法総則の国内犯の原則に従うことになり、国外での行為は原則として処罰されない。範囲は意図的に絞られている
- 第2項が刑法第2条の例に従うという一文の重さは見過ごされやすい。刑法第2条は内乱罪や通貨偽造罪など、国家の存立に関わる罪について「すべての者」の国外犯を罰する規定である。自衛官の反抗をそそのかす行為が、この系列と同じ扱いを受ける。つまり国籍も身分も問わない。立法者がこの行為をどれほど重く見ているかは、この点に表れている
- 「海外で起きた事件は現地の法律で裁かれる」という発想から入ると、見通しを誤る。現地法の適用と日本法の適用は二者択一ではなく、並行しうる。地位協定などで現地の刑事裁判権がどう整理されているかは派遣先ごとに異なる。そのうえで、日本の刑罰権は本条を根拠に独立して存在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 自衛隊法122条の2:場所的適用範囲(国外犯)を定める規定 | 自衛隊法119条:多数共同反抗・無権限指揮等を処罰する罰則本体 自衛隊法122条:防衛出動命令を受けた者の違反を処罰する罰則本体 |
| 国外での適用 | 列挙した罪を国外犯とする根拠そのもの | 第1項第7号・第8号と第2項の関連部分のみ国外犯 第1項の罪は国外犯、第2項の罪は刑法第2条の例 |
| 処罰される主体 | 第1項は各罪の主体、第2項は国籍・身分を問わない | 主に自衛隊員(第2項の共謀・教唆・煽動は隊員に限らない) 防衛出動命令を受けた者(第2項の共謀等は限らない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も軍人の抗命などを特別刑法で処罰し、領域外での犯罪への適用規定を置く。軍刑法を独立の法典とする点で、日本の自衛隊法内の罰則とは構造が異なる
韓国も独立した軍刑法典を持ち、抗命・反乱などを規律する。軍事裁判制度を前提とする点で日本と大きく異なる
ドイツは軍刑法に国外行為の規定を置き、連邦軍の海外派遣中の行為にも適用する。日本同様、通常裁判所が審理する
米国の統一軍事裁判法典は場所を問わず適用され、反乱(Mutiny)等を軍法会議で裁く。日本は軍法会議を持たず通常の刑事手続による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外派遣先の宿営地で、待遇への不満が高まった隊員十数名が、上官の出動命令を集団で拒否しようと話し合い始めた。国内なら第119条第1項第7号の多数共同反抗にあたる行為は、派遣先の国でも同じ条文で裁かれる。「ここは日本じゃない」は通用しない
- もし、海外の拠点に出入りする民間業者の日本人スタッフが、隊員に「一緒に命令を無視しよう」とあおる書き込みを送ったら、どうなる? 本人は自衛官ではないが、第122条の2第2項により、第119条第2項の煽動罪が国外でも適用されうる
- 在外邦人の輸送任務の最中、ある幹部が上官の命令を無視し、独断で部隊を動かした。第119条第1項第8号の罪が国外で成立しうる
- あなたは派遣任務を終えて帰国する前の晩、同僚から「帰国したら、あの件は現地のことだから立件されないよな」と聞かれた。国外にいた期間は公訴時効が止まる(刑事訴訟法第255条)。帰国の日が時効の起点になるわけではなく、国外滞在中は時効の進行そのものが停止している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 派遣先で上官の命令への集団反抗や無権限の部隊指揮を目撃した場合、日時・場所・関与者・発言内容をその日のうちに記録する2. 指揮系統の上位、または警務隊(自衛隊内で捜査を担う部門)に報告する。報告経路が反抗の当事者と重なっている場合は、別系統を使う3. 外部から煽動を受けた場合、メッセージやSNSの投稿は削除せず、スクリーンショットとURLを保全する。煽動者が国外にいても、第2項により立件の余地がある
訴えられた側:1. 帰国前でも、警務隊から事情を聴かれる段階で黙秘権があることを意識し、早期に弁護士への相談経路を確保する2. 行為が第119条第1項第7号・第8号、第122条の構成要件(多数共同かどうか、権限の有無、防衛出動命令の有無)に本当に当たるのかを精査する。対象外の罰則であれば、国外犯としては処罰されない可能性がある3. 正当な理由、命令の違法性、緊急避難などの事情があれば、具体的な証拠とともに主張を組み立てる
時効(請求できる期限):公訴時効は法定刑で決まる。第122条の罪(7年以下の拘禁刑)は5年、第119条の罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)は3年である(刑事訴訟法第250条)。起算点は犯罪行為が終わった時点だが、犯人が国外にいる期間は時効の進行が停止する(同法第255条)。法定刑は最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:刑法は属地主義を原則とし(刑法第1条)、特別刑法の罪にも刑法総則が適用される(同第8条)。そのため自衛隊法の罪を国外で処罰するには、本条のような国外犯の明文規定が必要とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)平和安全法制関連の改正(要確認) 自衛隊の海外活動の拡大に対応して国外犯処罰規定が整備されたとされるが、本条の新設時期と改正経緯は人的検証が必要
- 自衛隊法 第119条国外犯となる反抗・無権限指揮の罪
- 自衛隊法 第122条防衛出動時の罪、本条の直接の対象
- 自衛隊法 第76条防衛出動命令、第122条の前提
- 刑法 第2条すべての者の国外犯、第2項が準用
- 刑法 第8条他の法令の罪への総則適用、国外犯原則
- 刑事訴訟法 第255条国外にいる間の公訴時効停止
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