自衛隊法 第83条の2(地震防災派遣)
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防衛大臣は、大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第十一条第一項に規定する地震災害警戒本部長から同法第十三条第二項の規定による要請があつた場合には、部隊等を支援のため派遣することができる。
この条文の基本情報
地震防災派遣とは何ですか?
定義地震防災派遣とは、自衛隊法第83条の2に定められた規定で、「防衛大臣は、大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第十一条第一項に規定する地震災害警戒本部長から同法第十三条第二項の規定による要請があつた場合に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第83条の2(地震防災派遣)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第83条の2の条文原文は「防衛大臣は、大規模地震対策特別措置法(昭和五十三年法律第七十三号)第十一条第一項に規定する地震災害警戒本部長から同法第十三条第二項の規定による要請があつた場合に…」で始まります。
- 自衛隊法第83条の2は第六章 自衛隊の行動に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第83条の2の前の条は自衛隊法第83条です。
- 自衛隊法第83条の2の次の条は自衛隊法第83条の3です。
- 自衛隊法第83条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第83条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第83条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/83_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法83条の2は、大規模地震対策特別措置法の地震災害警戒本部長(内閣総理大臣)から要請があった場合に、防衛大臣が部隊等を支援のため派遣できると定める。
Q · 南海トラフの臨時情報が出たら、自衛隊法83条の2で自衛隊が先に来てくれるの?
来ない。本条の発動には警戒宣言が必要で、臨時情報は別制度
自衛隊法83条の2による地震防災派遣は、内閣総理大臣が大規模地震対策特別措置法9条の警戒宣言を発し、同法11条1項の地震災害警戒本部長として13条2項の要請をした場合に限り、防衛大臣が部隊等を派遣できる仕組みです。南海トラフ地震臨時情報は警戒宣言ではないため、このルートは開きません。確度の高い地震予知は困難とされており、本格的な部隊派遣は発災後の83条による災害派遣が中心となります。
解説
自衛隊が動くのは地震が起きた後だ、と多くの人は思っている。しかし自衛隊法には「揺れる前」に部隊を出すための専用の条文がある。それが83条の2である。仕組みは次のとおり。まず気象庁長官が地震予知情報を報告する。これを受けて内閣総理大臣が警戒宣言(大規模地震対策特別措置法9条)を発し、自ら地震災害警戒本部長になる。本部長が防衛大臣に派遣を要請し、防衛大臣は部隊を派遣「できる」。ここで見落とされがちな事実が二つある。一つ目に、要請するのは都道府県知事ではなく総理大臣である。この点で、知事の要請を起点とする通常の災害派遣(83条)とは入口が違う。二つ目に、この経路の前提は「地震を予知できる」ことだ。国は2017年に確度の高い予知は困難と整理し、東海地震の予知情報に基づく警戒宣言の運用は事実上止まっている。2024年8月に初めて出た南海トラフ地震臨時情報も警戒宣言ではないため、本条は発動されていない。つまり、あなたの地域の防災計画が「事前に自衛隊が来る」ことを前提にしているなら、その前提はもう崩れている。
法的な位置づけ
自衛隊法83条の2は地震防災派遣を定める規定であり、大規模地震対策特別措置法に基づく警戒宣言の発令後、同法11条1項の地震災害警戒本部長から同法13条2項による要請があった場合に、防衛大臣が部隊等を支援のため派遣できる旨を規定する。派遣の実施は防衛大臣の裁量に委ねられ、発災後の災害派遣(同法83条)とは要請権者を異にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.計画内の「警戒宣言」前提の記述を棚卸し 地域防災計画・BCP・学校の引き渡しルールから「警戒宣言発令時」「自衛隊の事前支援」を前提とした記述を全件抽出し、一覧表にする
- 2.臨時情報ベースの対応へ書き換え 内閣府の南海トラフ地震臨時情報に関するガイドラインに沿って、臨時情報(巨大地震警戒・巨大地震注意)の段階で自ら行う措置に置き換える。事前の部隊支援は前提にしない
- 3.発災後の派遣要請ルートを明記 発災後は市町村長から都道府県知事へ派遣要請を求め(災害対策基本法68条の2)、知事が自衛隊法83条に基づき要請する。連絡先・連絡手段・代替手段を計画に明記する
- 4.自立期間の備えと記録化 部隊到着までの空白を想定し、最低三日・できれば一週間分の自立備蓄を計画に組み込む。見直し経緯は議事録に残し、発災後の説明責任に備える
よくある質問 AI による整理
Q1地震防災派遣とは何ですか?
警戒宣言の発令後、地震災害警戒本部長(内閣総理大臣)の要請を受けて、防衛大臣が地震の発生前に部隊等を支援のため派遣する制度です。根拠は自衛隊法83条の2です。
Q2警戒宣言とは何ですか?
大規模地震対策特別措置法9条に基づき、地震予知情報を受けて内閣総理大臣が発する宣言です。交通規制や避難などの地震防災応急対策が一斉に始まる起点になります。
Q3警戒宣言は今までに出たことがありますか?
1978年の制度創設以来、一度も発令されていません。そのため自衛隊法83条の2に基づく地震防災派遣も実施例がありません。
Q4南海トラフ地震臨時情報と警戒宣言の違いは?
臨時情報は気象庁が発表する防災情報で、住民や自治体に備えを促すものです。警戒宣言は大規模地震対策特別措置法上の法的措置で、本条の派遣要請の前提になります。
Q5地震災害警戒本部長は誰ですか?
内閣総理大臣です。警戒宣言を発したときに内閣府に地震災害警戒本部が置かれ、総理大臣自身が本部長を務めます(大規模地震対策特別措置法10条・11条)。
Q6東海地震の予知はもうやめたのですか?
2017年、国は確度の高い地震予知は困難と整理し、気象庁は東海地震に関連する情報の発表を終え、南海トラフ地震に関連する情報の運用に切り替えました。
Q7自衛隊の災害派遣は誰が要請できますか?
発災後の災害派遣(自衛隊法83条)は都道府県知事等が要請します。市町村長は知事に要請を求めることができます(災害対策基本法68条の2)。
Q8地震の前に自衛隊が待機することはありますか?
臨時情報の段階で自衛隊が内部の待機態勢や連絡体制を強めることはあり得ますが、それは本条に基づく派遣ではなく、住民の元に部隊が来ることを意味しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1南海トラフの「巨大地震警戒」が出たら、自衛隊はすぐ来てくれるんですか?
本条(自衛隊法83条の2)による派遣は、大規模地震対策特別措置法の警戒宣言があって初めて可能になる。臨時情報は警戒宣言ではないため、原則として本条のルートは開かない。本格的な派遣は、発災後の83条による災害派遣が中心になる。実務のポイント:自衛隊は臨時情報の段階でも、内部で待機態勢や連絡体制を強めることがある。ただしそれは住民の元に部隊が来ることを意味しない。「待機」と「派遣」を区別して聞くこと
Q2地震予知ができないなら、なんでこの条文を削除しないんですか?
大規模地震対策特別措置法そのものが廃止されていないからである。本条は同法13条2項の要請を受ける受け皿なので、同法が残る限り残る。予知が困難とされた後の防災対応をどう法律に位置づけ直すかは、今も政策上の検討課題である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:法律は「使われない」ことを理由に自動で消えることはない。実務家は条文の有無よりも「発動の前提が今も成り立つか」を先に確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「巨大地震注意」や「巨大地震警戒」が出れば自衛隊が事前に展開すると思われがちだが、南海トラフ地震臨時情報は大規模地震対策特別措置法の警戒宣言とは別の制度である。本条の要請権者である地震災害警戒本部は、警戒宣言がなければ設置されない
- 本条の存在自体は知っていても、その前提がどれほど脆いかはあまり知られていない。発動には、気象庁長官からの地震予知情報の報告と、総理大臣による警戒宣言が必要になる。国はすでに確度の高い予知は困難と結論づけており、条文は残っていても1978年の新設以来一度も発動されていない。「法律があるから大丈夫」という安心は、この一点で崩れる
- 「自衛隊は知事が呼ぶもの」という理解は、発災後の83条については正しい。しかし本条では、要請者は地震災害警戒本部長、つまり内閣総理大臣である。自治体から見れば「呼べば来る」存在でも、本条の上では国が一括して動かす存在になる。この違いを知らないと、市町村は要請先を間違えて貴重な時間を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 要請者 | 83条の2:地震災害警戒本部長(内閣総理大臣) | 83条:都道府県知事その他政令で定める者 83条の3:原子力災害対策本部長(内閣総理大臣) |
| 発動のタイミング | 地震発生前(警戒宣言から警戒解除宣言まで) | 災害の発生後(または発生のおそれがある場合) 原子力緊急事態宣言の発出後 |
| 前提となる制度 | 大規模地震対策特別措置法9条の警戒宣言 | 天災地変その他の災害 原子力災害対策特別措置法の緊急事態宣言 |
| 実際の運用 | 創設以来発動例なし | 地震・豪雨等で頻繁に実施 東日本大震災時に実施 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は自治体等の申請による国軍支援に加え、重大災害時に国防部が主動的に支援できる。予知を前提とする事前派遣の専用規定は置かれていない
韓国は災害対策本部長が国軍の支援を要請できる枠組みで、発災前後を問わない一般的な動員規定として構成される
ドイツは州の要請によるカタストロフィ支援が原則で、連邦軍の国内出動は基本法上厳格に限定される
米国は州知事の要請により大統領宣言前でも一定期間、国防総省が生命・財産保護の緊急作業を行える
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)がテレビで流れた夜、自衛隊はもう動いているのだろうか? 答えは原則として否である。臨時情報は警戒宣言ではないので、83条の2の要請ルートは開かない。部隊が本格的に動き出すのは、実際に被害が出て83条の災害派遣要請が来てからになる
- あなたは静岡県内の市役所で防災担当をしている。地域防災計画に「警戒宣言発令時、自衛隊の支援を受けて避難誘導を行う」と書かれたまま十年近く放置されていた。来月の議会で改訂案を出す必要があり、残り三週間で臨時情報ベースの運用に書き換えなければならない
- 工場の BCP に「警戒宣言が出たら自衛隊の輸送支援を待つ」と書いてあった。その一行は、発動されない条文を前提にしている
- 友人から「政府は地震を予知して自衛隊を先回りさせる仕組みを隠している」という SNS 投稿を転送された。実際には、その仕組みは1978年から法律に公開の条文として書かれている。隠されているのではなく、予知ができないために使われていないだけである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 臨時情報が出ても、本条による事前派遣は期待しない。発災後の83条派遣は、要請、調整、移動の手順を経るため、到着までに時間差がある前提で動く2. 自宅や職場で最低三日、できれば一週間分の水・食料・簡易トイレを備える3. 自治体の防災計画に「警戒宣言」を前提とした記述が残っていないか確認し、残っていれば住民意見や議員を通じて改訂を求める4. 学校や勤務先の「警戒宣言時」ルールが臨時情報の運用に置き換わっているかを確認する
訴えられた側:自治体や企業の防災担当として計画の不備を問われる立場にあるなら、1. 計画中の「警戒宣言」と「事前の自衛隊支援」を前提とした記述を棚卸しする2. 内閣府の南海トラフ地震臨時情報に関するガイドラインに沿って、臨時情報の段階で自ら行う措置へ書き換える3. 発災後に83条派遣を要請する経路(市町村長から都道府県知事へ、災害対策基本法68条の2)と連絡手段を明記する4. 見直しの経緯を議事録に残し、発災後の説明責任に備える
時効(請求できる期限):本条に基づく派遣が可能なのは、警戒宣言が発せられてから地震災害に関する警戒解除宣言が出るまでの間に限られる(大規模地震対策特別措置法13条2項)。民事上の請求権について特定の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 昭和53年(1978年) 大規模地震対策特別措置法の制定に伴い新設されたとみられる。地震予知に基づく警戒宣言時の部隊派遣を定めた(人的検証が必要)
- 平成18年(2006年)公布、平成19年(2007年)施行 防衛庁の省移行に伴い、「防衛庁長官」を「防衛大臣」に改めたとみられる(人的検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和53年(1978年) 新設:大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)の制定に伴い新設。警戒宣言時の地震災害警戒本部長の要請による部隊派遣を定めた
- 2.平成19年(2007年) 改正:防衛庁の防衛省移行に伴い、派遣権者の表記が「防衛庁長官」から「防衛大臣」に改められた
- 自衛隊法 第83条知事等の要請による発災後の災害派遣
- 自衛隊法 第83条の3原子力災害派遣、並列する派遣類型
- 自衛隊法 第3条公共の秩序維持を含む自衛隊の任務
- 大規模地震対策特別措置法 第13条警戒本部長による派遣要請の根拠
- 大規模地震対策特別措置法 第9条警戒宣言、本条発動の前提
- 災害対策基本法 第68条の2市町村長による災害派遣要請の要求
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