自衛隊法 第83条の3(原子力災害派遣)
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防衛大臣は、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十七条第一項に規定する原子力災害対策本部長から同法第二十条第四項の規定による要請があつた場合には、部隊等を支援のため派遣することができる。
この条文の基本情報
原子力災害派遣とは何ですか?
定義原子力災害派遣とは、自衛隊法第83条の3に定められた規定で、「防衛大臣は、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十七条第一項に規定する原子力災害対策本部長から同法第二十条第四項の規定による要請があつた場合…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第83条の3(原子力災害派遣)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第83条の3の条文原文は「防衛大臣は、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十七条第一項に規定する原子力災害対策本部長から同法第二十条第四項の規定による要請があつた場合…」で始まります。
- 自衛隊法第83条の3は第六章 自衛隊の行動に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第83条の3の前の条は自衛隊法第83条の2です。
- 自衛隊法第83条の3の次の条は自衛隊法第84条です。
- 自衛隊法第83条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第83条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第83条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/83_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法83条の3は、原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)の要請があった場合に、防衛大臣が部隊等を支援のため派遣できると定める。派遣は義務ではなく裁量である。
Q · 原発事故のとき、自衛隊はどういう手続きで派遣されるの?
総理大臣(対策本部長)の要請を受け、防衛大臣の判断で派遣される
自衛隊法83条の3により、原子力緊急事態宣言の後に置かれる原子力災害対策本部の長(内閣総理大臣)が、原子力災害対策特別措置法20条4項に基づいて要請した場合、防衛大臣は部隊等を支援のため派遣することができます。派遣は義務ではなく裁量です。任務は放射線モニタリング、住民避難の輸送、除染、物資輸送などの支援が中心で、事故収束の第一次責任は原子力事業者にあります。宣言前の段階では、知事等の要請による一般の災害派遣(83条)が使われます。
解説
原発で事故が起きても、自衛隊は「原発事故だから」という理由だけでは、本条に基づいて出動しない。本条による派遣の引き金は一つしかない。原子力緊急事態宣言の後に置かれる原子力災害対策本部の長、つまり内閣総理大臣からの要請である(原子力災害対策特別措置法20条4項)。要請を受けた防衛大臣は派遣「できる」と書かれている。義務ではなく、判断の余地が残されている。さらに、事故を収束させる第一の責任は電力会社にある(同法3条)。自衛隊の役割は支援であり、放射線量の測定(モニタリング)、住民避難の輸送、除染、物資の運搬が中心になる。2011年3月の福島第一原発事故では、本条による派遣と大規模震災の派遣が同時に動いた。この仕組みを知っていれば、避難指示が出たときに「誰が、どの権限で、何をしに来るのか」を自分で見分けられる。
法的な位置づけ
原子力災害派遣とは、原子力緊急事態宣言後に設置される原子力災害対策本部の長が原子力災害対策特別措置法第20条第4項に基づき要請した場合に、防衛大臣が部隊等を支援目的で派遣する制度であり、自衛隊法第83条の3を根拠とする。派遣の可否および規模は防衛大臣の裁量に属する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.避難指示の発信元と段階を確認する 防災無線と自治体の公式サイトで、指示が国・県・市町村のどこから出ているか、原子力緊急事態宣言が出ているかを確認する。宣言の有無で、自衛隊が動く根拠(83条か本条か)が変わる
- 2.指示に沿って避難・屋内退避を行う 地域の広域避難計画で指定された避難経路・避難先に従う。自家用車で移動できない場合は、市町村が案内する集合場所から輸送手段を利用する
- 3.スクリーニングを受け、記録を保管する 避難退域時検査場所や指定避難所で体表面の放射線測定(スクリーニング)を受け、結果の記録を受け取って保管する
- 4.損害の証拠を残し、原子力事業者に請求する 避難の交通費・宿泊費の領収書、避難経路のメモを保存し、原子力損害の賠償に関する法律3条に基づき原子力事業者に請求する
よくある質問 AI による整理
Q1原子力災害派遣とは何ですか?
原発事故などの原子力災害で、原子力災害対策本部長の要請を受けた防衛大臣が自衛隊の部隊を支援のため派遣する制度です。根拠は自衛隊法83条の3です。
Q2原子力災害派遣を要請できるのは誰?
原子力災害対策本部長、つまり内閣総理大臣だけです(原子力災害対策特別措置法17条1項・20条4項)。知事や市町村長は本条の要請者ではありません。
Q3原子力災害派遣で自衛隊は何をする?
放射線量のモニタリング、住民避難の輸送、避難者のスクリーニングや除染、物資の輸送など支援活動が中心です。事故収束の主体は原子力事業者です。
Q4原子力緊急事態宣言とは?
原子力災害対策特別措置法15条に基づき、内閣総理大臣が原子力緊急事態の発生を公示するものです。宣言により対策本部が置かれ、本条の要請ルートが開きます。
Q5自衛隊法83条の3はいつできた?
平成11年(1999年)、JCO臨界事故を受けて制定された原子力災害対策特別措置法に伴い新設されました。
Q6原子力災害派遣は断られることがある?
条文は「派遣することができる」で、防衛大臣に裁量があります。要請があっても、部隊の種類・規模・期間は防衛大臣が判断します。
Q7原子力災害派遣はいつ終わる?
本条は終了時期を定めていません。実務上は要請者との調整で撤収が決まり、原子力緊急事態解除宣言が一つの節目になります。
Q8福島第一原発事故で原子力災害派遣は行われた?
行われました。2011年3月の事故では、本条による原子力災害派遣と東日本大震災に対する大規模震災災害派遣が並行して実施されました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1原発で何か起きたら、自衛隊ってすぐ来てくれるんですか?
本条による派遣は、原子力緊急事態宣言の後に原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)が要請したときに始まる。その前の段階では、知事の要請による一般の災害派遣(自衛隊法83条)が使われる。実務のポイント:実際の初動は、この二本の条文の切り替えのタイミングで遅れやすい。自治体の防災計画で切り替えの手順が決まっているかどうかが、初動の速さを左右する
Q2避難で損した分、自衛隊や国に請求するんですか?
原則として違う。原子力損害は原子力事業者が過失の有無を問わず責任を負う(原子力損害の賠償に関する法律3条)ので、請求先は電力会社になる。自衛隊の活動そのものによる損害だけが国家賠償法1条の対象である。実務のポイント:避難時の領収書、スクリーニングの記録、避難の経路のメモ。この三つを残した人と残さなかった人とで、何年も後の賠償交渉の結果が大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「原発事故なら自衛隊がすぐ突入して止めてくれる」と考えがちだが、前提が違う。事故を収束させる責任を負うのは原子力事業者であり(原子力災害対策特別措置法3条)、本条による派遣はあくまで支援である。原子炉を止める作業の主体を自衛隊と思い込むと、責任を問う相手を見失う
- 要請があれば必ず派遣されると思われがちだが、条文は「派遣することができる」である。どの部隊を、どの規模で、いつまで出すかは防衛大臣の判断に委ねられている。要請と派遣のあいだには裁量の余地があり、その重さは実際に派遣規模が決まる場面になって初めて見えてくる
- 住民の目には「自衛隊が来た」という一つの出来事に見える。だが法律の上では、一般の災害派遣(83条)、地震防災派遣(83条の2)、原子力災害派遣(本条)と入口が分かれ、要請する人も違う。どの入口で来た部隊なのかを取り違えると、要望を伝える窓口を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 要請する者 | 83条の3:原子力災害対策本部長(内閣総理大臣) | 83条:都道府県知事その他政令で定める者 83条の2:地震災害警戒本部長(内閣総理大臣) |
| 前提となる状況 | 原子力緊急事態宣言の発出と対策本部の設置 | 天災地変その他の災害(特に緊急の場合は要請を待たない派遣も可) 大規模地震対策特別措置法に基づく警戒宣言 |
| 派遣の性質 | 支援のための派遣、防衛大臣の裁量 | 人命・財産保護のための派遣、防衛大臣等の裁量 地震防災応急対策の支援、防衛大臣の裁量 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も国軍の災害支援は行政側の申請を起点とする構造。核子事故については専用法で中央の応変体制と国軍の支援を位置づける
韓国は原子力防災を専用法で規律し、中央の放射能防災対策本部を中心に関係機関の支援を組み込む
ドイツでは連邦軍の災害出動は州の要請(または連邦政府の決定)による職務共助として憲法上限定的に認められる
米国では大統領の災害宣言を起点に、FEMA 主導の下で国防総省が民生支援(DSCA)として関与する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし原発から20km 圏内の自宅に避難指示が出て、迎えのバスが来なかったら、誰に何を求めればいい? 避難の輸送支援は自衛隊の任務に入りうるが、動かすのは市町村・県を経由した国の対策本部の判断である。まず市町村の防災無線と指定避難所の情報を確認する
- あなたは原発立地県の防災担当職員。国の原子力緊急事態宣言がまだ出ていない段階で、所内の異常が報告された。この時点では本条ではなく、自衛隊法83条にもとづく知事の要請が使える。どちらの条文で動かすか、残された時間は数時間しかない
- 避難先の体育館でスクリーニング(体の表面の放射線測定)を受けた。測定していたのは迷彩服の隊員だった。あれは本条による支援任務の一部である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 避難指示の発信元(国、県、市町村)を防災無線と自治体の公式サイトで確認する2. 指定避難所でスクリーニングを受け、その結果の記録を保管する。後の賠償請求の証拠になる3. 避難にかかった交通費や宿泊費の領収書をすべて残す4. 損害の賠償は自衛隊や国ではなく、まず原子力事業者に請求するのが原則である(原子力損害の賠償に関する法律3条)
訴えられた側:自治体や事業者の担当者の立場では:1. 原子力緊急事態宣言の前後で、要請の根拠条文が83条か本条かを整理しておく2. 地域防災計画に自衛隊の支援内容(輸送、モニタリング、除染)と連絡窓口を具体的に書いておく3. 派遣中に自衛隊の活動で住民に損害が出た場合、国家賠償法1条の問題になる。記録を残し、責任の所在を早めに切り分ける
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。原子力損害の賠償請求には、一般的には民法724条(損害と加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害は5年、不法行為の時から20年)が及ぶ。福島第一原発事故による損害については、特例法で時効期間が延長されている(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年) JCO 臨界事故を受けた原子力災害対策特別措置法の制定に伴い新設
- 平成18年(2006年)公布、平成19年(2007年)施行 防衛省移行に伴い「防衛庁長官」を「防衛大臣」に改正(要人的検証)
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:JCO臨界事故を受けた原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)の制定に伴い、原子力災害派遣の規定として新設
- 2.平成18年(2006年)公布、平成19年(2007年)施行 改正:防衛庁の防衛省移行に伴い、派遣権者を「防衛庁長官」から「防衛大臣」に改める
- 自衛隊法 第83条知事要請による一般災害派遣
- 自衛隊法 第83条の2地震防災派遣、要請主体の比較
- 自衛隊法 第94条災害派遣時の自衛官の権限(現行効力を要確認)
- 原子力災害対策特別措置法 第20条本部長による派遣要請の根拠
- 原子力災害対策特別措置法 第15条原子力緊急事態宣言、要請の前提
- 原子力損害の賠償に関する法律 第3条事業者の無過失賠償責任
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