要点実用新案法 48 条の 10 は、国際実用新案登録出願について国内優先権(§8)を読み替える特例を定め、拡大先願の地位は国際公開によって発生する。
Q · PCT で実用新案を国際出願すると、日本の国内優先権はどう扱われますか?
§8 を読み替えた特例(48 条の 10)が適用されます
実用新案法 48 条の 10 により、国際実用新案登録出願には国内優先権(§8)がそのまま適用されず、読替が行われます。国際出願には §8 第 1 項ただし書・第 4 項・§9 第 2 項を適用せず、外国語出願では優先権の基礎が国際出願日における国際出願の明細書になります。さらに拡大先願の地位は、実用新案掲載公報の発行ではなく PCT 第 21 条の国際公開によって発生します。
国内で実用新案を出願し、その小さな発明を世界にも広げたいと考えたとする。PCT(特許協力条約)という国際ルートに乗せた瞬間、国内で当たり前に使えていた国内優先権(§8)のルールが、そのままでは噛み合わなくなる。48条の10は、その噛み合わない部分を一つずつ調整する変換装置だ。第一に、国際実用新案登録出願には§8第1項ただし書、第4項、§9第2項を適用しない。第二に、外国語で出した場合、優先権の基礎となる書類は日本語の願書ではなく、48条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書になる。第三に、他人の後願を蹴落とす拡大先願の地位(§8第3項)は、実用新案掲載公報の発行ではなく、PCT第21条の国際公開によって発生する。この読替を知らない出願人は、自分の優先権の足場がどこにあるのかを見失う。
実用新案法 48 条の 10 は、特許協力条約(PCT)に基づく国際実用新案登録出願について、国内優先権を定める §8 の適用を調整する読替規定である。国際出願には §8 第 1 項ただし書および第 4 項を適用せず、外国語出願では優先権の基礎を国際出願日における国際出願の明細書とし、拡大先願の地位は PCT 第 21 条の国際公開により生じる。
特許協力条約(PCT)に基づき、一つの国際出願で複数国に実用新案登録を求める手続です。48 条の 10 がこの国際実用新案登録出願に国内優先権の読替を定めています。
通常は実用新案掲載公報の発行時ですが、国際出願では §8 第 3 項の読替により PCT 第 21 条の国際公開によって発生します。公報発行を待つ必要はありません。
日本語の願書ではなく、48 条の 4 第 1 項の国際出願日における国際出願の明細書・請求の範囲・図面が優先権の基礎になります。
先の国内出願から優先期間内に PCT 国際出願を行い、各国へ国内移行します。国内優先権を生かす場合は 48 条の 10 と §8 の読替を確認します。
国際出願が日本の国内手続に移行する基準時点で、48 条の 4 が定義します。先の出願の取下げ時期など、読替計算の起点になります。
§8 第 1 項ただし書、§8 第 4 項、§9 第 2 項が適用されません。国内出願のときとは認められる範囲や手続が変わる点に注意が必要です。
先の出願から優先期間内に PCT 出願し、所定期間内に国内移行します。先の出願の取下げ時期は国内処理基準時等のいずれか遅い時まで繰り下げられます。
できます。§8 第 3 項の読替により国際公開された時点で拡大先願の地位を得て、後願を §3 条の 2 で排除できます。無審査でも先願ブロック力は強力です。
使えます。48条の10と§8がその橋渡しをしています。ただし国際実用新案登録出願には§8第1項ただし書と第4項が適用されないため、国内出願のときとは認められる範囲が変わります。業界裏話ヒント:弁理士でもPCTと国内優先権の読替を即座に組み立てられる人は限られ、多くは条文を都度引き直します。先の出願の番号と国際出願日を最初に紐づけておくと、後の計算が一気に楽になります。
すぐには取り下げられません。48条の10第4項が§9第1項を読み替え、取下げとみなされる時期を、国内処理基準時または国際出願日から経済産業省令で定める期間を経過した時の、いずれか遅い時まで後ろにずらします。業界裏話ヒント:この遅い時ルールを知らないと、先の出願を慌てて自ら処理し、優先権の基礎を自分で壊す事故が起きます。期間は最新の省令をご確認ください。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 優先権の基礎書類 | 48 条の 10:国際出願日における国際出願の明細書等(外国語出願) | — |
| 拡大先願の地位の発生時期 | 48 条の 10:PCT 第 21 条の国際公開 | — |
| 適用除外規定 | 48 条の 10:§8 第 1 項ただし書・第 4 項・§9 第 2 項を適用しない | — |
| 先の出願の取下げ時期 | 48 条の 10:国内処理基準時等のいずれか遅い時(§9 第 1 項読替) | — |
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