実用新案法 第48条の6(国際出願に係る願書、明細書等の効力等)
クイックジャンプ
- 国際実用新案登録出願に係る国際出願日における願書は、第五条第一項の規定により提出した願書とみなす。
- 2.日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書の翻訳文は第五条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲と、日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面並びに外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、日本語実用新案登録出願に係る要約及び外国語実用新案登録出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
- 3.第四十八条の四第二項又は第六項の規定により条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、前項の規定にかかわらず、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を第五条第二項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲とみなす。
この条文の基本情報
国際出願に係る願書、明細書等の効力等とは何ですか?
定義国際出願に係る願書、明細書等の効力等とは、実用新案法第48条の6に定められた規定で、「国際実用新案登録出願に係る国際出願日における願書は、第五条第一項の規定により提出した願書とみなす。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第48条の6(国際出願に係る願書、明細書等の効力等)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第48条の6の条文原文は「国際実用新案登録出願に係る国際出願日における願書は、第五条第一項の規定により提出した願書とみなす。」で始まります。
- 実用新案法第48条の6は第七章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第48条の6の前の条は実用新案法第48条の5です。
- 実用新案法第48条の6の次の条は実用新案法第48条の7です。
- 実用新案法第48条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第48条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第48条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/48_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法48条の6は、国際実用新案登録出願の翻訳文を国内出願書面とみなす規定。外国語出願では原文ではなく日本語翻訳文が権利範囲を決める。
Q · PCT で英語出願した実用新案、日本で効くのは英語原文ですか、それとも翻訳文ですか?
原文ではなく、提出した日本語翻訳文が権利範囲を決めます
実用新案法48条の6により、国際実用新案登録出願では、国際出願日の願書が第5条の願書とみなされ、明細書・請求の範囲・図面・要約の日本語翻訳文が国内出願した書面とみなされます。つまり日本国内で法的効力を持つのは英語原文ではなく翻訳文であり、訳語ひとつが独占権の範囲を画します。条約19条に基づき国際段階で請求の範囲を補正していた場合は、48条の4のルートで補正後請求の範囲の翻訳文を提出した時に限り、その翻訳文が日本のクレームとなります(3項)。
解説
英語で書いた明細書と請求の範囲こそが自分の発明を守る、と PCT 国際出願をした人の多くは信じている。本条はその思い込みを静かにひっくり返す。外国語実用新案登録出願で日本において法的効力を持つのは、原文ではなく、後から提出する『日本語の翻訳文』だ。本条は国際出願日の願書を第5条の願書とみなし、明細書・請求の範囲・図面・要約の翻訳文を、第5条で国内出願したのと同じ書面とみなす。つまり翻訳のひとつの単語が、あなたの独占権の範囲そのものになる。国際段階で条約19条に基づき請求の範囲を補正していたなら、その補正後の翻訳文が日本での請求の範囲を決める(3項)。原文に何を書いたかではなく、翻訳文に何を書いたかが、権利の生死を分ける。
法的な位置づけ
実用新案法48条の6は、国際実用新案登録出願の効力に関する規定であり、国際出願日の願書を第5条の願書とみなすとともに、外国語出願では明細書・請求の範囲・図面・要約の日本語翻訳文を国内出願書面とみなす。条約19条補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、当該翻訳文が日本の実用新案登録請求の範囲となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.国内移行前に原文と翻訳文を一語ずつ突合する 国内移行の翻訳文を提出する前に、原文(国際公開テキスト)と日本語翻訳文を請求の範囲を中心に一語ずつ突き合わせ、技術用語の訳語統一表を作って固定する。提出後はそれが正本になり自由な手直しは効かない
- 2.機械翻訳のまま出さずダブルチェックを通す 請求の範囲と明細書の技術用語は、機械翻訳のまま提出せず、弁理士または技術翻訳者のダブルチェックを通す。訳ブレは権利範囲の不明確として後の技術評価で進歩性否定の入口になる
- 3.条約19条補正をしたなら補正後請求の範囲の翻訳文を提出 国際段階で条約19条に基づき請求の範囲を補正していたなら、48条の4第2項・6項のルートで補正後請求の範囲の翻訳文を必ず提出する。出し忘れると補正前のクレームが日本で効力を持つ
- 4.提出後に誤訳を見つけたら訂正可否を弁理士と検討 翻訳文提出後に誤訳を発見した場合、訂正で救えるか(新規事項を超えない範囲か)を早急に弁理士と検討する。新規事項を超える訂正はできないため、初期の精度が決定的になる
よくある質問 AI による整理
Q1実用新案の国際出願とは何ですか?
PCT(特許協力条約)に基づき一つの出願で複数国を指定できる制度で、日本では国際実用新案登録出願として国内移行します。移行時に翻訳文の提出が必要です。
Q2PCT 国内移行の翻訳文はいつまでに出しますか?
国内書面提出期間は原則として優先日から30月(2年6月)です。外国語出願の翻訳文はこの期間内の提出が原則で、徒過すると出願は取り下げ擬制で消滅します。
Q3翻訳文新規事項とは何ですか?
翻訳文が原文(国際出願の原語テキスト)にない事項を含むことです。原文より広く訳すと無効事由となり、実用新案法37条により権利を無効にされる危険があります。
Q4外国語実用新案登録出願の翻訳文はどうやって提出しますか?
48条の4に基づき、国内書面提出期間内に明細書・請求の範囲・図面・要約の日本語翻訳文を特許庁へ提出します。期間末期の提出には特例期間が認められる場合があります。
Q5実用新案の誤訳は権利範囲にどう影響しますか?
提出翻訳文が正本となるため、誤訳はそのまま権利範囲になります。広く訳せば新規事項で無効、狭く訳せば権利の自滅と、両刃のリスクになります。
Q6条約19条補正の翻訳文を出し忘れるとどうなりますか?
48条の6第3項のみなしが働かず、補正前の元の請求の範囲が日本で効力を持ちます。狙って絞った/広げたクレームが日本だけ意図と違う形で登録されます。
Q7実用新案は無審査なら翻訳も適当でいいですか?
逆です。無審査だからこそ翻訳の瑕疵が登録段階で誰にも止められず、権利行使や無効審判、実用新案技術評価の場で初めて牙を剥きます。
Q8実用新案の PCT 出願を機械翻訳で済ませても大丈夫ですか?
危険です。技術用語の訳ブレで請求の範囲が不明確になり、進歩性否定や権利範囲の縮小につながります。技術翻訳者と弁理士のダブルチェックが推奨されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1英語で出願したんですが、日本語訳はあとから出せばいいんですよね?
そのとおりだが、本条の急所は『翻訳文が原文に置き換わる』点にある。48条の6第2項により、提出した日本語訳が第5条の明細書・請求の範囲とみなされ、以後はそれが唯一の法的テキストになる。実務のポイント:弁理士は訳語の統一表を作ってから翻訳を出す。技術用語の訳ブレは権利範囲の不明確として、後の技術評価で進歩性否定の入口になるからだ
Q2国際段階でクレームを直したんですが、日本でも自動で反映されますか?
自動ではない。本条3項は、条約19条(1)の補正後の請求の範囲の『翻訳文』を48条の4第2項・6項で提出した場合に限り、それを日本の実用新案登録請求の範囲とみなす。出し忘れれば補正前のクレームが効く。実務のポイント:19条補正は国際事務局段階の補正で、国内移行時に翻訳文を別途出さないと日本に効かない。海外代理人任せだとこの一手が抜けやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 『原文の英語が正本で、翻訳はおまけ』という前提が、そもそも逆である。日本国内では翻訳文が正本となり、原文(国際出願の原語テキスト)はもはや権利範囲を決めない。あなたが守りたいのは原文に書いた発明だが、法が見るのは翻訳文に書いた発明だ。問いの立て方そのものが裏返っている
- 翻訳が『大事』なのは知っていても、その深刻度を見誤っている人が多い。誤訳は単なる読みにくさではない。原文より広く訳せば翻訳文新規事項として無効事由、狭く訳せば権利範囲の自滅、どちらに転んでも致命傷になる。両刃の事故である
- 『実用新案は無審査だから翻訳も適当でいい』と思われがちだが、無審査だからこそ翻訳の瑕疵が登録段階で誰にも止められず、権利行使や無効審判の場で初めて牙を剥く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 48条の6:国際出願の願書・翻訳文を第5条の国内出願書面とみなす(効力の起点) | 48条の4:翻訳文の提出手続・期間を定める 5条:国内出願の願書・明細書・請求の範囲の基準 |
| 対象となる書面 | 願書・明細書・請求の範囲・図面・要約の翻訳文すべて | 明細書等の翻訳文の提出行為そのもの 国内で日本語により最初から作成する書面 |
| 条約19条補正との関係 | 3項:補正後請求の範囲の翻訳文が提出されればそれをクレームとみなす | 2項・6項が補正後翻訳文の提出ルートを規定 国内補正は17条系の規律による |
| 瑕疵があった場合 | 翻訳文が正本化するため誤訳がそのまま権利範囲に固定 | 翻訳文未提出なら取下げ擬制で出願消滅 翻訳文新規事項は37条の無効事由となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はPCT非加盟だが、外国語書面出願+中国語翻訳文の制度があり、新型(実用新案)にも準用される。翻訳文主義という点で日本48条の6と発想が近い
韓国はPCT加盟国で、実用新案の国際出願に翻訳文提出の特例を置く。翻訳文が国内テキストとなる構造は日本と類似
ドイツはPCT国内段階移行を実用新案(Gebrauchsmuster)でも認め、独語翻訳文の提出を要する。EPC経由との二経路がある点が日本と異なる
米国に実用新案制度はないが、PCT国内段階移行で英語翻訳文を要する点は共通。翻訳文が審査対象テキストとなる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 優先日から30月の国内移行期限まであと3週間。英語の明細書80ページの翻訳がまだ半分しか終わっていない。ここで急いで出した翻訳に誤訳があれば、それがそのままあなたの実用新案の権利範囲になる。期限を過ぎれば出願自体が取り下げ擬制で消える
- もし、国際段階で請求の範囲を条約19条で補正していたのに、その補正後の翻訳文を出し忘れたらどうなるか。日本では補正前の元の請求の範囲が効力を持つ。狙って狭めた、あるいは広げたはずのクレームが、日本だけ意図と違う形で登録される
- 競合の実用新案権で警告書が届いた。その権利は外国語国際出願由来だ。原文と日本語翻訳文を突き合わせ、翻訳が原文にない事項を足していないか確認する。あれば反撃の武器になる
- 海外スタートアップが自社デバイスを日本展開するため、PCT 出願の翻訳を格安の機械翻訳で済ませた。技術用語の訳ブレで請求の範囲が曖昧になり、後の実用新案技術評価で進歩性を否定される伏線になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 国内移行の前に、原文と日本語翻訳文を一語ずつ突き合わせ、請求の範囲の訳語を統一表で固定する2. 機械翻訳のまま出さず、技術用語は弁理士または技術翻訳者のダブルチェックを通す3. 国際段階で条約19条補正をしたなら、その補正後請求の範囲の翻訳文を48条の4のルートで必ず提出する4. 提出後に誤訳を見つけたら、訂正で救えるか(新規事項を超えない範囲か)を早急に弁理士と検討する
訴えられた側:1. 相手の実用新案権が外国語国際出願由来か確認し、由来なら原文(国際公開テキスト)を入手する2. 日本語翻訳文と原文を突き合わせ、翻訳文が原文にない事項を追加していないか精査する3. 翻訳文新規事項があれば無効事由(実用新案法37条)、実用新案技術評価書の請求と無効審判で攻める4. 同時に、自社製品が翻訳文の請求の範囲に文言上入るか、訳語の曖昧さを突けないかを検討する
時効(請求できる期限):国内書面提出期間は優先日から30月(2年6月)。外国語実用新案登録出願の明細書等の翻訳文は、原則この期間内に提出が必要(48条の4)。期間の末期に国内書面を提出すると翻訳文提出に特例期間が認められる場合がある。徒過すれば出願は取り下げたものとみなされる。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:外国語実用新案登録出願では、提出された日本語翻訳文が正本として国内の権利範囲を画する。翻訳文が原文(国際出願の原語テキスト)に記載のない事項を含む場合は翻訳文新規事項として実用新案法37条の無効事由となり、原文より狭ければ権利範囲が縮減する。無審査主義のため瑕疵は登録段階で看過され、権利行使・無効審判・実用新案技術評価の場で顕在化する。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める