意匠法 第60条(対価の額についての訴え)
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- 第三十三条第三項又は第四項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
- 2.特許法第百八十三条第二項(出訴期間)及び第百八十四条(被告適格)の規定は、前項の訴えに準用する。
この条文の基本情報
対価の額についての訴えとは何ですか?
定義対価の額についての訴えとは、意匠法第60条に定められた規定で、「第三十三条第三項又は第四項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第60条(対価の額についての訴え)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第60条の条文原文は「第三十三条第三項又は第四項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。」で始まります。
- 意匠法第60条は第六章に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第60条の前の条は意匠法第59条です。
- 意匠法第60条の次の条は意匠法第60条の2です。
- 意匠法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法60条は、33条の裁定で定めた対価の額に不服がある者が、訴えにより額の増減を求められると定める。出訴期間は裁定謄本の送達から30日である。
Q · 裁定で決められた対価の額に納得できないとき、どう争えばいい?
対価の額だけを争う専用の訴えで、送達から30日が期限
意匠法60条は、意匠法33条3項・4項の裁定を受けた者が、裁定で定める対価の額に不服があるとき、訴えを提起してその額の増減を求められる旨を定めます。これは裁定そのもの(許諾の可否)を争う審決取消訴訟とは別の専用ルートで、裁判所が対価の額を形成し直す形成訴訟です。特許法183条2項の準用により、出訴期間は裁定謄本の送達から30日。被告は特許法184条の準用で相手方当事者となり、国や特許庁長官ではありません。
解説
自社のヒット商品のデザインが、実は他社の古い特許技術の上に成り立っていた。製造を続けるには相手の許諾がいるが、交渉は決裂。そこで特許庁長官に裁定(役所が当事者の代わりに強制的にライセンスを設定する決定)を求め、通常実施権だけは手に入った。だが長官が決めた使用料の額が、相場の三倍だったとしたら。意匠法60条が握らせる武器はここにある。裁定で決まった対価の額に不服があるなら、その額の増減を求めて裁判所に訴えられる。決定的なのは、これが普通の審決取消訴訟とは完全に別ルートだという点だ。裁定そのもの(許諾するかどうか)に不服なら行政訴訟、対価の額だけに不服ならこの60条の訴え。入口を間違えると、額への不満が正当でも訴え自体が門前払いになる。しかも出訴期間は特許法183条2項を準用し、裁定の謄本の送達から30日。この日数を一日でも過ぎれば、高すぎる使用料を払い続ける立場が確定する。
法的な位置づけ
意匠法60条は、意匠法33条3項・4項の裁定で定められた対価の額に不服がある者が、訴えを提起してその額の増減を求めうる旨を規定する。許諾の可否を争う審決取消訴訟とは区別され、対価という財産的争点のみを裁判所が形成し直す形成訴訟に位置づけられる。出訴期間および被告適格は特許法183条2項・184条を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.裁定謄本の送達日を確認し出訴期限を記す 裁定の謄本が届いたら、送達日を確認して30日後を出訴期限としてカレンダーに記す。これが全ての起点であり、迷っている間に額が確定する
- 2.不服が「額」か「許諾の可否」かを仕分ける 不満の中身を切り分ける。対価の額だけなら意匠法60条の増減請求訴訟、許諾の可否そのものなら審決取消訴訟(意匠法59条系)。入口を間違えると訴え自体が却下される
- 3.適正な対価の根拠資料を期間内に整える 業界標準ロイヤリティ率、類似ライセンス契約の実例、専門家による価値評価書を集める。裁判所は当事者の主張立証に依存して額を判断するため、先に説得力ある資料を出した側が基準点を握る
- 4.被告を正しく特定して提訴する 特許法184条の準用により、被告は国や特許庁長官ではなく相手方当事者(対価を払う側または受け取る側)になる。被告を間違えると被告適格なしとして却下されるため、訴状の被告欄を必ず確認する
よくある質問 AI による整理
Q1意匠法60条とは何ですか?
意匠法33条の裁定で定めた対価の額に不服がある者が、訴えを提起してその額の増減を求められる規定です。許諾の可否ではなく額だけを争う専用ルートです。
Q2裁定の対価の額に不服があるときの出訴期間は?
特許法183条2項の準用により、裁定謄本の送達があった日から30日です。土日も含み、原則として延長されません。
Q3意匠の裁定における対価の額は誰が決めますか?
特許庁長官の裁定(意匠法33条3項・4項)で定められます。その額に不服がある場合に60条の増減請求訴訟で裁判所に争います。
Q4対価の額の増減を求める訴えはどんな性質の訴訟ですか?
裁判所が対価の額そのものを形成し直す形成訴訟です。行政処分の取消しを求める抗告訴訟とは性質が異なります。
Q5対価を受け取る特許権者側も増額を求めて訴えられますか?
訴えられます。裁定を受けた者には対価を受け取る側も含まれ、額が安すぎると考えるなら増額を求める訴えを30日以内に提起できます。
Q6出訴期間の30日はいつから数えますか?
裁定の謄本の送達があった日が起算点です。受け取った日からカウントが進み、土日も含めて計算します。
Q7意匠法60条の訴えで裁定そのものを取り消せますか?
できません。60条の訴えで動かせるのは対価の額だけで、通常実施権が設定された事実自体は覆りません。枠組みは前提です。
Q8対価の額の訴えを起こすには何を準備すればいいですか?
業界の標準ロイヤリティ率、類似ライセンス契約の実例、専門家の価値評価書などを、30日の出訴期間内に整えておく必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所が決めた使用料が高すぎるんですが、普通に取消訴訟を起こせばいいんですよね?
それが落とし穴です。対価の額への不服は意匠法60条1項の専用ルート(額の増減を求める訴え)であり、通常の審決取消訴訟ではありません。入口を間違えると、訴え自体が不適法として却下されます。実務のポイント:弁護士や弁理士は裁定通知を見ると、まず不満が許諾の可否なのか対価の額なのかを仕分けます。前者なら行政訴訟、後者なら60条。この振り分けを依頼者が自己流で判断して動くと、ほぼ間違えます。
Q2訴える相手は国とか特許庁になるんですか?
いいえ。意匠法60条2項が準用する特許法184条により、被告は国や特許庁長官ではなく、相手方当事者(ライセンスの対価を払う側または受け取る側)になります。裁定は役所が下しますが、額の争いは当事者同士の財産的な利害調整だからです。実務のポイント:被告を間違えて国を相手取ると、被告適格がないとして却下されます。被告適格の規定が準用条文の中に紛れているこの構造は、60条の条文を表面だけ読むと見落とす典型です。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「役所が決めた額が高すぎる、ふざけるな」という不満だが、法律から見れば、これは行政処分の取消しを求める話ではなく、額そのものを裁判所に決め直してもらう形成訴訟である。この性質の違いを取り違えると、被告も訴える中身も全部ずれて、勝負の土俵にすら上がれない。
- 出訴期間が30日と短いことは知っていても、その起算点が「裁定の謄本の送達があった日」だと正確に押さえている人は少ない。受け取った日からカウントが進み、土日も含む。気付いたら残り数日、という事態が普通に起きる。深刻なのは、過ぎたら原則として延長がないことだ。
- 「裁判所に訴えれば、ライセンス自体を取り消せる」と思われがちだが、60条の訴えで動かせるのは対価の額だけ。通常実施権が設定された事実そのものは、この訴えでは覆らない。額は争えても枠組みは前提、という限界を理解せずに訴えると、求めるものと得られるものがずれる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争う対象 | 意匠法60条:裁定で定めた対価の額の増減 | 意匠法59条:審決等の取消し(許諾の可否) 意匠法33条:裁定そのものの根拠規定 |
| 訴訟の性質 | 形成訴訟(裁判所が額を形成し直す) | 抗告訴訟(審決の取消し) 行政処分(特許庁長官の裁定) |
| 被告 | 相手方当事者(特許法184条準用) | 特許庁長官 —(当事者が申立て) |
| 出訴期間 | 裁定謄本の送達から30日(特許法183条2項準用) | 審決謄本の送達から30日 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も強制授權(強制ライセンス)の補償金を専利専責機関が裁定し、その額に不服があれば争える構造をとる。意匠は設計専利として同法の枠内で扱われる点が日本と異なる
韓国は特許法で재정(裁定)の보상금・대가に関する訴えを定め、디자인보호법がこれを準用する。額のみを争う構造は日本と類似
ドイツは強制ライセンス(Zwangslizenz)を連邦特許裁判所が付与し、対価も裁判所が定める。行政庁の裁定を経ず司法が直接判断する点で日本と手続構造が異なる
米国は一般的な強制ライセンス制度を持たず、政府等による特許・意匠の使用について合理的補償を連邦請求裁判所が決定する制度が最も近い対応物
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 裁定の謄本が届いた。使用料が予想の三倍。ここで普通の取消訴訟を起こしたら、どうなると思う。対価の額への不服は60条の専用ルートであり、取消訴訟では門前払いになりうる。しかも出訴期間は送達から30日、迷っている間に額が確定する。
- あなたが特許権者で、自分の技術を他社の意匠に強制的に使われる側になったとする。長官が決めた使用料が安すぎて納得いかない。この場合もあなたは60条で額の増額を求めて訴えられる。裁定を受けた者には、ライセンスを得た側だけでなく、対価を受け取る側も含まれるからだ。
- 交渉が決裂し、裁定で通常実施権だけは確保した。だが額に不満で審決取消訴訟を起こそうとしたら、弁護士に筋が違うと止められる。額の争いは60条の専用ルートだ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁定の謄本の送達日を確認し、30日後を出訴期限としてカレンダーに記す。これが全ての起点。2. 不満が対価の額だけなのか、裁定そのものなのかを切り分ける。額だけなら60条の増減請求訴訟、許諾の可否なら別途59条系の取消訴訟。3. 適正な使用料の根拠(業界標準ロイヤリティ、類似ライセンス実例、専門家の評価書)を期間内に整える。4. 被告は特許法184条の準用で相手方当事者(対価を受け取る側)になる。国や特許庁長官ではない点に注意。
訴えられた側:1. 相手から減額の訴えを起こされたら、現行の対価額が妥当である根拠を固める。自社技術の価値、開発投資、他社へのライセンス実績が武器になる。2. 逆に額が安すぎると考えるなら、こちらから増額を求める訴えを30日以内に提起できる。3. この訴えは額の増減を求める形成訴訟であり、裁定の効力自体は争点ではない。許諾の枠組みは前提として、価格だけの勝負と割り切る。4. 評価資料を早期に提出し、裁判所の判断基準を主導する。
時効(請求できる期限):特許法183条2項の準用により、裁定の謄本の送達があった日から30日を経過すると訴えを提起できない。起算は送達日から、土日も含む。この期間は法定であり、原則として延長されない(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:意匠法60条の対価増減請求訴訟は、行政処分たる裁定の取消しを求める抗告訴訟ではなく、裁判所が対価の額を形成し直す形成訴訟と解される。裁定の効力(許諾の枠組み)は前提とされ、争点は額の増減に限定される。被告適格・出訴期間は特許法184条・183条2項を準用する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 制定:意匠法(昭和34年法律第125号)制定。裁定通常実施権制度に伴い、裁定で定めた対価の額を争う救済ルートを設け、出訴期間・被告適格を特許法の対応規定に準用する構造を採用。
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