商標法 第68条の33(議定書の廃棄後の商標登録出願の特例)
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- 議定書第十五条(5)(b)の規定により、日本国を指定する国際登録の名義人が議定書第二条(1)の規定に基づく国際出願をする資格を有する者でなくなつたときは、当該国際登録の名義人であつた者は、当該国際登録において指定されていた商品又は役務について商標登録出願をすることができる。
- 2.前条第二項から第七項までの規定は、前項の規定による商標登録出願に準用する。この場合において、同条第二項第一号中「同項の国際登録が取り消された日から三月以内」とあるのは、「議定書第十五条(3)の規定による廃棄の効力が生じた日から二年以内」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
議定書の廃棄後の商標登録出願の特例とは何ですか?
定義議定書の廃棄後の商標登録出願の特例とは、商標法第68条の33に定められた規定で、「議定書第十五条(5)(b)の規定により、日本国を指定する国際登録の名義人が議定書第二条(1)の規定に基づく国際出願をする資格を有する者でなくなつたときは、当該国…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の33(議定書の廃棄後の商標登録出願の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の33の条文原文は「議定書第十五条(5)(b)の規定により、日本国を指定する国際登録の名義人が議定書第二条(1)の規定に基づく国際出願をする資格を有する者でなくなつたときは、当該国…」で始まります。
- 商標法第68条の33は第三節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の33の前の条は商標法第68条の32です。
- 商標法第68条の33の次の条は商標法第68条の34です。
- 商標法第68条の33には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の33 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の33(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の33は、本国の議定書廃棄で国際出願資格を失った名義人が、指定商品・役務を日本の国内商標出願へ転換できると定める。期限は廃棄効力発生日から二年。
Q · 本国がマドリッド議定書を脱退したら、日本で持っていた国際商標はどうなるの?
二年以内なら日本の国内出願へ転換でき、出願日も維持されます
商標法68条の33により、本国の議定書廃棄で国際出願の資格を失った元名義人は、国際登録で指定していた商品又は役務について、日本の通常の商標登録出願へ転換できます。期限は議定書15条(3)による廃棄の効力が生じた日から二年以内で、68条の32の準用により、転換出願は元の国際登録の日にされた出願として扱われ、出願日(優先的地位)が維持されます。中央攻撃による取消しの三月とは異なり、国家規模の事由には長い猶予が与えられています。何もしなければ二年で権利は消えます。
解説
マドリッド協定議定書を使えば、一通の国際出願で日本を含む多数の国に商標権を一気に広げられる。だがその土台は、出願人の「本国」がこの議定書の加盟国であり続けることにある。もしあなたの本国が議定書を脱退(廃棄)したら、その瞬間あなたは国際出願をする資格を失い、日本を指定していた国際登録は足場ごと崩れる。本条はそのとき効く救命ロープである。資格を失った元名義人は、国際登録で指定していた商品又は役務について、日本国内で通常の商標登録出願に切り替える(転換する)ことができる。しかも前条(68条の32)の手続を準用しつつ、期限だけは大幅に延ばされている。中央攻撃による取消しなら三月しかないところ、議定書の廃棄なら、廃棄の効力が生じた日から二年。国家の都合で土台を抜かれた権利者には、それだけの猶予が与えられた。この二年を逃すと、日本で積み上げた商標の地位は消える。
法的な位置づけ
商標法68条の33は、国際登録の救済的転換を定める規定である。日本を指定する国際登録の名義人が、本国の議定書廃棄により議定書2条(1)の国際出願資格を喪失した場合に、当該国際登録で指定されていた商品又は役務について、国内の商標登録出願へ転換する途を認める。68条の32の中央攻撃後転換に対する、廃棄事由版の特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.議定書廃棄の効力発生日を確定する 議定書15条(3)による廃棄の効力が生じた日を、WIPO 公報や一次資料で確認し、二年の起算点をカレンダーに固定する。本国の制度変更通知を見落とすと起算点を誤る
- 2.指定商品・役務を棚卸しする 国際登録で指定していた全商品・役務のリストを抽出し、日本で本当に使用・防衛したい区分を選別する。準用される68条の32の手続では区分ごとに費用が発生するため、絞り込みがコストに直結する
- 3.維持区分に絞り願書を作成する 選別した区分について、通常の商標登録出願(商標法5条)の願書を整える。翻訳・区分整理を丁寧に行い、指定漏れを防ぐ。期限が長いぶん精度に時間を充てる
- 4.二年以内に特許庁へ提出する 議定書廃棄の効力発生日から二年以内に、特許庁へ転換のための商標登録出願を提出する。残期間がわずかな場合は提出を最優先する
- 5.出願日の維持を文書で確認する 転換出願がもとの国際登録の日にされた出願として扱われている点を代理人に確認し、優先的地位を文書で押さえる。後願の第三者に対する優先を確実にする
よくある質問 AI による整理
Q1マドリッド議定書の廃棄とは?
締約国が条約から脱退することです。議定書15条に基づき効力が生じ、その国を本国とする国際登録は基礎を失います。商標法68条の33はこの場合の日本での救済を定めます。
Q2国際登録の転換とは何ですか?
国際登録を各国の国内出願に切り替える手続です。商標法68条の33では、指定商品・役務について日本の通常の商標登録出願へ転換でき、元の出願日が維持されます。
Q3転換出願の期限はいつまで?
議定書15条(3)による廃棄の効力が生じた日から二年以内です。中央攻撃による取消し(68条の32)の三月とは異なり、大幅に長い猶予が与えられています。
Q4中央攻撃と議定書廃棄の違いは?
中央攻撃は基礎商標の取消しで転換期限は三月、議定書廃棄は本国の条約脱退で期限は二年です。原因が個別事情か国家規模かで猶予が八倍違います。
Q5転換すると出願日はどうなりますか?
68条の32の準用により、転換出願はもとの国際登録の日にされた出願として扱われ、出願日が維持されます。途中の第三者出願に原則として優先します。
Q6全部の指定商品を転換すべきですか?
必須ではありません。区分ごとに費用がかかるため、二年の猶予で棚卸しし、日本で本当に維持したい区分に絞るのが合理的です。
Q7本国が脱退したら商標は消えますか?
何もしなければ消えますが、二年以内に転換出願をすれば国内権利として残せます。問題は消えるか否かでなく、どの区分をいつ転換するかです。
Q8転換出願はどの条文に従いますか?
68条の33第2項が68条の32第2項から第7項を準用し、最終的に通常の商標登録出願(商標法5条の願書要件)に従います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国の都合で条約を抜けられたら、こっちの日本での商標も完全にパーですか?
完全には消えません。本条により、資格を失った元名義人は指定していた商品・役務について日本で通常の商標登録出願へ転換できます。期限は廃棄効力日から二年です。実務のポイント:弁理士はこの転換を「権利を生かす救済」と捉えますが、依頼者から聞かれない限り、消えそうな区分まで含めた棚卸しの提案を先回りしてはくれないことが多い。脱退の報に接したら、自分から全指定区分リストを出して相談を始めるべきです
Q2転換した出願は、また最初の出願日からやり直しになるんですか?
やり直しにはなりません。準用される68条の32の仕組みにより、転換出願はもとの国際登録(又は事後指定)の日にされた商標登録出願として扱われ、優先的地位が維持されます。実務のポイント:この「日付が遡って維持される」点こそ転換の核心ですが、一般の事業者は『新規出願=今日の日付』と思い込み、二年あるのに焦って準備を雑にしがちです。日付は守られるのだから、慌てるべきは出願の精度であって、出願の速さではない区分もあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「転換した国内出願は、ゼロから出願し直すのと同じで、その間に割り込まれたら負ける」と思われがちだが逆である。転換出願は、もとの国際登録(又は事後指定)の日にされたものとして扱われ、出願日(優先的地位)が保たれる。途中で他人が同一商標を出願していても、原則として元の日付で勝てる。これを知らずに「もう手遅れだ」と諦めるのが最大の損失である
- 「本国が条約を抜けたら、こちらの商標は完全に消えて取り戻せない」という前提そのものが誤っている。問うべきは「消えるか否か」ではなく「二年の窓の中で、どの商品・役務を、いくらの費用で転換するか」だ。問いを立て間違えると、救える権利まで放棄してしまう
- 中央攻撃(68条の32)の三月という短い期限の感覚で、本条も「すぐ動かないと間に合わない」と慌てる人がいる。実際は二年と長い。だが長さに油断して翻訳・区分整理・代理人選定を後回しにすると、結局ぎりぎりで雑な出願になり、指定漏れが生じる。期限の長さは準備の質に化けるべきものだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 転換の原因 | 68条の33:本国の議定書廃棄(条約脱退) | 68条の32:中央攻撃(基礎商標の取消し) 5条:通常の商標登録出願(原因事由なし) |
| 転換出願の期限 | 廃棄の効力発生日から二年以内 | 国際登録が取り消された日から三月以内 期限の概念なし(随時出願) |
| 出願日(優先的地位) | 元の国際登録の日を維持 | 元の国際登録の日を維持 願書提出日 |
| 想定される場面 | 国家規模の事由(本国の条約脱退) | 個別事情(基礎出願・登録の取消し) 新規ブランドの権利取得 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はマドリッド協定議定書の締約国ではないため、本条に相当する国際登録の国内転換規定を持たない。台湾での商標保護は国内出願(商標法19条以下)と優先権(20条)で対応する
韓国も議定書締約国であり、国際登録の国内出願への転換制度を国内法に置く。廃棄・中央攻撃時の救済の枠組みは日本と類似する
ドイツは議定書を実施する MarkenG により、国際登録のドイツ国内出願への Umwandlung を認める。EU 商標との二層構造の中で運用される
米国は2003年の議定書加盟に伴い、保護の拡張(extension of protection)を米国国内出願へ transformation できる規定を導入。元の優先日を維持する点で本条と機能が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の国際商標を支える本国官庁のある国が、ある朝マドリッド議定書を脱退したら、日本での権利はどうなる? 国際登録は資格喪失で宙に浮くが、本条があれば指定していた全商品・役務を日本の国内出願へ転換できる。動かなければ二年で消える、動けば日本での地位は残る。その分岐点に立つことになる
- 海外商標を代理人に丸投げしてきた中堅メーカー。本国の制度変更通知を見落とし、議定書の廃棄効力日からすでに一年十か月が経過。残り二か月で、数十類にわたる指定商品の転換出願を願書として組み直さなければならない。間に合うかどうかは、今日から準備を始めるかにかかっている
- あなたが競合の商標を日本で狙っているとする。相手の国際登録が本国の議定書脱退で消えたように見えても、二年間は転換の優先権が相手に留保されている。その窓が閉じる前に同一・類似の出願を急いでも、後から相手の転換出願に日付で負ける可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 議定書第十五条(3)の廃棄効力発生日を一次資料で確定し、起算点をカレンダーに固定する。2. 国際登録で指定していた商品・役務の全リストを抽出し、日本で本当に維持すべき区分を棚卸しする。3. 準用される68条の32の手続に従い、絞り込んだ区分について商標登録出願(願書)を整え、二年以内に提出する。4. もとの国際登録日が出願日として維持される点を代理人に確認し、優先的地位を文書で押さえる。費用は区分数に連動するため早期の絞り込みが効く
訴えられた側:1. 競合の国際登録が本国の議定書脱退で消えたように見えても、二年間は元名義人に転換の優先権が留保されている前提で動く。2. その窓の間に同一・類似商標を急いで出願しても、後から相手の転換出願が元の登録日で割り込み、自分の出願が後願として退けられうる。3. 相手が実際に転換出願をしたか、二年の経過で権利が確定的に消えたかを公報で監視し、窓が閉じてから動くのが安全策となる
時効(請求できる期限):議定書第十五条(3)の規定による廃棄の効力が生じた日から二年以内(本条第2項が準用する68条の32第2項第1号の読替え)。中央攻撃による取消し(68条の32本体)の三月とは異なる点に注意。具体的な手数料・様式は最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:68条の33による転換出願は、準用される68条の32を通じて元の国際登録(又は事後指定)の日にされた商標登録出願として扱われ、出願日が維持される。これは議定書9条の5の transformation を国内実施したもので、廃棄という名義人の落ち度なき事由による権利喪失を救済する趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正、平成12年(2000年)施行 日本のマドリッド協定議定書加盟に伴い、第七章の二(議定書に基づく特例)の一部として新設。議定書の廃棄により国際出願資格を失った名義人に、二年以内の国内出願への転換を認める救済規定を創設した
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:日本のマドリッド協定議定書加盟に伴い、議定書に基づく特例の一部として新設(平成12年(2000年)施行)。議定書の廃棄により国際出願資格を失った名義人に、二年以内の国内出願への転換を認める救済規定を創設した。
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