要点商標法第68条の34は、国際登録の取消し後の再出願について第15条の拒絶理由を読み替え、登録済みだった商標は実体審査を省く特例を定める。
Q · 国際登録が取り消されて日本に再出願したら、また一から審査をやり直すの?
登録済みだった商標は実体審査を省いて再出願できます
商標法第68条の34により、国際登録の取消し等を理由とする再出願では、すでに日本の商標権であったものについて第15条第1号・第2号の実体的登録要件の審査が省かれます(第2項)。10年前に通った審査を一からやり直すことはありません。ただし第1項により、再出願としての形式要件(取消日から3か月、商標と指定商品役務の同一性、名義の一致)を満たさなければ拒絶されます。登録前だった国際出願の再出願は第15条全体の審査を受ける点に注意が必要です。
海外でブランドを一括登録できるマドリッド制度。あなたの会社がこの制度で日本を含む各国に商標を取った場合、見えないところに一つの弱点が埋め込まれている。基礎となる本国の登録が出願から5年以内に潰されると、それにぶら下がる国際登録が指定国すべてで同時に崩れる。セントラルアタックと呼ばれる連鎖倒壊だ。そのとき日本の権利を救う命綱が第68条の32の再出願であり、その再出願をどう審査するかを決めるのがこの条文である。要は第2項。すでに日本の商標権として確定していたものを再出願する場合、第15条第1号・第2号(第3条・第4条などの実体的な登録要件)は審査し直さない。つまり一度通した審査を蒸し返されない。逆に第1項は、再出願として認められる形式要件を満たさなければ拒絶すると釘を刺す。命綱には、命綱の握り方があるということだ。
商標法第68条の34は、国際登録の取消し等を理由とする再出願(第68条の32第1項・第68条の33第1項)に対する第15条の拒絶理由の適用を読み替える特例規定である。国際登録に係る商標権であったものの再出願については、第15条第1号・第2号の実体的登録要件の審査を適用しない。
標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書に基づき、本国の出願・登録を基礎に一つの手続で複数国に商標を一括出願できる制度です。各指定国で個別に権利が発生します。
国際登録から5年以内に本国の基礎出願・登録が拒絶・取消・放棄されると、それに従属する国際登録が指定国すべてで取り消される連鎖崩壊のことです。
国際登録の取消し等の日から3か月以内です(第68条の32第2項)。この期間内の再出願のみが原出願日や優先権を引き継ぎ、過ぎると通常の新規出願になります。
すでに日本の商標権であったものの再出願なら、第15条第1号・第2号の実体審査は省かれます(第68条の34第2項)。登録前の国際出願の再出願は省かれません。
国際登録に係る商標権であったもの、つまりすでに日本で登録査定を受け権利が確定していた商標の再出願に限り適用され、第15条第1号・第2号が不適用となります。
本国の基礎出願・登録が5年以内に拒絶・取消・放棄された場合(セントラルアタック)や、議定書の廃棄などです。これらが日本の再出願特例の前提となります。
取消日から3か月以内、商標が同一、指定商品・役務が同一の範囲内、名義の同一などです(第68条の32第2項各号)。これを欠くと第1項により拒絶されます。
国際登録日から5年間は各指定国の権利が本国の基礎登録に従属する期間です。この期間を過ぎると国際登録は本国登録から独立し、セントラルアタックを受けなくなります。
登録後5年間は違います。本国の基礎登録(出願)が拒絶・取消・放棄されると、それに従属する国際登録が指定国すべてで取り消されます(セントラルアタック)。5年経てば独立します。業界裏話ヒント:この5年の従属期間こそ実務上の最大リスク。海外展開を急ぐあまり本国出願を甘く通すと、その弱点が5年間世界中の権利の急所になる。本国出願の品質に最も投資すべき理由がここにあります。
諦める必要はありません。取消日から3か月以内なら第68条の32で日本に再出願でき、原出願日を引き継げます。さらに既に商標権だったものは第15条第1号・第2号の実体審査が省かれます(第68条の34第2項)。業界裏話ヒント:多くの経営者はセントラルアタック=全損と思い込み、この国別の再出願の存在を知りません。知っている企業だけが、3か月の窓で主要国の権利を選別して救出しています。
必ずではありません。すでに日本の商標権だった場合は実体審査が省かれますが(第2項)、第1項の形式要件(取消日からの期間、商標・指定商品役務の同一性、名義の一致)を満たさないと拒絶されます。まだ登録前だった国際出願の再出願は第15条全体の審査を受けます。業界裏話ヒント:省略されるのは『すでに勝ち取った地位』の再審査だけ。新規分は通常審査です。同じ再出願でも登録済みか否かで難易度が段違いという点を、最初に切り分けるのが実務の勘所です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 第68条の34:第15条の読替え・実体審査の適用除外特例 | — |
| 実体審査(第15条第1号・第2号) | 登録済みだったものは適用しない(第2項) | — |
| 形式要件 | 再出願適格を満たさないと拒絶(第1項) | — |
| 適用場面 | 旧国際登録に係る商標権の再出願 | — |
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