受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

商標法 第68条の32(国際登録の取消し後の商標登録出願の特例)

クイックジャンプ
  1. 議定書第六条(4)の規定により日本国を指定する国際登録の対象であつた商標について、当該国際登録において指定されていた商品又は役務の全部又は一部について当該国際登録が取り消されたときは、当該国際登録の名義人であつた者は、当該商品又は役務の全部又は一部について商標登録出願をすることができる。
  2. 2.前項の規定による商標登録出願は、次の各号のいずれにも該当するときは、同項の国際登録の国際登録の日(同項の国際登録が事後指定に係るものである場合は当該国際登録に係る事後指定の日)にされたものとみなす。
  3. 一前項の商標登録出願が同項の国際登録が取り消された日から三月以内にされたものであること。
  4. 二商標登録を受けようとする商標が前項の国際登録の対象であつた商標と同一であること。
  5. 三前項の商標登録出願に係る指定商品又は指定役務が同項の国際登録において指定されていた商品又は役務の範囲に含まれていること。
  6. 3.第一項の国際登録に係る国際商標登録出願についてパリ条約第四条の規定による優先権が認められていたときは、同項の規定による商標登録出願に当該優先権が認められる。
  7. 4.第一項の国際登録に係る国際商標登録出願について第九条の三又は第十三条第一項において読み替えて準用する特許法第四十三条の三第二項の規定による優先権が認められていたときも、前項と同様とする。
  8. 5.第一項の規定による商標登録出願についての第十条第一項の規定の適用については、同項中「商標登録出願の一部」とあるのは、「商標登録出願の一部(第六十八条の三十二第一項の国際登録において指定されていた商品又は役務の範囲に含まれているものに限る。)」とする。
  9. 6.第一項の規定による商標登録出願をする者がその責めに帰することができない理由により第二項第一号に規定する期間内にその出願をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその出願をすることができる。
  10. 7.前項の規定によりされた商標登録出願は、第二項第一号に規定する期間が満了する時にされたものとみなす。

この条文の基本情報

国際登録の取消し後の商標登録出願の特例とは何ですか?

定義国際登録の取消し後の商標登録出願の特例とは、商標法第68条の32に定められた規定で、「議定書第六条(4)の規定により日本国を指定する国際登録の対象であつた商標について、当該国際登録において指定されていた商品又は役務の全部又は一部について当該国際登…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 商標法第68条の32(国際登録の取消し後の商標登録出願の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
  2. 商標法第68条の32の条文原文は「議定書第六条(4)の規定により日本国を指定する国際登録の対象であつた商標について、当該国際登録において指定されていた商品又は役務の全部又は一部について当該国際登…」で始まります。
  3. 商標法第68条の32は第三節に置かれています。
  4. 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 商標法第68条の32の前の条は商標法第68条の31です。
  7. 商標法第68条の32の次の条は商標法第68条の33です。
  8. 商標法第68条の32には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の32
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127
  • 本サイト収録商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の32(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_32

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点商標法68条の32は、国際登録が取り消されても3か月以内に同一商標で日本へ出願すれば、もとの国際登録日を維持できると定める。セントラルアタックの救済規定である。

Q · 国際登録がセントラルアタックで取り消されたら、海外で築いた出願日は全部ゼロになるの?

3か月以内に切り替えれば出願日を救えます

商標法68条の32により、日本国を指定していた国際登録が取り消されても、取消しの日から3か月以内に、同一の商標・同一範囲の指定商品役務について日本へ商標登録出願をすれば、もとの国際登録の日(事後指定なら事後指定の日)にされたものとみなされます。パリ条約等の優先権も引き継げます。ただし救えるのは出願日と優先日だけで、商標は元と同一・指定範囲は元の範囲内が要件であり、日本の実体審査は新規出願として一からやり直しになります。

解説

海外で商品を売るために、あなたの会社はマドリッドプロトコルを使い、一つの手続で何十か国にまとめて商標を登録した。効率的だ。だが多くの経営者が知らない落とし穴がある。国際登録は最初の5年間、本国(日本)の基礎出願・基礎登録に運命を握られている。もし日本の基礎登録が拒絶や無効、取消しで消えると、それにぶら下がる世界中の国際登録が連鎖で取り消される。セントラルアタックと呼ばれる現象だ。ここで効くのが商標法68条の32である。日本を指定していた分については、国際登録が取り消されても、取消しの日から3か月以内に日本で国内出願へ切り替えれば、もとの国際登録の日や優先日をそのまま引き継げる。世界中で築いた出願日を救うか、ゼロからやり直すか。その分かれ目が、たった3か月の窓にかかっている。

法的な位置づけ

商標法68条の32が定める取消し後出願(トランスフォーメーション)とは、マドリッド協定議定書による国際登録が取り消された場合に、その名義人であった者が一定の要件のもとで日本に商標登録出願をすれば、もとの国際登録の日にされたものとみなされる制度をいう。出願日と優先日のみを救済し、商標の同一性および元の指定商品役務の範囲内であることを要件とする。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.国際登録が取り消された正式な日を確定する WIPO・特許庁からの通知で、国際登録が取り消された日を正確に特定する。ここが3か月のカウントダウンの起算点であり、1日のズレが救済の成否を分ける
  2. 2.救済する国をリスト化し、優先順位をつける 事業上重要な進出国を洗い出し、各国の費用・手続要件を踏まえて救済対象を絞る。全件救済は高額になるため、ブランド価値の高い市場から確定させる
  3. 3.日本分は68条の32で国内出願、他国は各国代理人へ一斉指示 日本については商標法68条の32による商標登録出願を行い、他国は現地代理人にトランスフォーメーションを同時に指示する。出だしの数日で一斉に動けるかが勝負を決める
  4. 4.商標の同一性と指定範囲を厳格に確認する 出願商標は元の国際登録と完全同一に、指定商品役務は元の範囲内に必ず収める。一つでも広げると、その追加分は出願日の遡及効果を失う
  5. 5.パリ条約等の優先権を忘れず主張する 国際商標登録出願に優先権が認められていた場合、取消し後出願にも優先権の主張を付し、もとの優先日を確保する。主張漏れは取り返しがつかない

よくある質問 AI による整理

Q1トランスフォーメーションとは何ですか?

国際登録が取り消されたとき、3か月以内に各国で国内出願へ切り替え、もとの国際登録日を維持する救済手続です。日本では商標法68条の32が根拠となります。

Q2国際登録の従属期間は何年ですか?

国際登録日から5年間です。この期間に基礎登録が消えるとセントラルアタックで連鎖取消しが起きますが、5年を1日でも過ぎると国際登録は独立します。

Q3取消し後出願の費用はいくらかかりますか?

日本では新規出願として出願料・登録料がかかり、各国でも現地代理人費用が別途必要です。国数が多いほど高額になるため、対象国の絞り込みが重要です。

Q4取消し後出願に必要な書類は何ですか?

取り消された国際登録と同一の商標、元の範囲内の指定商品役務、取消し日を示す資料、優先権を主張する場合はその書面です。同一性の立証が要点になります。

Q5事後指定の場合、起算日はいつになりますか?

もとの国際登録の日ではなく、当該国際登録に係る事後指定の日にされたものとみなされます(68条の32第2項)。出願日の遡及先が異なる点に注意が必要です。

Q6パリ条約の優先権は引き継げますか?

引き継げます。国際商標登録出願にパリ条約4条の優先権が認められていた場合、取消し後出願にも同じ優先権が認められます(68条の32第3項)。

Q7指定商品を追加して取消し後出願できますか?

できません。指定商品役務は元の国際登録の範囲内である必要があり、追加した分は遡及効果を失います。範囲は同一かそれ以下に削るのが安全です。

Q8在外者の救済期間はどれくらいですか?

責めに帰せない理由で3か月内に出願できなかった場合、理由消滅から在外者は2月(国内は14日)以内、かつ期間経過後6月以内に出願できます(68条の32第6項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1セントラルアタックって、結局なんですか?

国際登録は最初の5年間、本国の基礎出願・基礎登録に運命を縛られます(議定書6条2項・3項)。基礎登録が拒絶・無効・取消しで消えると、それにぶら下がる全世界の国際登録が取り消される現象です。実務のポイント:5年を1日でも過ぎれば国際登録は独立し、もう基礎登録が飛んでも連鎖しません。だから攻める側は5年以内に基礎登録を狙い、守る側はこの5年だけを重点防御するのが定石です

Q23か月過ぎたら、もう打つ手なしですか?

原則アウトですが、商標法68条の32第6項に救済があります。あなたの責めに帰せない理由で出願できなかったなら、理由消滅から14日(在外者2月)以内、かつ期間経過後6月以内なら出願できます。実務のポイント:「責めに帰することができない理由」のハードルは高く、代理人の事務ミスや単なる失念では通りません。この救済を当てにせず3か月を死守するのが実務の鉄則です

Q3切り替えたら、前と全く同じ商標権に戻りますか?

戻りません。救えるのは出願日と優先日だけで、商標は元の国際登録と同一でなければならず、指定商品・役務も元の範囲を超えられません(68条の32第2項二号・三号)。しかも日本の実体審査は新規出願として一からやり直しです。実務のポイント:切り替え時にうっかり指定商品を一つでも追加すると、その追加分は遡及効果を失います。範囲は同一かそれ以下に削るのが安全策です

間違えやすい点 AI による整理

  • 国際登録が最初の5年は本国登録に従属することを知っていても、その従属が「世界中の登録が一斉に飛ぶ」連鎖崩壊を意味すると腹落ちしている人は少ない。一国の登録が揺らぐ話ではなく、全戦線が同時に崩れる話だと理解した瞬間、危機の深刻さの桁が変わる
  • 「国際登録が取り消されたら、もう全部おしまい」と諦めがちだが、68条の32を使えば3か月以内の切り替えで出願日も優先日も生き残る。終わりではなく、設計された避難経路が用意されている
  • 「切り替えれば前と同じ状態に戻せるか」という問いの立て方そのものが誤っている。救えるのは出願日と優先日だけで、商標は元と同一でなければならず、指定商品・役務も元の範囲を超えられず、各国の実体審査もやり直しになる。求めるべきは「復元」ではなく「日付の救済」だと視点を切り替えないと、対策を読み違える
比較の観点この条文ほかの条文
適用される場面68条の32:セントラルアタック等で国際登録が取り消されたとき68条の33:議定書が廃棄され国際登録の効力が失われたとき
9条の3:出願時の特例による優先権の確保
出願期限国際登録が取り消された日から3か月以内議定書廃棄の効力発生日から所定期間内
出願時に博覧会出品等の事実があった場合の特例
救済される内容出願日・優先日の遡及(商標同一・指定範囲内が要件)出願日の遡及(廃棄に伴う失効分の救済)
新規性喪失等を回避する優先的地位

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
(台湾はマドリッド議定書未加盟)

台湾はマドリッド制度に加盟しておらず、国際登録制度自体が適用されない。対応する取消し後出願の規定は存在しない

韓国
대한민국 상표법(国際登録の消滅後の国内出願)

韓国も議定書加盟国であり、国際登録消滅後に国内出願へ転換する救済を国内法に置いている。3か月以内の出願という枠組みは日本と共通

ドイツ
Madrid Protokoll Art. 9quinquies / MarkenG

ドイツも議定書加盟国として9条の5のトランスフォーメーションを国内出願として実装。EU 商標との二層構造も併存する

アメリカ
Lanham Act 15 U.S.C. §1141j ほか

米国はマドリッド議定書実施法(MPIA)でトランスフォーメーションを導入。保護拡張が取り消された後の国内出願への変更を認める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 基礎登録が無効審判であっけなく消され、数日後に国際登録の取消し通知が届いた。残された時間は3か月。この窓のうちに日本では68条の32で国内出願に切り替え、他国でも各国代理人にトランスフォーメーションを一斉指示しないと、何年もかけて積み上げた出願日が世界中で同時に消える
  • もし競合があなたの日本の基礎登録に無効審判を仕掛け、それが通ったら何が起きるか。日本一国の問題では終わらない。その登録を基礎とする世界中の国際登録が連鎖で取り消され、あなたのブランドは進出先のあらゆる市場で同時に無防備になる
  • 5年と1日。基礎登録への攻撃がこの日を境に国際登録へ波及しなくなる。たった1日の差が、ブランドの運命を分ける
  • ライバルの国際登録が取り消されたのを見て、あなたは同じ商標を横取りしようと日本で出願する。だが相手が3か月以内にトランスフォーメーションを完了すれば、相手の出願日が遡って復活し、あなたの出願は後願として蹴られる。先に出したつもりが、実は後ろにいた

取るべき行動

被害を受けた側:1. 国際登録が取り消された正式な日を確定する。ここが3か月の起算点だ2. 救いたい国をリスト化し、日本分は68条の32で国内出願、他国は各国代理人へ一斉にトランスフォーメーションを指示3. 出願商標は元の国際登録と同一に、指定商品・役務は元の範囲内に必ず収める。一つでも広げると遡及効果が否定されうる4. パリ条約や出願時の特例による優先権の主張を忘れず付し、もとの優先日を確保する

訴えられた側:1. 取り消された国際登録の商標を狙うなら、相手に3か月のトランスフォーメーション猶予が残っている前提で動く2. その窓が閉じる前に出願しても、相手が切り替えれば相手の出願日が遡って復活し、あなたの出願は後願で蹴られる3. 確実に狙うなら窓の満了を待つか、相手が同一性・範囲の要件を満たせず切り替えられない事情を見極めてから動く

時効(請求できる期限):国際登録が取り消された日から3か月以内(商標法68条の32第2項一号)。あなたの責めに帰することができない理由で出願できない場合は、その理由が消滅した日から14日(在外者は2月)以内、かつ期間経過後6月以内に出願できる(同条6項)。最新の改正状況をご確認ください

改正沿革 AI による整理

  • 平成11年(1999年) マドリッド協定議定書への加入に伴い、第7章の2として国際登録に関する特例を新設。国際登録の取消し後に国内出願へ切り替えるトランスフォーメーション制度を導入した
  • 令和3年(2021年) 期間徒過後の救済要件を見直し、第6項の救済を「責めに帰することができない理由」を基準とし、理由消滅から14日(在外者2月)かつ期間経過後6月以内へと整理したとみられる。改正の年次と適用範囲は最新の改正状況をご確認ください

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:マドリッド協定議定書への加入に伴い、第7章の2として国際登録に関する特例を新設。国際登録の取消し後に国内出願へ切り替えるトランスフォーメーション制度を導入した
  2. 2.令和3年(2021年) 改正:期間徒過後の救済を「責めに帰することができない理由」を基準とし、理由消滅から14日(在外者2月)かつ期間経過後6月以内へ整理したとみられる。改正の年次と適用範囲は最新の改正状況をご確認ください

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

商標法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›