商標法 第10条(商標登録出願の分割)
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- 商標登録出願人は、商標登録出願が審査、審判若しくは再審に係属している場合又は商標登録出願についての拒絶をすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合であつて、かつ、当該商標登録出願について第七十六条第二項の規定により納付すべき手数料を納付している場合に限り、二以上の商品又は役務を指定商品又は指定役務とする商標登録出願の一部を一又は二以上の新たな商標登録出願とすることができる。
- 2.前項の場合は、新たな商標登録出願は、もとの商標登録出願の時にしたものとみなす。ただし、第九条第二項並びに第十三条第一項において準用する特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第四十三条第一項及び第二項(これらの規定を第十三条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この限りでない。
- 3.第一項に規定する新たな商標登録出願をする場合には、もとの商標登録出願について提出された書面又は書類(第十三条第一項において準用する特許法第四十三条第二項(第十三条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出された場合には、電磁的方法により提供されたものを含む。)であつて、新たな商標登録出願について第九条第二項又は第十三条第一項において準用する同法第四十三条第一項及び第二項(これらの規定を第十三条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出しなければならないものは、当該新たな商標登録出願と同時に特許庁長官に提出されたものとみなす。
この条文の基本情報
商標登録出願の分割とは何ですか?
定義商標登録出願の分割とは、商標法第10条に定められた規定で、「商標登録出願人は、商標登録出願が審査、審判若しくは再審に係属している場合又は商標登録出願についての拒絶をすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合であ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第10条(商標登録出願の分割)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第10条の条文原文は「商標登録出願人は、商標登録出願が審査、審判若しくは再審に係属している場合又は商標登録出願についての拒絶をすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合であ…」で始まります。
- 商標法第10条は第二章 商標登録及び商標登録出願に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第10条の前の条は商標法第9条の4です。
- 商標法第10条の次の条は商標法第11条です。
- 商標法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法10条は、商標登録出願の一部を新たな出願に分割できると定める。分割した新出願はもとの出願時にしたものとみなされ、出願日が遡及して先願の地位を保てる。
Q · 商標出願が一部だけ拒絶されたとき、OK な商品だけ先に登録できるの?
問題のない商品だけ分割でき、出願日も元のまま保てます
できます。商標法10条1項により、二以上の商品・役務を指定した商標登録出願の一部を、一又は二以上の新たな出願に分割できます。分割した新出願はもとの出願時にしたものとみなされる(10条2項)ため、出願日の地位を保ったまま、問題のない商品だけ先に登録へ進められます。ただし、出願が審査・審判・再審・拒絶審決取消訴訟に係属している間であること、第76条2項の手数料を納付済みであることが要件です。拒絶査定や審決が確定すると分割の窓は閉じます。
解説
新ブランドを立ち上げ、洋服から化粧品、飲食サービスまで幅広く指定して商標を出願したとする。半年後、特許庁から「一部の商品は他社の登録商標と紛らわしい」と一部拒絶の通知が届く。多くの人はここで出願全体が止まったと天を仰ぐ。だが商標法10条は別の出口を用意している。問題のない商品だけを切り出して新しい出願にすれば、そちらは先に登録へ進められる。しかも切り出した新出願は、もとの出願をした日にしたものとみなされる。つまり出願日が巻き戻る。早い者勝ちの商標の世界で、この出願日の遡及は決定的な意味を持つ。ただし条件がある。出願が審査・審判・再審・訴訟に係属している間でなければならず、所定の手数料も納付済みでなければ分割できない。タイミングと手数料、この二つを外すと、せっかくの救済策が使えなくなる。
法的な位置づけ
商標法10条は出願の分割を定める規定であり、二以上の商品又は役務を指定する商標登録出願の一部を、一又は二以上の新たな商標登録出願として切り分けることを認める。新たな出願はもとの出願時にしたものとみなされ、出願の係属中であることと所定の手数料の納付を要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.一部拒絶通知の商品・役務を仕分け 拒絶理由通知が届いたら、拒絶された指定商品・役務と、拒絶理由のない問題のない商品・役務を明確に仕分けする。この切り分けが分割戦略の出発点になる
- 2.係属中であることと手数料納付を確認 もとの出願が審査・審判・再審または拒絶審決取消訴訟に係属していることを確認し、第76条2項の手数料が納付済みであることをチェックする。両方が分割の絶対要件
- 3.問題のない部分を新たな出願として分割提出 問題のない商品・役務を一又は二以上の新たな商標登録出願として、特許庁長官に分割出願する。新出願はもとの出願時にしたものとみなされ、出願日が遡及する
- 4.残った拒絶部分の対応を判断 分割で退避させた後、もとの出願に残った拒絶対象の商品については、意見書・補正で争うか、別途あきらめるかを応答期限内に判断する
よくある質問 AI による整理
Q1商標の分割出願とは何ですか?
二以上の商品・役務を指定した商標登録出願の一部を、新たな出願に切り分ける手続です(商標法10条)。新出願はもとの出願時にしたものとみなされ、出願日が遡及します。
Q2商標の分割出願はいつまでにできますか?
出願が審査・審判・再審に係属している間、または拒絶審決取消訴訟が裁判所に係属している間に限ります。拒絶査定や審決が確定すると分割の窓は閉じます。
Q3分割出願すると出願日はどうなりますか?
新たな出願はもとの出願時にしたものとみなされます(商標法10条2項)。早い者勝ちの先願主義のもとで、出願日の遡及は決定的な意味を持ちます。
Q4商標の分割と出願の変更はどう違いますか?
分割(10条)は一つの出願を複数に切り分けるもの、変更(11条)は出願の種類そのもの(団体商標等)を変えるものです。目的も要件も異なります。
Q5商標出願の一部拒絶通知が来たらどうすればいいですか?
拒絶された商品・役務と問題のない商品を仕分けし、問題のない部分を分割して先に登録を取りに行くか、意見書・補正で争うかを応答期限内に判断します。
Q6分割出願に手数料はかかりますか?
かかります。商標法10条は第76条2項の手数料を納付している場合に限り分割できると定め、さらに新出願としての出願料も別途必要です。
Q7分割できる商標出願の数に制限はありますか?
条文上の件数制限はなく、一部を一又は二以上の新たな出願にできます。ただし手数料納付が要件のため、登録を本気で取りに行く商品に絞る判断が要ります。
Q8特許や意匠でも出願の分割はできますか?
できます。特許は特許法44条、意匠は意匠法10条の2が分割を定めており、商標法10条はこれらと並ぶ並行規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1商標出願が一部拒絶されたら、もう全部ダメなんですか?
いいえ。拒絶理由のある指定商品・役務と、ない部分を分けて、問題のない部分だけ新たな出願に分割できます(商標法10条)。分割した新出願はもとの出願日にしたものとみなされるので、出願日の先後で勝負が決まる商標の世界で有利な地位を保てます。実務のポイント:実務では、まず分割で確実な商品を登録まで進め、争う商品だけ残して時間をかけて意見書で反論する「二段構え」が定石です。全部まとめて争うと、登録できたはずの商品まで何年も塩漬けになる
Q2分割出願にも別途お金がかかるんですか?
かかります。分割は「第76条第2項の手数料を納付している場合に限り」できる(10条1項)ので、納付が分割成立の絶対条件で、さらに新出願としての出願料も別途必要です。実務のポイント:手数料納付が分割の要件とされているのは、分割を繰り返して審査をいつまでも引き延ばす濫用を防ぐためです。だから「とりあえず分割しておく」はできず、本気で登録を取りに行く商品に絞る判断が要ります。(最新の手数料額は特許庁の料金表でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 一部でも拒絶理由があると出願全体がダメになると思われているが、分割すれば問題のない商品だけ救える。全か無かではない
- 分割できること自体は知っていても、出願日が遡及するという最大のメリットを見落としている人が多い。新出願日で出し直すのと、もとの出願日を保つのとでは、その間に他社が似た商標を出していた場合に天と地ほどの差が出る
- 「拒絶査定が確定してから対応すればいい」という発想そのものが誤り。分割は出願が審査・審判・訴訟に係属している間しかできない。確定後では手遅れで、係属中という限られた窓が閉じる前に動く必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の目的 | 商標法10条:出願の一部を複数の新出願に切り分ける | 商標法11条:出願の種類(団体商標等)を変更する 商標法9条:出願時の特例(遡及効の例外の一場面) |
| 出願日の扱い | 新出願はもとの出願時にしたものとみなされ遡及(10条2項) | 変更後の出願ももとの出願時に遡及 一定要件下で出願時の特例による遡及 |
| 主な要件 | 出願係属中 + 第76条2項の手数料納付 | 出願係属中であること 博覧会出品等の所定事由・証明書提出 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も指定商品・役務について申請案の分割を認める。分割後の各案は原申請日を維持し、日本の遡及効と同趣旨
韓国も商標登録出願の一部を新出願に分割でき、もとの出願時に出願したものとみなす遡及効を認める。日本法と構造が近い
ドイツも商品・役務の一部について出願の分割(Teilung)を認め、分割後の出願はもとの出願日と優先日を保持する
米国も登録出願の分割を認め、分割後の各出願はもとの出願日を維持する。意図使用出願(ITU)での分割が実務上多用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたのスタートアップが資金調達のデューデリで「主力サービスの商標がまだ登録されていない」と指摘された。出願は一部拒絶で止まっている。投資契約の締結まであと三週間。問題のないコア商品だけ分割して先に登録を取りに行けば、間に合う可能性がある
- もし、競合が水面下であなたと似た商標を出願していたとしたら? 一部拒絶で全体を止めている間に、相手の出願が先に進む。問題のない部分を分割して出願日の地位を確定させておけば、その先頭を守れる
- 登録できる商品とできない商品が混在している。全部まとめて争えば、登録まで一年以上かかる。分割すれば、確実な方は数か月で登録証が届く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 一部拒絶の通知が来たら、まず拒絶された指定商品・役務と問題のない商品を仕分けする2. 問題のない商品を新たな出願として分割(10条1項)、出願が係属中かつ手数料納付済みであることが条件3. 分割出願はもとの出願日にしたものとみなされる(10条2項)ので、出願日の地位を保てる4. 拒絶された商品は意見書・補正で争うか別途あきらめるか判断5. 弁理士に依頼するなら、分割のタイミング(応答期限内)を最優先で伝える
訴えられた側:1. 相手の商標出願が一部拒絶を受けているとき、相手が分割で問題のない部分を先に登録させる動きを警戒する2. 自社が後から似た商標を出している場合、相手の分割出願はもとの出願日に遡及するため(10条2項)、出願日の先後で不利になる可能性を確認3. 登録後であれば登録異議申立て(商標法43条の2)や無効審判(46条)で争う道を検討4. 自社の出願戦略では、競合より一日でも早い出願日の確保を優先する
時効(請求できる期限):分割できるのは、出願が審査・審判・再審に係属している間、または拒絶審決取消訴訟が裁判所に係属している間に限る(10条1項)。拒絶査定や審決が確定すると係属が終了し、分割の窓は閉じる。手数料(76条2項)の納付も同時要件。一部拒絶通知への応答期限内に動くのが実務上の鉄則
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