商標法 第9条(出願時の特例)
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- 政府等が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するものに、パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会に、又はパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国のいずれにも該当しない国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するものに出品した商品又は出展した役務について使用をした商標について、その商標の使用をした商品を出品した者又は役務を出展した者がその出品又は出展の日から六月以内にその商品又は役務を指定商品又は指定役務として商標登録出願をしたときは、その商標登録出願は、その出品又は出展の時にしたものとみなす。
- 2.商標登録出願に係る商標について前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を商標登録出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、その商標登録出願に係る商標及び商品又は役務が同項に規定する商標及び商品又は役務であることを証明する書面(次項及び第四項において「証明書」という。)を商標登録出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。
- 3.証明書を提出する者が前項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、その証明書を特許庁長官に提出することができる。
- 4.証明書を提出する者がその責めに帰することができない理由により、前項の規定により証明書を提出することができる期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。
この条文の基本情報
出願時の特例とは何ですか?
定義出願時の特例とは、商標法第9条に定められた規定で、「政府等が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するものに、パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第9条(出願時の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第9条の条文原文は「政府等が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するものに、パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法…」で始まります。
- 商標法第9条は第二章 商標登録及び商標登録出願に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第9条の前の条は商標法第8条です。
- 商標法第9条の次の条は商標法第9条の2です。
- 商標法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法9条は、対象の博覧会に出品した商標を出品日から6か月以内に出願すれば、出願日が出品時まで遡るとする出願時の特例を定める。一般の民間見本市は対象外のことが多い。
Q · 展示会で先に発表した商標、後から他人に出願されても大丈夫?
対象の博覧会なら6か月以内の出願で守れる
商標法9条により、政府等が開設する博覧会、特許庁長官が基準を定めた博覧会、または条約加盟国の国際的な博覧会に出品した商標は、出品日から6か月以内に出願すれば出願日が出品時まで遡ります。ただし対象は限定され、出願と同時に適用を受ける旨の書面、出願日から30日以内に証明書を提出しなければ特例は適用されません。一般の民間見本市は対象外のことが多い点に注意が必要です。
解説
あなたが新ブランドの商品を展示会でお披露目したとする。ロゴ、ネーミング、パッケージ、すべて初公開。来場者の反応は上々だった。だが日本の商標制度は早い者勝ち(先願主義、商標法8条)だ。あなたの展示を見た同業者が、その足で出願すれば、あなたのブランド名はその人のものになりかねない。商標法9条はこの落とし穴に橋を架ける。政府等が開く博覧会、特許庁長官が基準を定めた博覧会、または条約加盟国の国際博覧会に出品した商標は、出品日から6か月以内に出願すれば、出願日が出品時まで遡る。先に動いた競合より、あなたが前に立てる。ただし条件は狭い。どんな展示会でもよいわけではなく、対象の博覧会に限られる。さらに出願と同時に書面、出願日から30日以内に証明書を出す手続を踏まないと、この保護は手に入らない。
法的な位置づけ
商標法9条は出願時の特例を定める規定であり、政府等が開設する博覧会、特許庁長官が定める基準に適合する博覧会、または条約加盟国の国際的な博覧会に出品・出展した商標について、出品日から6か月以内の出願を出品時にしたものとみなす。先願主義(8条)の例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出品した博覧会が9条の対象か確認 出品・出展した博覧会が、政府等が開設する博覧会、特許庁長官の基準に適合する博覧会、または条約加盟国の国際的な博覧会のいずれかに該当するか確認する。対象は特許庁が指定・公示しているため出展前に判定できる
- 2.出品日から6か月以内に商標登録出願 出品した商品または出展した役務を指定商品・指定役務として、出品日・出展日から6か月以内に商標登録出願を行う。起算日を取り違えないよう出展初日を基準にカレンダー管理する
- 3.出願と同時に適用を受ける旨の書面を提出 9条の適用を受けようとする旨を記載した書面を、商標登録出願と同時に特許庁長官へ提出する。出願後の追完はできないため出願時に必ず添付する
- 4.出願日から30日以内に証明書を提出 出願に係る商標・商品・役務が9条1項の要件に該当することを証明する書面を、出願日から30日以内に提出する。海外博覧会では証明書を現地取得し和訳する時間も逆算しておく。30日を過ぎた場合は3項・4項の延長を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1商標の出願時の特例とは何ですか?
対象の博覧会に出品した商標を出品日から6か月以内に出願すると、出願日が出品時まで遡る制度です。商標法9条が根拠で、先願主義の例外にあたります。
Q2展示会で発表した商標を他人に出願されたらどうなりますか?
対象博覧会なら9条で出品時まで遡り自分の出願が先になります。対象外の見本市なら遡及できず、先に出願した相手が原則優先します(先願主義、8条)。
Q3商標の博覧会優先権は何日以内に出願すればよいですか?
出品日または出展日から6か月以内です(9条1項)。さらに出願と同時の書面、出願日から30日以内の証明書提出も必要です。
Q4商標の証明書を30日以内に出し忘れたらどうなりますか?
9条3項で経済産業省令の定める期間内なら遅れても提出でき、4項で責めに帰せない理由があれば理由消滅から14日(在外者2か月)以内に提出できます。
Q5国際博覧会に出品した商標も特例の対象ですか?
パリ条約同盟国・WTO 加盟国・商標法条約締約国での国際的な博覧会は対象になりえます。証明書は現地取得・和訳して30日以内に提出する必要があります。
Q6クラウドファンディングで先行公開した商標は守られますか?
守られません。クラファンの公開は『博覧会への出品』にあたらず9条の対象外です。公開前に商標出願を済ませておくべきです。
Q7商標の先願主義とは何ですか?
使用や発表の先後ではなく、出願の先後で権利者を決める原則です(8条)。発表が先でも出願が後なら原則負けるため、9条が例外的に救済します。
Q8どの展示会が商標法9条の対象博覧会になりますか?
政府等が開設する博覧会、特許庁長官が基準を定めた博覧会、条約加盟国の国際的な博覧会です。対象は特許庁が指定・公示しており出展前に確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1普通のビジネスショーや見本市に出品しても、この特例は使えるんですか?
使えないことが多い。9条の対象は政府等が開設する博覧会、特許庁長官が定める基準に適合する博覧会、または条約加盟国での国際的な博覧会に限られる(9条1項)。民間の一般的な見本市の大半は基準を満たさない。実務のポイント:対象博覧会は特許庁が指定・公示している。出展前に「この展示会は9条の対象か」を確認するだけで、守られると誤解したまま無防備にさらすリスクを消せる。弁理士は出展前に必ずここを確認する
Q2アメリカみたいに、発表してから半年は誰でも出願できる猶予期間があるんですよね?
違う。商標には新規性の要件がないので、特許や意匠のような一般的な新規性喪失の例外とは仕組みが別だ。9条は先願主義(8条)の例外として、対象博覧会への出品に限り出願日を出品時まで遡らせるだけで、一般的なグレースピリオドではない。実務のポイント:日本は徹底した先願主義で、使用や発表の先後はほぼ無関係。展示会で初公開した実績は、対象博覧会と手続を満たさない限り、先に出願した他人に対して無力だ
Q3証明書を30日以内に出し忘れたら、もう諦めるしかないですか?
すぐ諦める必要はない。9条3項で、経済産業省令の定める期間内なら期間経過後でも提出できる。さらに4項で、自分の責めに帰すことができない理由があれば、その理由が消滅した日から14日(在外者は2か月)以内、かつ期間経過後6か月以内に提出できる。実務のポイント:「責めに帰することができない理由」のハードルは高く、単なる多忙や失念では通らない。災害やシステム障害など客観的事情が要る。最初から30日を死守する体制を組むのが正解だ
Q4海外の国際見本市に出した商標も対象になりますか?
なりうる。パリ条約の同盟国、WTO加盟国、商標法条約の締約国の領域内で、その政府等または許可を受けた者が開設する国際的な博覧会への出展は9条1項の対象だ。これらに該当しない国の場合は、特許庁長官の定める基準に適合する国際博覧会であることが必要。実務のポイント:海外出展では証明書を現地で取得し、和訳して30日以内に出す必要がある。帰国後に動き出すと間に合わないので、出発前から証明書取得の段取りを決めておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「展示会で先に発表したのだから、後から他人が同じ商標を取れるはずがない」と考える人は多い。だがその問いの立て方が違う。日本は使用ではなく出願の先後で決める先願主義(8条)。発表が先でも出願が後なら、原則あなたが負ける。9条はその例外を、対象博覧会に限って開けるだけだ
- 9条があること自体は知っていても、対象が極めて狭いことまで知る人は少ない。街の展示会や民間の見本市の大半は「特許庁長官の定める基準に適合する博覧会」ではない。対象外の展示会に出品しても遡及効はゼロ。「展示会に出した=9条で守られる」は危険な思い込みだ
- 「6か月以内に出願さえすれば自動で遡る」と思われがちだが、出願と同時の書面提出と、出願日から30日以内の証明書提出を踏まないと特例は適用されない。期限を一日でも過ぎれば、遡及の権利は消える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される場面 | 9条:対象博覧会に出品した商標の出願時特例(出願日が出品時に遡る) | 8条:先願主義(出願の先後で権利者を決める原則) 特許法30条/意匠法4条:発明・意匠の博覧会出品等の例外(並行制度) |
| 適用前提 | 対象博覧会への出品 + 6か月以内の出願 + 書面 + 30日以内の証明書 | 原則として常に適用(例外が9条) 新規性喪失の例外(商標と異なり新規性要件が前提) |
| 効果 | 出願日が出品・出展時まで遡る | 先に出願した者が登録を受ける 公開しても新規性を失わなかったものとみなす |
| 手続を欠いた場合 | 遡及効ゼロ、先願主義の原則に戻る | — 例外を受けられず拒絶理由となりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も政府主催または認可の国際展覧会への出品商標について、展出日後6か月以内の出願で優先権を認める。期間・趣旨とも日本に類似。
韓国も出願時の特例を設け、博覧会出品商標について一定期間内の出願で出品時の地位を保護する。手続要件を伴う点で日本と共通。
ドイツは特定の展示会に出品した標章について展示日からの優先権(Ausstellungspriorität)を認める。対象展示会の指定と証明を要する点が日本と類似。
米国は使用主義および intent-to-use 出願を基礎とし、博覧会出品による出願日遡及という制度はない。展示=使用の立証や出願戦略が別枠で問題となる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 展示会で新商品を出して大反響。だが商標出願はまだ。出品日から6か月のカウントダウンは既に始まっている。今動かないと特例の窓が閉じ、出品を見た競合に先願される隙が残る
- もし、あなたが出品した翌週に、会場にいた同業者が同じ名称で商標出願したとしたら? 9条で出品時まで遡れれば、あなたの出願が先になる。ただし対象博覧会の要件を満たし、証明書を期限内に出している場合に限る
- あなたが先に出願していたところ、後から「うちは半年前の展示会で先に使っていた、9条で遡る」と主張する相手が現れた。相手が出品した博覧会が本当に対象要件を満たすか、証明書が30日以内に出ているか、そこを突けば相手の遡及は崩れる
- スタートアップがクラウドファンディングで新ブランドを先行公開。博覧会への出品ではない。9条は使えない。世に出した瞬間、保護なしでさらされる
- 海外の国際見本市に出展した。パリ条約加盟国での国際的な博覧会なら9条の対象になりうる。だが帰国後の出願タイミングと証明書の和訳準備を出発前から段取りしておかないと、6か月はあっという間に溶ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出品した博覧会が9条の対象か確認(政府等の博覧会、特許庁長官の基準に適合する博覧会、または条約加盟国の国際的な博覧会) 2. 出品日から6か月以内に、その商品・役務を指定して商標登録出願3. 出願と同時に「9条の適用を受ける旨」を記載した書面を提出4. 出願日から30日以内に、商標・商品が要件に該当することの証明書を提出。期限内に出せない事情があれば3項・4項の延長を経済産業省令の範囲で活用する
訴えられた側:1. 相手の「9条で出品時に遡る」主張に対し、出品した博覧会が対象要件を満たすか精査2. 出願と同時の書面、出願日から30日以内の証明書が実際に期限内に提出されたかを特許庁の包袋で確認3. 出品日から6か月の出願期限を過ぎていないか起算日を検証4. 一つでも要件を欠けば遡及は認められず、あなたの先願日が優先する。情報提供や登録異議の申立てで争う
時効(請求できる期限):出品日から6か月以内に商標登録出願(9条1項)。出願と同時に適用を受ける旨の書面、出願日から30日以内に証明書を提出(9条2項)。30日以内に出せないときは経済産業省令の定める期間内(9条3項)、責めに帰すことができない理由があればその理由消滅日から14日(在外者は2か月)以内かつ期間経過後6か月以内(9条4項)
学説
通説:商標法9条は先願主義(8条)の例外であり、対象博覧会への出品という限定された場面でのみ出願日を出品時に遡らせる。商標には特許・意匠のような新規性要件がないため、一般的な新規性喪失の例外とは制度趣旨が異なり、適用範囲は厳格な手続要件(6か月の出願期限、出願と同時の書面、30日以内の証明書)で画されると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行商標法(昭和34年法律第127号)制定時に、博覧会出品商標の出願時特例として規定。工業所有権の保護に関するパリ条約11条の博覧会出品仮保護を国内で具体化したもの。
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