受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

商標法 第9条の2(パリ条約の例による優先権主張)

クイックジャンプ

パリ条約の同盟国でされた商標(第二条第一項第二号に規定する商標に相当するものに限る。)の登録の出願に基づく優先権は、同項第一号に規定する商標に相当する商標の登録の出願に基づく優先権についてパリ条約第四条に定める例により、これを主張することができる。

この条文の基本情報

パリ条約の例による優先権主張とは何ですか?

定義パリ条約の例による優先権主張とは、商標法第9条の2に定められた規定で、「パリ条約の同盟国でされた商標(第二条第一項第二号に規定する商標に相当するものに限る。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 商標法第9条の2(パリ条約の例による優先権主張)は、日本の商標法に含まれる条文です。
  2. 商標法第9条の2の条文原文は「パリ条約の同盟国でされた商標(第二条第一項第二号に規定する商標に相当するものに限る。」で始まります。
  3. 商標法第9条の2は第二章 商標登録及び商標登録出願に置かれています。
  4. 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 商標法第9条の2の前の条は商標法第9条です。
  7. 商標法第9条の2の次の条は商標法第9条の3です。
  8. 商標法第9条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第9条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127
  • 本サイト収録商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第9条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/9_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点商標法9条の2は、パリ条約同盟国でされた役務商標の出願に基づく優先権を、商品商標と同じく第4条の例により主張できると定める。期間は第一国出願日から6か月以内。

Q · サービスのブランド(役務商標)でも、海外で先に出した出願日を日本で主張できますか?

はい、役務商標も商品商標と同じく6か月の優先権が使えます

商標法9条の2により、パリ条約同盟国で先に出した役務商標(サービスマーク)相当の出願に基づき、商品商標と同じくパリ条約第4条の例で優先権を主張できます。第一国出願日から6か月以内に日本へ出願し、その出願と同時に優先権を主張すれば、最初の出願日を日本での先願判断の基準日として援用できます。ただし商標権は国ごとに独立する属地主義が原則であり、日本で別途出願しなければ国内では権利は生じません。

解説

あなたがアメリカで自分のオンラインサービスのロゴを商標として出願した。その数ヶ月後、日本展開を決めて特許庁に同じ商標を出そうとしたら、見ず知らずの誰かがすでに同じ名前を押さえていた。普通なら先願主義であなたの負けだ。だがパリ条約の同盟国で先に出願していれば、その最初の出願日を日本でも主張できる。これが優先権である。商標法9条の2が保証するのは、この優先権が「役務商標(サービスマーク、つまり物ではなくサービスに付けるブランド)」にも、商品商標とまったく同じように及ぶという一点だ。期間は最初の出願から6ヶ月。世界のどこかで叩いた最初の扉の日付を、6ヶ月だけ日本に持ち込めるパスポートだと思えばいい。ただし日本で改めて出願しなければ何も始まらない。商標権は国ごとに独立しているからだ。

法的な位置づけ

商標法9条の2は、役務商標に係るパリ条約優先権を定める規定である。パリ条約同盟国でされた役務商標相当の登録出願に基づく優先権について、商品商標と同様にパリ条約第4条の例により主張できる旨を規定し、出願日を第一国出願日まで遡及させる効果を役務分野にも及ぼす、属地主義の例外として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.第一国(パリ条約同盟国)で役務商標を先に出願 海外展開を見据え、まずパリ条約同盟国(米国など)で役務商標を出願する。商標権は属地主義のため、最初の扉をどこで叩くかが日本での先願の基準日を決める
  2. 2.第一国出願日と受領番号を記録、6か月の期限を計算 第一国の出願日と出願番号を控え、そこから6か月後の日本出願期限を起算する。日本到着日ではなく第一国出願日が起算点である点に注意する
  3. 3.日本出願と同時に優先権を主張 日本の商標登録出願の願書に、第一国名・出願日・出願番号を記載して優先権を主張する。出願後の追完は認められないため、出願と同時の記載が必須
  4. 4.優先権証明書を期限内に特許庁へ提出 第一国が発行する出願証明書(優先権証明書)を、特許法43条準用の法定期限内に特許庁へ提出する。要件を欠くと優先権が無効化される
  5. 5.第一国出願と指定役務の整合を点検 第一国出願と日本出願で商標・指定役務が実質的に同一かを確認する。区分や役務のズレがある部分には優先権の効果が及ばないため、ズレを最小化する

よくある質問 AI による整理

Q1パリ条約の優先権とは何ですか?

パリ条約同盟国でした最初の出願日を、他の同盟国での出願日とみなして先後願を判断できる制度です。商標は6か月、特許・実用新案は12か月の猶予があります。

Q2役務商標(サービスマーク)とは何ですか?

物(商品)ではなく、サービスに付けて使うブランドの目印です。コンサルや SaaS、飲食店のサービス名などが該当し、日本では平成3年から登録制度が始まりました。

Q3商標の優先権主張に必要な書類は?

日本の願書への優先権主張の記載に加え、第一国の出願証明書(優先権証明書)が必要です。証明書は所定期間内に特許庁へ提出します。

Q4優先権を主張しないとどうなりますか?

日本の出願日が基準になります。海外で先に出していても、その間に他人が同一商標を日本で出願していれば先願に負ける可能性があります。

Q5パリ条約の同盟国にはどこがありますか?

米国・中国・韓国・EU 各国など170を超える国・地域が加盟しています。同盟国での出願でなければ9条の2の優先権は使えません。

Q6商標の優先権はどの区分まで及びますか?

第一国出願で指定した商品・役務と整合する範囲に及びます。日本出願で区分や指定役務がずれると、その部分には優先権の効果が及ばないことがあります。

Q7マドリッド協定議定書とパリ条約優先権は併用できますか?

できます。国際登録出願でも基礎出願の日付をパリ条約優先権として主張すれば、6か月の遡及効果を各指定国で活かせます。別制度ですが併用可能です。

Q8優先権証明書はいつまでに提出しますか?

特許法43条準用の法定期限内に特許庁へ提出する必要があります。期限を徒過すると優先権の効力が失われるため、最新の改正状況を必ずご確認ください。

この条文についての質問 AI による整理

Q1海外で商標を出しておけば、日本でも自動で守られるんじゃないんですか?

守られません。商標権は国ごとに独立する属地主義が原則で、海外の登録は日本では効力を持ちません。9条の2の優先権は、日本で別途出願したときに『出願日を第一国の日付まで遡らせる』効果があるだけです。日本で出願しなければ国内ではゼロのまま。実務のポイント:海外で有名でも日本未出願のブランドは、第三者に先に出願される標的になりやすい。先に押さえておけば優先権で巻き返せるが、何もしていないと、相手の出願後にあなたが優先権を主張できる窓も閉じてしまう

Q2優先権の6ヶ月って、いつから数えるんですか?

日本に書類が届いた日ではなく、パリ条約同盟国で最初に出願した日(第一国出願日)が起算点です(パリ条約4条C)。サービスのブランド、つまり役務商標でも商品商標と同じ6ヶ月です。実務のポイント:翻訳や代理人手配で実務上2、3週間はあっという間に溶ける。「6ヶ月もある」と構えていると最終週に駆け込むことになり、1日の遅れで優先権が丸ごと消える。第一国に出願した瞬間から日本側の準備を並行で走らせるのが実務の鉄則

間違えやすい点 AI による整理

  • 優先権制度があること自体は知っていても、それが役務商標(サービスマーク)にも商品商標と同じ6ヶ月で及ぶことを知らない人が多い。「サービスのブランドは物と違うから優先権の枠外では」という思い込みが、サービス業の海外展開で命取りになる
  • 「海外で商標を出したから、日本でも自動的に守られる」という前提そのものが誤っている。商標権は国ごとに独立する属地主義が大原則で、優先権は『日本での出願日を遡らせる』効果しかない。日本で別途出願しなければ、日本国内では一切の権利が生まれない
  • 6ヶ月という猶予を「日本に出願を届かせる期限」だと油断する人がいるが、起算点はあくまで第一国の出願日。準備や翻訳に手間取って到着が遅れ、1日でも超えれば優先権はその瞬間に消滅する
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割9条の2:役務商標にパリ条約優先権を及ぼす(出願日の遡及)8条:先願主義(同日・先後の出願の優劣を決める)
9条:出願時の特例(博覧会出品等で出願日を扱う特例)
効果第一国出願日を日本での基準日として援用できる先に出願した者のみが登録を受けられる
一定の事由で出願日を遡らせる/特例扱いとする
適用前提パリ条約同盟国での第一国出願 + 6か月以内 + 同時主張同一・類似商標の複数出願が競合していること
条文所定の特例事由に該当すること
対象役務商標(商品商標と同じ扱い)商品商標・役務商標を問わない
商品商標・役務商標を問わない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国商標法第20条

台湾もパリ条約・WTO に基づき、第一国出願日から6か月の優先権主張を認める。商品・役務を問わず適用される点で日本と同様。

韓国
대한민국 상표법 제46조

韓国も条約に基づく優先権主張を規定し、商標は6か月の優先期間。役務商標にも商品商標と同じく適用される。

ドイツ
MarkenG § 34(Ausländische Priorität)

ドイツもパリ条約に基づく外国優先権を国内法化。商標は6か月。EU 商標(EUTM)制度でも同等の優先権が認められる。

アメリカ
Lanham Act § 44(d), 15 U.S.C. § 1126(d)

米国は外国出願に基づく優先権を § 44(d) で規定。役務商標(service mark)は商品商標と区別されつつ同じ優先権ルールに服する。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • スタートアップがアメリカで SaaS サービスのロゴを商標出願。日本展開を正式に決めたのが5ヶ月後だった。残された猶予はあと1ヶ月。この期間内に日本へ優先権主張つきで出願できれば、本国の出願日で先願者になれる。1日でも超えれば、その間に他人が出した同名商標に負ける
  • あなたが日本で見つけた、まだ国内で登録のない海外発ブランド名を先回りして出願した。ところが本家が本国出願日で優先権を主張してきて、あなたの出願が後願として拒絶される。早い者勝ちで取ったつもりが、相手のポケットには6ヶ月遡る日付が入っていた
  • 個人が越境 EC で海外向けにオリジナルブランドの雑貨を売り始めた。現地で商標を先に出していたおかげで、後から日本で模倣業者に商標を出願されても巻き返せる立場にある

取るべき行動

被害を受けた側:1. パリ条約同盟国での第一国出願日を確認、そこから6ヶ月以内かを最優先で計算する2. 6ヶ月内なら、日本での商標出願と「同時に」優先権主張を願書に記載する、出願後の追完は認められない3. 後日、第一国の出願証明書(優先権証明書)を所定期間内に特許庁へ提出する(特許法43条準用、提出期限は最新の改正状況をご確認ください) 4. 役務(サービス)の指定が第一国出願と整合しているか、区分のズレで優先権の効果が及ばない部分が出ないかを点検する

訴えられた側:1. 相手が主張する優先権の第一国出願が、本当にパリ条約同盟国で、6ヶ月の窓内で、しかも同一の商標・役務についてなされたものかを精査する2. 優先権証明書が期限内に適法に提出されているかを確認、要件を欠けば優先権は無効で、あなたの出願日が生きる3. 第一国出願と日本出願で商標や指定役務が実質的に異なるなら、その部分には優先権の効力が及ばないと反論する4. 争点が技術的なため、弁理士に早期に相談し情報提供・拒絶理由通知への対応を組み立てる

時効(請求できる期限):第一国(パリ条約同盟国)での最初の出願日から6ヶ月以内に日本へ出願し、出願と同時に優先権を主張すること(パリ条約4条C(1))。優先権証明書の提出にも別途の法定期限がある(特許法43条準用、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:商標権は国ごとに独立して発生・存続する属地主義が原則であり、パリ条約優先権はその例外として、第一国出願日から一定期間(商標は6か月)出願日を遡及させるにとどまる。9条の2はこの効果を役務商標にも及ぼす確認的・拡張的規定と解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成3年(1991年) 役務商標(サービスマーク)登録制度の導入に伴い新設。パリ条約同盟国でされた役務商標相当の出願に基づく優先権を、商品商標と同じくパリ条約第4条の例により主張できることを明文化した

改正の年表

  1. 1.平成3年(1991年) 新設:役務商標(サービスマーク)登録制度の導入に伴い新設。パリ条約同盟国でされた役務商標相当の出願に基づく優先権を、商品商標と同じくパリ条約第4条の例により主張できることを明文化した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

商標法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 商標登録及び商標登録出願

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›