要点商標法 8 条は先願主義を定め、同一・類似の商標が異なる日に出願されたときは最先の出願人のみが登録を受けられる。2024 年からは承諾があれば併存登録も可能。
Q · 商標は先に使っていた方が勝ちますか?それとも先に出願した方ですか?
原則は早い者勝ち。ただし承諾があれば併存登録もできる
商標法 8 条は先願主義を採り、同一・類似の商品役務について同一・類似の商標が異なる日に出願された場合、最先の出願人のみが登録を受けられます。使用してきた期間は問いません。同日出願なら協議で一人に絞り、協議不成立なら特許庁長官のくじで順位を決します。2024 年 4 月施行のコンセント制度により、先出願人の承諾があり、かつ商品役務に混同を生ずるおそれがなければ、後出願人も併存して登録を受けられます。
苦労して考えた店名やブランド名を、ようやく商標出願しようとしたその瞬間、同じ名前が数週間前に他人によって出願されていた。この一点であなたは負ける。商標法 8 条 1 項は「最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる」と定める。実力でも、知名度でも、先に使い始めたかでもない。願書が特許庁に届いた「日付」だけが勝敗を決める世界だ。しかも 2024 年 4 月、この鉄壁の早い者勝ちルールに大きな抜け道が空いた。コンセント制度である。先に出願した人の「承諾」を得て、かつ互いの商品やサービスに混同を生じないなら、後から出願したあなたも同じ商標を登録できるようになった。さらに同じ日に二社が出願したら、まず協議、それも決裂すれば特許庁が公正なくじ、つまり本当にくじ引きで勝者を決める。あなたが握っておくべきは、この日付ゲームの存在と、新しく開いた承諾という扉、その両方だ。
商標法 8 条は先願主義を規定する条文であり、同一又は類似の商品・役務について同一又は類似の商標が異なる日に二以上出願された場合、最先の商標登録出願人のみが登録を受けられると定める。同日出願は協議、不成立ならくじで順位を決し、承諾と非混同を要件とするコンセント制度による併存登録も認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
同じ商標が複数出願されたとき、最も先に出願した人だけが登録を受けられる原則です。商標法 8 条が根拠で、使用してきた期間や知名度ではなく出願日で勝敗が決まります。
願書が特許庁に到達した出願日で判断されます。時刻単位ではなく日単位で比較し、同じ日なら同日出願として協議・くじの対象になります(商標法 8 条)。
特許情報プラットフォーム J-PlatPat の商標検索で、出願したい名称と類似する商標、指定商品・役務の区分を入力して先願・先登録の有無を確認します。出願前の必須作業です。
特許庁長官が相当の期間を指定して当事者に協議命令を出します(商標法 8 条 4 項)。協議で一人に絞れれば、その出願人が登録を受けられます。
その出願は初めからなかったものとみなされます(商標法 8 条 3 項)。後願だったあなたの出願が、繰り上がって最先の出願として扱われ得ます。
登録後に商標権が移転された場合、新たな商標権者を先出願人とみなしてコンセント規定を適用します(商標法 8 条 6 項)。承諾を求める相手は移転先になります。
多くの国が先願主義のため、ブランド名を公表する前に現地出願またはマドリッド協定議定書による国際出願を検討します。第三者の先取り出願があると奪還は長期化します。
商標法 10 条の出願分割では、分割後の出願はもとの出願時にしたものとみなされ、先願の地位が維持されます。衝突する区分だけを切り離して登録を確保する手段です。
あります。商標法 8 条は「最先の出願人」だけを保護し、使用してきた期間は問いません。長年使った屋号でも、出願日で他人に負ければ登録はその人のものです。ただし救済はあり、一定の周知性があれば 4 条 1 項 10 号で相手の登録を阻止でき、先使用権(32 条)で使い続けられる場合もある。業界裏話ヒント:弁理士は「使っているから大丈夫」という相談者を最も警戒する。使用と登録は別物で、出願していない時点で時限爆弾を抱えている。名前で売れ始めたら、まず出願、が鉄則
先に出願・登録した人の承諾を得て、かつ互いの商品・役務に混同のおそれがなければ、似た商標でも併存登録できる制度です(8 条 1 項ただし書、令和 6 年 4 月施行)。ポイントは「承諾だけ」では足りず「混同のおそれがない」ことも要る点。業界裏話ヒント:海外の純粋なコンセント(承諾さえあれば OK)と違い、日本は混同防止の条件付き。承諾書を取っても審査官が混同を懸念すれば通らない。承諾交渉と同時に、使用地域や商品の住み分けを示す資料を固めておくのが実務のコツ
本当です。同日出願はまず当事者の協議で一人に絞り、協議が成立しないか期間内に届け出がないと、特許庁長官が公正な方法によるくじで順位を決めます(8 条 2 項、4 項、5 項)。業界裏話ヒント:くじを避けたいなら、協議の場で相互に承諾し合う 8 条 2 項ただし書の併存ルートに持ち込む手がある。運任せの抽選で全部失うより、双方が登録を取れる和解の方が合理的。だが多くの当事者はこのただし書の存在を知らずにくじへ進む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の決め手 | 商標法 8 条:出願日(先願) | — |
| 使用実績の要否 | 不要(出願日だけで決まる) | — |
| 得られる地位 | 登録を受ける権利(最先の出願人) | — |
| 併存の可否 | 承諾+非混同で併存可(コンセント制度) | — |
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