特許法第百三条(過失の推定)、第百四条の二(具体的態様の明示義務)、第百四条の三第一項及び第二項(特許権者等の権利行使の制限)、第百五条(書類の提出等)、第百五条の二の十二から第百五条の六まで(損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し及び訴訟記録の閲覧等の請求の通知等)並びに第百六条(信用回復の措置)の規定は、商標権又は専用使用権の侵害に準用する。
要点商標法39条は、過失の推定・書類提出命令・相当な損害額の認定・信用回復の措置など特許法の救済規定を、商標権侵害に準用する。これにより立証負担が侵害者側へ移る。
Q · 商標権を侵害されたら、相手の『知らなかった』に勝てるの?損害額はどう証明する?
過失は推定され、立証負担は相手に移る
商標法39条が準用する特許法103条により、侵害者の過失は推定されます。商標は商標公報で公示されているため、相手は『善意・無過失』を自ら立証しない限り賠償責任を免れません。損害額は、書類の提出命令(特許法105条準用)で相手の販売帳簿を引き出し、立証が困難な部分は相当な損害額の認定(特許法105条の3準用)で裁判所が定めます。金銭賠償に加え、信用回復の措置(特許法106条準用)として謝罪広告等も請求できます。
小さなブランドを立ち上げ、ロゴを商標登録した。ある日、そっくりな模倣品がネットで売られているのを見つける。訴えたい。だが頭をよぎるのは「相手が『知らなかった』と言い張ったら、こちらが故意・過失を立証しなきゃいけないのか」「損害額なんて、どう計算して証明する」という不安だ。商標法39条は、その不安をまとめて潰す条文である。条文自体は新しい義務を何も作らない。代わりに、特許権者が裁判で振るう強力な道具一式を、商標権・専用使用権の侵害にもそのまま使えるよう配線している。過失の推定(相手が「善意・無過失」を立証できなければ過失ありと扱われる)、書類提出命令、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復の措置。これらは特許法に散らばっているが、39条という一本のスイッチで、商標権者の手元へまとめて移される。この条文を知らない権利者は、武器庫の鍵を握ったまま、素手で殴り合っている。
商標法39条は準用規定であり、特許権侵害について整備された過失の推定、書類の提出命令、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復の措置等の救済規定を、商標権および専用使用権の侵害に適用する旨を定める。新たな実体的義務を創設せず、特許法上の手続的救済を商標の戦場へ配線する機能を担う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許法が定める救済規定(過失の推定、書類提出命令、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復の措置など)を、商標権・専用使用権の侵害に準用する規定です。
39条が準用する特許法103条により、侵害者には過失があったと推定されます。商標は公報で公示されるため、相手が無過失を立証しない限り賠償責任を免れません。
商標法38条の損害額推定を軸に、39条準用の書類提出命令で相手の帳簿を引き出し、立証困難な部分は相当な損害額の認定で裁判所が額を定めます。
39条が準用する特許法105条の制度で、侵害立証や損害計算に必要な書類の提出を裁判所が相手方に命じるものです。相手の販売帳簿の開示に使われます。
できます。39条が準用する信用回復の措置(特許法106条)により、金銭賠償に加えて謝罪広告の掲載など信用回復に必要な措置を裁判所が命じられます。
不法行為の消滅時効(民法724条)により、損害および加害者を知った時から3年、侵害行為時から20年です。継続的侵害では起算点が侵害ごとに動きます。
過失の推定が働くため『正規品だと思った』だけでは免責されません。どこまで確認したかを自分で立証できなければ賠償責任を負う側に回ります。
39条が準用する制度で、訴訟で開示された営業秘密の目的外利用や外部漏洩を罰則付きで禁じます。証拠開示しつつ取引情報を守るために併用します。
原則として逃げられません。39条が準用する過失の推定(特許法103条)により、無過失を証明する責任は相手側にあります。商標は公報で公示されているため『知らなかった』だけでは推定を覆せず、相手は調査を尽くした具体的事実を立証しなければなりません。業界裏話ヒント:弁護士は警告書の時点であえて『過失の推定が働く』と書き込みます。相手の代理人はこの一文で勝ち目の薄さを察し、和解交渉が一気に前に進むことが多い
できます。書類提出命令(特許法105条準用)で相手の販売帳簿を裁判所経由で引き出せますし、それでも額が固まらなければ相当な損害額の認定(特許法105条の3準用)で裁判所が相応の額を定めます。商標法38条の損害額推定と組み合わせて使うのが実務の定石です。業界裏話ヒント:相手が帳簿の提出を渋ったり一部しか出さない場合、その態度自体が裁判所の心証を悪くし、推定が権利者に有利に働きやすくなる。出し渋りは相手にとって逆効果になることが多い
本当です。39条が準用する信用回復の措置(特許法106条)により、損害賠償に加えて、業務上の信用を回復するために必要な措置(謝罪広告の掲載など)を裁判所が命じられます。金銭賠償だけでは回復しないブランド毀損を補う制度です。業界裏話ヒント:信用回復措置の請求は、金銭以上に相手企業にとって重い。広告費より『新聞や自社サイトに謝罪を載せる』こと自体を避けたいため、これを請求項目に入れるだけで和解の譲歩を引き出すカードになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 39条:特許法の救済手続を準用(過失推定・証拠開示・信用回復) | — |
| 効果 | 立証負担を相手へ移し、証拠を引き出し、信用回復まで請求可能にする | — |
| 主な使い所 | 相手が『知らなかった』と争う場面、損害額が見えない場面 | — |
| 時効・存続 | 準用先の救済は損害賠償(民法724条)に連動 | — |
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