商標法 第39条(特許法の準用)
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特許法第百三条(過失の推定)、第百四条の二(具体的態様の明示義務)、第百四条の三第一項及び第二項(特許権者等の権利行使の制限)、第百五条(書類の提出等)、第百五条の二の十二から第百五条の六まで(損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し及び訴訟記録の閲覧等の請求の通知等)並びに第百六条(信用回復の措置)の規定は、商標権又は専用使用権の侵害に準用する。
この条文の基本情報
特許法の準用とは何ですか?
定義特許法の準用とは、商標法第39条に定められた規定で、「特許法第百三条(過失の推定)、第百四条の二(具体的態様の明示義務)、第百四条の三第一項及び第二項(特許権者等の権利行使の制限)、第百五条(書類の提出等)、第百五…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第39条(特許法の準用)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第39条の条文原文は「特許法第百三条(過失の推定)、第百四条の二(具体的態様の明示義務)、第百四条の三第一項及び第二項(特許権者等の権利行使の制限)、第百五条(書類の提出等)、第百五…」で始まります。
- 商標法第39条は第二節 権利侵害に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第39条の前の条は商標法第38条の2です。
- 商標法第39条の次の条は商標法第40条です。
- 商標法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法39条は、過失の推定・書類提出命令・相当な損害額の認定・信用回復の措置など特許法の救済規定を、商標権侵害に準用する。これにより立証負担が侵害者側へ移る。
Q · 商標権を侵害されたら、相手の『知らなかった』に勝てるの?損害額はどう証明する?
過失は推定され、立証負担は相手に移る
商標法39条が準用する特許法103条により、侵害者の過失は推定されます。商標は商標公報で公示されているため、相手は『善意・無過失』を自ら立証しない限り賠償責任を免れません。損害額は、書類の提出命令(特許法105条準用)で相手の販売帳簿を引き出し、立証が困難な部分は相当な損害額の認定(特許法105条の3準用)で裁判所が定めます。金銭賠償に加え、信用回復の措置(特許法106条準用)として謝罪広告等も請求できます。
解説
小さなブランドを立ち上げ、ロゴを商標登録した。ある日、そっくりな模倣品がネットで売られているのを見つける。訴えたい。だが頭をよぎるのは「相手が『知らなかった』と言い張ったら、こちらが故意・過失を立証しなきゃいけないのか」「損害額なんて、どう計算して証明する」という不安だ。商標法39条は、その不安をまとめて潰す条文である。条文自体は新しい義務を何も作らない。代わりに、特許権者が裁判で振るう強力な道具一式を、商標権・専用使用権の侵害にもそのまま使えるよう配線している。過失の推定(相手が「善意・無過失」を立証できなければ過失ありと扱われる)、書類提出命令、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復の措置。これらは特許法に散らばっているが、39条という一本のスイッチで、商標権者の手元へまとめて移される。この条文を知らない権利者は、武器庫の鍵を握ったまま、素手で殴り合っている。
法的な位置づけ
商標法39条は準用規定であり、特許権侵害について整備された過失の推定、書類の提出命令、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復の措置等の救済規定を、商標権および専用使用権の侵害に適用する旨を定める。新たな実体的義務を創設せず、特許法上の手続的救済を商標の戦場へ配線する機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手に動く前に証拠を保全する 侵害を発見したら警告より先に証拠保全。販売ページのスクリーンショット・URL・購入記録・現物を確保する。先に通知すると在庫や帳簿が消される恐れがあるため、押さえる動きを優先する
- 2.警告書に過失の推定を明示する 内容証明郵便で登録番号と侵害事実を特定し、『商標法39条が準用する特許法103条の過失の推定により、貴社が善意かつ無過失であることを立証できない限り損害賠償責任を免れない』旨を明記する
- 3.提訴し書類提出命令で帳簿を引き出す 相手が応じなければ提訴。第一段として39条準用の書類提出命令(特許法105条)を申し立て、相手の販売帳簿を裁判所経由で引き出す。売上が数字で見えた瞬間、38条の損害額推定が具体化する
- 4.損害額を推定と認定で組み立てる 損害額は商標法38条の推定で構成し、立証が困難な部分は相当な損害額の認定(特許法105条の3準用)で補う。開示で営業秘密が出る場合は秘密保持命令を併用して守りながら攻める
- 5.信用回復の措置も請求項目に入れる ブランド毀損があれば、金銭賠償に加えて信用回復の措置(特許法106条準用)として謝罪広告等を請求する。相手企業は広告掲載自体を避けたいため、和解交渉の譲歩を引き出すカードになる
よくある質問 AI による整理
Q1商標法39条とは何ですか?
特許法が定める救済規定(過失の推定、書類提出命令、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復の措置など)を、商標権・専用使用権の侵害に準用する規定です。
Q2商標権侵害の過失の推定とは?
39条が準用する特許法103条により、侵害者には過失があったと推定されます。商標は公報で公示されるため、相手が無過失を立証しない限り賠償責任を免れません。
Q3商標権侵害の損害賠償はどう計算しますか?
商標法38条の損害額推定を軸に、39条準用の書類提出命令で相手の帳簿を引き出し、立証困難な部分は相当な損害額の認定で裁判所が額を定めます。
Q4書類の提出命令とは何ですか?
39条が準用する特許法105条の制度で、侵害立証や損害計算に必要な書類の提出を裁判所が相手方に命じるものです。相手の販売帳簿の開示に使われます。
Q5商標権侵害で謝罪広告は請求できますか?
できます。39条が準用する信用回復の措置(特許法106条)により、金銭賠償に加えて謝罪広告の掲載など信用回復に必要な措置を裁判所が命じられます。
Q6商標権侵害の損害賠償は時効何年ですか?
不法行為の消滅時効(民法724条)により、損害および加害者を知った時から3年、侵害行為時から20年です。継続的侵害では起算点が侵害ごとに動きます。
Q7メルカリで偽物を売った個人も賠償責任を負いますか?
過失の推定が働くため『正規品だと思った』だけでは免責されません。どこまで確認したかを自分で立証できなければ賠償責任を負う側に回ります。
Q8秘密保持命令とは何ですか?
39条が準用する制度で、訴訟で開示された営業秘密の目的外利用や外部漏洩を罰則付きで禁じます。証拠開示しつつ取引情報を守るために併用します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が『商標が登録されてるなんて知らなかった』と言ってます。これで賠償を逃げられるんですか?
原則として逃げられません。39条が準用する過失の推定(特許法103条)により、無過失を証明する責任は相手側にあります。商標は公報で公示されているため『知らなかった』だけでは推定を覆せず、相手は調査を尽くした具体的事実を立証しなければなりません。実務のポイント:弁護士は警告書の時点であえて『過失の推定が働く』と書き込みます。相手の代理人はこの一文で勝ち目の薄さを察し、和解交渉が一気に前に進むことが多い
Q2相手がいくら儲けたか分からないのに、損害額なんて証明できるんですか?
できます。書類提出命令(特許法105条準用)で相手の販売帳簿を裁判所経由で引き出せますし、それでも額が固まらなければ相当な損害額の認定(特許法105条の3準用)で裁判所が相応の額を定めます。商標法38条の損害額推定と組み合わせて使うのが実務の定石です。実務のポイント:相手が帳簿の提出を渋ったり一部しか出さない場合、その態度自体が裁判所の心証を悪くし、推定が権利者に有利に働きやすくなる。出し渋りは相手にとって逆効果になることが多い
Q3謝罪広告まで出させられるって本当ですか?お金だけの問題じゃないんですか?
本当です。39条が準用する信用回復の措置(特許法106条)により、損害賠償に加えて、業務上の信用を回復するために必要な措置(謝罪広告の掲載など)を裁判所が命じられます。金銭賠償だけでは回復しないブランド毀損を補う制度です。実務のポイント:信用回復措置の請求は、金銭以上に相手企業にとって重い。広告費より『新聞や自社サイトに謝罪を載せる』こと自体を避けたいため、これを請求項目に入れるだけで和解の譲歩を引き出すカードになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「商標権を侵害されたら、相手の故意や落ち度を自分が証明しないと賠償は取れない」と思い込んでいる人が多い。実際は逆で、39条が準用する過失の推定により、立証すべきなのは相手の側。あなたは『似た標章を無断で使われた』事実を示せばよく、『過失がなかった』証明責任は相手に回る。この一点を知っているかどうかで、訴訟の重さの体感がまるで違う
- 「損害額をきっちり証明できなければ一円も取れない」という誤解。準用される相当な損害額の認定により、立証が極めて困難なときでも裁判所が相応の額を定められる。問題は『損害があったかどうか』ではなく『どの道具で額を組み立てるか』に移っている
- 「証拠開示や鑑定を申し立てると、こちらの取引情報まで相手や世間に筒抜けになる」と恐れて道具を使わない権利者がいる。準用される秘密保持命令を併せて使えば、開示された営業秘密の目的外利用や外部漏洩を罰則付きで封じられる。怖いから使わない、ではなく、守りながら攻める設計になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 39条:特許法の救済手続を準用(過失推定・証拠開示・信用回復) | 38条:損害の額の推定等(賠償額の組み立て) 36条:差止請求権(侵害行為の停止・予防) |
| 効果 | 立証負担を相手へ移し、証拠を引き出し、信用回復まで請求可能にする | 実損の立証が困難でも賠償額を推定で算定できる 金銭ではなく侵害そのものの停止・除去を命じる |
| 主な使い所 | 相手が『知らなかった』と争う場面、損害額が見えない場面 | 損害賠償請求で具体的な金額を立てる場面 模倣品の製造・販売を即座に止めたい場面 |
| 時効・存続 | 準用先の救済は損害賠償(民法724条)に連動 | 損害賠償(民法724条)の時効に服する 侵害が続く限り時効になじまない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も侵害排除請求と損害賠償を定め、損害額の計算方法を法定する点で日本と共通。日本のIPエンフォースメント設計の影響を受ける
韓国は損害賠償と損害額の推定を明文化。立証軽減の枠組みは日本と類似する
ドイツは商標侵害の損害賠償を定め、EUエンフォースメント指令(2004/48/EC)に基づき証拠収集・損害算定を整備
米国は侵害者の利益吐き出し、実損害、場合により三倍賠償や弁護士費用を認め、救済の構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたのブランドロゴそっくりの偽物が大量に出回り、相手が『他社が作った在庫を仕入れて売っただけ、商標登録なんて知らなかった』と開き直ったら、どうなるか。39条が準用する過失の推定(特許法103条)が働き、立証の矢印はあなたではなく相手に向く。相手が無過失を証明できない限り、賠償責任からは逃げられない
- あなたが模倣品の被疑者側についた場合。仕入れ先から『正規品だ』と言われて信じて転売していた。それでも過失の推定を覆すには、登録商標の調査をどこまでしたか、仕入れ先の素性をどう確認したかを、あなた側が積み上げて証明しなければならない。『知らなかった』の一言では崩せない
- 相手の売上が見えず損害額が立証できない。書類提出命令(特許法105条準用)で相手の販売帳簿を引き出し、それでも数字が固まらなければ、裁判所が相当な損害額を認定する(特許法105条の3準用)。立証できないから泣き寝入り、という結末は法が塞いでいる
- あと数日で警告書を送るか迷っている。証拠保全をせずに相手に通知すれば、在庫も帳簿も消される恐れがある。証拠を押さえる動きと警告のタイミング、その順番を一晩で決めないと、後から書類提出命令を出しても出てくるものが残っていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侵害を発見したら、相手に動く前に証拠保全。販売ページのスクショ・URL・購入記録・現物を確保する2. 警告書(内容証明)で登録番号と侵害事実を特定し、39条準用の過失推定を明示3. 相手が応じなければ提訴。第一段として書類提出命令を申し立て、相手の売上帳簿を引き出す4. 損害額は38条の推定で組み立て、立証が困難な部分は相当な損害額の認定(特許法105条の3準用)で補う5. 開示で営業秘密が出るなら秘密保持命令を併用、信用毀損があれば信用回復措置(謝罪広告等、特許法106条準用)も請求する
訴えられた側:1. まず登録商標と自社標章の類否、指定商品・役務の同一類似を冷静に検証。非類似なら侵害自体を争う2. 過失の推定は働くため、『無過失』を積極的に立証する材料を集める。仕入れ先の説明書面、正規品との確認記録、商標調査の有無3. 損害額が過大なら、相手の主張する売上・利益率・寄与度を精査して反論4. 早期に販売停止すれば損害の拡大を止められ、和解で大きく減額できる。争うコストと負けたときの賠償を最初に試算する
時効(請求できる期限):損害賠償請求権は不法行為の消滅時効(民法724条)に服し、損害および加害者を知った時から3年、侵害行為時から20年。継続的侵害では日々新たな侵害が発生するため起算点は侵害ごとに動く。差止請求(商標法36条)は侵害が続く限り時効になじまない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:39条は実体的義務を新設せず、特許権侵害について整備された手続的救済を商標権・専用使用権の侵害に配線する準用規定と解される。準用条文は特許法側の改正に追随して変動するため、適用時には現行の準用範囲の確認を要する。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)特許法改正の波及 特許法の損害賠償・証拠収集規定の拡充(書類提出命令の強化、相当な損害額の認定など)に伴い、これを準用する本条の参照範囲も整理された。準用条文リストは特許法側の改正に追随して複数回変動しており、正確な改正回数と各年の文言は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行商標法の制定に伴い、特許法の侵害救済規定を準用する条として整備された
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