商標法 第25条(商標権の効力)
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商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
この条文の基本情報
商標権の効力とは何ですか?
定義商標権の効力とは、商標法第25条に定められた規定で、「商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第25条(商標権の効力)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第25条の条文原文は「商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使…」で始まります。
- 商標法第25条は第一節 商標権に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第25条の前の条は商標法第24条の4です。
- 商標法第25条の次の条は商標法第26条です。
- 商標法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法25条は、商標権者が指定商品・役務について登録商標を専有的に使用できると定める。ただし専用使用権を設定した範囲では、商標権者本人も登録商標を使用できなくなる。
Q · ロゴを商標登録したら、そのブランドは完全に自分のものになるの?
原則は独占できるが、専用使用権を渡すと自分も使えない
商標法25条により、商標権者は指定商品・役務について登録商標を使用する権利を専有します。ただし専有できるのは「登録した商標そのもの」を「指定した商品・役務」に使う権利だけで、似たマークや指定外の商品には及びません(類似範囲は37条の禁止権)。さらに専用使用権(30条)を設定すると、その範囲では専用使用権者だけが専有し、商標権者本人すら使用できなくなります。「持っている」ことと「使える」ことは法的に別物です。
解説
あなたが立ち上げたカフェのロゴを特許庁に登録した。これで「自分のブランドを完全に独占できる」と思うだろう。だが商標法25条が保障する権利には、はっきりした輪郭がある。専有できるのは「登録した商標そのもの」を「指定した商品・役務」に使う権利だけだ。少し字体を変えた他社のロゴや、登録していない業種での使用は、25条の専有権では直接カバーされない。さらに見落とされがちなのが、ただし書きだ。あなたが誰かに専用使用権(独占的なライセンス)を与えた瞬間、その範囲ではあなた自身でさえ登録商標を使う権利を失う。名義はあなたのままなのに、使えるのはライセンシーだけ。ブランドを「持っている」ことと「使える」ことは、法的には別物である。
法的な位置づけ
商標法25条は商標権の効力を定める規定であり、商標権者は指定商品または指定役務について登録商標を使用する権利を専有する。ただし専用使用権が設定された範囲では、専用使用権者のみがその権利を専有し、商標権者本人の使用も排除される。専有の対象は登録商標そのものと指定した商品・役務に限定され、類似範囲の保護は別途禁止権が担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.ライセンス契約前に専用使用権か通常使用権かを決める 他社にブランド使用を許諾する前に、専用使用権(30条)か通常使用権(31条)かを決定する。専用使用権にすると自社も使えなくなるため、自社使用を続けたい場合は通常使用権または独占的通常使用権を選ぶ
- 2.自己使用の留保を契約に明記する 専用使用権を設定する場合でも、契約書に「商標権者の自己使用を留保する」一文を入れる。これを欠くと自社製品に自分のロゴを刷れなくなる
- 3.侵害を発見したら同一か類似かを切り分ける 他社の使用が登録商標と同一かつ指定商品も同じなら25条の専有権の直接侵害、類似どまりなら37条で構成する。どちらで攻めるかで立証のハードルと警告書の説得力が変わる
- 4.内容証明で警告し、差止め・損害賠償を検討する いきなり提訴せず、まず内容証明郵便で使用中止と在庫処分の協議を求める。応じない場合は36条の差止請求と38条の損害額推定規定を用いた損害賠償請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1商標権の効力とは?
商標法25条が定める、指定商品・役務について登録商標を独占的に使用できる権利のことです。この専有権の範囲外(似たマークや指定外商品)は37条の禁止権が補完します。
Q2専有権と禁止権の違いは何ですか?
専有権(25条)は登録商標そのものを使う独占権、禁止権(37条)は類似商標の使用を止める権利です。同一は25条、類似は37条と根拠が分かれます。
Q3指定商品以外の商品にも商標権は及びますか?
原則として及びません。専有権は登録時に指定した商品・役務の範囲に限られます。指定外の商品での他社使用は、25条だけでは直接止められません。
Q4専用使用権と通常使用権の違いは?
専用使用権(30条)は範囲内で独占を与え商標権者本人も使えなくなる強い権利、通常使用権(31条)は使用を許諾するだけで独占性はなく本人も使い続けられます。
Q5真正商品の並行輸入は商標権侵害になりますか?
真正品の並行輸入は原則として商標権侵害になりません。ただし箱を開けて小分け・詰め替えして売ると、商標的使用として25条の専有権を侵すと判断される余地があります。
Q6商標権の存続期間は何年ですか?
設定登録の日から10年です(商標法19条)。更新登録によって10年ごとに何度でも更新でき、更新を続ける限り専有権は存続します(最新の更新状況をご確認ください)。
Q7商標登録を更新しないとどうなりますか?
存続期間満了で商標権が消滅し、25条の専有権そのものが失われます。第三者が同じ商標を登録・使用できる状態になります。
Q8商標的使用とは何ですか?
自他商品を識別する出所表示として商標を使う行為です。単なる説明的表示や装飾的使用は商標的使用にあたらず、25条の専有権は及びません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1商標登録したら、似た名前を使ってる会社を全部訴えられますか?
25条が独占させるのは「登録した商標そのもの」を「指定した商品・役務」に使う権利です。似た名前を止める力は37条(侵害とみなす行為)の禁止権から来ます。つまり「同一」は25条、「類似」は37条、と根拠が分かれます。実務のポイント:弁護士は侵害警告を書くとき、まず相手の使用が同一か類似かを区分し、どちらの条文で攻めるかで立証のハードルを変えます。類似主張は「需要者が混同するか」の判断が入り、同一より格段に難しい。素人が25条だけで「類似品も全部アウト」と書いた警告書は、相手の弁護士に一蹴される
Q2ブランドのライセンスを出すと、自分でもそのロゴを使えなくなるって本当ですか?
専用使用権(30条)を設定すると、その範囲では専用使用権者だけが専有し、商標権者本人すら使えなくなります(25条ただし書き)。自分も使い続けたいなら、契約で「自己使用の留保」を明記するか、通常使用権(31条)にとどめる必要があります。実務のポイント:専用使用権は特許庁への設定登録で効力が生じます。実務では本当に相手だけに独占させたい場面は限られるので、多くのプロは安易に専用使用権にせず、契約上だけ独占させる『独占的通常使用権』で設計します。この使い分けを知らないと、自分の首を絞める
Q310年前から使ってる屋号を、最近他人に商標登録されました。もう使えませんか?
原則として登録した人に25条の専有権がありますが、あなたが他人の出願前から不正の目的なくその商標を使い、需要者に広く認識されていれば、先使用権(32条)で継続使用できる余地があります。実務のポイント:先使用権は「自分の地域・範囲で周知だった」ことの立証が壁で、認められる範囲も当時の使用範囲に限定されがち。だから老舗ほど『使っているから大丈夫』と油断せず、早めに自分で登録しておくのが鉄則。登録費用は数万円、後から先使用権を裁判で争う費用とは桁が違う(最新の費用はご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「商標登録すれば似たマークも全部排除できる」と思われがちだが、25条が専有させるのは登録商標そのものの使用だけ。似ているマークを止める力は37条の禁止権という別の条文から来る。25条だけを根拠に「類似品も自分のもの」と主張すると、土台が抜ける
- 専用使用権を設定すると自分が使えなくなることに、契約書を読んで気づく人もいる。だがその深刻度を見落としている。設定登録(30条)をすると、商標権者本人の使用すら契約違反・差止めの対象になりうる。ライセンス契約に「自己使用の留保」を一行入れ忘れただけで、自社製品にロゴを刷れなくなる
- あなたから見れば「ずっと使ってきた自分の屋号」。だが法律から見れば、先に登録した他人がいれば専有権はその人のもの。長年の使用実績があっても、25条の専有権の前では原則無力だ(救済は32条の先使用権という狭い抜け道のみ)。この落差が、老舗を一夜で商標トラブルに突き落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護する範囲 | 25条:登録商標そのもの × 指定商品・役務(同一範囲) | 37条:類似の商標・類似の商品(禁止権) 30条:専用使用権を設定した範囲(独占ライセンス) |
| 権利の性質 | 専有権(自ら使う独占権) | 禁止権(他人の使用を止める権利) 独占的使用権(商標権者本人も排除) |
| 発動要件 | 登録商標と同一 + 指定商品・役務と同一 | 需要者が混同するおそれ(類似性の判断) 特許庁への設定登録 |
| 本人使用への影響 | 原則として本人が独占使用できる | 本人使用には影響しない 設定範囲では本人も使用できなくなる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も登録による商標権者の専用権を定め、指定した商品・役務の範囲に限定する点で日本と同様。専用授権(専用使用権に相当)の制度もある
韓国も商標権者が指定商品について登録商標を使用する権利を独占すると定める。専用使用権の制度も日本と類似する
ドイツは商標権者に排他的権利を与え、同一・類似の標章使用の差止めを認める。日本のように専有権(25条)と禁止権(37条)を条文上分けず一体的に規定する
米国は連邦登録商標の侵害に対する救済を規定。混同のおそれ(likelihood of confusion)を侵害判断の中心に据え、専有権と禁止権を区別しない構成
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの店名と似たカフェが隣町にできた。だが相手のロゴは微妙に違い、しかもあなたの登録は「飲食物の提供」だけで、相手が売っている焼き菓子(指定商品外)には及ばない。25条の専有権だけでは止められない。類似の範囲を叩くには37条(侵害とみなす行為)を組み合わせる必要がある。立証の入口がどちらかで、警告書の説得力がまるで変わる
- もし、あなたが大手企業に自社ブランドの専用使用権を5年契約で与えたら? その瞬間、契約範囲内ではあなた自身が自分のロゴを商品に使えなくなる。「自分の商標なのに使えない」という事態が、ただし書き一文から生まれる
- あなたが新サービス名を考えてリリースした直後、見知らぬ会社から警告書が届く。「うちの登録商標だ」と。だが相手の指定役務とあなたの事業が本当に重なるか、まず確認すべきだ
- あと10日で展示会。新ブランドのパッケージを大量印刷する直前に、同じ名前の登録商標が見つかった。25条の専有権が相手にある以上、強行すれば差止めと損害賠償のリスク。印刷を止めるか、急いで使用許諾交渉に入るか、今夜決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の使用が「あなたの登録商標と同一」か「類似どまり」かを切り分ける。同一かつ指定商品も同じなら25条の専有権の直接侵害、類似どまりなら37条で構成する2. 使用の証拠(写真・URL・販売記録)を日付入りで保全3. いきなり提訴せず、まず内容証明の警告書で使用中止と在庫処分の協議を求める4. 損害は38条の推定規定で計算、ライセンス料相当額が最低ライン。差止めは36条で請求する
訴えられた側:1. まず相手の登録番号を J-PlatPat で確認し、本当に有効か(更新切れ・不使用取消の余地)を調べる2. 相手の指定商品・役務と自分の使用が同一・類似か精査、ずれていれば専有権は及ばない3. 自分が相手より前から使っていたなら先使用権(32条)を主張できる余地4. 勝ち目が薄ければ、名称変更コストと使用許諾料を天秤にかけ早期に交渉。強行は損害賠償を膨らませる
時効(請求できる期限):商標権侵害に基づく差止請求に時効はない(侵害が続く限り請求可能)。損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年で消滅(民法724条)。商標権の存続期間は設定登録から10年、更新可能(商標法19条)。更新を忘れると専有権そのものが消える(最新の更新状況をご確認ください)
学説
通説:25条の専有権が及ぶのは登録商標そのものと指定商品・役務に限られ、類似範囲の保護は37条のみなし侵害規定が担うとする二段構えの理解が確立している。商標保護の本質は標章が果たす出所表示機能・品質保証機能の保護にあると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治17年(1884年) 新設:商標条例を公布し、日本最初の商標登録制度を創設。登録による独占的保護の原型が成立
- 2.昭和34年(1959年) 改正:現行商標法を全部改正し、旧商標法(大正10年)を全面的に刷新。登録商標の専有権を25条として規定し、専用使用権設定時の例外(ただし書き)を明文化
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