要点商標法 30 条は商標権者が専用使用権を設定できると定める。専用使用権者は設定範囲で登録商標を独占使用でき、効力発生には特許庁への設定登録を要する。
Q · 「独占ライセンス契約」にサインすれば、専用使用権を持っていることになりますか?
いいえ、特許庁への設定登録がなければ効力は生じません
商標法 30 条の専用使用権は、契約だけでは発生しません。4 項が準用する特許法 98 条 1 項 2 号により、特許庁への設定登録が効力発生要件です。登録のない『独占契約』は、独占的通常使用権か当事者間の債権的合意にとどまり、第三者には対抗できません。登録された専用使用権なら、設定範囲では商標権者本人すら使えず、使用権者は自分の名前で侵害者を差し止められます(36 条準用)。
あなたが人気ブランドの「独占ライセンス」を勝ち取り、契約書にも独占的に使用できると明記された。それで安心、とは限らない。商標法 30 条が定める専用使用権は、当事者が合意しただけでは発生しない。特許庁への設定登録(30 条 4 項が準用する特許法 98 条 1 項 2 号)があって初めて効力を持つ。登録のない「独占契約」は、法的には通常使用権(31 条)か、当事者間だけの債権的合意にとどまる。専用使用権が本物として成立すれば、その範囲では商標権者本人ですら使えなくなり(2 項)、あなたは侵害者を自分の名前で直接差し止められる(36 条準用)。逆に登録を怠れば、模倣品が出ても「商標権者に頼んで動いてもらう」しかない。契約書の一文と、特許庁の登録原簿の一行、その差が独占の強さを丸ごと決める。
商標法 30 条にいう専用使用権とは、商標権者の設定行為により、指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用しうる権利をいう。設定範囲では商標権者自身も使用できず、その効力発生には特許庁への設定登録を要する。通常使用権(31 条)と異なり独占性と差止権限を備える。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許庁です。専用使用権は特許庁への設定登録が効力発生要件であり(30 条 4 項、特許法 98 条準用)、登録により独占範囲が商標登録原簿で公示されます。
できます。専用使用権者は自己の名で差止請求(36 条準用)と損害賠償請求(38 条準用)が可能で、商標権者の協力を待つ必要はありません。
設定範囲内では使えなくなります。専用使用権者がその範囲の使用を専有するため(2 項)、商標権者本人も同じ範囲では使用できなくなります。
できます。30 条 4 項が特許法 77 条 4 項・5 項を準用するため、専用使用権を目的とする質権の設定が認められます。登録が対抗要件です。
できません。30 条 1 項ただし書により、地域団体商標に係る商標権については専用使用権を設定できません。地域ブランドは団体に帰属させる趣旨です。
設定行為で指定商品・役務、地域、期間などを定めます。専用使用権者が独占できるのはこの設定範囲内に限られ、範囲外の使用は保護されません。
特許庁の商標登録原簿を確認します。登録事項証明書を取得すれば、専用使用権の設定の有無・範囲・期間を客観的に確認できます。
専用使用権の範囲内では、商標権者は新たな通常使用権を許諾できなくなります。専用使用権者の独占を侵さない範囲でのみ許諾が可能です。
専用使用権(30 条)は設定範囲で独占的で、商標権者本人すら使えなくなり、使用権者が自分の名前で侵害者を差し止められる。通常使用権(31 条)は単に「使ってよい」という許可で、独占性も差止権もないのが原則。業界裏話ヒント:専用使用権は特許庁への登録が効力発生要件(98 条準用)で、登録すると独占範囲が公示され、商標権者は他社へ二重ライセンスできなくなる。だから商標権者はあえて専用使用権を嫌い、契約書では『独占』と書きつつ実体は通常使用権、という曖昧な状態に留めたがる
なりません。専用使用権は特許庁への設定登録があって初めて効力を生じます(30 条 4 項、特許法 98 条 1 項 2 号準用)。登録のない『独占契約』は当事者間の債権的合意にとどまり、第三者には対抗できません。業界裏話ヒント:実務では『独占的通常使用権』という中間形態が多用される。登録不要で柔軟だが、第三者が無断使用しても使用権者自身は差止できず、商標権者に動いてもらうしかない。本当に独占を守りたいなら、登録された専用使用権まで踏み込む必要がある
登録済みなら安全側です。専用使用権は登録により第三者に対抗でき、商標権が移転・差押えされても存続します(98 条 2 項準用)。未登録なら新たな権利者に対抗できず、独占は崩れます。業界裏話ヒント:フランチャイズや長期ライセンスでは本部の信用不安が現実的リスク。契約時に専用使用権を登録しておけば、本部が倒れても看板を守れる。登録費用を惜しんで通常使用権で済ませた加盟店が、本部倒産で看板を使えなくなった例は珍しくない
原則として自由には譲れません。専用使用権の移転は、商標権者の承諾を得た場合と、相続その他の一般承継の場合に限られます(30 条 3 項)。無断譲渡は効力を生じません。業界裏話ヒント:事業売却(M&A)で専用使用権ごと譲りたい場合、商標権者の事前承諾を取引条件に組み込んでおかないと、いざ売却時に拒否され、肝心のブランドを使えない事業を売る羽目になる。デューデリジェンスでは専用使用権の譲渡制限を必ず確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 独占性 | 30 条 専用使用権:設定範囲で独占、商標権者本人も排除 | — |
| 効力発生・対抗要件 | 特許庁への設定登録が効力発生要件(98 条準用) | — |
| 差止請求権 | 自己の名で差止可(36 条準用) | — |
| 移転 | 商標権者の承諾または一般承継に限る(3 項) | — |
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