商標法 第30条(専用使用権)
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- 商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができる。ただし、第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権及び地域団体商標に係る商標権については、この限りでない。
- 2.専用使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。
- 3.専用使用権は、商標権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
- 4.特許法第七十七条第四項及び第五項(質権の設定等)、第九十七条第二項(放棄)並びに第九十八条第一項第二号及び第二項(登録の効果)の規定は、専用使用権に準用する。
この条文の基本情報
専用使用権とは何ですか?
定義専用使用権とは、商標法第30条に定められた規定で、「商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができる。ただし、第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権及び地域団体商標に係る商標権については、こ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第30条(専用使用権)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第30条の条文原文は「商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができる。ただし、第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権及び地域団体商標に係る商標権については、こ…」で始まります。
- 商標法第30条は第一節 商標権に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第30条の前の条は商標法第29条です。
- 商標法第30条の次の条は商標法第31条です。
- 商標法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第30条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法30条は商標権者が専用使用権を設定できると定める。専用使用権者は設定範囲で登録商標を独占使用でき、効力発生には特許庁への設定登録を要する。
Q · 「独占ライセンス契約」にサインすれば、専用使用権を持っていることになりますか?
いいえ、特許庁への設定登録がなければ効力は生じません
商標法30条の専用使用権は、契約だけでは発生しません。4項が準用する特許法98条1項2号により、特許庁への設定登録が効力発生要件です。登録のない『独占契約』は、独占的通常使用権か当事者間の債権的合意にとどまり、第三者には対抗できません。登録された専用使用権なら、設定範囲では商標権者本人すら使えず、使用権者は自分の名前で侵害者を差し止められます(36条準用)。
解説
あなたが人気ブランドの「独占ライセンス」を勝ち取り、契約書にも独占的に使用できると明記された。それで安心、とは限らない。商標法30条が定める専用使用権は、当事者が合意しただけでは発生しない。特許庁への設定登録(30条4項が準用する特許法98条1項2号)があって初めて効力を持つ。登録のない「独占契約」は、法的には通常使用権(31条)か、当事者間だけの債権的合意にとどまる。専用使用権が本物として成立すれば、その範囲では商標権者本人ですら使えなくなり(2項)、あなたは侵害者を自分の名前で直接差し止められる(36条準用)。逆に登録を怠れば、模倣品が出ても「商標権者に頼んで動いてもらう」しかない。契約書の一文と、特許庁の登録原簿の一行、その差が独占の強さを丸ごと決める。
法的な位置づけ
商標法30条にいう専用使用権とは、商標権者の設定行為により、指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用しうる権利をいう。設定範囲では商標権者自身も使用できず、その効力発生には特許庁への設定登録を要する。通常使用権(31条)と異なり独占性と差止権限を備える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.独占ライセンス交渉時に設定登録を相手の義務として明記 契約交渉のテーブルで、専用使用権の設定登録手続への協力を商標権者の義務として契約書に書き込む。締結後に頼む立場になると費用や手間を盾に渋られるため、交渉時が唯一の好機
- 2.設定範囲(指定商品・役務・地域・期間)を明確化 専用使用権者が独占できるのは設定行為で定めた範囲に限られる。指定商品・役務、対象地域、有効期間を曖昧にせず特定し、後の紛争で範囲外と判断されないようにする
- 3.特許庁へ専用使用権の設定登録を申請 30条4項が準用する特許法98条1項2号により、設定登録が効力発生要件。特許庁に専用使用権設定登録申請書を提出し、所定の登録免許税を納付する(税額は特許庁の最新案内を確認)
- 4.商標登録原簿で設定登録完了を確認 登録完了後、商標登録原簿(登録事項証明書)を取得し、専用使用権の設定が範囲・期間どおりに登録されているかを確認する。ここで初めて独占権が法的に確立する
- 5.侵害発生時は自己の名で差止・損害賠償を請求 模倣品や無断使用が現れたら、専用使用権者自身が差止請求(36条準用)と損害賠償請求(38条準用)を行う。商標権者の協力を待たず、まず警告書を送付し、応じなければ訴訟提起
よくある質問 AI による整理
Q1専用使用権の設定登録はどこで行いますか?
特許庁です。専用使用権は特許庁への設定登録が効力発生要件であり(30条4項、特許法98条準用)、登録により独占範囲が商標登録原簿で公示されます。
Q2専用使用権者は侵害者を自分で訴えられますか?
できます。専用使用権者は自己の名で差止請求(36条準用)と損害賠償請求(38条準用)が可能で、商標権者の協力を待つ必要はありません。
Q3専用使用権を設定すると商標権者は使えなくなりますか?
設定範囲内では使えなくなります。専用使用権者がその範囲の使用を専有するため(2項)、商標権者本人も同じ範囲では使用できなくなります。
Q4専用使用権に質権を設定できますか?
できます。30条4項が特許法77条4項・5項を準用するため、専用使用権を目的とする質権の設定が認められます。登録が対抗要件です。
Q5地域団体商標に専用使用権は設定できますか?
できません。30条1項ただし書により、地域団体商標に係る商標権については専用使用権を設定できません。地域ブランドは団体に帰属させる趣旨です。
Q6専用使用権の設定範囲には何を定めますか?
設定行為で指定商品・役務、地域、期間などを定めます。専用使用権者が独占できるのはこの設定範囲内に限られ、範囲外の使用は保護されません。
Q7専用使用権が登録されているか確認する方法は?
特許庁の商標登録原簿を確認します。登録事項証明書を取得すれば、専用使用権の設定の有無・範囲・期間を客観的に確認できます。
Q8専用使用権が設定されると通常使用権はどうなりますか?
専用使用権の範囲内では、商標権者は新たな通常使用権を許諾できなくなります。専用使用権者の独占を侵さない範囲でのみ許諾が可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通常使用権と専用使用権って、何がそんなに違うんですか?
専用使用権(30条)は設定範囲で独占的で、商標権者本人すら使えなくなり、使用権者が自分の名前で侵害者を差し止められる。通常使用権(31条)は単に「使ってよい」という許可で、独占性も差止権もないのが原則。実務のポイント:専用使用権は特許庁への登録が効力発生要件(98条準用)で、登録すると独占範囲が公示され、商標権者は他社へ二重ライセンスできなくなる。だから商標権者はあえて専用使用権を嫌い、契約書では『独占』と書きつつ実体は通常使用権、という曖昧な状態に留めたがる
Q2契約書に『独占的ライセンス』と書けば、それで専用使用権になりますよね?
なりません。専用使用権は特許庁への設定登録があって初めて効力を生じます(30条4項、特許法98条1項2号準用)。登録のない『独占契約』は当事者間の債権的合意にとどまり、第三者には対抗できません。実務のポイント:実務では『独占的通常使用権』という中間形態が多用される。登録不要で柔軟だが、第三者が無断使用しても使用権者自身は差止できず、商標権者に動いてもらうしかない。本当に独占を守りたいなら、登録された専用使用権まで踏み込む必要がある
Q3専用使用権を持っていれば、商標権者が倒産しても安全ですか?
登録済みなら安全側です。専用使用権は登録により第三者に対抗でき、商標権が移転・差押えされても存続します(98条2項準用)。未登録なら新たな権利者に対抗できず、独占は崩れます。実務のポイント:フランチャイズや長期ライセンスでは本部の信用不安が現実的リスク。契約時に専用使用権を登録しておけば、本部が倒れても看板を守れる。登録費用を惜しんで通常使用権で済ませた加盟店が、本部倒産で看板を使えなくなった例は珍しくない
Q4専用使用権って、もらった後に他人へ譲れますか?
原則として自由には譲れません。専用使用権の移転は、商標権者の承諾を得た場合と、相続その他の一般承継の場合に限られます(30条3項)。無断譲渡は効力を生じません。実務のポイント:事業売却(M&A)で専用使用権ごと譲りたい場合、商標権者の事前承諾を取引条件に組み込んでおかないと、いざ売却時に拒否され、肝心のブランドを使えない事業を売る羽目になる。デューデリジェンスでは専用使用権の譲渡制限を必ず確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「独占ライセンス契約にサインした=専用使用権を持っている」と思い込みがちだが、専用使用権は特許庁への設定登録(30条4項が準用する特許法98条1項2号)で初めて効力を生じる。契約だけでは、強い独占権ではなく弱い通常使用権か債権的合意にすぎない
- 専用使用権が「強い」ことは知っていても、その強さが自分にも刃を向ける点を見落としている。設定すれば商標権者本人すら設定範囲で使えなくなる(2項)。許諾する側は、独占を与えると同時に自分の使用の自由を手放している。強さの深刻度を読み違えると、自分の事業の首を絞める
- 「ライセンスを受けたのだから、侵害者には商標権者が対応してくれる」と考える人が多いが、専用使用権者であるあなた自身が、自分の名前で差止(36条準用)と損害賠償(38条準用)を請求できる。前提が「商標権者を待つ」から「自分で前線に立つ」へ変わる。この落差を知らない側だけが、いつまでも他人の腰の重さに振り回される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 独占性 | 30条 専用使用権:設定範囲で独占、商標権者本人も排除 | 31条 通常使用権:非独占、併存的に許諾可 25条 商標権の効力:商標権者が本来的に専有 |
| 効力発生・対抗要件 | 特許庁への設定登録が効力発生要件(98条準用) | 許諾だけで発生、登録は第三者対抗要件にとどまる 商標権の設定登録により発生 |
| 差止請求権 | 自己の名で差止可(36条準用) | 原則として差止権限なし、商標権者に依拠 商標権者として差止可 |
| 移転 | 商標権者の承諾または一般承継に限る(3項) | 商標権者の承諾を得て移転可 原則自由に譲渡可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は商標授権を専属授権と非専属授権に区分し、専属授権は被授権者が独占的に使用できる点で日本の専用使用権に近い。登録(登記)が第三者対抗要件とされる
韓国の전용사용권は設定登録を効力発生要件とする点で日本とほぼ同型。設定範囲で独占し、侵害者に対する差止・損害賠償が可能
ドイツは商標ライセンスを ausschließliche Lizenz(独占)と einfache Lizenz(非独占)に区分。独占的ライセンシーは原則として侵害訴訟を提起でき、登録は対抗の場面で機能する
米国では exclusive licensee が侵害訴訟の原告適格を持ちうるかは契約上の権利範囲と判例に依存。登録制度より契約内容と品質管理(quality control)が重視される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが地方の食品メーカーと独占販売契約を結び、相手のブランドで全国展開を始めた。半年後、別の業者が同じブランドで類似商品を出してきたら、あなたは止められるか。契約書に独占と書いてあっても、専用使用権を登録していなければ、あなた自身の差止請求は通らない。登録の有無を今すぐ確認すべきだ
- 人気キャラクターの専用使用権を得てグッズを製造。ところが商標権者側が別の会社にも同じ商品区分で使わせていた。専用使用権が登録済みなら、後から許諾を受けた相手の使用を排除できる。登録の先後が、誰が市場に残るかを決める
- あなたがブランドオーナーで、ある会社に専用使用権を設定した。その後「やっぱり自分でも売りたい」と思っても、設定範囲では自分が使えば、自分が設定した専用使用権を侵すことになる。許諾する側は、独占を与えると同時に自分の手足を縛る
- フランチャイズ本部が倒産。あなたの専用使用権は守られるか。登録済みなら、商標権が第三者に移っても対抗できる。未登録なら、新オーナーに「使うな」と言われて看板を失う
- もし買収先企業の主力ブランドが、実は他社へ専用使用権を設定済みだったら? 登録原簿を見れば一目で分かる。これを見落としてブランドごと買ったつもりが、肝心の独占使用権は他人の手にあった、という事故が現実に起きる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず特許庁の登録原簿で、自分の専用使用権が実際に設定登録されているかを確認。未登録なら最優先で登録手続を進める(30条4項準用の特許法98条) 2. 登録済みなら、侵害者に対し自分の名前で差止(36条準用)と損害賠償(38条準用)が可能、まず警告書を送付3. 商標権者が非協力でも、専用使用権者は単独で訴訟提起できる4. 設定行為で定めた範囲(指定商品・役務・地域・期間)どおりかも確認、範囲外の使用は守られない
訴えられた側:1. 商標権者なら、専用使用権を設定すると、その範囲で自分の使用の自由を失う点を理解、設定範囲を必要最小限に絞る交渉を2. 「専用使用権を侵害した」と警告された側なら、相手の専用使用権が実際に登録されているか、設定範囲に自分の行為が含まれるかを反論材料にする3. 未登録なら相手の権利は通常使用権どまりで、差止権限自体を争える4. 範囲外・期間外なら侵害は成立しない、設定行為の内容を開示するよう求める
時効(請求できる期限):専用使用権侵害に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年で消滅(民法724条)。差止請求自体に消滅時効はないが、侵害が続く限り行使でき、放置するほど損害が累積する。なお専用使用権の設定登録は効力発生要件であり、登録しない限り完全な独占権はいつまでも生じない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:専用使用権は、設定行為に加え特許庁への設定登録があって初めて効力を生じる(30条4項が準用する特許法98条1項2号)。登録のない独占ライセンスは独占的通常使用権または当事者間の債権的合意にとどまり、第三者対抗力を欠くと解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正 地域団体商標制度の導入に伴い、1項ただし書に「地域団体商標に係る商標権」を専用使用権設定の除外対象として追加。地域ブランドは団体に帰属させるべきという趣旨。全体の改正回数および各改正の詳細は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行商標法(昭和34年法律第127号)の制定に伴い、専用使用権の制度を規定。特許法の専用実施権に対応する独占的使用権を商標について整備
- 2.平成17年(2005年) 改正:地域団体商標制度の導入に伴い、1項ただし書に地域団体商標に係る商標権を専用使用権設定の除外対象として追加。地域ブランドは団体に帰属させる趣旨。改正回数・各改正の詳細は人的検証が必要
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