商標法 第9条の3
クイックジャンプ
次の表の上欄に掲げる者が同表の下欄に掲げる国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、商標登録出願について、これを主張することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第9条の3は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第9条の3の条文原文は「次の表の上欄に掲げる者が同表の下欄に掲げる国においてした出願に基づく優先権は、パリ条約第四条の規定の例により、商標登録出願について、これを主張することができる。」で始まります。
- 商標法第9条の3は第二章 商標登録及び商標登録出願に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第9条の3の前の条は商標法第9条の2です。
- 商標法第9条の3の次の条は商標法第9条の4です。
- 商標法第9条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第9条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第9条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/9_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法9条の3は、外国で先に商標を出願した者が第一国出願日から6か月以内に日本で出願すれば、パリ条約第4条の例により優先権を主張でき、出願日を遡らせられると定める。
Q · 海外で先に商標を出願したら、日本でもその日付で守られるの?
第一国出願から6か月以内に日本で優先権を主張すれば守られる
商標法9条の3により、パリ同盟国・WTO 加盟国・相互主義国で先に商標を出願した者は、その第一国出願日から6か月以内に日本で出願し、パリ条約第4条の例により優先権を主張できます。主張が認められれば日本の出願日が第一国出願日まで遡り、その間に第三者が同じ商標を駆け込み出願していても、優先権者が先願として勝ちます。商標の優先期間は特許の12か月より短い6か月で、起算は出願日であり登録日ではありません。
解説
海外で人気に火がついたブランドを、いざ日本でも商標登録しようとしたら、すでに見知らぬ第三者に押さえられていた。商標は『先に出願した者が勝つ』(先願主義)が大原則だから、本来ならもう手遅れに見える。だが商標法9条の3は、その時計を巻き戻す抜け道を用意している。あなたがパリ条約の同盟国やWTO加盟国などで先に商標を出願していれば、その出願日から6か月以内に日本で出願して『優先権』を主張することで、日本での出願日を海外の出願日まで遡らせられる。つまり海外で出願した後、日本で誰かが同じ商標を駆け込み出願していても、優先権を握るあなたが勝つ。鍵は二つ。商標の優先期間はわずか6か月(特許の12か月より短い)であること、そしてパリ非同盟国でもWTO加盟国なら『パリ条約の例により』この権利が使えることだ。海外でブランドを育てているなら、この6か月のカウントダウンを知っているかどうかが、日本市場での生死を分ける。
法的な位置づけ
優先権の主張とは、パリ条約の同盟国や WTO 加盟国等で最初に商標を出願した者が、その第一国出願日から6か月以内に日本で出願する場合に、パリ条約第4条の例により日本の出願日を第一国出願日まで遡らせることができる制度をいう。先願主義(商標法8条)の例外として機能し、起算点は第一国の出願日である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.第一国出願日と対象国の資格を確認 最初に商標を出願した国と日付を特定し、その国がパリ同盟国・WTO 加盟国・日本と相互主義の関係にある国のいずれかを確認する。起算は出願日であり登録日ではない
- 2.6か月の優先期間を逆算して期限を確定 第一国出願日に6か月を加えた日を日本出願の最終期限としてカレンダーに登録する。特許の12か月と混同しないよう注意し、本国の登録待ちでも時計は止まらない前提で動く
- 3.日本で出願し優先権主張を申し立てる 期限内に特許庁へ商標登録出願を行い、出願時に優先権を主張する旨(第一国名・出願日・出願番号)を明示する。商標および指定商品・役務が第一国出願と実質同一であることを確認する
- 4.第一国出願の証明書類を期限内に提出 優先権の宣言とは別に、第一国の出願証明書類を所定期間内に特許庁へ提出する(商標法13条が準用する特許法43条)。宣言だけで提出を怠ると優先権が認められない
よくある質問 AI による整理
Q1商標の優先権とは何ですか?
外国で先にした商標出願の日付を、日本での出願日として遡らせられる制度です。商標法9条の3が根拠で、第一国出願日から6か月以内の日本出願が条件となります。
Q2商標の優先期間が6か月なのは特許とどう違いますか?
特許・実用新案の優先期間は12か月ですが、商標と意匠は6か月です。特許の記憶のまま動くと6か月分を取り違え、優先権を失うことがあります。
Q3第一国出願とはどの国の出願を指しますか?
最初に商標を出願した国(本国とは限らない)の出願を指します。その国がパリ同盟国・WTO 加盟国・相互主義国であることが優先権主張の前提です。
Q4優先権を主張せずに日本で出願したらどうなりますか?
通常の出願として日本での出願日で先後が判断されます。その間に第三者が同じ商標を出願していれば、先願主義により相手が優先する可能性があります。
Q5日本で第三者に商標を先取りされても取り戻せますか?
自分の第一国出願が6か月以内なら優先権で逆転できます。期間を過ぎた場合は登録異議(43条の2)や無効審判(46条)の検討になります。
Q6商標の優先権主張に費用はかかりますか?
優先権主張自体の特別な料金は通常かかりませんが、第一国出願の証明書類の取得・翻訳や弁理士費用が生じます。証明書類には提出期限があります。
Q7複数の国で出願した場合、優先権の起算日はどれですか?
原則として最も早い『最初の出願日』が起算点です。後の国の出願を基礎にできる例外は限られるため、最先の出願日を基準に6か月を計算します。
Q8優先権を主張した商標は審査で何が違いますか?
新規性や先後関係の判断基準日が第一国出願日に遡ります。その日以後に出願された他人の同一・類似商標より優先して扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外で商標を出してから、日本でも出すのに期限ってあるんですか?
あります。商標は最初の海外出願日から6か月以内です(パリ条約4条、商標法9条の3)。特許の12か月より短いので要注意。1日でも過ぎると優先権は消え、日本ではゼロからの出願扱いになります。実務のポイント:この6か月は『出願日』起算で『登録日』ではない。海外で審査が長引いていても時計は進む。だから本国の登録を待たず、出願したらすぐ日本出願の準備を始めるのが実務の鉄則です
Q2パリ条約に入ってない国で先に出願したんですが、優先権は使えますか?
使える可能性があります。商標法9条の3は『パリ条約の例により』優先権を認める規定で、パリ非同盟国でも、WTO加盟国や日本と相互主義の関係にある国での出願なら対象になります。実務のポイント:多くの人が『パリ加盟国か』だけを調べて諦めますが、問うべきは『WTO加盟国か』。WTO加盟国・地域は160以上あり、主要市場のほとんどがカバーされます
Q3優先権って、ただ主張すればいいんですか?何か出す書類は?
宣言だけでは足りません。日本での出願時に優先権を主張する旨を申し立て、さらに第一国出願の証明書類を所定の期間内に特許庁へ提出する必要があります(商標法13条が特許法43条を準用)。実務のポイント:優先権を主張したのに、証明書類の提出期限を見落として権利を失う例が後を絶たない。主張の宣言と書類提出は別の締切。両方をカレンダーに入れておかないと、せっかくの優先権が空振りに終わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本で先に出願した人が勝つ」と信じている人が多いが、海外で6か月以内に先に出願していれば、その優先日が日本の後願者を打ち破る。先願主義の『先』は、必ずしも日本での出願日とは限らない
- 優先権の存在は知っていても、商標の優先期間が『6か月しかない』ことの深刻さを知らない人が多い。特許の12か月という記憶のまま動くと、商標では4か月分のずれが致命傷になる。期間は本国の出願日起算で、本国の登録を待っている間も止まらない
- 「パリ条約に入っていない国で出願したから優先権は無理」と問いを立てる人がいるが、その問いそのものが古い。9条の3は『パリ条約の例により』、非同盟国でもWTO加盟国や日本と相互主義の国での出願なら優先権を認める。問うべきは『パリ加盟国か』ではなく『WTO加盟国か・相互主義か』である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 出願日の決め方 | 9条の3:第一国出願日まで遡る(優先権) | 8条:日本での現実の出願日(先願主義) 9条:博覧会出品等で出願時の特例により遡及 |
| 適用前提 | 対象国での第一国出願 + 6か月以内の日本出願 + 証明書類 | 日本での出願の先後のみ 政府等開催の博覧会への出品等の一定事由 |
| 起算点 | 第一国の出願日(登録日ではない) | 日本の出願日 出品等の所定の日 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も条約に基づく優先権を認め、商標の優先期間は6か月で日本と同じ。第一国出願の証明書類の提出を要する点も共通する
韓国も条約優先権を規定し、商標の優先期間は6か月。証明書類の提出期限を欠くと優先権が認められない点も類似する
ドイツはパリ条約および EU 法を前提に外国優先権を認める。EUTM(EU 商標)では EUIPO 経由でも優先権主張が可能
米国は外国出願に基づく優先権を6か月以内で認める。米国特有の使用主義との関係で、登録要件としての使用立証が別途問題になりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが半年前にアメリカで商標を出願し、いま日本でも同じブランドを出そうとしているとしたら、残り時間は何日だろうか。商標の優先期間は6か月、1日でも過ぎれば優先権は消え、日本ではゼロからの出願扱いになる。砂時計は本国の出願日から落ち続けている
- あなたが日本でたまたま空いていたブランド名を見つけて商標出願し、登録もされた。ところが半年後、海外企業が『うちが本国で先に出願していた、9条の3で優先権を主張する』と異議を出してきた。あなたの登録は遡って覆る可能性がある
- クラウドファンディングで火がついた海外ガジェット。あなたは日本の総代理店になりたい。だがブランド名は誰のものか。本国の出願者が6か月の優先権を握っている間は、あなたが日本で先に出願しても勝てない
- 中国で先に商標を出していた日本の菓子メーカーが、日本展開を後回しにしている隙に、第三者に日本で先取り出願された。だが第一国の出願から6か月以内なら、9条の3の優先権でまだ巻き返せる。問題は、経営陣がこの窓の存在を知っているかどうかだ
取るべき行動
被害を受けた側:1.自分が海外で先に出願した日付を確認し、その国がパリ同盟国かWTO加盟国か相互主義国かをチェック2.第一国出願日から6か月以内なら、ただちに日本で商標出願し優先権を主張、第一国出願の証明書類も準備3.すでに6か月を過ぎ第三者が出願・登録している場合は、登録異議の申立て(商標法43条の2)や無効審判(同46条)を検討4.弁理士に相談し、優先権ルートと異議・無効ルートのどちらが速く安いかを試算する
訴えられた側:1.相手の優先権主張が有効か精査:第一国出願から6か月以内か、対象国・対象者の要件を満たすか、証明書類は期限内に提出されたか2.一つでも欠ければ優先権は認められず、あなたの出願日が生きる3.相手の海外出願と日本出願で、商標および指定商品・役務が実質同一かも争点、ずれていれば優先権の効果は及ばない4.異議や審判の答弁期限を厳守、期限徒過は致命的
時効(請求できる期限):第一国(海外)での最初の商標出願日から6か月以内に日本で出願し、優先権を主張しなければならない(パリ条約4条C、商標法9条の3)。起算点は登録日ではなく出願日。優先権の証明書類には別途の提出期限がある(商標法13条が準用する特許法43条)。(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める