建物の区分所有等に関する法律 第45条(書面又は電磁的方法による決議)
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- この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。次項において同じ。)全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
- 2.この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。
- 3.この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
- 4.第三十三条の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第一項及び第二項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。
- 5.集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。
この条文の基本情報
書面又は電磁的方法による決議とは何ですか?
定義書面又は電磁的方法による決議とは、建物の区分所有等に関する法律第45条に定められた規定で、「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建物の区分所有等に関する法律第45条(書面又は電磁的方法による決議)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
- 建物の区分所有等に関する法律第45条の条文原文は「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。」で始まります。
- 建物の区分所有等に関する法律第45条は第一章 建物の区分所有に置かれています。
- 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
- 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建物の区分所有等に関する法律第45条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第44条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第45条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第46条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069 - 本サイト収録
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点区分所有法45条は、議決権を有する区分所有者全員の承諾があるときに書面又は電磁的方法による決議ができると定める。その決議は集会の決議と同一の効力を持つ。
Q · マンションの書面決議って、反対しても多数決で押し切られるの?
違います。全員の承諾がなければ書面決議は始まりません
区分所有法45条1項の承諾は、決議の中身への賛否ではなく「集会を開かず書面で決議すること」への承諾です。議決権を有する区分所有者全員の承諾がなければ書面決議はそもそも成立せず、理事会は集会を招集するしかありません。一方2項は、全員が書面又は電磁的方法で合意した場合に決議があったとみなす規定で、こちらは中身への同意です。3項により書面決議は集会の決議と同一の効力を持ちます。
解説
マンションの理事会から「今回の大規模修繕、集会を開かずに書面決議でやります」という通知が届いたとする。ここで多くの区分所有者は「じゃあ書類にハンコ押しておけばいいのか」と流す。だがこの条文の本当の姿は逆で、書面決議は「全員の承諾」がなければそもそも成立しない。多数決ではない。あなた一人が承諾しなければ、書面決議という手続そのものが立ち上がらず、理事会は集会を開くしかなくなる。つまりこの条文は、あなたに拒否権に近い一票を握らせている。さらに2項は逆側の落とし穴で、全員が書面で「合意」してしまえば、決議手続を経ていなくても決議があったとみなされる。承諾書と合意書、名前は似ているが意味は正反対だ。前者は「書面でやることに賛成」、後者は「中身に賛成」。届いた紙がどちらなのかを見分けられるかどうかで、あなたが何を失うかが変わる。
法的な位置づけ
区分所有法45条は、書面又は電磁的方法による決議を定める規定である。集会で決議すべき事項につき、議決権を有する区分所有者全員の承諾があるときは書面等による決議ができ(1項)、全員の書面等による合意があるときは決議があったものとみなされる(2項)。当該決議は集会の決議と同一の効力を有する(3項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届いた書面が「承諾」か「合意」かを見分ける 封筒の書面の文言を確認する。「書面による決議を行うことに承諾します」= 45条1項の手続承諾、「下記議案に合意します」= 2項の内容合意。後者は署名だけで決議成立とみなされるため、影響の重さが桁違いになる
- 2.議案の中身と管理規約の決議要件を照合する 議案が普通決議事項か、規約変更・大規模滅失復旧などの特別決議事項かを確認する。特別決議事項なら31条等の加重要件を満たしているかを議案書上でチェックする
- 3.電磁的方法なら省令の方式を管理会社に確認する アプリやメールでの承諾を求められた場合、45条1項ただし書の法務省令の方式に従っているかを管理会社に書面で問い合わせる。回答をメール等で保存しておく
- 4.納得できなければ署名を保留し集会招集を求める 内容に疑問があるときは署名を返送せず、「集会での説明を求める」旨を書面で理事会に回答する。承諾が全員揃わない以上、書面決議は成立せず集会が開かれる
- 5.成立後に疑義があれば書面・記録の閲覧を請求する 既に書面決議が成立している場合、45条4項準用の33条により決議に係る書面・電磁的記録の閲覧を請求し、全員の承諾が揃っていたか、議決権のない者を数に入れていないかを検証する
よくある質問 AI による整理
Q1書面決議とは何ですか?
集会を開かずに書面又は電磁的方法で決議する手続です。区分所有法45条1項が根拠で、議決権を有する区分所有者全員の承諾が成立要件になります。
Q2書面決議は何人の賛成で成立しますか?
手続を使うこと自体には全員の承諾が必要です。承諾が揃った後の決議の可決要件は、普通決議・特別決議など事項ごとの本来の要件によります。
Q3書面決議の承諾書と合意書はどう違いますか?
1項の承諾は「書面でやること」への同意、2項の合意は「決議内容そのもの」への同意です。2項は全員合意で決議があったとみなされます。
Q4書面決議はオンラインでもできますか?
電磁的方法による決議も可能ですが、その承諾は法務省令の定める方式によらなければなりません(45条1項ただし書)。方式違反は効力を欠くおそれがあります。
Q5書面決議の議事録は見られますか?
45条4項が33条を準用しており、書面決議に係る書面・電磁的記録は保管され、利害関係人は閲覧を請求できます。
Q6書面決議は集会の決議より効力が弱い?
同じです。45条3項が集会の決議と同一の効力と明文で定めており、反対者や特定承継人も拘束されます。
Q7書面決議を断ることはできますか?
できます。1項の承諾をしなければ全員の承諾が揃わず書面決議は不成立となり、管理組合は集会を招集することになります。
Q8書面決議で規約変更もできますか?
できますが、規約変更は31条の特別決議要件を満たす必要があります。書面決議は手続の代替であって、決議要件を緩めるものではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1書面決議の書類、期限までに返さなかったらどうなるんですか?
1項の承諾を返さなければ全員の承諾が揃わず、書面決議は成立しません。理事会は集会を招集するしかなくなります。不返送は棄権ではなく、手続を止める効果を持ちます。実務のポイント:管理会社の実務では、承諾が揃わない見込みだと分かった時点で書面決議を諦め集会に切り替えます。返さないという選択が、説明会の開催を引き出す最も静かな交渉手段になっています。
Q2オンラインの承諾ボタンって、紙の署名と同じ扱いですか?
電磁的方法による決議に係る承諾は、45条1項ただし書により法務省令の定める方式によらなければなりません。方式を外れた承諾は効力を欠く可能性があります。実務のポイント:管理会社が自社アプリで独自に集めた「同意」は、省令の方式要件を満たしているか要確認です。方式の不備は決議全体を覆す争点になるため、押す前に方式の根拠を一度質問しておくと、後の争いで極めて強い立場に立てます。
Q3書面決議で決まったことって、後から集会でひっくり返せますか?
3項により書面決議は集会の決議と同一の効力を持つため、変更するには改めて同じ要件の決議が必要です。普通決議事項なら次の集会で多数決により変更可能ですが、規約変更など特別決議事項は31条の加重要件を満たす必要があります。実務のポイント:一度成立した決議に基づき工事契約が締結されると、決議を覆しても契約は残り違約金が発生します。覆すなら契約締結前の時間帯しかありません。
間違えやすい点 AI による整理
- 「書面決議は多数決だから、反対しても押し切られる」と思われているが、前提が違う。1項の承諾は決議の中身への賛否ではなく、書面決議という手続を使うことへの承諾であり、全員の承諾がなければ手続自体が始まらない。あなたが問うべきは「賛成か反対か」ではなく「そもそも集会を開かせるべきか」である。
- 承諾書と合意書の違いを知らないまま署名する人が多い。1項の承諾(手続に同意)で署名したつもりが、2項の合意(中身に同意)の書面だった場合、集会も決議もないまま決議成立とみなされる。同じ「署名一つ」でも、失うものの大きさが桁で違う。
- 「書面決議は略式だから、集会の決議より効力が弱い」という感覚を持つ人がいるが、3項が明文で同一の効力と定めている。集会で成立した決議と法的にまったく同じ拘束力を持ち、反対していた区分所有者も承継人も縛られる。略式なのは手続だけで、結果の重さは同じである。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 決議の場 | 45条:集会を開かず書面・電磁的方法で決議 | 34条:集会を招集し出席のうえ決議 39条:集会における議決権行使(書面・代理人も可) |
| 手続を使う要件 | 議決権を有する区分所有者全員の承諾(1項) | 管理者又は5分の1以上の区分所有者による招集 集会が適法に開催されていること |
| 一人の反対の効果 | 一人が承諾しなければ手続自体が不成立 | 招集自体は止められない 多数決に埋没する |
| 決議の効力 | 集会の決議と同一の効力(3項) | 集会の決議として効力を有する 書面投票も出席と同様に議決権行使として算入 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は区分所有者会議の議事録作成と公告を軸に規律し、日本の45条のような全員承諾型の書面決議を独立の条文として置いていない点で構造が異なる
韓国は書面又は電子的方法による決議を明文で認め、日本と同様に集会を省略する仕組みを持つ。要件の厳格さは条文および改正状況の確認が必要
ドイツも集会外決議(Umlaufbeschluss)には原則として全員の書面同意を要求しており、全員一致を入口要件とする点で日本45条1項と発想が近い
米国は州法・UCIOA 採用状況により差があるが、集会に代わる全員書面同意(unanimous written consent)を認める例がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築30年のマンションで、理事長から「駐車場の使用細則を変えるので書面決議にします、同封の書類にご署名を」と封筒が来た。あなたは中身に不満がある。ここで署名を返さなければ書面決議は不成立で、理事会は集会を開いて説明せざるを得なくなる。署名を拒むことが、議論の場を作る唯一の手段になる。
- あなたが理事長側だとしたら。区分所有者60戸のうち59戸から承諾が返ってきたが、1戸が海外赴任で連絡がつかない。全員の承諾が要件である以上、この1戸が欠けた時点で書面決議は使えない。集会招集の準備に切り替えなければ、後で決議無効を主張されて修繕工事そのものが止まる。
- もし、書面決議で成立した決議に納得がいかないとしたら、何を争えるか。争点は中身ではなく手続になる。承諾を取ったのは全員か、議決権のない者を数に入れていないか、電磁的方法の承諾は法務省令の方式に従ったか。手続の穴一つで決議全体が覆る。
- 管理会社から「オンラインで承諾ボタンを押してください」というメールが来た。あと5日で回答期限。電磁的方法による承諾は法務省令の定める方式によらなければ効力がない(45条1項ただし書)。押す前に、その方式が省令に沿っているかを管理会社に一度問い合わせる時間はまだある。
- 中古マンションを買おうとしているあなた。重要事項説明で「昨年、書面決議で修繕積立金を値上げしました」と言われた。その書面決議の議事録(33条準用)を見せてもらう権利がある。全員の承諾書が揃っているかを確認しないまま買うと、後で決議が無効だったと判明したとき、値上げ分の扱いで揉めるのは新所有者のあなただ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた書面が1項の承諾(手続への同意)か2項の合意(内容への同意)かを文言で確認する2. 内容に疑問があれば署名を保留し、書面で「集会での説明を求める」と理事会に回答する3. 既に書面決議が成立してしまった場合は、33条準用の議事録・書面の閲覧を請求し、全員の承諾が実際に揃っていたか、議決権のない者を含めていないかを検証する4. 手続の瑕疵が見つかれば、決議無効確認の訴えを検討する(提訴前に管理組合へ書面で指摘し、記録を残す)
訴えられた側:1. 理事会側であれば、承諾取得の記録を全戸分保存し、電磁的方法の承諾は法務省令の方式を満たしているか管理会社に確認させる2. 連絡不通の区分所有者が一戸でもあれば書面決議は使えないと判断し、早期に集会招集へ切り替える3. 成立後は33条準用により書面・電磁的記録を保管し、閲覧請求に応じる体制を整える4. 事後に瑕疵を指摘された場合、争うより集会で改めて決議を取り直す方が工事遅延の損失は小さい
時効(請求できる期限):書面決議自体に固有の期間制限はない。ただし決議の効力を争う場合、規約や集会の決議の取消し等については類型ごとに扱いが異なり、無効確認の訴えには特定の出訴期間の定めはないものの、工事が進行すると事実上是正が困難になる。一般の債権的請求は民法166条の消滅時効(権利行使できると知った時から5年、権利行使できる時から10年)による(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:45条1項の承諾は書面決議という手続を用いることへの同意であり、議案内容への賛否とは区別される。したがって承諾を得たうえで行う決議の可決要件は、当該事項について本来required される普通決議・特別決議の要件に従う
実務上の理解:1項の「区分所有者全員」から議決権を有しない者は除かれる旨が条文上明示されており、承諾の分母を誤って算定した書面決議は手続の瑕疵として決議の効力が争われうる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律の制定。集合住宅の権利関係と管理組合の意思決定手続の基本枠組みが設けられた
- 2.平成14年(2002年) 改正:区分所有法の大改正により、集会・決議手続に関する規定が整備された(詳細な改正内容は e-Gov の改正履歴で要確認)
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