建物の区分所有等に関する法律 第44条(占有者の意見陳述権)
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- 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。
- 2.前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第三十五条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
この条文の基本情報
占有者の意見陳述権とは何ですか?
定義占有者の意見陳述権とは、建物の区分所有等に関する法律第44条に定められた規定で、「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建物の区分所有等に関する法律第44条(占有者の意見陳述権)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
- 建物の区分所有等に関する法律第44条の条文原文は「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。」で始まります。
- 建物の区分所有等に関する法律第44条は第一章 建物の区分所有に置かれています。
- 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
- 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建物の区分所有等に関する法律第44条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第43条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第44条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第45条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069 - 本サイト収録
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点区分所有法44条は、区分所有者の承諾を得た占有者が利害関係のある議題について集会に出席し意見を述べられると定める。議決権はなく、招集者は通知発送後遅滞なく建物内に掲示する義務を負う。
Q · 賃貸でマンションに住んでいるだけでも、管理組合の総会に出て意見を言えますか?
出席と意見陳述はできる。ただし議決権はない
区分所有法44条1項により、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者(賃借人・使用貸借人など)は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合、集会に出席して意見を述べることができます。ただし議決権は区分所有者に帰属し(同法38条)、占有者に投票権はありません。また招集通知は所有者宛てに送られるため、占有者は2項の建物内掲示によってしか総会開催を知る機会がなく、掲示の有無が権利行使の実効性を左右します。無断転借人はこの権利の枠外です。
解説
分譲マンションの一室を借りて住んでいるあなたは、管理組合の総会に「関係ない人」として扱われてきたかもしれない。区分所有法44条は、その前提を静かに崩す。区分所有者(オーナー)の承諾を得て専有部分を占有する者、つまり賃借人や使用貸借人であるあなたは、会議の目的たる事項について利害関係を持つ場合、集会に出席して意見を述べることができる。ペット飼育禁止の規約改正、深夜の共用部分の使用制限、駐輪場の廃止、これらはすべてあなたの生活を直撃する。しかも2項は招集者に義務を課す。招集通知を発した後、遅滞なく日時・場所・議題・議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。この掲示が出ていなければ、あなたは出席の機会そのものを奪われている。掲示板を見る習慣がないだけで、生活ルールがあなたの知らないところで書き換わっていく。ただし持っているのは意見陳述権であって議決権ではない。この線引きを正確に握ることが、交渉の出発点になる。
法的な位置づけ
区分所有法44条は、専有部分の占有者の集会参加権を定める規定である。区分所有者の承諾を得て占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合に限り、集会に出席して意見を述べることができ、議決権は有しない。招集者には、招集通知発送後遅滞なく建物内の見やすい場所への掲示義務が課される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.掲示を発見したら証拠化する 建物内の掲示板・エレベーター内で総会案内を見つけたら、日時・場所・会議の目的たる事項・議案の要領が記載されているかを確認し、掲示日が分かる形で写真を撮る。掲示が不十分なら44条2項違反の記録になる
- 2.自分の占有権原を確認する 賃貸借契約書を確認し、区分所有者の承諾を得た占有者であることを確かめる。転貸の場合は所有者の承諾条項の有無が決定的で、無断転借だと44条1項の権利枠外に置かれる
- 3.オーナーと議決権行使をすり合わせる 総会前にオーナーまたは管理会社へ連絡し、議題の内容と生活実態を伝えたうえで、議決権行使書・委任状の方針を確認する。占有者の発言は票を動かさないため、票を持つ側への事前情報提供が実質的な影響力になる
- 4.書面で意見を提出し受領記録を残す 管理組合または管理会社宛てに、議題への意見を書面で提出する。口頭発言は議事録に要約されるだけだが、書面は原本として残り、後に規約改正の効力を争う場面で異議を述べていた事実の証拠になる
- 5.集会に出席して意見を述べる 当日出席し、議題との利害関係を冒頭で明示したうえで意見を述べる。発言内容が議事録に記載されたかを後日確認し、記載漏れがあれば訂正を求める
よくある質問 AI による整理
Q1占有者の意見陳述権とは何ですか?
区分所有法44条1項が定める権利で、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する賃借人などが、利害関係のある議題について集会に出席し発言できるものです。議決権は含まれません。
Q2区分所有法44条の掲示はいつまでにする必要がありますか?
35条の招集通知を発した後「遅滞なく」です。通知発送とほぼ同時期に、日時・場所・会議の目的たる事項・議案の要領を建物内の見やすい場所へ掲示します。
Q3賃借人は総会で投票できますか?
できません。議決権は区分所有法38条により区分所有者に帰属します。44条が占有者に認めるのは出席と意見陳述のみで、票数には反映されません。
Q4総会の掲示がなかった場合はどうなりますか?
44条2項の義務違反となり、招集手続の瑕疵として評価されます。ただちに決議が無効となるわけではなく、瑕疵の程度と決議への影響を個別に判断する必要があります。
Q5無断転借人も総会に出席できますか?
できません。44条1項は「区分所有者の承諾を得て」占有する者に限定しています。承諾のない転借人は条文上の権利主体から外れます。
Q6占有者はどの議題でも意見を述べられますか?
「会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合」に限られます。ペット飼育や使用細則など生活に直結する議題が典型で、管理費の負担のみに関わる議題は利害関係が否定される余地があります。
Q7店舗の賃借人も区分所有法44条を使えますか?
使えます。居住用に限定されていないため、区分所有者の承諾を得て一階店舗を賃借している事業者も、営業時間制限や看板基準の議題で出席・意見陳述ができます。
Q8総会で決まった規約は賃借人にも適用されますか?
適用されます。区分所有法46条2項により、占有者は建物等の使用方法について規約および集会決議に基づく義務を負います。だからこそ44条の発言機会が意味を持ちます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1賃貸で住んでるだけなのに、総会に出て文句言っていいんですか?
区分所有者の承諾を得て占有している賃借人であれば、区分所有法44条1項により、その議題に利害関係がある限り出席して意見を述べられる。ただし議決権はない(議決権は38条により区分所有者に帰属)。実務のポイント:管理会社は賃借人から出席の申出があると事前に議題の温度感を測れるため、実は歓迎するケースが多い。事前に一本電話を入れると、議事進行で発言順を確保してもらえることがある
Q2総会の掲示なんて見たことないんですけど、これって違法ですか?
44条2項は招集者に、招集通知発送後遅滞なく日時・場所・議題・議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示する義務を課している。掲示がなければ義務違反である。ただちに決議が無効になるわけではないが、招集手続の瑕疵として評価される。実務のポイント:賃借人比率の高い物件では掲示が形骸化していることが多い。管理組合に書面で是正を求めると、次回から必ず掲示されるようになる。争うより、記録に残る形で一度求めるほうが早い
Q3ペット禁止の規約が総会で決まったら、今飼ってる猫も追い出されますか?
規約は占有者にも効力が及ぶ(区分所有法46条2項、占有者は規約・集会決議に基づく義務を負う)ため、原則として従う必要がある。ただし既に飼育している場合の経過措置(いわゆる一代限り条項)が置かれることが多く、この経過措置の有無こそ総会で発言すべき核心である。実務のポイント:規約改正の議案は「禁止するか否か」で議論されがちだが、実務で決着するのはほぼ経過措置の設計。禁止に反対するより、経過措置を提案するほうが可決される確率は格段に高い
間違えやすい点 AI による整理
- 「賃借人は管理組合と無関係だから総会に呼ばれない」と思われているが、44条1項は利害関係のある議題について明確に出席・意見陳述権を認めている。問題は、この権利が「招集通知」ではなく「掲示」という受動的な方法でしか知らされないこと。権利があることと、権利行使の機会が届いていることは別問題である
- 意見陳述権を知っている人でも、その射程の狭さを見落としている。認められているのは出席と発言だけで、議決権はない(区分所有法38条の議決権は区分所有者に帰属)。さらに「会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合」に限られる。管理費の値上げは所有者の負担であって占有者の直接の利害でないと判断される余地があり、どこまでが利害関係かは実務上、解釈が分かれている
- 「掲示がなかったから決議は無効だ」という主張の立て方自体が、多くの場合ずれている。2項の掲示義務違反は招集手続の瑕疵として評価されるが、それが決議の効力にどこまで影響するかは、瑕疵の程度と決議内容への影響を個別に判断される。争うべきは決議の無効ではなく、手続の是正と、次回総会での実質的な発言機会の確保である場合が多い
- あなたから見れば「自分の住まいのルール」だが、法律から見れば「他人の所有物の管理」である。この落差が、賃借人が総会で正論を述べても通らない構造的な理由になっている。だからこそ、オーナーの議決権を動かす経路を同時に確保しないと、発言は記録に残るだけで終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権利の内容 | 44条:占有者の出席・意見陳述権(議決権なし) | 38条:区分所有者の議決権 35条:区分所有者への招集通知請求権 |
| 権利主体 | 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者 | 区分所有者 区分所有者(通知の名宛人) |
| 行使の前提 | 会議の目的たる事項につき利害関係を有すること | 区分所有権を有すること(持分割合で数値化) 原則として会日の1週間前までの発送 |
| 知る手段 | 建物内の見やすい場所への掲示(2項) | 招集通知および議決権行使書 書面による招集通知 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「住戶」概念に承租人を含め、共同利益義務を課す一方、區分所有權人會議の議決権は所有者に留保する。日本44条と同様に義務先行・議決権なしの構造だが、住戶の会議参加は運用と規約に委ねられる幅が大きい
韓国は占有者の意見陳述権を明文化し、日本44条とほぼ同一構造。区分所有者に対する事前通知と占有者への告知方法の設計も類似する
ドイツは総会を所有者の会議として構成し、賃借人の出席権を法定していない。賃借人の利益は賃貸借法(BGB § 535 ff.)と賃料規制の枠内で処理され、団体自治と賃貸借関係を明確に分離する
米国は会議の公開原則を置く州が多いが、tenant の出席・発言権の扱いは州法と declaration により分かれる。連邦統一のルールは存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 賃貸で入居して2年、ある日エレベーターに「ペット飼育禁止に関する規約改正の件」という掲示が貼られていた。あなたの猫は5年前から一緒に暮らしている。総会は10日後。44条1項により、あなたは出席して意見を述べる権利がある。ただし投票はできない。だからこそ、オーナーに委任状の内容を相談し、同時に自分は現場で猫の飼育実態と近隣への影響のなさを説明する、この二段構えが必要になる
- 掲示が出ていなかった。総会が終わってから「共用廊下での自転車置き場を撤去する決議が通った」と知らされた。この場合、2項の掲示義務違反があったことになる。決議自体が当然に無効になるわけではないが、招集手続の瑕疵として決議取消しの主張(区分所有法41条準用の解釈、実務上は解釈が分かれている)や、管理組合への手続是正要求の根拠になる
- あなたが管理組合の理事長側だとしたら? 賃借人の多い物件で2項の掲示を怠り続けていると、後から手続の適正さを争われるリスクを毎回積み上げていることになる。掲示は「発した後遅滞なく」、つまり通知発送からほぼ即日。エントランスの掲示板に貼る、その5分の作業を省くコストが高い
- 店舗として区分所有建物の一階を賃借している。総会の議題に「営業時間の制限」「看板設置基準の厳格化」が入った。あと7日。あなたの売上に直結する議題なのに、オーナーは遠方に住んでいて興味がない。44条があなたに出席と発言の席を用意している。事前に管理会社へ書面で意見を提出し、当日は口頭で補強する
- 同居している親族や、オーナーの承諾なく又貸しで住んでいる人はどうなるのか。条文は「区分所有者の承諾を得て」と限定している。無断転借人はこの権利の枠外に置かれる。あなたが今の住まいをどういう法的立場で占有しているのか、賃貸借契約書を確認する必要がここで生まれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 掲示を見つけたら日付・議題・議案の要領を撮影、通知発送日と掲示日のずれを記録する2. 賃貸借契約書で自分が区分所有者の承諾を得た占有者であることを確認(無断転借だと44条の権利枠外) 3. オーナーまたは管理会社へ連絡し、議決権行使の方針を確認、生活実態の情報を提供する4. 総会前に書面で意見を提出し受領記録を残す5. 当日出席して意見を述べる、議事録への記載を確認する。掲示がなかった場合は管理組合へ書面で手続の是正を求める
訴えられた側:1. 管理組合・招集者側であれば、35条の招集通知発送後、遅滞なく建物内の見やすい場所へ掲示(エントランス、エレベーター内など複数箇所が安全) 2. 掲示日と掲示場所を写真で記録、議事録に添付する3. 占有者から意見陳述の申出があれば、議題との利害関係を確認のうえ出席を認める、一律拒否は44条1項違反のリスク4. 意見陳述は認めるが議決権はないことを議事進行時に明示、混乱を防ぐ
時効(請求できる期限):44条自体に固有の期間制限はない。ただし2項の掲示は「招集の通知を発した後遅滞なく」であり、集会は原則として会日より少なくとも1週間前に通知される(区分所有法35条1項、規約で伸縮可)。決議の効力を争う場合、決議無効確認の訴えに出訴期間の定めはないが、一般消滅時効(民法166条、債権は権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)や権利濫用・信義則の制約を受けうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:44条1項の意見陳述権は、46条2項により規約・決議の義務を負わされる占有者に対する手続的補償と理解される。議決権を与えないことで区分所有者の財産管理権を維持しつつ、生活当事者の意見を手続内へ取り込む折衷的設計とされる。
有力説:「利害関係を有する場合」の範囲について、占有者の使用態様を直接規律する議題に限定する見解と、管理費負担や大規模修繕のように間接的に生活へ影響する議題も含めて広く解する見解が対立しており、実務では議長の裁量に委ねられる場面が多い。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律が制定され、区分所有建物の管理に関する基本的枠組みが整備された。
- 2.昭和58年(1983年) 改正:区分所有法の大改正により管理組合・集会制度が整備され、賃貸化の進行を背景に占有者の集会出席・意見陳述権と招集者の掲示義務が置かれた。
- 建物の区分所有等に関する法律 第35条集会の招集通知、2項掲示義務の起算点
- 建物の区分所有等に関する法律 第38条議決権は区分所有者に帰属、占有者との権能の差
- 建物の区分所有等に関する法律 第46条規約・決議の占有者に対する効力、意見陳述権の実質的根拠
- 建物の区分所有等に関する法律 第60条義務違反占有者に対する引渡請求、占有者の手続保障の対極
- 建物の区分所有等に関する法律 第57条共同利益背反行為の停止請求、占有者も対象
- 民法 第601条賃貸借契約、占有権原の発生根拠
- 借地借家法 第28条建物賃貸借の解約制限、規約改正と居住継続の緊張
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