管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
要点区分所有法43条は、管理者に対し集会において毎年一回一定の時期に事務の報告をする義務を課す。書面配布では代替できず、報告を怠れば71条の過料の対象となる。
Q · マンションの理事長は、総会で何をどこまで報告しないといけないんですか?
毎年一回、集会での事務報告が必要。怠れば20万円以下の過料
区分所有法43条により、管理者(多くのマンションでは規約により理事長がこれにあたる)は、集会において毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければなりません。報告の範囲は26条が定める管理者の職務全般に及び、会計収支、共用部分の管理状況、管理委託契約の履行状況、係争中の案件までが対象です。報告先は「集会」であり、決算書を配布しただけでは義務を果たしたことになりません。報告を怠り、または虚偽の報告をした場合、同法71条により20万円以下の過料の対象となります。
マンションの総会で、理事長が「会計は特に問題ありません」と一言だけ述べて次の議案に進む。あの見慣れた場面は、実は法律違反かもしれない。区分所有法43条は、管理者(多くのマンションでは規約により理事長がこれにあたる。管理会社ではない)に対し、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をする義務を課している。効いてくるのは三点だ。第一に、報告先は「集会」つまり総会であり、書面を配って終わりでは足りない。第二に、義務を負うのは管理者本人で、管理会社が作った資料を読み上げても責任は理事長に残る。第三に、報告をせず、または虚偽の報告をした場合、71条により20万円以下の過料の対象になる。管理組合の内輪の慣行ではなく、国が制裁を用意している義務なのだ。区分所有者であるあなたには、「43条の報告として、何がどこまで報告されたのか」を総会の場で確定させる立場がある。
建物の区分所有等に関する法律43条は、管理者の事務報告義務を定める規定であり、管理者が集会において毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をすべき旨を規定する。義務の主体は管理者であって管理業者ではなく、履行の場は集会に限定される。同法26条が定める管理者の職務の範囲が、報告すべき事務の外延を画する。
マンションなどの管理者に、集会において毎年一回一定の時期に事務の報告をする義務を課す規定です。報告の範囲は26条の職務全般に及び、違反は71条の過料の対象になります。
集会として適法に開催され、区分所有者が出席して質疑できる形であれば報告の場として機能します。規約や集会の決議でオンライン開催の根拠を整えたうえ、報告の事実を議事録に残すことが要点です。
43条は「毎年一回一定の時期」とのみ定めます。実務では会計年度終了後2、3か月以内に通常総会を開くと規約で定める例が多く、その通常総会が履行期にあたります。
議事録の閲覧請求(42条5項が準用する33条2項)を書面で行い、事務報告の記載を確認します。委任状だけ出して欠席し続けると、報告の空白に気づく機会そのものを失います。
42条5項が準用する33条2項に基づき、議事録を保管する管理者に対して閲覧を請求します。口頭ではなく書面で、対象年度と請求日を明記して出すと、後日の記録として機能します。
34条2項の招集義務違反と43条の報告義務違反が重なります。区分所有者および議決権の各5分の1以上で集会招集を請求でき(34条3項)、2週間以内に通知が発せられなければ自ら招集できます(同条4項)。
できます。25条2項により、管理者に職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者が単独で裁判所に解任を請求できます。事務報告の不備が議事録に残っていれば、その事情の証拠になります。
44条1項により、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項に利害関係があるときは集会に出席して意見を述べられます。ただし議決権はありません。
43条の報告義務者は管理者、つまり多くの規約では理事長本人です。管理会社の説明はマンションの管理の適正化の推進に関する法律77条に基づく別の報告で、根拠法も主体も違います。両方必要というのが正確な理解です。業界裏話ヒント:議事録に「管理会社より報告」としか書かれていないマンションは非常に多い。この一行は、後日理事長の責任を問う場面で「管理者は報告していない」証拠にもなれば、水掛け論の火種にもなる。議事録の書き方を一度確認しておくだけで立場が変わる。
区分所有法71条により、43条に違反して報告をせず、または虚偽の報告をした管理者は20万円以下の過料に処せられます(最新の改正状況をご確認ください)。刑罰ではなく秩序罰で前科にはなりませんが、裁判所の決定として科されるものです。業界裏話ヒント:実際に過料まで至る例は稀。だが理事会や総会の場で「71条の過料の対象になりますよ」と一度口にすると、管理会社の担当者の姿勢が明確に変わる。彼らは条文を知っているからだ。
負います。28条が委任に関する民法の規定を準用するため、管理者は受任者として善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)を負い、無報酬でも軽減されません。業界裏話ヒント:管理組合向けの役員賠償責任保険が存在し、保険料は年数万円程度、管理費から支出できるのが通常です。理事長を引き受ける前にこの保険の有無を確認する人はほとんどいない。就任前の理事会で一度確認するだけで、任期中のリスクの質が変わる。
43条は「その事務に関する報告」としか書いておらず、範囲は26条の管理者の職務全般に及びます。会計収支、共用部分の管理状況、管理委託契約の履行状況、係争中の案件までが対象で、マンション標準管理規約38条3項も同趣旨です。業界裏話ヒント:区分所有法が閲覧を保障しているのは規約と議事録だけで、会計帳簿の閲覧請求権の明文はない。帳簿まで見たいなら標準管理規約64条に相当する規定が自分のマンションの規約にあるかを先に確認する。根拠を持たずに「帳簿を出せ」と迫ると、その一点で突き返される。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 43条:管理者による年一回の事務報告義務 | — |
| 履行の時期 | 毎年一回一定の時期(規約で定める通常総会) | — |
| 履行の方法 | 集会における報告。書面の配布や掲示では代替できない | — |
| 違反したときの効果 | 71条の過料20万円以下+28条経由の善管注意義務違反 | — |
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