この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。
要点区分所有法 28 条は、管理者の権利義務が委任に関する規定に従うと定める。民法 644 条の善管注意義務が準用され、無報酬の理事長でも要求される注意の水準は下がらない。
Q · マンションの理事長は、無報酬でもそんなに重い責任を負うのですか?
区分所有法 28 条で委任規定が準用され、無報酬でも善管注意義務を負います
建物の区分所有等に関する法律 28 条は、管理者の権利義務が委任に関する規定に従うと定めます。その結果、民法 644 条の善管注意義務がそのまま管理者に及び、報酬の有無で水準は下がりません。無償の寄託(民法 659 条)が自己の財産と同一の注意で足りるのとは対照的です。同時に 28 条は権利の条文でもあり、組合のために立て替えた費用は支出の日以後の利息を付して償還を請求できます(民法 650 条 1 項)。
マンションの理事長を輪番で引き受けた人に、この一行は静かに牙を剥く。区分所有法 28 条が定めるのは「管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う」ということだけだ。つまり民法 643 条以下が、そのままあなたに降りてくる。核心は 644 条の善管注意義務である。無報酬でも、押し付けられた輪番でも、要求される注意の水準は一切下がらない。無償で荷物を預かる受寄者なら「自分の財産と同じ注意」で足りる(民法 659 条)のに、委任は無償でもプロとして当然払うべき注意を課される。この非対称を知らないまま会計を管理会社に任せきりにして事故が起きれば、責任を問われるのはあなたである。だが 28 条は盾も渡す。組合のために立て替えた費用は、支出の日以後の利息をつけて請求できる(650 条 1 項)。義務の条文であり、同時にあなたの請求権の条文でもある。
建物の区分所有等に関する法律 28 条は、管理者の権利義務について、同法及び規約に定めのない事項は委任に関する規定に従う旨を定める準用規定である。これにより民法 643 条以下の委任規定、とりわけ 644 条の善管注意義務、645 条の報告義務、646 条の受取物引渡義務、650 条の費用償還請求権が、報酬の有無にかかわらず管理者に適用される。
管理者の権利義務は、法律と規約に定めがない部分について委任に関する規定に従うと定める準用規定です。これ一本で民法 643 条以下が管理者に流れ込みます。
通帳と印鑑を同一人が保管し月次残高の確認体制もない、相見積を取らず高額工事を発注するなど、通常の管理者に期待される手順を欠いた場合です。結果より過程が問われます。
委任は受任者の死亡で終了するため(民法 653 条)、地位は相続されません。相続人に通帳を動かす権限はなく、急迫の事情があるときのみ必要な処分をする義務が生じます(654 条)。
残ります。民法 645 条の報告義務と 646 条の受取物引渡義務は任期最終日で消えません。通帳・印鑑・鍵・見積原本を誰にいつ渡したかの記録を残してください。
民法 647 条により、引き渡すべき金銭を自己のために消費したときは消費した日以後の利息を付して返還し、なお損害があれば賠償責任も負います。立替精算のつもりでも危険です。
集会の決議でいつでも解任できます(区分所有法 25 条 1 項)。不正な行為その他任務に適しない事情があるときは、各区分所有者が解任請求の訴えを提起できます(同条 2 項)。
義務違反の請求は理事長個人に向かうため、実務上は重要です。管理組合の保険に役員賠償の特約が付いているか、就任を承諾する前に議事録に残る形で確認してください。
本条に固有の期間制限はありません。権利を行使できることを知った時から 5 年、または権利を行使できる時から 10 年で時効消滅します(民法 166 条 1 項)。
負う。民法 648 条 1 項により特約がなければ報酬は請求できないが、644 条の善管注意義務は報酬の有無で下がらない。無償の寄託(659 条)が自分の財産と同じ注意で足りるのとは対照的である。業界裏話ヒント:規約や集会決議で役員報酬を定めること自体は可能で、月数千円でも定めておくと、なり手不足の緩和と責任の自覚の両方に効く。
委任はいつでも解除できるため、辞任自体は原則可能と解されている(民法 651 条 1 項)。ただし相手方に不利な時期の解除は、やむを得ない事由がなければ損害賠償の問題が生じうる(同条 2 項)。業界裏話ヒント:辞任届は書面で、受領日が分かる形で理事会に出すこと。委任の終了は通知しなければ相手方に対抗できず(655 条)、急迫の事情があれば辞任後も必要な処分をする義務が残る(654 条)。
管理組合の事務のために必要と認められる費用なら、支出の日以後の利息をつけて償還を請求できる(民法 650 条 1 項)。これから支出するなら前払いを請求する道もある(649 条)。業界裏話ヒント:立て替える前に理事会で決議し議事録に一行残しておくと、後任理事会から必要性がなかったと争われる余地がほぼ消える。領収書より、支出前の合意記録の方が効く。
効く。区分所有法 25 条 1 項は管理者の資格を限定しておらず、管理会社や外部専門家が管理者となる第三者管理方式でも、28 条を通じて善管注意義務と報告義務が及ぶ。業界裏話ヒント:管理会社が管理者を兼ねる形では、自社への工事発注を自ら決裁する利益相反が構造的に生じる。国土交通省もこの方式の留意点を示しており、発注手続と情報開示のルールを契約や規約に書き込めるかが分かれ目になる(最新の改正状況をご確認ください)。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 28 条:管理者の権利義務を委任規定に丸ごと委ねる準用規定 | — |
| 義務の中身 | 善管注意義務・報告義務・受取物引渡義務(民法 644〜646 条) | — |
| 誰に対する義務か | 管理組合(区分所有者団体)に対する受任者としての義務 | — |
| 違反したときの帰結 | 債務不履行に基づく損害賠償(民法 415 条)、647 条の消費責任 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。