要点区分所有法 29 条は、管理者が職務の範囲内で第三者とした行為につき、区分所有者の責任割合を 14 条の床面積割合と同一と定める。連帯ではなく、債権は特定承継人にも行使できる。
Q · マンションの管理組合が工事代金を払えなくなったら、各戸の所有者はいくら払うの?
連帯ではなく、自室の床面積割合分だけ
区分所有法 29 条 1 項により、管理者が職務の範囲内で第三者と行った行為について区分所有者が負う責任の割合は、14 条の共用部分持分割合(専有部分の床面積割合)と同一です。連帯債務ではないため、債権者が特定の一人に全額を請求することはできません。規約で管理費用の負担割合が別に定められていれば、その割合が優先します。さらに 2 項により、その債権は住戸を取得した特定承継人に対しても行使できるため、中古で購入した区分所有者も自室の割合分の請求を受ける可能性があります。
管理組合には法人格がないことが多い。その法人格のない管理組合の理事長(管理者)が工事業者と結んだ 1,200 万円の契約は、法律上、誰の債務なのか。答えは区分所有者全員である。ただし全員が連帯して 1,200 万円を背負うのではない。建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)29 条 1 項は、責任の割合を 14 条の共用部分持分割合、つまり専有部分の床面積の割合と同じにすると定めた。80 戸のうちあなたの部屋が 1.2% なら、あなたの負担は約 14 万円で止まる。業者が資力のありそうな一人に全額を請求してきても、あなたは「私が負うのは割合分だけだ」と言える。規約で経費の負担割合を別に定めていれば、そちらが優先する。そして 2 項が本当の爆弾だ。その債権は、部屋を買った特定承継人に対しても行使できる。中古で買ったあなたは、自分がサインしたこともない工事の代金を、自分の床面積割合で請求されうる。
区分所有法 29 条は、法人格を有しない管理組合の管理者が職務の範囲内で第三者と行った行為について、区分所有者が負担する責任の割合を定める規定である。責任割合は 14 条の共用部分持分割合と同一とされ、規約に経費負担割合の定めがあるときはその割合による。当該債権は区分所有権の特定承継人に対しても行使できる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
管理者が職務の範囲内で第三者と行った行為について、区分所有者が負う責任の割合を 14 条の床面積割合と同一と定め、その債権を特定承継人にも行使できるとする規定です。
売買・競売・贈与などで区分所有権を個別に取得した者を指します。買主や競落人が典型例で、部屋を借りているだけの賃借人は含まれません。
連帯ではありません。29 条 1 項は責任割合を 14 条の持分割合と同一と定めるため、債権者が一人の区分所有者に全額を請求することはできません。
原則は専有部分の床面積割合です。自室の床面積 ÷ 全専有部分の床面積合計に債務総額を乗じます。規約に別段の負担割合があればその割合によります。
29 条 2 項により特定承継人にも債権行使が可能なため、自室の割合分の請求を受けることがあります。善意で購入していても結論は変わりません。
2 項は特定承継人に「も」行使できると定めるだけで、旧所有者の免責は規定していません。実務では売主と買主が併存して責任を負うと理解されています。
29 条 1 項は「職務の範囲内」の行為に限られます。規約・集会決議の授権を超える発注は無権代理(民法 113 条)として効果が及ばない余地があります。
管理組合法人には法人格があるため 53 条が適用され、法人財産で完済できない場合に区分所有者が 14 条の割合で補充的責任を負う構造に変わります。
来ます。29 条 1 項により、あなたの専有部分の床面積割合(14 条の割合)の分だけです。実務ではまず管理組合の財産から支払われますが、組合財産が尽きる前に区分所有者個人へ直接請求できるかは実務上、解釈が分かれています(管理組合法人なら 53 条が補充的責任と明記)。業界裏話ヒント:業者は請求先を選べるので、まず面積の大きい住戸の所有者に接触してきます。その場で「私が負うのは割合分だけです」と即答できるかどうかで、その後の交渉の主導権が決まります
払う可能性があります。29 条 2 項は、その債権を特定承継人に対しても行使できると定めており、あなたが善意でも結論は変わりません。業界裏話ヒント:宅地建物取引業法 35 条の重要事項説明では管理組合の借入や滞納も対象ですが、説明の中心は管理費等の滞納で、管理者が第三者と結んだ契約の未払いまで必ず洗い出されるとは限りません。契約前に管理会社の「管理に係る重要事項調査報告書」を自分で取り、借入金残高と係争の欄を読むのが最短です
消えるとは限りません。29 条 2 項は「特定承継人に対しても行うことができる」と書いているだけで、旧所有者を免責するとは書いていないからです。実務では売主と買主が併存して責任を負うと理解されています。業界裏話ヒント:売買契約書で「引渡し日以降の負担は買主」と決めても、それは当事者間の内部の取り決めにすぎず、第三者である債権者には主張できません。本当に切りたいなら決済時に精算し、債権者側の了解を書面で取ります
29 条 1 項の要件は「職務の範囲内」の行為です。26 条が定める管理者の権限や、規約・集会決議の授権を超えた発注であれば無権代理(民法 113 条)として区分所有者に効果が及ばない余地があり、表見代理が成立するかは事案ごとの判断になります。業界裏話ヒント:この点は業者側にとって最大のリスクです。契約時に総会議事録の写しを求めてくる業者は分かっている業者で、求めてこない相手と契約すると、後で責任の所在そのものが争点になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の性質 | 区分所有法 29 条:管理者の対外行為につき 14 条割合の分割責任 | — |
| 適用される団体 | 法人格のない管理組合(権利能力なき社団を含む) | — |
| 割合の基準 | 14 条の持分割合、規約に経費負担割合があればその割合 | — |
| 特定承継人への効力 | 2 項により行使可能 | — |
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