要点区分所有法 27 条は、管理者が規約に特別の定めがあるときに限り共用部分を所有できると定める。20 条の準用により管理義務を負い、処分や収益の私物化はできない。
Q · マンションの理事長が共用部分を自分名義で持てるって本当ですか?
規約に定めがあれば可能。ただし処分権はない
区分所有法 27 条 1 項により、管理者は規約に特別の定めがあるときに限り共用部分を所有できます。これを管理所有と呼びます。ただし同条 2 項が 20 条を準用するため、管理者は共用部分を区分所有者全員のために管理する義務を負い、売却や担保設定といった処分はできず、収益を自分のものにすることもできません。規約の設定・変更には区分所有者および議決権の各 4 分の 3 以上の賛成が必要です(31 条 1 項)。
マンションの管理者(多くの場合は管理組合の理事長)が、廊下やエレベーター、屋上といった共用部分を「自分の名義で所有する」ことができる。この一文を初めて読んだとき、多くの区分所有者は耳を疑う。だが区分所有法 27 条はそれを正面から認めている。ただし条件がある。規約に特別の定めがあるときに限られる。つまり総会で規約を作るか変更するかしない限り、管理者が勝手に共用部分の名義人になることはできない。そして名義人になっても、それは実質的な財産権ではない。2 項が準用する 6 条 2 項と 20 条によって、管理者は共用部分を区分所有者全員のために管理する義務を負い、利益を自分のものにすることも、勝手に処分することもできない。名義だけが管理者にあり、実質は全員のもの。この「管理所有」という仕組みは、登記手続や修繕工事の契約を機動的に進めるための便宜装置であって、管理者に権力を与える制度ではない。あなたが規約変更の議案書でこの条項を見つけたら、確認すべきは名義移転の是非ではなく、20 条の縛りが規約上どう具体化されているかである。
区分所有法 27 条は管理所有を定める規定であり、管理者は規約に特別の定めがある場合に限り共用部分を所有することができる。同条 2 項は 6 条 2 項および 20 条を準用し、管理所有者に共用部分の管理義務と費用請求の枠組みを課す。名義は管理者に帰属するが、実質的な利益と処分権は区分所有者全員に留保される構造である。
管理者が規約の定めにより共用部分を自己名義で所有する制度です。区分所有法 27 条が根拠で、登記や工事契約を機動的に行うための便宜的な仕組みです。
規約に特別の定めを設ける必要があります。規約の設定・変更は区分所有者および議決権の各 4 分の 3 以上の賛成が必要で、普通決議では導入できません(31 条 1 項)。
できません。27 条 2 項が準用する 20 条により、管理所有者は管理を行う義務を負うのみで、処分権限は認められていません。売却や担保設定は無効となる余地があります。
なりません。共用部分から生じる収益は区分所有者に帰属します。20 条の準用により、管理所有者が収益を自分のものにすることは認められません。
できます。条文は管理者が個人か法人かを区別していません。第三者管理方式でも規約の定めがあれば管理所有が成立し、20 条の管理義務も同様に及びます。
規約設定時の総会決議が 4 分の 3 要件を満たしていない場合、規約自体が無効となる余地があります。総会議事録で決議要件の充足を確認するのが第一歩です。
区分所有者が負担します。20 条の準用により、管理所有者は共用部分の管理に要した費用を区分所有者に請求できます。「勝手にやった工事」という反論は通りにくいです。
できます。管理者の解任は集会の決議によるほか、不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは各区分所有者が解任を裁判所に請求できます(25 条)。
規約に定めがあれば適法です(27 条 1 項)。ただし 2 項が準用する 20 条により、管理者は共用部分を管理する義務を負うだけで、売却や担保設定といった処分の自由はありません。業界裏話ヒント:管理所有が本当に危険になるのは、規約に「管理者は共用部分を所有する」とだけ書き、収益の帰属と管理費用の精算方法を書かなかった場合です。規約原本のその二点を確認するだけで、危険な規約かどうか判別できます
共用部分の登記や工事契約を管理者名義で機動的に行うための便宜制度です。区分所有者が数百人いるマンションで、契約のたびに全員の名義を並べるのは非現実的なため、名義を一人に集約します(27 条 1 項)。業界裏話ヒント:実務上、管理所有を採用しているマンションは多数派ではありません。標準管理規約にも管理所有の条項は置かれていないため、あえてこれを規約に入れる提案が出たときは、その必要性を提案側に説明させるべきです
同じです。管理者が個人か法人かを条文は区別していません(27 条 1 項)。管理会社が管理者を務める第三者管理方式でも、規約に定めがあれば管理所有ができ、20 条の管理義務も同様に及びます。業界裏話ヒント:第三者管理方式では、管理会社が管理者と施工業者選定の両方を握るため利益相反が起きやすい。管理所有まで加わると監視の目がさらに届きにくくなります。監事の権限強化と、外部専門家による会計監査の導入を規約で同時に手当てするのが実務的な防御策です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 27 条:管理者が共用部分を所有できる要件(規約の特別の定め) | — |
| 発動条件 | 規約に特別の定めが必要(31 条 1 項の 4 分の 3 決議) | — |
| 管理者が得るもの | 共用部分の所有名義(形式的所有権) | — |
| 処分権の有無 | 名義があっても処分は認められない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。