要点法人税法4条の3は、法人課税信託の受託者を受託法人として会社とみなし法人税を課す規定。効力発生日が設立日、受益権は株式、収益分配は配当とみなされ、信託自体が納税主体になる。
Q · 信託って税金が素通りするんじゃないの?会社扱いされる信託があるって本当?
一部の信託は会社扱いされ法人税がかかります
法人税法4条の3により、法人課税信託の受託者は受託法人として会社とみなされ法人税が課されます。信託された営業所が国内なら内国法人、国外なら外国法人となり、信託の効力発生日が設立日、受益権は株式、受益者は株主等、収益の分配は配当とみなされます。委託者の資産信託は受託法人への出資とみなされ、信託段階の法人税と分配段階の配当課税という二階建てが起こりえます。
信託と聞けば、多くの人は「税金は素通り、利益を受け取る受益者だけが課税される」導管のイメージを持つ。だが、その常識が通じない信託がある。法人課税信託だ。第4条の3は、この特殊な信託を丸ごと一つの会社に見立てるための変換装置である。信託された営業所が国内にあれば受託者は内国法人、なければ外国法人。会社でなくても会社とみなされ、信託の併合は合併、分割は分割型分割、受益権は株式、受益者は株主に化ける。信託が効力を生じた日が会社の設立日、終了すれば解散だ。ここで見落とすと痛いのは、委託者が資産を信託した時点で受託法人への「出資」とみなされ、収益の分配は「配当」として扱われる点。つまり信託段階で法人税、分配段階で配当課税という二階建てが起こりうる。事業承継で自己信託を検討しているあなたが、この条文を知らずに設計すれば、想定外の二重課税が牙を剥く。
法人税法4条の3は、法人課税信託の受託者を受託法人と定義し、会社でなくても会社とみなして法人税法を適用する変換規定である。信託の効力発生日を設立日、信託の終了を解散、受益権を株式、受益者を株主等、収益の分配を配当とみなし、信託を一個の法人として課税する枠組みを構築する。
信託自体を納税主体とみなして法人税を課す信託です。受益者を定めない目的信託、受益証券発行信託、法人が委託者となる自己信託系などが該当し、法人税法2条29号の2で定義されます。
法人課税信託の受託者を、会社でなくても会社とみなした課税上の仮想法人です。法人税法4条の3により、信託資産等が帰属する者として法人税法が適用されます。
かかる場合があります。受益者を定めない目的信託は誰にも受益者課税できないため法人課税信託とされ、受託法人として法人税の対象になります(法人税法2条29号の2ロ)。
委託者や受益者の範囲、存続期間によっては該当します。該当すると信託した時点で受託法人への出資とみなされ課税が生じます(法人税法4条の3第9号)。
信託の効力が生じた日です。既存信託が法人課税信託に該当することとなった場合は、その該当日が受託法人の設立日とみなされます(法人税法4条の3第7号)。
一定の要件を満たすと法人課税信託となり、信託自体が内国法人として法人税を負担します。投資家への収益分配は配当扱いになります。
受託法人は設立みなし日の属する事業年度終了日の翌日から原則2か月以内に法人税申告が必要です(延長特例あり。最新の改正状況をご確認ください)。
法人課税信託では、収益の分配は資本剰余金の減少を伴わない剰余金の配当、元本の払戻しは資本剰余金の減少に伴う配当とみなされます(法人税法4条の3第10号)。
多くの家族信託は受益者等課税信託として導管扱いですが、受益者を定めない目的信託にすると法人課税信託(法人税法2条29号の2ロ、4条の3)に転び、受託法人に法人税がかかります。業界裏話ヒント:受益者連続型でも当初受益者が課税されるうちは導管ですが、受益者が空白になった瞬間に法人課税へ切り替わる。信託契約の受益者設計、その一行で課される税目そのものが変わることを、税理士は先に読んでいる
議決権と受益権の分離自体は可能ですが、その自己信託が法人課税信託(法人税法2条29号の2ハ)に該当すると、信託した時点で受託法人への出資とみなされ課税が生じます(4条の3第9号)。業界裏話ヒント:委託者が法人か個人か、受益者の範囲や存続期間で該当性が分かれる。該当性判定を飛ばして「株を手放さず有利」とだけ考えると、信託段階と分配段階の二重課税が後から牙を剥く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税主体 | 4条の3:受託法人(信託自体を会社とみなす) | — |
| 適用される信託 | 法人課税信託(目的信託・受益証券発行信託・自己信託系) | — |
| みなしの効果 | 効力発生日=設立、受益権=株式、分配=配当 | — |
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