要点法人税法 61 条の 5 は、期末に未決済のデリバティブ取引を決済したものとみなし、含み損益(みなし決済損益額)を当期の益金又は損金に算入する規定。為替予約取引等は対象外となる。
Q · デリバティブを決済していなければ、期末に含み益が出ていても法人税は関係ないですよね?
現金が動いていなくても、期末の含み益に法人税が課されます
法人税法 61 条の 5 により、期末に未決済のデリバティブ取引は決済したものとみなされ、含み益なら益金、含み損なら損金として当期の所得に算入されます。現金が一円も動いていなくても、含み益には法人税が課されます。ただし先物外国為替契約による為替予約取引等は 61 条の 8 の円換算処理により対象外です。真にヘッジ目的の取引なら、取引時に帳簿へヘッジ指定を記載しておけば、61 条の 6 の繰延ヘッジ処理でみなし決済損益の計上を繰り延べられます。翌事業年度には洗替処理で二重計上を防ぎます。
会社が金利スワップや通貨オプションを組み、期末の時点でまだ決済していないとする。あなたの感覚では「手仕舞いしていないのだから損益は確定していない」はずだ。ところが法人税法 61条の5は、その未決済ポジションを期末に一度決済したものとみなし、含み益なら益金、含み損なら損金として、当期の所得に強制的に取り込む。現金は一円も動いていないのに、紙の上の評価損益に法人税が課される。ただし先物外国為替契約による為替予約取引等は、61条の8で別に円換算されるため対象外だ。さらに翌事業年度には前期に計上したみなし決済損益を洗い替え、実際の決済損益との二重計上を防ぐ。デリバティブを「金融機関だけのもの」と思っている経営者ほど、この規定で足をすくわれる。
法人税法 61 条の 5 は、デリバティブ取引の期末時価評価を定める規定である。内国法人が保有する未決済のデリバティブ取引について、事業年度終了時に決済したものとみなし、算出したみなし決済損益額を当期の益金又は損金に算入する。先物外国為替契約による為替予約取引等は除外され、計上した損益は翌事業年度に洗替処理される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
期末に未決済のデリバティブを一度決済したものとみなし、含み損益を所得に反映させる法人税法上の処理です。61 条の 5 が根拠で、現金の授受がなくても課税されます。
期末時価から帳簿価額を差し引いた含み損益が基本です。財務省令の定めに従い算出し、益なら益金、損なら損金に算入します。翌期に洗替処理で調整されます。
61 条の 6 の繰延ヘッジ処理は、取引を行った日の帳簿にヘッジ対象とヘッジ手段を明示的に記載することが要件です。期末に遡って指定することはできません。
先物外国為替契約で外貨建取引の円換算額を確定させる場合に 61 条の 8 の振当処理を用います。この為替予約取引等は 61 条の 5 の時価評価から除外されます。
暗号資産の証拠金取引やデリバティブが期末に未決済で残っていれば、みなし決済損益額として含み益が益金算入され、法人税の対象になりえます。
法人税の更正の期間制限は法定申告期限から原則 5 年、偽りその他不正の行為があれば 7 年です(国税通則法 70 条)。計上漏れは修正申告で対応します。
61 条の 6 は繰延ヘッジ処理でみなし決済損益の計上を繰り延べます。61 条の 7 は時価ヘッジ処理でヘッジ対象資産側の評価損益を計上する方法です。
適格分割等でデリバティブ契約を移転する場合、分割日の前日を期末とみなして計算したみなし決済損益額が、その事業年度の益金又は損金に算入されます(2 項)。
61条の5は未決済ポジションを期末に決済したものとみなすため、現金の裏付けがなくても含み益に課税されます。ただしヘッジ目的の取引なら、61条の6の繰延ヘッジ処理を選べば時価評価益の計上を繰り延べられます。業界裏話ヒント:この繰延処理は、取引を行った日の帳簿にヘッジ指定を記載しておくことが条件で、期末に含み益を見てから遡って指定することはできない。ヘッジ取引を始めるその日に手続きを踏んでいるかどうかで、納税タイミングが一年以上変わる
先物外国為替契約による為替予約取引等(為替予約取引等)は、61条の8の振当処理で外貨建取引の円換算額を確定させる仕組みが別に用意されているため、61条の5の時価評価からは除外されます。業界裏話ヒント:同じ「為替のヘッジ」でも、先物予約(振当処理)は時価評価の対象外、通貨オプションや通貨スワップは対象になりうる。どの手段でヘッジするかを決める段階で税務上の扱いが分かれるので、財務担当は取引の設計時点でこの線引きを意識している
そうとは限りません。借入の金利スワップ、輸入の通貨オプション、暗号資産の証拠金取引は、いずれも61条の5のデリバティブ取引に該当しうるものです。期末に未決済で残っていれば、みなし決済損益額として所得計算に反映されます。業界裏話ヒント:中小企業ほど「ヘッジのつもり」で結んだ一本の取引が申告で漏れやすい。税務調査でこの計上漏れを突かれると、含み益分がまとめて更正され追徴になる。決算前に未決済ポジションを一覧化しておくだけで、この地雷はほぼ防げる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 評価対象 | 61 条の 5:未決済のデリバティブ取引の含み損益 | — |
| 課税タイミング | 期末に決済したものとみなし当期に益金・損金算入 | — |
| 翌期処理 | 翌事業年度に洗替処理で二重計上を防止 | — |
| 計上繰延べの余地 | ヘッジ取引は 61 条の 6 の繰延ヘッジ処理で繰延べ可 | — |
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