大気汚染防止法 第1条(目的)
クイックジャンプ
この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、水銀に関する水俣条約(以下「条約」という。)の的確かつ円滑な実施を確保するため工場及び事業場における事業活動に伴う水銀等の排出を規制し、有害大気汚染物質対策の実施を推進し、並びに自動車排出ガスに係る許容限度を定めること等により、大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに大気の汚染に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、大気汚染防止法第1条に定められた規定で、「この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、水銀に関する水俣条約(以下「条約」とい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 大気汚染防止法第1条(目的)は、日本の大気汚染防止法に含まれる条文です。
- 大気汚染防止法第1条の条文原文は「この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、水銀に関する水俣条約(以下「条約」とい…」で始まります。
- 大気汚染防止法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 大気汚染防止法の公布日は昭和43年6月10日です。
- 大気汚染防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 大気汚染防止法第1条の次の条は大気汚染防止法第2条です。
- 大気汚染防止法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000097 - 本サイト収録
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/343AC0000000097/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点大気汚染防止法第1条は、ばい煙・VOC・粉じん・水銀等の排出規制や自動車排出ガスの許容限度設定を通じ、国民の健康保護と生活環境の保全、健康被害者の保護を目的と定める。
Q · 一戸建てのリフォームでも大気汚染防止法の対象になるの?
なり得る。解体・改修工事は規制対象に含まれる
大気汚染防止法第1条は、工場や事業場だけでなく「建築物等の解体等」に伴う粉じんの排出も規制対象として明記しています。石綿(アスベスト)を含む建材を扱う可能性がある解体・改修工事では、規模にかかわらず事前調査が必要となり、一定規模以上の工事では調査結果の行政への報告も求められます。目的規定そのものは義務を課しませんが、後に続く石綿規制の各条文の解釈の方向を示しています。
解説
煙突のある工場だけを取り締まる法律。大気汚染防止法をそう思っている人は多いが、第1条が並べる規制対象はもっと広い。工場のばい煙、揮発性有機化合物(塗料やインクから出る蒸気)、粉じん、建築物の解体や改修で出る粉じん(その中心は石綿、つまりアスベスト)、水俣条約に基づく水銀、有害大気汚染物質、自動車の排出ガス。そのうえ最後に、大気汚染で人の健康に被害が出たときの事業者の損害賠償責任まで目的に書き込んでいる。目的規定そのものは誰かに義務を課す条文ではない。それでも、後に続く条文を読むときの解釈の方向を決める。1970年の公害国会で「経済の健全な発展との調和」という一文が削られてから、健康の保護は経済と天秤にかける対象ではなくなった。第25条が過失の有無を問わない損害賠償責任を定めているのも、この流れの上にある。自宅のリフォームを頼むとき、近所で解体工事が始まったとき、あなたは事業者に何を確認させるべきか。その手がかりは、この1条の中にすべて書いてある。
法的な位置づけ
大気汚染防止法第1条は同法の目的規定であり、工場・事業場の事業活動及び建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物、粉じん、水銀等の排出規制、有害大気汚染物質対策の推進、自動車排出ガスの許容限度の設定を手段として、国民の健康の保護と生活環境の保全、ならびに健康被害者の保護を図ることを定める。
よくある質問 AI による整理
Q1大気汚染防止法とはどんな法律?
工場・事業場や解体工事、自動車から出る大気汚染物質を規制し、国民の健康と生活環境を守る法律です。1968年に制定され、所管は環境省です。
Q2大気汚染防止法の目的は何条に書いてある?
第1条です。排出規制などの手段と、健康の保護・生活環境の保全・被害者の保護という目的が一文にまとめて規定されています。
Q3大気汚染防止法の規制対象物質の一覧は?
ばい煙、揮発性有機化合物(VOC)、粉じん(石綿を含む特定粉じん)、水銀等、有害大気汚染物質、自動車排出ガスが第1条に列挙されています。
Q4アスベスト事前調査の報告はいつから義務?
一定規模以上の解体・改修工事について、事前調査結果の行政への報告は2022年4月から義務化されました(最新の改正状況をご確認ください)。
Q5大気汚染防止法と環境基本法の違いは?
環境基本法は環境政策全体の理念と環境基準の枠組みを定める基本法で、大気汚染防止法はその下で大気分野の具体的な排出規制を担う個別法です。
Q6大気汚染防止法の所管はどこ?
国の所管は環境省です。ただし届出の受理や立入検査など現場の事務の多くは、都道府県や政令市などの自治体が担っています。
Q7大気汚染防止法の第1条に違反するとどうなる?
第1条は目的規定なので、それ自体に違反や罰則はありません。罰則は届出義務や命令違反など、後に続く個別の義務規定に対応して置かれています。
Q8VOC規制の対象になる事業者は?
塗装、印刷、接着、化学製品製造など、揮発性有機化合物を排出する一定規模以上の施設を設置する事業者が中心です。対象施設は政令で定められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家のちょっとしたリフォームでも、アスベストの調査って本当に要るんですか?
建材に石綿が含まれているかどうかの事前調査は、規模にかかわらず解体・改修工事で必要になる(第18条の15)。調査結果を行政に報告する義務があるのは、解体部分の床面積80㎡以上、改修の請負金額100万円以上などの一定規模の工事である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:2023年10月から、建築物の調査は有資格者が行うことが必要になった。業者に調査者の資格証の写しを求めれば、手抜き業者はその場でふるい落とせる
Q2工場の煙のせいでぜんそくになった場合、工場のミスを証明しないと賠償してもらえないんですか?
第25条は、健康被害を生じさせる物質の排出で人の生命または身体を害した場合、事業者に過失がなくても賠償責任を負わせている。この無過失責任は、1972年の改正で第1条の目的に賠償責任が加えられたときに入った。ただし、排出と健康被害との因果関係は被害者の側で示す必要がある。実務のポイント:無過失責任といっても、実際の争点はほぼ因果関係に集中する。症状が出た時期と、周辺の大気常時監視データを早い段階で記録しておくと効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「大気汚染防止法は大企業の工場の話」という思い込みは、前提から外れている。第1条は「建築物等の解体等」を明記しており、一戸建てのリフォームで石綿を含む建材を扱う工事も規制の対象になる。問うべきは「自分が対象かどうか」ではなく、「自分の工事のどの部分が対象か」である
- 損害賠償の規定があることは知っていても、その範囲の狭さまで知る人は少ない。第25条の無過失責任が及ぶのは、人の生命または身体への被害に限られる。排気で車の塗装が傷んだといった財産被害は民法709条に戻り、事業者の過失をあなたが立証しなければならない。同じ煙による被害でも、健康被害か財産被害かで、立証の負担はまったく違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 第1条:法全体の目的と規制手段を列挙する目的規定 | 第2条:ばい煙・粉じん等の規制対象を定義する定義規定 第25条:健康被害に対する事業者の無過失損害賠償責任 |
| 直接の法的効果 | 義務は課さず、後続条文の解釈の方向を示す | どの物質・施設が規制されるかの範囲を画定する 過失がなくても事業者に賠償責任を負わせる |
| 一般の人との接点 | 自分の工事・事業のどの部分が対象かを見当づける入口 | 具体的な用語(ばい煙発生施設など)の意味を確認する 健康被害を受けたときの請求根拠になる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は空気汚染の防制、生活環境と国民健康の維持、生活の質の向上を目的に掲げる。損害賠償責任を目的規定に書き込む日本の構造とは異なる
韓国は大気汚染による国民の健康・環境上の危害の予防と、大気環境の適正かつ持続可能な管理・保全を目的とする
中国は環境保護、大気汚染防止、公衆の健康保障に加え、生態文明建設と経済社会の持続可能な発展の促進を目的に並べる
ドイツは大気汚染に限らず騒音・振動等を含むイミッシオン全般から人・動植物・環境を保護する包括法として構成されている
米国は連邦議会の認定と目的宣言の形式をとり、州・地方政府の一次的責任と連邦の支援を明記する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築40年の実家の壁を抜いて間取りを変える。見積書に「石綿事前調査」の行がなかったら、どうなる? 一定規模以上の工事では、元請業者が事前調査の結果を行政に報告しなければならない。その行がない見積もりは、工事を任せてよいか判断するための材料になる
- あなたは町工場の二代目で、先代から引き継いだボイラーを交換しようとしている。ばい煙発生施設の設置や変更は、原則として工事を始める60日前までに届け出る必要がある(第6条、第8条、第10条)。発注してから気付いても、着工は遅らせるしかない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(目的規定の性格):第1条は直接の権利義務を定めないが、排出規制・石綿規制・無過失責任など後続規定を目的適合的に解釈する際の指針となる。規制対象の列挙は、各章の適用範囲を見渡す索引としても機能する
調和条項削除の意義:1970年に経済の健全な発展との調和を図るとする趣旨の文言が削除されたことで、健康の保護は経済的利益との比較衡量に服さない価値として位置付けられたと一般に理解されている
改正沿革 AI による整理
- 昭和45年(1970年)公害国会 目的規定から生活環境の保全について経済の健全な発展との調和を図るとする趣旨の文言を削除した
- 昭和47年(1972年) 健康被害に係る事業者の無過失損害賠償責任の導入に伴い、被害者の保護を目的に加えた
- 平成27年(2015年) 水銀に関する水俣条約の実施に向けて、水銀等の排出規制を目的に加えた(2018年4月施行)
改正の年表
- 1.昭和43年(1968年) 新設:大気汚染防止法の制定(昭和43年法律第97号)。ばい煙規制法に代わり、ばい煙等の排出規制と自動車排出ガス対策を目的に掲げた
- 2.昭和45年(1970年) 改正:公害国会において、生活環境の保全について経済の健全な発展との調和を図るとする趣旨の文言を目的規定から削除
- 3.昭和47年(1972年) 改正:健康被害に係る事業者の無過失損害賠償責任の導入に伴い、被害者の保護を目的に追加
- 4.平成27年(2015年) 改正:水銀に関する水俣条約の的確かつ円滑な実施のため、水銀等の排出規制を目的に追加(2018年4月施行)
- 大気汚染防止法 第2条ばい煙・粉じん等の規制対象の定義
- 大気汚染防止法 第19条自動車排出ガスの許容限度の設定
- 大気汚染防止法 第25条健康被害に対する事業者の無過失責任
- 大気汚染防止法 第25条の2複数の事業者がいる場合の賠償額の斟酌
- 民法 第709条過失責任の原則を健康被害について修正
- 環境基本法 第16条大気の環境基準の設定根拠
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める